栗本作品の中でも、このヨナ先生というのはちょっと独特な造形がされていますよね。
情報通という意味では『翼あるもの』や『朝日のあたる家』に登場する野々村さんと近いかもしれないけれど、あそこまで腹黒くはない(笑)。伊集院先生ほど能動的でもない。まあ伊集院先生を能動的というと語弊がありますが、ヨナはなんでもじっと観察して宮澤賢治ばりに「ヨク見聞キシワカリ」初めて行動する思索の人です。
自分はけっこうヨナが好きで、この冷静さとか知的さがほのぼのした温和な性格とブレンドされて飄々とした感じがすごくいいなあと思います。
グインの世界の中でもしかして一番明るい性格なのがヨナじゃないかと思ったりもしてます。明朗ですよね。いつでも感情が一定していて揺るがない。
何しろあのナリスやリンダの側にいて、それで平気でどっかのミロク教徒の田舎娘を好きでいるんですから大したものです(笑)。
ところでそんなヨナの「性格」は? と訊かれると、「……落ち着いていて、けっこう面白くて、えーとえーと古代機械が大好きで?」と、彼の行動を側面から見ていて感じるものしか言葉にできません。
今回はそんなヨナ先生が冒険に旅立つ端緒の描写が多いです。
これほど波乱万丈でさまざまな苦楽を経験した人の内面を語らせるわけですから、それはもう一冊が十冊になったところで当たり前。これはもうお約束です。
こうして肉付けをしっかりし、個性的で変わった骨組みの上に、その人らしさを構築していくわけですから作者が楽しんで「ヨナってこうだよね」と書かれているのが面白かったです。
自分の脳内パラレルではヨナは何もかも終わったらケイロニアで暮らしていそうです。それであの魔法の小道とかで魔法使いにインタビューしたり、ミロク教徒に宗旨替えしてすっかり温和になった(でもやっぱり喧嘩っ早くて茶目っ気たっぷりな)イシュトとお茶飲み友達になっていて、ときどきグインに会って彼の記憶している別世界の話を聞いて思索にふけるんですよ。そんな夢想を駆り立ててやまないヨナの旅立ち。
今後に期待大! なのです!
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ミロクの巡礼 グイン・サーガ124 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-124 グイン・サーガ 124) 文庫 – 2008/12/1
栗本 薫
(著)
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- 本の長さ303ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/12/1
- ISBN-104150309434
- ISBN-13978-4150309435
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/12/1)
- 発売日 : 2008/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 303ページ
- ISBN-10 : 4150309434
- ISBN-13 : 978-4150309435
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,097,827位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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別名に中島梓。東京生まれ。
早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。1979年よりスタートした、ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成したが、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。著書は『弦の聖域』、『魔界水滸伝』、『真夜中の天使』など、400冊を超える。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月15日に日本でレビュー済み
これまで等閑に付されてきたブランのゴーラ帰還とカメロンへの報告を皮切りとして、以降はパロのヨナを中心に、彼のミロク教の聖地ヤガへの道行きが描かれる。これまでほとんど描写されてこなかったダネイン湿原の様子、そしてその南方の風景などが記される意味では「紀行文」的な趣もある一巻。しかしやがて雲行きは怪しくなり、盗賊たちが跳梁跋扈する地域において案の定、ヨナをその一員とする旅団は襲撃を受けてしまう。そこに颯爽と現れたのは……という、後半はどちらかと言えば「お約束」の展開であり、助けに現れる人物にもそれほど驚きはない。
2008年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前巻でのイシュトの野望がどう進展するのか期待していたのですが、イシュトもグインも登場しません。フロリーとスーティを追ってゴーラからはブラン、パロからはヨナが旅立ちます。
ヨナの述懐が必要以上に多く、モース博士とのやりとりなどもあり、物語の進行は遅いです。
ラストのミロクの巡礼一団に降りかかる悲劇も「どうなんだろう」という感じがしました。
ヨナ編ははやく切り上げてイシュトやグインで話を進めてもらいたいです。
ヨナの述懐が必要以上に多く、モース博士とのやりとりなどもあり、物語の進行は遅いです。
ラストのミロクの巡礼一団に降りかかる悲劇も「どうなんだろう」という感じがしました。
ヨナ編ははやく切り上げてイシュトやグインで話を進めてもらいたいです。
2010年5月28日に日本でレビュー済み
作品中で泥舟というのがありますが、湿地帯というよりも巨大な底なし沼と言った方がいいようなところに書かれていますが、そういふうな所ではそもそも船を漕いでも進まないんじゃないでしょうか?作品の最後で騎馬の民に襲われたときに、ヨナが(私だけが生き残ってしまった、、、私だけが・・・・)と、思う所がいくらなんでもヨナだけが助かるのは不自然ではないかと思いました。
2008年12月10日に日本でレビュー済み
まだ「風雲の序章」といった内容で、
物語が風雲急を告げる感じはまったくありませんが、
久々にグインサーガらしいおもしろい巻でした。
それぞれの登場人物の「愚痴」も大分少なくなり、
物語の深みを増す「想念」程度になっていて、
読んでいてもおもしろいのと、
久々にいろいろな方々が登場するので、
とても楽しく読めました。
また久々に「旅」的内容があり、
タイス編のような過度な記述もなく、
楽しめる内容でした。
中身はタイトルの名の通りで、
ミロクの聖地ヤガが、
いよいよ大きな焦点となってきそうな雰囲気。
著者の病気はなんとか最悪期を脱したようで、
ほっとしているのですが、
書くペースは半減し、パソコンに長時間、
座っていられなくなったとのこと。
まだまだ無駄な記述が多いので、
ぜひいっぱい枚数を書くことよりも、
健康に気をつけながら、
端的に物語を進ませることに、
注力していただきたいなと思います。
来年以降のグインサーガに期待したいところです。
物語が風雲急を告げる感じはまったくありませんが、
久々にグインサーガらしいおもしろい巻でした。
それぞれの登場人物の「愚痴」も大分少なくなり、
物語の深みを増す「想念」程度になっていて、
読んでいてもおもしろいのと、
久々にいろいろな方々が登場するので、
とても楽しく読めました。
また久々に「旅」的内容があり、
タイス編のような過度な記述もなく、
楽しめる内容でした。
中身はタイトルの名の通りで、
ミロクの聖地ヤガが、
いよいよ大きな焦点となってきそうな雰囲気。
著者の病気はなんとか最悪期を脱したようで、
ほっとしているのですが、
書くペースは半減し、パソコンに長時間、
座っていられなくなったとのこと。
まだまだ無駄な記述が多いので、
ぜひいっぱい枚数を書くことよりも、
健康に気をつけながら、
端的に物語を進ませることに、
注力していただきたいなと思います。
来年以降のグインサーガに期待したいところです。
2009年1月2日に日本でレビュー済み
ミロク調査ためにヤガへむかうヨナの道中をつづっています。
ナリスの墓参りとか、ちょっとなつかしくなりました。
どっちかというとエピローグみたいな静けさ。
ブランもカメロンのもとへ到着して、ヤガへむかうことになる。
この巻の最後では、スカールもでてきます。
ヨナとスカールとブランは、イシュトヴァーンに
ゆかりのあるものどうし、きっとヤガでごたごたを
繰り広げてくれるんだろうな!
この巻は、グインもイシュトもでてこないです。
ヤガでこのふたりがからむことはなさそうな。。。。
とすれば、はなしはどこへむかっていくのか?
うーん。
ナリスの墓参りとか、ちょっとなつかしくなりました。
どっちかというとエピローグみたいな静けさ。
ブランもカメロンのもとへ到着して、ヤガへむかうことになる。
この巻の最後では、スカールもでてきます。
ヨナとスカールとブランは、イシュトヴァーンに
ゆかりのあるものどうし、きっとヤガでごたごたを
繰り広げてくれるんだろうな!
この巻は、グインもイシュトもでてこないです。
ヤガでこのふたりがからむことはなさそうな。。。。
とすれば、はなしはどこへむかっていくのか?
うーん。
2008年12月12日に日本でレビュー済み
123巻でイシュトヴァーンの施政方針が発表されましたが、イシュトの戦略に関してはこの巻で展開はありません。
本巻の主人公はヨナ・ハンゼ。
今後のグインではミロクが重要なキーワードになるとしても、本巻の1/2はヨナ目線のカラヴィア-ダネイン紀行です。
幸いなことに(笑)タイスのようなお祭り期間中ではなかったので、延々と風俗のご紹介が続くということはありませんでしたが、1章目と最終章をつなげて読めば、ほぼこの巻は完了。
クリスタルから草原地方を抜けてミロクの聖地ヤガへというルートを取れば、当然出てくると思っていた人が、あたりまえのように登場してくださいます。
重要な役回りの割に最近ご無沙汰でしたから、そろそろとは思っていましたが、登場の仕方はそこまでご都合主義的でなくてもいいんじゃない?って感じでした。
筆者には衝撃の手術から1年、良くぞご無事でなおかつ執筆も継続されていらっしゃることには心から敬意を表します。これからもくれぐれもお気をつけいただきたいと思います。
ただ、グインのクオリティは落ちてませんか?
異世界のお話ですから世界観は重要なのですが、それはあくまで下敷きであって、既にグインはそれを読ませるという段階ではないような気がしています。
本巻の主人公はヨナ・ハンゼ。
今後のグインではミロクが重要なキーワードになるとしても、本巻の1/2はヨナ目線のカラヴィア-ダネイン紀行です。
幸いなことに(笑)タイスのようなお祭り期間中ではなかったので、延々と風俗のご紹介が続くということはありませんでしたが、1章目と最終章をつなげて読めば、ほぼこの巻は完了。
クリスタルから草原地方を抜けてミロクの聖地ヤガへというルートを取れば、当然出てくると思っていた人が、あたりまえのように登場してくださいます。
重要な役回りの割に最近ご無沙汰でしたから、そろそろとは思っていましたが、登場の仕方はそこまでご都合主義的でなくてもいいんじゃない?って感じでした。
筆者には衝撃の手術から1年、良くぞご無事でなおかつ執筆も継続されていらっしゃることには心から敬意を表します。これからもくれぐれもお気をつけいただきたいと思います。
ただ、グインのクオリティは落ちてませんか?
異世界のお話ですから世界観は重要なのですが、それはあくまで下敷きであって、既にグインはそれを読ませるという段階ではないような気がしています。
2009年5月12日に日本でレビュー済み
『ミロクの巡礼 グイン・サーガ124』です。タイトル通りの内容です。グインサーガを本編だけで123巻も読んできた人には、だいたいどのような内容になるか想像つくと思います。その通りです。
表紙イラストはカメロンですが、この巻の主人公はヨナです。そりゃ、長い長いシリーズですから、今回のように脇役にスポットが当たる巻があってもいいと思います。
ヨナがヤガを目指し、旅をします。マルガでナリスの墓を詣でて、ダネイン湿原から草原へ。
でも草原といえば、あの人では。
ご安心ください。広大な草原の中で、ピンポイントであんな事件が起きてあの人と出会って、という展開がご都合主義なヒキだとか突っ込んではいけません。変身ヒーロー物で、どうして変身中に攻撃しないんだ、と突っ込んではいけないのと同じです。これはグインサーガというシリーズのお約束です。
なんといってもすごいのが、ダネイン湿原地帯から草原に至るまでの地理、観光といったものの説明です。長々とした説明を読ませる文章力はすばらしいと思いますし、ここまで長く続けてきたからこそ許される特権だと思います。
でも。
ストーリーが進まないことに辟易している読者も多いだろうなとは思います。
というわけで、好意的に評価させていただきました。え、全然評価していないじゃないか、と思われるかもしれませんが、それ以上評価するような内容もありませんので。
この巻は、こういう巻、と割り切って楽しむことです。
表紙イラストはカメロンですが、この巻の主人公はヨナです。そりゃ、長い長いシリーズですから、今回のように脇役にスポットが当たる巻があってもいいと思います。
ヨナがヤガを目指し、旅をします。マルガでナリスの墓を詣でて、ダネイン湿原から草原へ。
でも草原といえば、あの人では。
ご安心ください。広大な草原の中で、ピンポイントであんな事件が起きてあの人と出会って、という展開がご都合主義なヒキだとか突っ込んではいけません。変身ヒーロー物で、どうして変身中に攻撃しないんだ、と突っ込んではいけないのと同じです。これはグインサーガというシリーズのお約束です。
なんといってもすごいのが、ダネイン湿原地帯から草原に至るまでの地理、観光といったものの説明です。長々とした説明を読ませる文章力はすばらしいと思いますし、ここまで長く続けてきたからこそ許される特権だと思います。
でも。
ストーリーが進まないことに辟易している読者も多いだろうなとは思います。
というわけで、好意的に評価させていただきました。え、全然評価していないじゃないか、と思われるかもしれませんが、それ以上評価するような内容もありませんので。
この巻は、こういう巻、と割り切って楽しむことです。