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ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会 (ハヤカワ文庫 JA ア 7-1) 文庫 – 2012/6/22
青柳 碧人
(著),
pomodorosa(ろさ)
(イラスト)
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幹館大学ヘンな建物研究会、通称「ヘンたて」に入会した新入生の中川亜可美。
個性豊かな仲間と一緒に新歓合宿で訪れた先は、扉が12枚ある離れを持つ老舗旅館だった。
さらに高さ100メートルのエレベーター式マンション、城跡に残された隅櫓脇の謎のスペース、
客室に回転ずしが流れるホテルなど、活動と称して見に行く建物は常にいわくつきで……。
「へんたて」に隠された謎をゆるやかに解き明かす、新感覚の青春ミステリ!
「ヘンたて」のこの、心優しくも知的・個性的な学生諸君をいつか、
わが“中村青司の館"にご招待したいものである。
ただし、そのときはこんなに「ほのぼの」では済みませんぞ。
綾辻行人氏推薦
個性豊かな仲間と一緒に新歓合宿で訪れた先は、扉が12枚ある離れを持つ老舗旅館だった。
さらに高さ100メートルのエレベーター式マンション、城跡に残された隅櫓脇の謎のスペース、
客室に回転ずしが流れるホテルなど、活動と称して見に行く建物は常にいわくつきで……。
「へんたて」に隠された謎をゆるやかに解き明かす、新感覚の青春ミステリ!
「ヘンたて」のこの、心優しくも知的・個性的な学生諸君をいつか、
わが“中村青司の館"にご招待したいものである。
ただし、そのときはこんなに「ほのぼの」では済みませんぞ。
綾辻行人氏推薦
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2012/6/22
- 寸法10.8 x 1.4 x 16 cm
- ISBN-104150310718
- ISBN-13978-4150310714
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商品の説明
著者について
青柳碧人(あおやぎ・あいと)
1980年千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒。
2009年、数学ミステリー『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞しデビュー。
以後ミステリ、青春小説、SFなど様々な分野で活躍している。
他の著作に『判決はCMのあとで』『雨乞い部っ! 』『希土類少女』など。
1980年千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒。
2009年、数学ミステリー『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞しデビュー。
以後ミステリ、青春小説、SFなど様々な分野で活躍している。
他の著作に『判決はCMのあとで』『雨乞い部っ! 』『希土類少女』など。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/6/22)
- 発売日 : 2012/6/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4150310718
- ISBN-13 : 978-4150310714
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 16 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 258,342位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 394位ハヤカワ文庫 JA
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月24日に日本でレビュー済み
事件や謎は血の流れないいわゆる『日常系』,その舞台はヘンな建物という『非日常系』と,
日常と非日常が折り重なり,時にはその建物自体が謎となる,全四話の連続短編集になります.
現実ではとうていあり得ない建物の様子は,一話目こそはイメージが掴みづらく戸惑うものの,
いったん『事』が起きたあたりから,見取り図とにらめっこと状態で謎解きに引き込まれていき,
その後も,ヘンというよりはとんでもない建物や,パズルっぽい要素もあって楽しませてくれます.
ただ,三話までがヘンな建物を前面に押し出し,その建物にまつわる謎解きであったのに対し,
最後となる四話目だけは,同じくヘンな建物ではあるものの,イベントとはいえ犯人捜しとなり,
それまで,また物語全体ともバランスが崩れてしまい,ちょっと浮いたように感じられるのが残念.
また,サークル仲間として結構な人数が居る割に,話によって出たり出なかったりが目につき,
いろいろキャラ付けもあった割に,それほど印象に残らなかったのはもったいなく感じられます.
とはいえ,巻末からは続刊もありそうな様子で,チラリとあった三角関係や,新たなヘンな建物,
他にも,今回は地味目だったメンバらの活躍にも期待し,できればもう少し読んでみたい作品です.
日常と非日常が折り重なり,時にはその建物自体が謎となる,全四話の連続短編集になります.
現実ではとうていあり得ない建物の様子は,一話目こそはイメージが掴みづらく戸惑うものの,
いったん『事』が起きたあたりから,見取り図とにらめっこと状態で謎解きに引き込まれていき,
その後も,ヘンというよりはとんでもない建物や,パズルっぽい要素もあって楽しませてくれます.
ただ,三話までがヘンな建物を前面に押し出し,その建物にまつわる謎解きであったのに対し,
最後となる四話目だけは,同じくヘンな建物ではあるものの,イベントとはいえ犯人捜しとなり,
それまで,また物語全体ともバランスが崩れてしまい,ちょっと浮いたように感じられるのが残念.
また,サークル仲間として結構な人数が居る割に,話によって出たり出なかったりが目につき,
いろいろキャラ付けもあった割に,それほど印象に残らなかったのはもったいなく感じられます.
とはいえ,巻末からは続刊もありそうな様子で,チラリとあった三角関係や,新たなヘンな建物,
他にも,今回は地味目だったメンバらの活躍にも期待し,できればもう少し読んでみたい作品です.
2020年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
極端に登場人物が乱立せず、イメージしやすいようにキャラも冒頭に示してあるので、頭の中で人物が整理されやすく読みやすい謎解き本だ。
謎解きのほかに主人公の主観で縦軸のストーリーも流れているので、謎解きはサイドストーリーとして展開を楽しんだ方がスイスイ読めることだろう。
まあ、前半の半分くらいまでは、ちょっと整理が難しいのとゴチャついているので飽きそうになるが、後半戦から登場人物が整理されていくのでぐっと引き寄せられて、面白い小説になっていると思う。
ぜひ、本刊を読んだら2作目も読んで欲しいし、読みたくなると思う。
謎解きのほかに主人公の主観で縦軸のストーリーも流れているので、謎解きはサイドストーリーとして展開を楽しんだ方がスイスイ読めることだろう。
まあ、前半の半分くらいまでは、ちょっと整理が難しいのとゴチャついているので飽きそうになるが、後半戦から登場人物が整理されていくのでぐっと引き寄せられて、面白い小説になっていると思う。
ぜひ、本刊を読んだら2作目も読んで欲しいし、読みたくなると思う。
2012年12月9日に日本でレビュー済み
館ものが好きな方におすすめです。
館ものにありがちの
暗くドロドロしたものでは無く明るいほのぼのミステリー。
館ものにありがちの
暗くドロドロしたものでは無く明るいほのぼのミステリー。
2015年11月27日に日本でレビュー済み
幹館大学ヘンな建物研究会(ヘンたて)が舞台。プロローグの展開では超芸術トマソンか!と思ったけどさにあらず。ヘンな建物と言うよりはあり得ない建物を舞台にした謎解き+恋愛ドラマ。謎解きも恋愛もかなり緩い感じ。物足りないと感じる人も多いだろう。
が!特筆すべきは主人公の同級生伊倉星加。なんと岐阜県出身のドラキチ。こんな設定の登場人物はそうはいないよ。そしてこの星加が他大学と繰り広げるドラゴンズカルトQ。これだけでも読む価値はあるな。
それにしても、落合英二が1球で敗戦投手になった時の阪神の打者って誰だったっけ。
が!特筆すべきは主人公の同級生伊倉星加。なんと岐阜県出身のドラキチ。こんな設定の登場人物はそうはいないよ。そしてこの星加が他大学と繰り広げるドラゴンズカルトQ。これだけでも読む価値はあるな。
それにしても、落合英二が1球で敗戦投手になった時の阪神の打者って誰だったっけ。
2012年8月17日に日本でレビュー済み
「ヘンな建物研究会」
一体なんだそれは。と思いながらスラスラ読める。
何と言っても出てくる建物が本当に変だった。いくら何でもこりゃあないだろう、と言いたくなるくらいに変。
だからと言って冷めるわけでもなく、次はどんな建物が出てくるのかな、という点でそこそこ楽しめる。
良くも悪くも、そこの奇抜さが全てなのではないだろうか。
大学が舞台ということもあって、結構個性的ビジュアルを持った人間も出てくるが、いっそのことなら、もっとぶっ飛んでいて良かったのではないかな、と思ってしまった。のっけから馬鹿なことをしているのだから、常識人っぽい人たちと、明らかにおかしい人の差をもっとはっきりさせて欲しい。
唯一、ティー大とやらの先輩が少し奇抜だが、哲学を独学で勉強している頭のいい人、と言う割には発言内容の偏差値が低すぎて、やや気持ちが冷めていく。奇抜ながらも気遣いの出来る、結構重要な立ち位置のキャラなのだから、もっと精巧に頭の良さを表現してくれればなあ、と残念な思いである。
こいつがしゃべるたびに、「頭のいい人の発言だ」と主人公が感想をこぼすが、それが皮肉にしか聞こえない。実際はどっちなのかよく分からないが。
ただ、本作はあくまでも、ヘンな建物を楽しむものであって、それ以上のものを求めるのも筋違いなのかも知れない。大学のサークル青春物語の皮を被ってはいるが、そちらが重要なのではない。
こういう身近(?)なミステリというのもたまには良いのかも知れない。
一体なんだそれは。と思いながらスラスラ読める。
何と言っても出てくる建物が本当に変だった。いくら何でもこりゃあないだろう、と言いたくなるくらいに変。
だからと言って冷めるわけでもなく、次はどんな建物が出てくるのかな、という点でそこそこ楽しめる。
良くも悪くも、そこの奇抜さが全てなのではないだろうか。
大学が舞台ということもあって、結構個性的ビジュアルを持った人間も出てくるが、いっそのことなら、もっとぶっ飛んでいて良かったのではないかな、と思ってしまった。のっけから馬鹿なことをしているのだから、常識人っぽい人たちと、明らかにおかしい人の差をもっとはっきりさせて欲しい。
唯一、ティー大とやらの先輩が少し奇抜だが、哲学を独学で勉強している頭のいい人、と言う割には発言内容の偏差値が低すぎて、やや気持ちが冷めていく。奇抜ながらも気遣いの出来る、結構重要な立ち位置のキャラなのだから、もっと精巧に頭の良さを表現してくれればなあ、と残念な思いである。
こいつがしゃべるたびに、「頭のいい人の発言だ」と主人公が感想をこぼすが、それが皮肉にしか聞こえない。実際はどっちなのかよく分からないが。
ただ、本作はあくまでも、ヘンな建物を楽しむものであって、それ以上のものを求めるのも筋違いなのかも知れない。大学のサークル青春物語の皮を被ってはいるが、そちらが重要なのではない。
こういう身近(?)なミステリというのもたまには良いのかも知れない。
2012年7月31日に日本でレビュー済み
へんたて、とはヘンな建物、それを愛好する大学の研究会の謎解きものです。しかし、登場人物の名前がぜんぶ寿司ネタだったり、ヘンな建物自体が、奇想の「館」ではなく、トマソン物件のレベルだったりするので、本格ミステリを読もう、と気負い込む読者には向かないかもしれません。
なので「日常の謎」が好きで、殺人が苦手で、かつ奇妙な味の建物、つまり日常の死角を楽しみたい人にお勧めします。また語り手がナイーブな一年生女子なので、淡い青春ドラマもあります。
一話目はこんな部屋だれが作るんだ、というだけの冗談ネタ(私は好きですが)、二話目は、やっぱりこれもありえない、部屋が上がり下がりするマンション、三話目は江戸時代のトマソンというべきか、ある城の隅櫓が何に使われたかの謎、そして四話目は、某ホテルでのミステリクイズ競技会となります。
いずれも建物の見取り図がメインで謎が解けてゆく、ちょっと幾何的なおもしろさがあり、いままでなかったタイプのミステリではないかと思います。しいていえば建物が主人公。
ドロドロした怨念や憎悪や殺意が建物の構造と一体化して立ち上がるという、従来の建築ミステリとは違った角度から、建物が楽しめます。
ヒロインとその友達の関係が少しゆるくて幼い気もしますが、全体の趣向はシュールと冗談の境目の淡さが面白く、シリーズ化を期待します。
なので「日常の謎」が好きで、殺人が苦手で、かつ奇妙な味の建物、つまり日常の死角を楽しみたい人にお勧めします。また語り手がナイーブな一年生女子なので、淡い青春ドラマもあります。
一話目はこんな部屋だれが作るんだ、というだけの冗談ネタ(私は好きですが)、二話目は、やっぱりこれもありえない、部屋が上がり下がりするマンション、三話目は江戸時代のトマソンというべきか、ある城の隅櫓が何に使われたかの謎、そして四話目は、某ホテルでのミステリクイズ競技会となります。
いずれも建物の見取り図がメインで謎が解けてゆく、ちょっと幾何的なおもしろさがあり、いままでなかったタイプのミステリではないかと思います。しいていえば建物が主人公。
ドロドロした怨念や憎悪や殺意が建物の構造と一体化して立ち上がるという、従来の建築ミステリとは違った角度から、建物が楽しめます。
ヒロインとその友達の関係が少しゆるくて幼い気もしますが、全体の趣向はシュールと冗談の境目の淡さが面白く、シリーズ化を期待します。
2013年11月28日に日本でレビュー済み
適当にさわやかで、適当に甘酸っぱくて、面白かった。だれか特定の探偵役がいるという訳でもなく、そのときそのときに、少し閃いてみたり、あるいはポンコツだったり、まだあやふやな状態とも言えるし、そうあるべくしてそうなっているとも言えるし、いいバランスだと思う。