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日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー第5巻。
吉川英治文学新人賞受賞作『天地明察』の原型となった冲方丁「日本改暦事情」、
日本SF大賞受賞作『華竜の宮』と同じ世界を描く上田早夕里の傑作「魚舟(うおぶね)・獣舟(けものぶね)」、
伊藤計劃『虐殺器官』のスピンオフ「The Indifference Engine」、
瀬名秀明が物語を読むことの本質を問う「きみに読む物語」など、
2003年から2012年に発表された10篇を収録。
ゼロ年代から現在に至る日本SFの豊饒を届ける。

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本の長さ

539ページ
言語

日本語
出版社

早川書房
発売日

2013/10/10
ISBN-10

4150311315
ISBN-13

978-4150311315
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登録情報

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魚紳

面白い

2018年4月2日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

若い時、SFを読んでました。
最近、ご無沙汰でしたが、懐かしく＆面白く読みました。

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役に立った

Yasuo

ハズレがないのだから誰にでもオススメできる

2015年8月21日に日本でレビュー済み

冲方丁さんの『日本改暦事情』が読みたかったので、本書を手にしました。これが読み始めたきっかけです。本書の全体的な感想は、当然ですが、どの短篇も面白かったです。これからSFを読んでみようと思う人は、本書をきっかけにするといいと思います。そもそもハズレがないわけですから。

ハズレがないとはいえ、人それぞれの好みがありますので、自分の好みに近い作家さんをみつけて、さらに別の本を読むのがいいと思います。

個人的なベスト3を挙げますと、下記のようになります。

◎『魚舟・獣舟』（上田早夕里）
世界観が秀逸です。SFらしいSFだと思いました。海を舞台にした人と魚の物語。魚とのふれあいを描いたのではなく、そもそもの関係が現実世界と異なっている世界観が気に入りました。

◎『白鳥熱の朝に』（小川一水）
女の子の置かれた状況を考えると、とても切ない。「うわー、これはキツイ」という感想です。小説のようなことはおそらく起こらないとは思いますが、決して起こらないとも言えない絶妙な舞台設定。しかし、少女の置かれた立場に近い人って、現実世界にいると思います。そういうのを想像すると、いろいろ考えさせられる話です。さわやかだけど陰湿。でも頑張って生きていこうっていう感じです。

◎『日本改暦事情』（冲方丁）
最初から読みたかったものです。予想通り面白かった。人々がきちんと季節に合わせて生活できるように改暦をすることになるのですが、主人公が提案する暦が採用されるまでのお話です。改暦についてはよく知らないのですが、ドキュメンタリーのように読めました。人や事の動かし方は現代のビジネスパーソンにも役立つかもしれません。

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藤崎健一

SFの奥行き、可能性を堪能できる作品群

2014年9月14日に日本でレビュー済み

　タイトルの通り、日本SF作家クラブに名を連ねる方々による短編集の最終巻。
（2003～2012年までの作品を収録）

　「SF（という枠）だからこそ何でも（恋愛から戦争、世界の行方まで）描ける」を
体感できます。
また、原則、一作家一作という編集方針なので、各作家の作品の中から
特に優れた物が収録されています。

　いろいろ描ける分、読み手の好みに合う合わないも出てくるでしょうが
言い換えれば、好みに合う作品に出会える確率もまたそれなりにある、と
いうことです。

　SF、興味はあるけど、何読んだら良いか？な方には特にお勧めです。

追記：私的ベスト3は次のとおりです。

・冲方丁/日本改暦事情
　→天地明察の原型

・小川一水/白鳥熱の朝（あした）に
　→パンデミック後の世界に生きる男と少女の物語

・瀬名秀明/きみに読む物語
　→読むこと・書くこととは何か？と問う本質的な話
　→シンパシーとエンパシーの違い＋それが数値化された世界では…というSF的な話
　→そして抒情感あふれる言葉の妙
　→特にこの話をシリーズ最後を飾る、という点がいろんな意味でニクい（褒め言葉）

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須藤　昌英　(広島）

決して悪くはないけど、買うならＡｍａｚｏｎの古本で十分だ。(^_-)-☆

2016年2月22日に日本でレビュー済み

小学生の頃からのＳＦ好きとしては、どうしても欲しくてたまらず思わずⅠ〜Ⅴまでの５冊をいっきに購入したけど、ワシ好みの小説はあまりなかった。ワシとしては、学園物のＳＦが好きなだけに★３にした。人によっては、当然この手の本は★５になることもあるであろうと思う。どうしても気になる人は、Ａｍａｚｏｎの中古の本でもよいのではないだろうか。ワシは実はＡｍａｚｏｎの古本でそろえたが、それで十分だと思う。(^_-)-☆

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小倉光雄

日本SFの実力を示す連作アンソロジーの最終巻

2015年12月9日に日本でレビュー済み

50年で毎年一人づつ選定でダブりなし、という厳しい条件で選んで、かなりの高水準の作品を提供できるという点は、日本SFの実力を示すと言える。この巻も例外ではない。ただし、そうは言ってもこの作家の作品にはもっと優れた物がある、と感じてしまう事があるのは仕方がないだろう。本巻では、小川一水作品でそれを感じた。おさめられた作品は、”天冥の標”第２巻の原型といって良いかもしれない優れた作品と思うが、彼の短編なら、”青い星までとんで行け”とか”漂った男”をすぐ思い出す。まあ、無い物ねだりです。

評者の一押しは、上田早夕里作品”魚舟・獣舟”だ。生態系SFの舞台設定として非常に優れているし、タイトルの語感も良い。海水面が上昇した世界で、人類もそのありようを変えざるを得ない。如何にこの設定が魅力的かと言えば、ここから長編シリーズへと発展して行く事を思えば納得できるだろう。

飛浩隆作品も詩的イメージを駆使して読ませる、なにしろ、クジラについて少し触れてから、”忌字禍[イマジカ]の脳油をしぼったら”と言う台詞がくる。字面を見ただけで、なにがしか感じる物があろうと思う（実際はカッコでなくルビ）。また、最後の最後は、瀬名秀明の、小説とその読者を巡るエッセイのような小説だが、彼の最近のブログに書かれているような境遇と言うか心境を思うと、何か意味ありげで悲しい。

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たねさん

偽物がいない良さ

2013年10月20日に日本でレビュー済み

アンソロジー本はあまたあるのだが、中には玉石混合のひどいラインナップのものもある。
このアンソロジーなら、日本SF作家クラブの選書の確かさがある。
どれを読んでもおもしろい。短編の中にワンダーランド。これぞ、SFの醍醐味。
特に、あの震災前2010年の時代の空気から生み出された「オルダーセンの世界」に描かれた閉塞感は
作者の山本宏の臭覚がなせるもの。SFは時代を映す鏡。避けて通っていた人は今こそ読むべし。

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