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天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-12) 文庫 – 2010/3/5
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西暦201X年、謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉圭伍と矢来華奈子は、ミクロネシアの島国パラオへと向かう。そこで二人が目にしたのは、肌が赤く爛れ、目の周りに黒斑をもつリゾート客たちの無残な姿だった。圭伍らの懸命な治療にもかかわらず次々に息絶えていく感染者たち。感染源も不明なまま、事態は世界的なパンデミックへと拡大、人類の運命を大きく変えていく――すべての発端を描くシリーズ第2巻
- 本の長さ446ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/3/5
- ISBN-104150309884
- ISBN-13978-4150309886
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/3/5)
- 発売日 : 2010/3/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 446ページ
- ISBN-10 : 4150309884
- ISBN-13 : 978-4150309886
- Amazon 売れ筋ランキング: - 329,338位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。
2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した。
他の作品に『復活の地』『天涯の砦』『時砂の王』『フリーランチの時代』(以上、ハヤカワ文庫JA)、『導きの星』など。
ホームページは、小川遊水池 http://homepage1.nifty.com/issui
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
なぜ2巻を読もうとしたかというと、1,2巻がKindleで無料だったからです。
あと、1巻はつまらないけど2巻以降は面白いと他の方がレビューされていたからというのもあります。
2巻は濃厚な官能小説と聞いていたので全編そんな感じかと思っていたらそうでもありませんでした。
なんかSFチックな異種族との性交描写でもあるのかな?って思ってたのでちょっと拍子抜けしました。
でもウィルスが繁殖のために人間にフェロモンを撒かせるというのは面白いですね。
現実の日本もこんなふうになったら…と思うと怖くもあります。
小川一水さんの想像力にはぐいぐいと引っ張られて、これもあり得る一つの可能性なのだなと思わされました。
そして、人事は尽くせないのだから天命は推して知るべしですね。
東南アジアで発生した伝染病によるパンデミックが本著のメインテーマです。
高い致死率と伝染性をもつ未知の伝染病と闘う医師たち、そして罹患者のそれぞれの視点で物語は進みます。
単純に物語としても面白く、夢中になって1日で読み切ってしまいましたが、注目すべきはやはりパンデミックの描写。
膨大な量の丁寧なリサーチがあってこそだと思いますが、COVID-19の騒ぎの間に急いで書き上げたのでは?と錯覚してしまうような鋭い予見性に驚きます。
見えない敵との戦い、登場人物の葛藤、世の動静、そして罹患者への差別と無思慮な市民…。
特に、感染者の滞在施設への放火のシーンには戦慄しました。こんなピンポイントで言い当てられるものなのか…(逆に、合理性に欠けた行動をとる愚かな市民が本当に実在することに、大いに呆れもしますが…)。室内では2mの距離をあけると感染が防げる、マスクの着用義務のくだりなど、今では常識となりつつある動きも、描写がピッタリ。
1~2巻の前後の繋がりなどは緩やかで、どちらから読み始めても大丈夫です。
むしろ今であれば2巻から読み始める方が、感情移入できて良いかもしれません。
おすすめです。
まず、シリーズ全体の構成は第一部のメニーメニーシープが時代的に最も新しく、第二部で一度現在に戻り何が起こって第一部に至ったかを描いているためすべての原点はこの第二部救世群にあります。
以下、多少ネタバレ要素あり
感染力・致死力ともに最悪クラスのウイルスによるパンデミックが生じたとき、現代日本に何が起こるか、常識がどう変わるかをリアリティを持って描かれています。特に秀逸な設定は感染当初に死に至らなかった場合、本人は抗体ができることで全く通常の生活を送ることができるがその患者と接したほかの人への感染力は変わらずに有するという点でしょう。ウイルスによって死に至らない場合でも社会的に排除され強制的に隔離される理不尽さ、しかもその状況は変わることなく一生続くという絶望感は正直恐ろしいものがあります。
(より感染力が強いウイルスならば、人口が激減するでしょうが全人類が感染して感染者のみの星となるのでしょう。(F先生の流血鬼のような状況)
そういう意味では、接触すると感染するが防疫方法があるという状況が感染者には絶望感を強めています。)
もちろんウイルスの起源の謎、それに伴うシリーズ全体を貫く悪意の発端もあり非常にお勧めできます。