天才博士が自身のクローンを作りました。何人も作ったのですが、ある日何を思ったか、自らの才能をあえて持たないクローンを作ってみました。それが本作の主人公、シウです。人権とか倫理とか一体どうなっているんでしょうね。
本作は、身勝手な人類によってぼろぼろになった地球から逃れた人々と、そんな地球に住もうとする人々との対立や葛藤を描いたものです。真面目なSFの部分と、ライトノベル的な読みやすさを両立していると思います。私は陰気さ100%の純文学も、愛らしい少女が3人以上出てくるような激甘小説も苦手なので、非常にいいバランスだと感じました。
詳細はいわゆるネタバレになると思うのでここでは伏せますが、322ページラスト5行から323ページ始め4行のところは、心の最も深いところに直接響くものを感じました。私は老若男女を問わず、いじらしい人物が大好きです。あ、もちろんその箇所をいきなり読んだりしてはいけません。きちんと最初のページから順を追って読みましょう。
著者の小林めぐみさんは、その後5年くらいにわたって小説を出版していないのでしょうか。amazonでざっと調べた感じでは無さそうですね。すごく残念です。これだけのものを書けるなら、まだまだ良いものを世に出していけると思うのですが…。著者の今後に期待します。
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地球保護区 (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2009/11/10
小林 めぐみ
(著)
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/11/10
- ISBN-104150309728
- ISBN-13978-4150309725
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/11/10)
- 発売日 : 2009/11/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 415ページ
- ISBN-10 : 4150309728
- ISBN-13 : 978-4150309725
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,244,096位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,519位ハヤカワ文庫 JA
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2010年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の回帰祭と比べると大分内容が整った感じがします。
一応回帰際と世界は繋がっているようですが、読まなくても十分たのしめます。
ただ、ご都合主義ハッピーエンドに慣れきっていた人(私のことです)
からすると最後の方はスッキリしなかった感じがしました。
それとソフトSFなので海外のハードSFに慣れ親しんだ人には物足りないかもしれません。その代わりと言っては失礼ですが心理描写などは丁寧で分かりやすいものになっていて
読みやすい良い作品だと思います。
一応回帰際と世界は繋がっているようですが、読まなくても十分たのしめます。
ただ、ご都合主義ハッピーエンドに慣れきっていた人(私のことです)
からすると最後の方はスッキリしなかった感じがしました。
それとソフトSFなので海外のハードSFに慣れ親しんだ人には物足りないかもしれません。その代わりと言っては失礼ですが心理描写などは丁寧で分かりやすいものになっていて
読みやすい良い作品だと思います。
2012年2月16日に日本でレビュー済み
題名と表紙に惹かれて読んだけどだめだった。
周りで人が簡単に死んでいくのに自分たちは絶対に死なないのほほんオーラが出まくって緊迫感ゼロ。
今の時代から全く進んでいないように見える主にガキどもの考え方。
「…だが。」というような区切り方が多くていらいら。
始めから最後までだらだらと進み、途中でやめようと思ったけど、その方が時間を無駄にすると思って読みきった。でもラスト忘れた。
周りで人が簡単に死んでいくのに自分たちは絶対に死なないのほほんオーラが出まくって緊迫感ゼロ。
今の時代から全く進んでいないように見える主にガキどもの考え方。
「…だが。」というような区切り方が多くていらいら。
始めから最後までだらだらと進み、途中でやめようと思ったけど、その方が時間を無駄にすると思って読みきった。でもラスト忘れた。
2013年1月28日に日本でレビュー済み
環境汚染によっていったん滅んでしまった地球。異星人の助けで地球人は太陽系外に脱出し、また数を増やしつつある。一方で地球も400年を経て復活しつつあるが、人類の再入植によってまた滅んでしまうのではないかと不安視されている。そんな世界を舞台としたハードSF。
地球を人類の住まない「保護区」として保存していくかどうかというのがタイトルの意味。
登場する女性たちが魅力的だった。特に、滅亡前の地球を知る「人類の最長老」たる老女の造形に深みがある。
ぐいぐい引き込まれて読んでしまったが、同時にかなり疲れる小説でもあった。骨太だ。
地球を人類の住まない「保護区」として保存していくかどうかというのがタイトルの意味。
登場する女性たちが魅力的だった。特に、滅亡前の地球を知る「人類の最長老」たる老女の造形に深みがある。
ぐいぐい引き込まれて読んでしまったが、同時にかなり疲れる小説でもあった。骨太だ。
2010年2月24日に日本でレビュー済み
前作「回帰祭」と同世界を舞台とした作品
しかし、同設定というだけで、直接は前作との繋がりはありません。
四百年前に人類による環境汚染で一旦滅びた地球。
しかし、人類が退去した地球は緩やかに回復しつつあった。
異星人の手助けもあり、各植民地で増加した人類。
地球系連合を組織した人類は、地球の保護を決定し、地球への回帰を断念した。
地球保護委員会は地球の異星技術による汚染の阻止・外来種の排除を行っている。
更には、独自に地球に回帰した「新地球人」による環境破壊が問題となっている。
主人公は天才博士のクローンだ。
しかも、天才を研究する為に敢えて凡人として作られた。
「生まれながらの落ちこぼれ」だ。
SF的には、特に目新しいものは無かった。
しかし、小説としてはおもしろかった。
ボーイ・ミーツ・ガール&老婆の物語だ。
現代の「南北問題」「格差社会」「環境問題」にも通じるテーマが描かれている
しかし、同設定というだけで、直接は前作との繋がりはありません。
四百年前に人類による環境汚染で一旦滅びた地球。
しかし、人類が退去した地球は緩やかに回復しつつあった。
異星人の手助けもあり、各植民地で増加した人類。
地球系連合を組織した人類は、地球の保護を決定し、地球への回帰を断念した。
地球保護委員会は地球の異星技術による汚染の阻止・外来種の排除を行っている。
更には、独自に地球に回帰した「新地球人」による環境破壊が問題となっている。
主人公は天才博士のクローンだ。
しかも、天才を研究する為に敢えて凡人として作られた。
「生まれながらの落ちこぼれ」だ。
SF的には、特に目新しいものは無かった。
しかし、小説としてはおもしろかった。
ボーイ・ミーツ・ガール&老婆の物語だ。
現代の「南北問題」「格差社会」「環境問題」にも通じるテーマが描かれている