「スマイリー三部作」の第一作『『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を先に読んだのでどうしても第二作の『スクールボーイ閣下』を読みたくなってしまったので読むことにした。
このスマイリーシリーズは、大昔読んだ記憶であるが、第一作が映画化されたからよく覚えていた。
が、この二作目の『スクールボーイ閣下』1977年、(邦訳版1979年)の上巻を読みはじめてもほとんど忘れていた。
第一作でサーカスの幹部のひとりビル・ヘイドンの裏切りからサーカス組織は壊滅的な打撃を受けていたが、この第二作目では組織に返り咲いたジョージ・スマイリーが、サーカスの組織を立て直すことに奔走する物語として著者は書きはじめる。
出先機関から撤退する指令を受けた香港の情景から物語は始まるが、組織に残った少数の信頼できるメンバーだけでのサーカスの活動には限界がある(活動資金獲得の苦労なども描いている)。
香港で工作員をしていたサム・コリンズがもたらしたロシア(カーラ機関)から巨額な資金の流れを知ったスマイリーが、その資金をプールする香港の胡散臭いコングロマリットの頭目ドレイク・コウの監視活動を始める。
イタリアの片田舎に隠遁していたジェリー・ウェスタビーを呼び戻して香港へ派遣し、サム・コリンズの情報の裏を取ることから始める。
ギラムの目線で語られるページが面白く読ませてくれるし、またストーリーが入り組んでいるから読み流すようなことは出来ないから疲れてしまう。
一章の「サーカス、町を去る」から十二章の「リカルド復活」まで細かい文字を眼を疲れさせながら、『スクールボーイ閣下』上巻を読み終えた。
第一作目よりインパクトには欠けるが、この第二作目もジョン・ル・カレならではの長いディティールに拘る描写を重ねてストーリー展開してゆくから、やはり惹きこまれて読み進むことを強いられ寝不足ぎみになってしまった。
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スクールボーイ閣下〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) 文庫 – 1987/1/31
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ソ連情報部の工作指揮官カーラの策謀で、英国情報部〈サーカス〉は壊滅的打撃を受けた。だが、その長に就任したスマイリーは反撃を開始する。〈サーカス〉の膨大な記録を分析し、カーラの弱点を解明しようというのだ。浮かび上がったのは、パリから東南アジアへと伸びる極秘送金ルート。その受取人を探るべく、スマイリーは臨時工作員ウェスタビーを香港に派遣した! 三部作の中核を成す巨篇。英国推理作家協会賞受賞作。
- 本の長さ461ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1987/1/31
- ISBN-104150404313
- ISBN-13978-4150404314
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1987/1/31)
- 発売日 : 1987/1/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 461ページ
- ISBN-10 : 4150404313
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2019年5月30日に日本でレビュー済み
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2023年6月3日に日本でレビュー済み
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スマイリー三部作というものの、ジョージ・スマイリーは脇役で、主役は優秀な工作員のジェリー・ウェスタビー。舞台は、英国、イタリア、香港、ラオス、ベトナム・・・と様々な国に移動しつつ、情報部と工作員との温度差や、予算不足により危険な異国の地で少人数での対応を強いられる工作員たち、情報部内の水面下の権力抗争、情報漏洩により惨殺されたり、命の危険にさらされる工作員や情報提供者たち、まるで将棋やチェスのように相手の出方を伺いつつ欲しい情報を得たり、目的の行動を促し、誤れば自身の身の危険に直結する会話の数々。作者は、情報部の機密漏洩に抵触しないように小説を書いているというものの、読者に違和感なく臨場感あるストーリー。読者は物語を通して、著者の組織の在り方に対する静かな抗議を読み取るのではないでしょうか。
2013年6月16日に日本でレビュー済み
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スマイリー3部作の中核を担う1冊。前作から 引き続いた形で、直ちにサーカスを建て直すべくスマイリーと仲間たちが動き出します。
この第2作は何と言っても実際の諜報活動に従事するスパイ、活動員たちが主役です。
表の顔を持ちながらスパイ活動を続ける種々雑多な彼らの中でも、現地に骨を埋めるような老スパイの確かな手管、直情型のスクールボーイが巻き起こす波紋。そして彼らを援護しリードするサーカス。
中でも一本の線で結ばれたかのようなスマイリーとスクールボーイは裏表の存在というべきでしょうか。
不貞の妻アンに対してスマイリーができなかった直情をスクールボーイはいとも簡単に軽薄なリジーにぶつけ、作戦を危機に落とします。
しかしそんな中でも心情的中に同調を感じるスマイリーの人としての複雑さ、奥深さ。
ストーリーとして一級であるとともに「情誼」という言葉が相応しい1冊です。
この第2作は何と言っても実際の諜報活動に従事するスパイ、活動員たちが主役です。
表の顔を持ちながらスパイ活動を続ける種々雑多な彼らの中でも、現地に骨を埋めるような老スパイの確かな手管、直情型のスクールボーイが巻き起こす波紋。そして彼らを援護しリードするサーカス。
中でも一本の線で結ばれたかのようなスマイリーとスクールボーイは裏表の存在というべきでしょうか。
不貞の妻アンに対してスマイリーができなかった直情をスクールボーイはいとも簡単に軽薄なリジーにぶつけ、作戦を危機に落とします。
しかしそんな中でも心情的中に同調を感じるスマイリーの人としての複雑さ、奥深さ。
ストーリーとして一級であるとともに「情誼」という言葉が相応しい1冊です。
2023年8月11日に日本でレビュー済み
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一文一文、頭の中で修正せねば意味を理解しづらい名訳と格闘しながら味合う名著とはこれいかにって感じ。
大家による翻訳だが、一旦、てにをはをオフにして頭の中で再構成すると理解が早まったりする。
連作中の前作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」は新訳版だが、感覚的には大した違いはない。
名著なら一晩で一気に読めそうなどと思って読み始めると、一気にめげそう。
ジョンルカレの世界を、訳者村上博基の複雑なプリズムを通して味合う。
秋の夜長(現代人にそんなものがあるとは思えんが)向き、暑い夏に頭をオーバーヒートさせながら読むのは、読書ではなく修行だなこれは。
三部作買ったから全部読むもん、絶対。
大家による翻訳だが、一旦、てにをはをオフにして頭の中で再構成すると理解が早まったりする。
連作中の前作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」は新訳版だが、感覚的には大した違いはない。
名著なら一晩で一気に読めそうなどと思って読み始めると、一気にめげそう。
ジョンルカレの世界を、訳者村上博基の複雑なプリズムを通して味合う。
秋の夜長(現代人にそんなものがあるとは思えんが)向き、暑い夏に頭をオーバーヒートさせながら読むのは、読書ではなく修行だなこれは。
三部作買ったから全部読むもん、絶対。
2014年12月16日に日本でレビュー済み
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MI6とジエームズボンドの世界が、ほとんど同心円の中で育った世代にとって、どこか嘘臭くても、ひと昔前のスラップスティックのように大いに楽しめたことは言うまでもありません。ところがジョン・ル・カレの本を読むと、お話の世界から真実のスパイの世界に引きずりこまれるような感覚になります。綺麗なお姉さんさんもアストンマーチンも登場しないけれど、スパイの世界を身近に感じさせる迫力があるのです。
2020年10月11日に日本でレビュー済み
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上巻を読み終えた時点の感想としては、前作の方が面白かったかな、という程度でした。
しかし、下巻まで読み終えた段階でこの上巻部分を振り返ると、上下に分けて評価するのはあまりにも意味のないことだったと考えさせられます。極めて細かい部分から、一つの物語の完結まで妥協なく積み上げ続けていく緻密さと、俯瞰的は構成力は圧巻です。
しかし、下巻まで読み終えた段階でこの上巻部分を振り返ると、上下に分けて評価するのはあまりにも意味のないことだったと考えさせられます。極めて細かい部分から、一つの物語の完結まで妥協なく積み上げ続けていく緻密さと、俯瞰的は構成力は圧巻です。
2013年5月31日に日本でレビュー済み
ベルリンの壁が壊された時、
「エスピオナージュ事情はどうなるんだ!?」と叫んだ私に父が
貸してくれた本著、初版刊行当時の私は20代の小娘でした。
まあ、離陸が遅い遅い、知らない日本語だらけの描写に何度も挫けそうに
なりながらも頑張って読んだ。途中からはのめり込み、夢中で読み、
結末に唖然とした。甘ちゃんだったから、「そんなあ・・・」と。
タイトルとなった愛称にも、その愛称で呼ばれている主人公にも
女としては胸がキュンとなった。
以来、カレの作品はほとんど読んでいるが、スマイリーシリーズを越える
興奮はもらっていない。
昨年『ティンカー・テイラー・・・』が映画化され、
また、私が最近はまっているスピッツの『夜を駆ける』という曲を
初めて聴いた時に浮かんだ情景が『スクールボーイ閣下』の結末に
味わった切なさとだぶり、そんなことがきっかけで、また読んでみた。
息詰まる情報分析のやりとり、CIAとの駆け引き、それぞれ一癖も
ふた癖もある人間たちのエピソードの描写が、冗漫をギリギリで
かすめくぐり、
緊迫感と人間臭さをギュウギュウと私の胸に揉みこんでくるカンジに
やっぱり圧倒された。
そして、頭が良いはずのスマイリーが不貞妻へいつまでも女々しく
執着する姿は、あの時の私には理解不能だったけれど、
今回は‘スクールボーイ閣下’とスマイリーの、‘できる’オトコの
人間としてのひび割れの相似形を透かして見ることができた。
でもスクールボーイ閣下が惚れた女はなあ・・・ やっぱり了解できない。
たぶんそういうことじゃないのね。女のため、じゃなかったんだ。
今の私の理解はそこへ着地して、スクールボーイ閣下の青臭い傷つきが
いっそう切ない。
小娘だった私に、オクスフォード大学の食堂でMI6に
スカウトされることを夢想させ、
若かった時とは違う余韻と放心を与えてくれるカレの作品を、
もうこれからそれほど多く手にすることができないと思うと、とても残念だ。
「エスピオナージュ事情はどうなるんだ!?」と叫んだ私に父が
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女としては胸がキュンとなった。
以来、カレの作品はほとんど読んでいるが、スマイリーシリーズを越える
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昨年『ティンカー・テイラー・・・』が映画化され、
また、私が最近はまっているスピッツの『夜を駆ける』という曲を
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かすめくぐり、
緊迫感と人間臭さをギュウギュウと私の胸に揉みこんでくるカンジに
やっぱり圧倒された。
そして、頭が良いはずのスマイリーが不貞妻へいつまでも女々しく
執着する姿は、あの時の私には理解不能だったけれど、
今回は‘スクールボーイ閣下’とスマイリーの、‘できる’オトコの
人間としてのひび割れの相似形を透かして見ることができた。
でもスクールボーイ閣下が惚れた女はなあ・・・ やっぱり了解できない。
たぶんそういうことじゃないのね。女のため、じゃなかったんだ。
今の私の理解はそこへ着地して、スクールボーイ閣下の青臭い傷つきが
いっそう切ない。
小娘だった私に、オクスフォード大学の食堂でMI6に
スカウトされることを夢想させ、
若かった時とは違う余韻と放心を与えてくれるカレの作品を、
もうこれからそれほど多く手にすることができないと思うと、とても残念だ。
2013年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すぐに届きました 綺麗な本です じっくり読んで
難しいところは繰り返し読みたいものです。
難しいところは繰り返し読みたいものです。