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女王陛下のユリシ-ズ号 (ハヤカワ文庫 NV 7) 文庫 – 1972/1/1
アリステア マクリーン
(著),
村上 博基
(翻訳)
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海水が氷片となって男たちの顔をたたきつけた――が、大英帝国海軍の名誉にかけて、不撓不屈の男たちの海軍魂は火と燃えて、ドイツ軍のはげしい攻撃に立ち向かった! 『ナヴァロンの要塞』でイギリス冒険小説の第一人者となった作者がはなつ、英国軍艦ユリシーズ号の波瀾万丈の大冒険譚!
- 本の長さ501ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1972/1/1
- ISBN-104150400075
- ISBN-13978-4150400071
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対象商品: 女王陛下のユリシ-ズ号 (ハヤカワ文庫 NV 7)
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1972/1/1)
- 発売日 : 1972/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 501ページ
- ISBN-10 : 4150400075
- ISBN-13 : 978-4150400071
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,425位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月7日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦中に英国からユリシーズ号がソ連を援助するための船団を護衛する。当然だがドイツ軍はUボートなどで作戦を阻止するのだが、そのユリシーズ号の絶望感が半端ない。北極圏内での戦闘は死と背中合わせの状態で、常に極限状態でいることをクルーに求められる。ドイツ軍の攻撃も容赦ない。次々に撃沈される船、そして次々と死に至るユリシーズ号の男たち。自分が暖かい場所にいても凍えてしまいそうな描写に舌を巻く。軍事作戦を遂行する男たちの勇気や責任感を感じる作品である。
2019年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
早く届いた
内容は相変わらず 素晴らしく一気読み‼️
カバーか変わったのでマイナスに…
内容は相変わらず 素晴らしく一気読み‼️
カバーか変わったのでマイナスに…
2016年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が探し求めていた様な小説でした。
メインとなる主人公艦は、活躍をする訳ではありません。
ひたすら、自然やドイツ軍に嬲られ続け、大きな戦果をあげる事もなく物語が終了します。
だけど、それがかっこよかった。
たった一つ作戦を丁寧にそして海の男達の生き様が描写されています。
正直な話今まで、 戦記小説やドキュメント物は読んできましたが、
心の友から面白いというものはあまり無かった。
このジャンルが好きである為に読んできたという部分が少なからずありました。
しかし、この本は違います。心の底から面白かった。どのシーンが、良かったかといえば目立つシーンがないため思い出すのは難しいです。
でも、本を通しての良さが滲みでてきます。
また、ドイツ軍の方が一枚上手で、主人公達の翻弄されてる感じも非常に良い感じでした。
ただ、難点をあげると
地味です。活躍も物語の起伏少なめ坦々とピンチが訪れます。だんだんと状況が悪くなって行く感じです。
好きな人には受けるでしょうが、苦手な人も多いのではないかと思います。
まぁ、そういう人が手に取る様な作品でも思いますがね。
永遠の0とか好きな知り合いに薦めてみたら、クソミソでしたよ。
万人にはウケなくとも、非常に優れた作品だと思います。
メインとなる主人公艦は、活躍をする訳ではありません。
ひたすら、自然やドイツ軍に嬲られ続け、大きな戦果をあげる事もなく物語が終了します。
だけど、それがかっこよかった。
たった一つ作戦を丁寧にそして海の男達の生き様が描写されています。
正直な話今まで、 戦記小説やドキュメント物は読んできましたが、
心の友から面白いというものはあまり無かった。
このジャンルが好きである為に読んできたという部分が少なからずありました。
しかし、この本は違います。心の底から面白かった。どのシーンが、良かったかといえば目立つシーンがないため思い出すのは難しいです。
でも、本を通しての良さが滲みでてきます。
また、ドイツ軍の方が一枚上手で、主人公達の翻弄されてる感じも非常に良い感じでした。
ただ、難点をあげると
地味です。活躍も物語の起伏少なめ坦々とピンチが訪れます。だんだんと状況が悪くなって行く感じです。
好きな人には受けるでしょうが、苦手な人も多いのではないかと思います。
まぁ、そういう人が手に取る様な作品でも思いますがね。
永遠の0とか好きな知り合いに薦めてみたら、クソミソでしたよ。
万人にはウケなくとも、非常に優れた作品だと思います。
2016年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
海洋冒険小説の白眉といって差し支えないでしょうね。男達の闘いと生き様、死に様を通して、人間の誇りとはなにかを考えさせてくれる。単なる冒険小説を越えたものが読後に残る名作。
2015年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
むかしむかし子供の頃に漫画見て以来、もう一度見たいと忘れる事がありませんでした。
今回原作を見つけて読んでみた訳ですが、前半のまわりくどさにはいささか閉口したものの、
後半の臨場感溢れる戦闘シーンになると、子供の頃に味わった時の感動、悲しさがよみがえってきます。
買って良かったと思います。
今回原作を見つけて読んでみた訳ですが、前半のまわりくどさにはいささか閉口したものの、
後半の臨場感溢れる戦闘シーンになると、子供の頃に味わった時の感動、悲しさがよみがえってきます。
買って良かったと思います。
2018年7月24日に日本でレビュー済み
世はバーチャル・リアリティなんたらがおおはやりである。
赤と緑のセロハン眼鏡の映画館も楽しけりゃ、ゴーグルにむりやり携帯電話を押し込んで眼精疲労マックスで堪能する3Dもいいよね!
だが、要するにテクノロジーの助けを借りていかに脳みそをだまそうかというレベルのお話。
まあ、あと10年もすりゃ、相当な領域に達するのも間違いないでしょうな。
だが、真の仮想現実の構築は、自分の脳みそ「だけ」でやるのさ!
それを可能とするアイテムが本書である。
嘘だと思うなら、ためしにベッドに寝転がって読み始めると良い。
はじめは退屈。表現もなんか大げさじゃね?まあ、我慢我慢。
そのうち寝て読んでいられなくなるから・・
言っておくけど、血湧き肉躍るとか、興奮して居ても立ってもいられなくとか、
そんなんじゃないのよ。
申 し 訳 な い ん だ よ
この人たちが、想像を絶する厳寒の海でこんなにも頑張って頑張って頑張ってるのに
俺一人こんな布団の上でぬくぬくと・・申し訳ない!ごめんなさい!
何もできない俺をゆるしてくれええええ!!!
過酷とか壮絶とかそんな言葉の問題じゃないのよ。
目の前に「現れる」絶望の光景を前に、こんなところでこんなことしかできない自分を責めることしか!
・・・
30年前の実体験ですが、煎餅布団から突如立ち上がった後、
読み終わるまで、小汚い下宿部屋の中をうろうろ歩き回ったことをはっきり覚えています。
心をゆさぶらる「読書」は数在れど、実際に肉体まで突き動かされた「体験」は、後にも先にもこのときだけです。
ある意味、唯一無二。
ユリシーズ号の乗務員たちと共有する極限の「体験」が、
戦争はダメだよとか、人はこうあるべきだよねとか、言葉によるあらゆる毀誉褒貶を、
心を切り裂く寒風と共にこの世の果てまで吹き飛ばすことでしょう。
赤と緑のセロハン眼鏡の映画館も楽しけりゃ、ゴーグルにむりやり携帯電話を押し込んで眼精疲労マックスで堪能する3Dもいいよね!
だが、要するにテクノロジーの助けを借りていかに脳みそをだまそうかというレベルのお話。
まあ、あと10年もすりゃ、相当な領域に達するのも間違いないでしょうな。
だが、真の仮想現実の構築は、自分の脳みそ「だけ」でやるのさ!
それを可能とするアイテムが本書である。
嘘だと思うなら、ためしにベッドに寝転がって読み始めると良い。
はじめは退屈。表現もなんか大げさじゃね?まあ、我慢我慢。
そのうち寝て読んでいられなくなるから・・
言っておくけど、血湧き肉躍るとか、興奮して居ても立ってもいられなくとか、
そんなんじゃないのよ。
申 し 訳 な い ん だ よ
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俺一人こんな布団の上でぬくぬくと・・申し訳ない!ごめんなさい!
何もできない俺をゆるしてくれええええ!!!
過酷とか壮絶とかそんな言葉の問題じゃないのよ。
目の前に「現れる」絶望の光景を前に、こんなところでこんなことしかできない自分を責めることしか!
・・・
30年前の実体験ですが、煎餅布団から突如立ち上がった後、
読み終わるまで、小汚い下宿部屋の中をうろうろ歩き回ったことをはっきり覚えています。
心をゆさぶらる「読書」は数在れど、実際に肉体まで突き動かされた「体験」は、後にも先にもこのときだけです。
ある意味、唯一無二。
ユリシーズ号の乗務員たちと共有する極限の「体験」が、
戦争はダメだよとか、人はこうあるべきだよねとか、言葉によるあらゆる毀誉褒貶を、
心を切り裂く寒風と共にこの世の果てまで吹き飛ばすことでしょう。
2015年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ずいぶん以前に読んで、この本の面白さは知ってました。もう一度読みたくなったものです。
2020年8月22日に日本でレビュー済み
枢軸国が全体主義で連合国が自由主義というのは、勝者によるプロパガンダの定着でしかない。
総力戦が政治的、思想的団結力を要請するのであるから、当然連合国側にも全体主義はあったのだ。
献身、マチズモ、ヒロイズム。鋼鉄の意志、不屈の男たち、不滅の魂。
ラルストンのようにふるまうことは尊い。しかし、それを称揚し、ナルシシズムを刺激し、あまつさえそれを強要しようとする者は醜悪である。国民より国家の存続を優先する者、暖房の効いた安全な後方にあって前線に犠牲を強いる者、苦悩を知らぬ優等生、空っぽな人間、扇動者、自覚なきファシスト、海軍軍令部次長ヴィンセント・スター中将。組織への忠誠を至上命令とするが故に組織の中で台頭し、権力を握る。
ユリシーズと乗組員たちの最後の一週間は美しすぎるが故に、警戒が必要である。本書は「戦艦大和ノ最期」「樅の木は残った」と同様に危険な書物である。上質なエンターテイメントとして冷徹に割り切れるようになるまで再読せねばならない。
情報密度とリーダビリティの両立。処女作にして職人技。描写力が臨場感を支える。その場にいた人間にしか分からない感情。
(以下抜粋)
"この艦は、固形性を、実体を、輪郭の明確を欠いていた"
"危険のあるところ、死のあるところ、ユリシーズの姿をもとめると、ユリシーズは霧峰のかなたから亡霊のように現れるのだった"
"悪い夜、眠りなき夜。甲板の上でも下でも。当直でも非番でも"
"沈む艦の内部にとじ込められるという不安はつねにあった。男たちの意識の隅につねにあった"
"われわれは消耗品だ"
"と、彼の手が主スイッチにでもふれたかのように、ユリシーズの全砲口がいっせいに火を噴いた。大気は煙と、コルダイト火薬の燃える刺激性のにおいで充満した。四囲の音響は形容のしようもない。そのとたん、ターナーはむらむらと、異様なよろこびがわきあがるのを覚えた……ハインケルがなんだ、滑空爆弾がなんだ、と彼は思った。これこそ、自分が待ちのぞんだ戦いではないか"
"ニコルスが別れてきたあの奇妙な、おのれをわすれた生ける亡者の乗組員は、挑戦にひるみ、自分らの不運をなげくまいことか、莞爾として、いや、こおどりして敵を迎えた"
"前も後ろも、上部構造物は、破れた鋼鉄のよれねじれた信じられぬ残骸であった。二本のマストは折れてなくなり、煙突はどちらもこわれ、ひんまがり、主砲射撃指揮所は大破して異様にかしいでいる。艦首楼と艦尾楼の大破口、砲架からもぎとられて甲板にぶざまになげだされた後部砲塔からは、まだ煙がふきでている。コンドルの残骸は、三番砲塔にはすにつっ込んだまま、シュトゥーカの一機は翼のつけ根まで艦首楼甲板にめり込み、さらに彼は、魚雷発射管横の舷側が水線付近までざっくり裂けていることを知っていた。ユリシーズは、悪夢からぬけだしてきたなにかであった"
40ノットもしくはそれ以上、敵に向かって驀進する。
ユリシーズ。オデュッセウス。長い苦難の旅路。
シビレル。
総力戦が政治的、思想的団結力を要請するのであるから、当然連合国側にも全体主義はあったのだ。
献身、マチズモ、ヒロイズム。鋼鉄の意志、不屈の男たち、不滅の魂。
ラルストンのようにふるまうことは尊い。しかし、それを称揚し、ナルシシズムを刺激し、あまつさえそれを強要しようとする者は醜悪である。国民より国家の存続を優先する者、暖房の効いた安全な後方にあって前線に犠牲を強いる者、苦悩を知らぬ優等生、空っぽな人間、扇動者、自覚なきファシスト、海軍軍令部次長ヴィンセント・スター中将。組織への忠誠を至上命令とするが故に組織の中で台頭し、権力を握る。
ユリシーズと乗組員たちの最後の一週間は美しすぎるが故に、警戒が必要である。本書は「戦艦大和ノ最期」「樅の木は残った」と同様に危険な書物である。上質なエンターテイメントとして冷徹に割り切れるようになるまで再読せねばならない。
情報密度とリーダビリティの両立。処女作にして職人技。描写力が臨場感を支える。その場にいた人間にしか分からない感情。
(以下抜粋)
"この艦は、固形性を、実体を、輪郭の明確を欠いていた"
"危険のあるところ、死のあるところ、ユリシーズの姿をもとめると、ユリシーズは霧峰のかなたから亡霊のように現れるのだった"
"悪い夜、眠りなき夜。甲板の上でも下でも。当直でも非番でも"
"沈む艦の内部にとじ込められるという不安はつねにあった。男たちの意識の隅につねにあった"
"われわれは消耗品だ"
"と、彼の手が主スイッチにでもふれたかのように、ユリシーズの全砲口がいっせいに火を噴いた。大気は煙と、コルダイト火薬の燃える刺激性のにおいで充満した。四囲の音響は形容のしようもない。そのとたん、ターナーはむらむらと、異様なよろこびがわきあがるのを覚えた……ハインケルがなんだ、滑空爆弾がなんだ、と彼は思った。これこそ、自分が待ちのぞんだ戦いではないか"
"ニコルスが別れてきたあの奇妙な、おのれをわすれた生ける亡者の乗組員は、挑戦にひるみ、自分らの不運をなげくまいことか、莞爾として、いや、こおどりして敵を迎えた"
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40ノットもしくはそれ以上、敵に向かって驀進する。
ユリシーズ。オデュッセウス。長い苦難の旅路。
シビレル。