タイトルと「ビッグ・ブラザー」の言葉があまりにも有名なので気になりながら、昔の本と思い込みこれまで読んでいなかった。
国家権力への完全な服従が求められ、個人の行動や思想を逐一監視される世界に生きる主人公。日々従事する公務は、権力者が公表した内容を絶対正しいものとして、矛盾する過去の記録や統計を書き換えること。愛する女性と共に、自由を求め世の中への反逆を胸に秘めるが、それが露見して捕らえられ、徹底した拷問と洗脳を受け、恋人を裏切り国家体制を心から賛美する人間に変わり果てる。
突拍子もない無茶苦茶な話のようでいて、これに類する不条理が実際に専制国家の国々であり、これからも起こりうることを思うと実に恐ろしい。また近年の技術の進化で、顔認証・GPSや監視カメラによる位置情報の把握が最早現実のものとなっている。現代の日本でも、首相のコメントに忖度して森友公文書を改竄した話とかを思うと、ここで描かれた世界は決して人ごとではないだろう。
いかなる体制のもとでも、権力の集中と腐敗が進むと国民に絶対服従が強制され、個人の尊厳が踏みにじられるようになるという本書の洞察は、今なお当を得ている。今こそ多くの人に読んでもらいたい。
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1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8) 文庫 – 1972/2/1
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- 本の長さ422ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1972/2/1
- ISBN-104150400083
- ISBN-13978-4150400088
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1972/2/1)
- 発売日 : 1972/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 422ページ
- ISBN-10 : 4150400083
- ISBN-13 : 978-4150400088
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2020年4月9日に日本でレビュー済み
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暗い物語でした。色々な苦難を体験する環境の元で、人間の深層に潜む考えが抉り出され、これでもかと見せられました。描かれているような社会に陥らないように警句を発している物語でした。
2021年2月9日に日本でレビュー済み
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英国人ジョージ・オーウェルが1949年に恐らくソ連を念頭に全体主義国家の恐怖を書いた本。ビッグ・ブラザーの支配するオセアニア国で主人公は日々歴史の書き換え作業に従事する。これは何千年間もC国がC国と称する前から行って来たことであり、お隣のK国では全体主義国家でないのに戦後行われ自国の真の歴史がわからなくなってきていることを想起させる。
オセアニア国では最下層の国民以外はテレスクリーンにより日常の行動、言動、表情が監視されているがある日主人公は思想警察に逮捕され、何十日か何百日にわたって思想改造のための拷問を受け続ける。これは1949年に作者が全体主義国家の恐怖を知らしめるために書いた想像の世界だったはずだが、現代のC国U族自治区で日常的に民族浄化(ジェノサイド)のための収容所で行われている行為を先取りしている。「1984年」の中では、収容所内でレイプが行われる記述はなかったと思うが、2021年2月にはC国U族自治区の収容所で繰り返しレイプが行われていると英国BBCが伝えているので、事実は小説よりもさらに酷い状態になっている。そしてHK地域でC国により逮捕されたA嬢がそのような目に合わないよう日本を含む国際社会は監視を強めなければいけない。
A国の2020年大統領選挙では、組織的かつ大規模な不正が行われた結果JB氏が大統領となり、その就任挨拶では、「民主主義はもろくて壊れやすい、我々は民主主義を守っていく」というようなことを言っていたが、この話し方は「1984年」の最後に付録 ニュースピークの諸原理として詳述されているニュースピーク(新語法)そのものと感じた。ニュースピークとは、語彙を極端に少なくするなどにより思考方法を制限し、自由な思想を抹殺し、語彙の少なさにより考えることすらできなくさせる語法だ。その新語法のなかの婉曲表現法では、言ったことが正反対の意味を表わすというのがある。JB陣営が行ったことは、民主主義を守るために必要な公正な選挙を行わず、不正選挙により政権を奪取したクーデーターとも言うべきものであるのに、我々は民主主義を守っていく、と行動と正反対のことを言っている。これはまさにニュースピークそのものであろう。ジョージ・オーウェルは社会主義国家ソ連を念頭において「1984年」を書いたはずなのに、いまや自由・民主主義国家であったはずのA国では、主流メディアは真実を報道せず、SNSは反JB陣営の発言には検閲を加えアカウント凍結に追い込むなど全体主義国家への道をひた走っている。作者も予期しなかったことではないかと思ったが、オセアニア国の設定は現在のA大陸も含むことになっているので、実は作者はそこまで予測していたのだろうか。作者の慧眼に恐れ入るとともにA国の今後の行方を憂うものである。
オセアニア国では最下層の国民以外はテレスクリーンにより日常の行動、言動、表情が監視されているがある日主人公は思想警察に逮捕され、何十日か何百日にわたって思想改造のための拷問を受け続ける。これは1949年に作者が全体主義国家の恐怖を知らしめるために書いた想像の世界だったはずだが、現代のC国U族自治区で日常的に民族浄化(ジェノサイド)のための収容所で行われている行為を先取りしている。「1984年」の中では、収容所内でレイプが行われる記述はなかったと思うが、2021年2月にはC国U族自治区の収容所で繰り返しレイプが行われていると英国BBCが伝えているので、事実は小説よりもさらに酷い状態になっている。そしてHK地域でC国により逮捕されたA嬢がそのような目に合わないよう日本を含む国際社会は監視を強めなければいけない。
A国の2020年大統領選挙では、組織的かつ大規模な不正が行われた結果JB氏が大統領となり、その就任挨拶では、「民主主義はもろくて壊れやすい、我々は民主主義を守っていく」というようなことを言っていたが、この話し方は「1984年」の最後に付録 ニュースピークの諸原理として詳述されているニュースピーク(新語法)そのものと感じた。ニュースピークとは、語彙を極端に少なくするなどにより思考方法を制限し、自由な思想を抹殺し、語彙の少なさにより考えることすらできなくさせる語法だ。その新語法のなかの婉曲表現法では、言ったことが正反対の意味を表わすというのがある。JB陣営が行ったことは、民主主義を守るために必要な公正な選挙を行わず、不正選挙により政権を奪取したクーデーターとも言うべきものであるのに、我々は民主主義を守っていく、と行動と正反対のことを言っている。これはまさにニュースピークそのものであろう。ジョージ・オーウェルは社会主義国家ソ連を念頭において「1984年」を書いたはずなのに、いまや自由・民主主義国家であったはずのA国では、主流メディアは真実を報道せず、SNSは反JB陣営の発言には検閲を加えアカウント凍結に追い込むなど全体主義国家への道をひた走っている。作者も予期しなかったことではないかと思ったが、オセアニア国の設定は現在のA大陸も含むことになっているので、実は作者はそこまで予測していたのだろうか。作者の慧眼に恐れ入るとともにA国の今後の行方を憂うものである。
2016年7月22日に日本でレビュー済み
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MGS 5(メタルギアソリッド・ファントムペイン)の内容の元ネタと言うべき小説・・・との事で、MGS は全くプレイ出来ないにもかかわらず、長年家族や友人がプレイしていて大体の話は知っている為、どうしても5で不可解だった事を解消するヒントになるかと購入。まだ読み始めですが小島監督がこの作品に多大なる影響を受けたのが伺えます。てか、オマージュです。古い作品なので仕方ないですが、私が購入した商品は茶色く変色してたのと、以前の持ち主が書き込んだ落書きが多々あるのが残念です。まぁ許容範囲でしたが。気になる方は確認の上ご購入されるのが宜しいかと。
2020年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説には息苦しさがある。
管理された世界。不自由な世界。灰色の世界。
世界がロックダウンに陥ってから半年たって
この感覚はいつかどこかで感じたような…と
この小説の事を思い出した。
70年前に書かれた小説なのに
物質社会の行く末を予言したような内容で
改めて読んでみると色々と思いがめぐる。
2020年の今はなんとも狂気的な時代だが
我々、この地球上の人類は果たして、
物質界から創造界へ行けるのか。
管理された世界。不自由な世界。灰色の世界。
世界がロックダウンに陥ってから半年たって
この感覚はいつかどこかで感じたような…と
この小説の事を思い出した。
70年前に書かれた小説なのに
物質社会の行く末を予言したような内容で
改めて読んでみると色々と思いがめぐる。
2020年の今はなんとも狂気的な時代だが
我々、この地球上の人類は果たして、
物質界から創造界へ行けるのか。
2020年11月11日に日本でレビュー済み
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最早政府が公文書を偽造しようと首脳が下手な嘘をつこうとどうにもならない昨今の日本で読むと、寧ろ思想統制の美しさに感動してしまった。
2006年3月3日に日本でレビュー済み
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この本ででてくるオセアニア国は、すべてが管理されている社会だった。
頂点に君臨するビッグ・ブラザー。人々はビッグ・ブラザーを崇め、言語は統制され、性生活も管理されていた。
そしてスクリーンに映し出された存在しない仮想の敵を憎むことを強要させられていた。
その監視された世界で主人公ウィンストンは、ジューリアに出会う。
「われわれは精神を支配しているからこそ物質も支配しているのだ。 現実というのは頭蓋骨の内部にしか存在しないのだよ。
君も段々に分って来るさ、ウィンストン。
われわれに出来ないことは何一つない。
姿を隠すこと、空中を浮遊すること--何だって出来る。
その気になりさえすれば、私はこの床上からシャボン玉のように浮揚できる。
しかし私はそれをやりたくない。党がそれを望んでいないから。
自然の諸法則に関する十九世紀的な考え方は放棄しなくちゃいけない。
われわれが自然の諸法則を造るのだ」(346頁)
管理されている社会、怖いですよ。
頂点に君臨するビッグ・ブラザー。人々はビッグ・ブラザーを崇め、言語は統制され、性生活も管理されていた。
そしてスクリーンに映し出された存在しない仮想の敵を憎むことを強要させられていた。
その監視された世界で主人公ウィンストンは、ジューリアに出会う。
「われわれは精神を支配しているからこそ物質も支配しているのだ。 現実というのは頭蓋骨の内部にしか存在しないのだよ。
君も段々に分って来るさ、ウィンストン。
われわれに出来ないことは何一つない。
姿を隠すこと、空中を浮遊すること--何だって出来る。
その気になりさえすれば、私はこの床上からシャボン玉のように浮揚できる。
しかし私はそれをやりたくない。党がそれを望んでいないから。
自然の諸法則に関する十九世紀的な考え方は放棄しなくちゃいけない。
われわれが自然の諸法則を造るのだ」(346頁)
管理されている社会、怖いですよ。
2020年1月11日に日本でレビュー済み
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「1984年」は以前から一度読んでみたい本でした。徹底した管理社会と歴史の改竄、民衆の階層化と連携させず考えさせないこと、子供への監視教育、国家への忠誠心の教え込みなど、独裁の行きつく先を表現しているようです。