普段SFを読んだ事が無いので、入門用にラノベっぽい雰囲気の読みやすそうな小説として本書を選んだのですが、こんなにもオモシロイとは思わなかった。
上巻では人口激変してて、その原因となったバケモノと共生せざるおえない世界観とか、そいつらに対する態度で子供世代と大人世代で対立があるとか(そもそも子供が大人と対立できるくらいに労働力として成果を出してて発言力をある程度持ってるっていう)冷静に読むとかなりシビアな世界観をかなりマイルドに包み込んで見せて読者を騙しつつ、十二歳編の最後で普通に人が死ぬシビアさをああやってインパクト大に見せつけてくれるなかなかドキドキする話運びにワクワクが止まりませんでした。
下巻においては世代間対立がかなり顕在化して叛乱勢力が興ったり、「マザー」の存在を通じて結局ベガーとはなにかって言う謎解きがあったりとさらに読み応えがありました。あと、ラスボスもコッチが主犯だとは思わなかったし。良い意味で主人公のシンゴと同じ衝撃を読者が共有できたのは大変良かった。
不満点は多くは無いけど、ただラストからエンドにかけて。
テルがメインヒロインなのはしゃーないけど、後半でのスレインの活躍が大きいのと、キリナが結構長い間抜けてたのに最後ヒロインやらせてもらったのはすこし納得がいかない。スレインに重要な役所振りすぎて脇役としては露出が多くなりすぎてたのと、後半どう見てもパートナーとして行動してたからなぁ。
マザーも、あれだけテルとしてみんなにあんな演説したのに結局ああなってしまったのは。いや、それは仕方ないにしても、それをワザワザ描写しなくても。マザーがテルの内に「彼」がコンタクトとってくれても良かったよね。そもそもシンゴがマザーの知識使うよりはテルに仲介してもらった方が自然だったし。
あと、そもそもその最後の「彼」の存在自体も唐突すぎて。ご都合過ぎてかえってスッキリしなかった。あのまま助からない方が良いとまでは言わないけど。
エンドに至っては時間飛ばしすぎ&人選がオカシイ。
あれだけ作中みんながシンゴを鍛えたのに、その指導者として活躍したであろう部分を全部吹っ飛ばしてとっくに本人生きてない未来の話されても困る。
あと、このキャラが語り部にするにしても・・・はっきり言ってこの人脇役よ? なぜワザワザ最後の最後を締める役としてチョイスしたの?
個人的には後読感を損ねられたレベル。個人の感性なので流石に星は減らしませんが。
最後だけイヤに不満があって揚げ足とってしまいましたが、基本的に誰にでも勧められる傑作中の傑作なのは間違いありません。
どうしようか迷ってる人は買いなさい。絶対損しません。
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約束の方舟 (下) (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2011/7/22
瀬尾 つかさ
(著)
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- 本の長さ421ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/7/22
- ISBN-104150310416
- ISBN-13978-4150310417
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/7/22)
- 発売日 : 2011/7/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 421ページ
- ISBN-10 : 4150310416
- ISBN-13 : 978-4150310417
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,128,836位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2015年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
設定は明らかに「宇宙の孤児」のオマージュ。第二の故郷(星)にむけて航行する宇宙船内でのお話し。
それを土台にして、ちょっとしたロマンスとサスペンスの味付けがされている。
宇宙の孤児との決定的な差は目的地がはっきりしていること、ゼリー状の異種知的生命体ベガーが物語のカギを握っていること。
船長や副船長がちゃんとその名の通りの存在であること(宇宙の孤児では船長は村長のような存在になってしまっていた)
こういう小説の場合、異端児が主人公になりやすい(地球の長い午後とか)が、その役割をヒロイン(テル、キリナ)に振り
主人公のシンゴはいたって真面目、品行方正である。そのおかげでわりと巻き込まれタイプ、受身であり、そのために周りが
シンゴを動かして行くと言う流れでストーリーは進んでゆく。登場人物は友人のダイスケ以外は見事に使い切ってラストを
迎える。この情報過多の時代、いかに手持ちの素材を料理するかで、面白さが違ってくるが、この作品は見事な味つけだと言って良いだろう。
もともとラノベ作家、非常に読みやすいので、堅いSFが苦手な人にお勧めだと思う。
それを土台にして、ちょっとしたロマンスとサスペンスの味付けがされている。
宇宙の孤児との決定的な差は目的地がはっきりしていること、ゼリー状の異種知的生命体ベガーが物語のカギを握っていること。
船長や副船長がちゃんとその名の通りの存在であること(宇宙の孤児では船長は村長のような存在になってしまっていた)
こういう小説の場合、異端児が主人公になりやすい(地球の長い午後とか)が、その役割をヒロイン(テル、キリナ)に振り
主人公のシンゴはいたって真面目、品行方正である。そのおかげでわりと巻き込まれタイプ、受身であり、そのために周りが
シンゴを動かして行くと言う流れでストーリーは進んでゆく。登場人物は友人のダイスケ以外は見事に使い切ってラストを
迎える。この情報過多の時代、いかに手持ちの素材を料理するかで、面白さが違ってくるが、この作品は見事な味つけだと言って良いだろう。
もともとラノベ作家、非常に読みやすいので、堅いSFが苦手な人にお勧めだと思う。
2012年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上下纏めて扱う.これだけ複雑で途方もない内容を,一見すべてが論理的必然であるように構成し,物語った著者の偉大な才能に敬意と謝意を申し述べたい.それにしても,大詰め近くになって,愛する少女の中に愛する少年が入り込んで一体化するという永遠のエロティシズムの理想をここまで完璧に達成するなんて,なんと言う奇跡だろう.このシーンに巡り合うだけでも,この作品は読む価値がある.そうしてこの長い物語をきれいな日本語で破綻もみせずに語り抜いた事実は特筆に価する.空前の作品として,強く推薦.
2013年4月9日に日本でレビュー済み
登場人物の成長の描き方というのはそれこそ千差万別でありまして、物語の冒頭では無力な虐められっ子だった主人公が
ほとんどスーパーマンになってしまう作品もあれば、間違い探しいかと思うぐらい僅かな変化しか描かれない作品もあります
しかし、この作品ほど丁寧に、それも主人公に限らず主な登場人物の成長の過程を描ききった作品を私は読んだ事がありません
上巻で「テルの死」という重荷を背負わされたシンゴやスイレン、兄二人の暴走からパートナーであるベガ―を殺されてしまったキリカ、
「掛け替えのないもの」を失った三人の各々の成長がこの下巻で物語の総決算となる第三章の軸となって展開されます
うおー、第三章で「テル」が戻ってくるとは思わなかった。何故カギカッコ付きになっているかはネタバレ防止のため伏せますが
「テル」が再会したシンゴやスイレンの第二章を挟んでの成長の描き方が素晴らしかった。二人とも「テルの死」を決して忘れる事は
出来ないでいるのですが、その上で這い上がってきた人間の強さという物を感じさせます
「ベガ―との共生」を巡って「ベガー憎し」で凝り固まってしまった戦前世代や、逆にベガ―との共生をシンクという形で当然の様に
受け入れる事で反ベガ―派に対する反発で歪んでしまった若い世代という「成長しない人々」の対立を描く事で調停者として成長する
シンゴの姿は最後の最後で明らかになる「掛け替えのないものの喪失」から立ち直れなかった人物と対置される事で見事に描き出されました
それ以上に本作品におけるヒロイン勢、スイレンやキリカ、そして「テル」の成長は逞しいというか「強かさ」をひしひしと感じさせます
特に自分を「テルの死」の直接原因と信じて疑わないスイレンが何度壁にぶち当たっても、その度に砂を掴んで立ちあがる姿は
登場人物の成長に「唐突さ」を感じずにはいられないライトノベルでは描けない物を感じさせてくれます
SFとしては終盤で物語の舞台となった恒星間移民船が地球を旅だった理由や明らかなオーバーテクノロジーの産物であるベガーや
アンドロイドたちの秘密、ベガ―との戦争の切っ掛けとなった事故の真相が明かされるのですが…うーん、この辺りの展開は少し駆け足だったかな?
そして迎えたエピローグでシンゴが、スイレンが、キリカが、そしてテルが目指した世界があんな形で描かれるとは…ベタと言えばベタですけど
やっぱり丁寧に描かれたSFの結末はあれでなくてはならなかったと実感します。ああいう「時間」の描き方はSFにしか出来ませんよね
丁寧に作り込まれたSFベースの成長物語。ライトノベルの読者にも十分読みやすい文体も優しい本当に文句のない大傑作でした
ほとんどスーパーマンになってしまう作品もあれば、間違い探しいかと思うぐらい僅かな変化しか描かれない作品もあります
しかし、この作品ほど丁寧に、それも主人公に限らず主な登場人物の成長の過程を描ききった作品を私は読んだ事がありません
上巻で「テルの死」という重荷を背負わされたシンゴやスイレン、兄二人の暴走からパートナーであるベガ―を殺されてしまったキリカ、
「掛け替えのないもの」を失った三人の各々の成長がこの下巻で物語の総決算となる第三章の軸となって展開されます
うおー、第三章で「テル」が戻ってくるとは思わなかった。何故カギカッコ付きになっているかはネタバレ防止のため伏せますが
「テル」が再会したシンゴやスイレンの第二章を挟んでの成長の描き方が素晴らしかった。二人とも「テルの死」を決して忘れる事は
出来ないでいるのですが、その上で這い上がってきた人間の強さという物を感じさせます
「ベガ―との共生」を巡って「ベガー憎し」で凝り固まってしまった戦前世代や、逆にベガ―との共生をシンクという形で当然の様に
受け入れる事で反ベガ―派に対する反発で歪んでしまった若い世代という「成長しない人々」の対立を描く事で調停者として成長する
シンゴの姿は最後の最後で明らかになる「掛け替えのないものの喪失」から立ち直れなかった人物と対置される事で見事に描き出されました
それ以上に本作品におけるヒロイン勢、スイレンやキリカ、そして「テル」の成長は逞しいというか「強かさ」をひしひしと感じさせます
特に自分を「テルの死」の直接原因と信じて疑わないスイレンが何度壁にぶち当たっても、その度に砂を掴んで立ちあがる姿は
登場人物の成長に「唐突さ」を感じずにはいられないライトノベルでは描けない物を感じさせてくれます
SFとしては終盤で物語の舞台となった恒星間移民船が地球を旅だった理由や明らかなオーバーテクノロジーの産物であるベガーや
アンドロイドたちの秘密、ベガ―との戦争の切っ掛けとなった事故の真相が明かされるのですが…うーん、この辺りの展開は少し駆け足だったかな?
そして迎えたエピローグでシンゴが、スイレンが、キリカが、そしてテルが目指した世界があんな形で描かれるとは…ベタと言えばベタですけど
やっぱり丁寧に描かれたSFの結末はあれでなくてはならなかったと実感します。ああいう「時間」の描き方はSFにしか出来ませんよね
丁寧に作り込まれたSFベースの成長物語。ライトノベルの読者にも十分読みやすい文体も優しい本当に文句のない大傑作でした
2017年8月20日に日本でレビュー済み
登場人物の成長とベガーとの共栄の未来、そして物語の根幹がうまくまとめられていて
一気読みできるおもしろさでした
簡単なSFを読みたい人にはとてもおすすめです
一気読みできるおもしろさでした
簡単なSFを読みたい人にはとてもおすすめです
2012年11月30日に日本でレビュー済み
面白かった。
SFに限らず小さな閉鎖世界では内部分裂して壊れるか、
皆が仲間とどっちかに偏りがちだが、
本作は丁度良い描き加減だとおもう。分裂しすぎず纏り過ぎず。
もちろんベガー・人間が共存できる社会がこの先作られていく未来があるように感じるので、
ゆるやかなハッピーエンドと言えるところが良いですね。
何気に彼らが移民船に乗ることになった原因に驚きた。
開拓精神でも星の死でもない理由での移民船団ストーリーは初めてかもしれない。
人類にとって遥かな距離を、ちょっと間違えたwと言ってしまえるベガーが
居た事に人間臭さを感じつつ感謝を
SFに限らず小さな閉鎖世界では内部分裂して壊れるか、
皆が仲間とどっちかに偏りがちだが、
本作は丁度良い描き加減だとおもう。分裂しすぎず纏り過ぎず。
もちろんベガー・人間が共存できる社会がこの先作られていく未来があるように感じるので、
ゆるやかなハッピーエンドと言えるところが良いですね。
何気に彼らが移民船に乗ることになった原因に驚きた。
開拓精神でも星の死でもない理由での移民船団ストーリーは初めてかもしれない。
人類にとって遥かな距離を、ちょっと間違えたwと言ってしまえるベガーが
居た事に人間臭さを感じつつ感謝を