私とこの本との出合いは、もう30年近く前のことです。
当時、内藤陳氏が書評で絶賛していたことを覚えています。
先日、TV番組の「侍戦隊シンケンジャー」を見終わったら、ふとこの本のことを思い出しました。
シンケンジャーと本作品は、内容もターゲットにしている年齢層もまるで違いますが(片や子供向けの特撮ドラマ、片や大人向けのスパイ小説)、全く接点がないわけでもありません。
最大の共通点は、ほとんど暴力的とも言える驚愕のストーリー展開です。
私自身は、映画やゲームを含めたエンターテイメントの世界で、大地が崩れ去るかの様な印象を受けた経験は、この両作品以外では非常に稀です。
次に、どちらのメインキャラクターも、ヒーローとしては優秀でありながらも、どこか「いびつ」です。
そして、ストーリーが進むに連れ、そのいびつさが解き明かされていく点も共通しています。
全く無責任で勝手な推測ですが、シンケンジャーの脚本を担当した小林靖子女史は、バー・ゾウハーから影響を受けているのではないでしょうか。
少なくとも、本作は読んでいる気がしてなりません。
本作は時代背景を含めて既に「古典」の域に達しているのかも知れませんが、スパイ小説の醍醐味は堪能できるはずです。
また、本作の内容よりもむしろストーリー展開に興味あるいは快感を覚えた方は、シンケンジャーの鑑賞もお勧めしたいです。
P.S.
なんだか、シンケンジャーのレビューみたいになっちゃいましたw
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パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV ハ 2-12) 文庫 – 2006/3/1
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- 本の長さ383ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/3/1
- ISBN-104150411123
- ISBN-13978-4150411121
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2006/3/1)
- 発売日 : 2006/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 383ページ
- ISBN-10 : 4150411123
- ISBN-13 : 978-4150411121
- Amazon 売れ筋ランキング: - 450,545位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ストーリーの紹介は他のレビュワーが書かれていますので、そちらにゆずり感想だけ書ほうかして頂きます。一言で言うとストーリーの展開が凝っていて面白かったけど、何となくもの足りない感じがしました。なぜかと言うとソ連のGPUとアメリカのCIAが丁々発止のスパイ合戦を繰り広げるのですが、冷戦下の厳しい米ソ対立の時代なら
ともかく現代ではリアリティがなさすぎます。物語に出て来るような多数の死者が出るような銃撃戦を第三国でしたら現代では国際問題になってしまうでしょう。でもこれをトム・クルーズを主演にした映画なら見てみたいきがします。
やはりスパイ小説って時代の雰囲気が大きく影響するものだとおもいました。
ともかく現代ではリアリティがなさすぎます。物語に出て来るような多数の死者が出るような銃撃戦を第三国でしたら現代では国際問題になってしまうでしょう。でもこれをトム・クルーズを主演にした映画なら見てみたいきがします。
やはりスパイ小説って時代の雰囲気が大きく影響するものだとおもいました。
2011年3月10日に日本でレビュー済み
週刊文春1981年 総合6位
KGB上層部に潜り込んだCIAのスパイを特定する文書。手違いからこれを手に入れてしまったシルヴィーは、KGBから命を狙われることに。CIAエージェント ジェームズは、暗殺者からシルヴィーを救出することに成功するのだが、CIA上層部から彼女を抹殺するよう指令が下る。 ・・・
KGB、CIAから追われる男と女。途中まで、てっきり007ばりの活躍劇なのだろうと鼻白むことしきり。シルヴィーは金持ちのフランス美女、ジェームズは暗い過去を持つ凄腕エージェントの設定になっているんで、二人のラブシーンのあたりでは、このあるある状態に、がっかり感が強かった。
が、ラストがすごい!これまでのは、パロディーなのか思うぐらい、主人公をこてんぱんにやっつけてくれた。予想もしない方へもっていかれたんだけれど、この快感がたまりません〜。
ミグ25事件の取り入れかたが、上手すぎて、感動ものだったりする。
KGB上層部に潜り込んだCIAのスパイを特定する文書。手違いからこれを手に入れてしまったシルヴィーは、KGBから命を狙われることに。CIAエージェント ジェームズは、暗殺者からシルヴィーを救出することに成功するのだが、CIA上層部から彼女を抹殺するよう指令が下る。 ・・・
KGB、CIAから追われる男と女。途中まで、てっきり007ばりの活躍劇なのだろうと鼻白むことしきり。シルヴィーは金持ちのフランス美女、ジェームズは暗い過去を持つ凄腕エージェントの設定になっているんで、二人のラブシーンのあたりでは、このあるある状態に、がっかり感が強かった。
が、ラストがすごい!これまでのは、パロディーなのか思うぐらい、主人公をこてんぱんにやっつけてくれた。予想もしない方へもっていかれたんだけれど、この快感がたまりません〜。
ミグ25事件の取り入れかたが、上手すぎて、感動ものだったりする。
2020年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・届いた本は、「古書」故に、茶色に日焼けしているが、何ら書き込み・頁の折れ、も無く気持ちよく読めた。価格も不満は無いし、この程度の痛みで好きな本が読めるのを「満足」としよう。素敵は本を「ありがとう」以上
2009年7月24日に日本でレビュー済み
冷戦下、米国とソ連との間で激しい諜報戦が行われていた時代を背景に、非情なスパイの世界が描かれる本作は、かねてから評価の高い、スパイ小説の傑作の一つです。
ソ連KGB内部に潜む米国の二重スパイ“パンドラ”。その正体を暴く文書がKGBの手に落ちかけたとき、運命のいたずらから、若いフランス人女性シルヴィーの手にその文書が渡ります。理由も分からずKGBに追われる身となったシルヴィーが、ついに捕らわれようとしたその瞬間、謎の米国人男性ジェームズが現れ、窮地を救います。逃避行を共にすることとなった2人は、否応無しに米ソの謀略の応酬の渦中に身を投じることになります。
この作品は、古典的な「巻き込まれ型スパイ小説」の体裁を取りつつ、ソ連のブレジネフ共産党書記長やアンドロポフKGB議長という実在の人物を登場させるなど、執筆された当時の時代状況を巧みに反映させています。また、米国CIAやKGBの組織間の非情な戦いを描いた謀略・情報小説の側面もあり、さらに、共にトラウマを抱えたジェームズとシルヴィーが、逃避行を通じてそのトラウマを克服するという冒険小説の側面もあります。
ソ連の崩壊により冷戦が幕を閉じて早20年近く経ちますが、本作は時代が変わってもその面白さは変わらない素晴らしい作品です。
ソ連KGB内部に潜む米国の二重スパイ“パンドラ”。その正体を暴く文書がKGBの手に落ちかけたとき、運命のいたずらから、若いフランス人女性シルヴィーの手にその文書が渡ります。理由も分からずKGBに追われる身となったシルヴィーが、ついに捕らわれようとしたその瞬間、謎の米国人男性ジェームズが現れ、窮地を救います。逃避行を共にすることとなった2人は、否応無しに米ソの謀略の応酬の渦中に身を投じることになります。
この作品は、古典的な「巻き込まれ型スパイ小説」の体裁を取りつつ、ソ連のブレジネフ共産党書記長やアンドロポフKGB議長という実在の人物を登場させるなど、執筆された当時の時代状況を巧みに反映させています。また、米国CIAやKGBの組織間の非情な戦いを描いた謀略・情報小説の側面もあり、さらに、共にトラウマを抱えたジェームズとシルヴィーが、逃避行を通じてそのトラウマを克服するという冒険小説の側面もあります。
ソ連の崩壊により冷戦が幕を閉じて早20年近く経ちますが、本作は時代が変わってもその面白さは変わらない素晴らしい作品です。
2007年10月28日に日本でレビュー済み
東西冷戦が話の背景なので
今となっては過去の話ですが
この小説はとにかく緊張します
私の中では最高のスパイ小説です
今となっては過去の話ですが
この小説はとにかく緊張します
私の中では最高のスパイ小説です
2010年3月10日に日本でレビュー済み
マイケル・バー=ゾウハーの作品は4冊目です。そのうちフィクションは3冊目です。
読後、いささか失望しました。主人公やヒロインの肉付けは小説であるゆえステロタイプになるのはいたしかたないですが、米ソのねずみ取りのお話しは現在ではよほどの展開がないと陳腐な物語となります。フリーマントルのスパイスリラーが今の時点では最良でしょう。
後半、ミグ戦闘機が日本に領海侵犯し、亡命事件をおこすくだりは面白いし、その目的はおもわずニヤリとさせます。
ただそれからすぐアクションに入り、あっというまに大団円を迎えます。
007の小型化したスパイ冒険物とみればそれなりに面白い読み物でした。
最近、アンブラーの「武器への道」を読みましたが、古い話しにもかかわらず、全篇、わくわくするものがありました。ドラマがあるのです。出番の少ない人物も血が通っているのです。残念ながら、「パンドラ・・」にはそれがありません。でも訳者が言われるように、娯楽スリラーは面白いくだりがあればそれで良しとしましょうか。
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ただそれからすぐアクションに入り、あっというまに大団円を迎えます。
007の小型化したスパイ冒険物とみればそれなりに面白い読み物でした。
最近、アンブラーの「武器への道」を読みましたが、古い話しにもかかわらず、全篇、わくわくするものがありました。ドラマがあるのです。出番の少ない人物も血が通っているのです。残念ながら、「パンドラ・・」にはそれがありません。でも訳者が言われるように、娯楽スリラーは面白いくだりがあればそれで良しとしましょうか。
2001年12月28日に日本でレビュー済み
舞台は東西冷戦時代。米国の二重スパイであるKGBの幹部、暗号名"パンドラ"。その正体を暴露する古文書をめぐって、米ソの激しい争奪戦が展開される。CIA部員ジェームズは、たまたま問題の文書を入手したフランス娘シルヴィーを守ろうとするが、次から次へとKGBの刺客に襲われる。どうやらCIAの側にも内通者がいるらしい…。
バー=ゾウハーの作品は、基本的にはシビアなスパイ物で、地味な書き方をすると陰々滅々とした話になってしまうが、アクションとスリルが満載されていて、おもしろい読み物になっているので好きだ。
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