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オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV ) 文庫 – 2009/10/30
死者の霊が見える青年オッド・トーマスのもとに、知り合いの医師の霊が現われた。霊に導かれて彼の家に行ったオッドは医師の死体を発見する。そして医師の養子でオッドの親友のダニーがいないことを知った。彼は誘拐されたのか? 家に潜んでいた男にオッドは襲撃されるが、友人の警察署長が駆けつけ、難を逃れた。やがてオッドはダニーの行方を追い始める。だが行く手には死の危機が! 巨匠の最高傑作シリーズ第2弾。解説・瀬名秀明
- 本の長さ478ページ
- 出版社早川書房
- 発売日2009/10/30
- ISBN-104150412065
- ISBN-13978-4150412067
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/10/30)
- 発売日 : 2009/10/30
- 文庫 : 478ページ
- ISBN-10 : 4150412065
- ISBN-13 : 978-4150412067
- Amazon 売れ筋ランキング: - 598,206位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 436位ハヤカワ文庫 NV
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オッドは相変わらずいい味出してるけど、今回の敵(女性)が気持ち悪すぎる。オッドと一緒になっておぇ〜ってしながら読み進めた感じ。つじつま合わせというか、ああそういうことだったのね…って分かるところ、ストーリーをちゃんと回収してまとめるところはさすが。でも確かに途中で死んでた○○男については未回収?今回のオッドの語りの暗いトーンは嫌いじゃないです。次作につなげる上での必然かも。
2015年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
クーンツのHPで、短編ビデオとともに確認しました。
「Odd Apocalypse」
「Odd Interlude 」
「Deeply Odd」・・・
そして最新刊は「Saint Odd」 なにやら意味深??
版権とってるんだろうね、翻訳を心待ちにしていますよ。
俳優は映画の青年のほうがイメージに近い。
「Odd Apocalypse」
「Odd Interlude 」
「Deeply Odd」・・・
そして最新刊は「Saint Odd」 なにやら意味深??
版権とってるんだろうね、翻訳を心待ちにしていますよ。
俳優は映画の青年のほうがイメージに近い。
2016年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ずっと手元に残しておきたいような、そんな作品ではなかったです。
2011年1月3日に日本でレビュー済み
「オッド・トーマスの霊感」から始まった、一話読み切り型のオッド・トーマスものの第四巻目。ただし、本国アメリカでもこの四巻で発刊は止まっているらしく、再開するのかどうかは未定となっている模様だとか。これはファンにとっては、非常にやきもきする状況に違いない。何故なら、この四巻は今までのオッド・トーマスものと明らかに違う展開を見せていたので、ここで話が(一応四巻の中で四巻としての話は完結しているけれど)止まってしまうのは、非常に落ち着かない、気持ち悪い状態だからだ。
そのことも踏まえて、このオッド・トーマスシリーズについて一から説明してみたい。
まず、この物語のジャンルは、ホラーとミステリのテイストが強いが、実は青春小説である。作品を知っている方の中には、「ん?」 と疑問に思うかも知れないが、これは青春小説である。主人公は、心に恋人の面影を常に持ちつつ、それでいて人生の難問に(時としてそれは超自然領域の存在や幽霊の登場によってしばしば非日常の問題に巻き込まれるが)出来る限り誠実に応えていこう、成長していこうとする。その姿を「僕」という一人称で語る小説であり、これはいわゆる青春小説の枠をしっかりと守った小説であると言える。
主人公は、幽霊を見ることが出来る、そしてしばしば悪霊を見ることもある、そして幽霊から自分たちの無念を晴らすように無言で依頼される。この作品世界では幽霊は口をきけない、もしくは聞いているとしてもオッドにはそれは音声として聞き取れない。しかし、彼らは時に自らの死を訴え、彼の周囲に出現する。中には恨みをもっているわけではないが、成仏することかなわず、彼のまわりに居続ける幽霊も出てくる。例えば、今作に登場したフランク・シナトラや、前作まで登場していたエルビス・プレスリーなどがそれである。彼らのような存在が出てくるが為に、オッドの生活はどうしても制限されるし、第一巻で起こったとある事件の為にオッドは故郷をさえ捨てることになる。
しかし、彼はそれらに怒りをぶつけるわけでもなく、そういう能力をもってしまったのは何かしらの使命のようなものがあるから仕方がないのだろう、と誠意をもってそれらに対処していく。ときには命の危機にさらされたり、周囲の人を助けるためにその危機に向かっていかなければならないときにも、多少の愚痴はこぼすもののまっすぐに向かっていく。淡々と、ある意味、修行僧のような態度にすら見えるくらいに真面目にそれらに向かい合っていく。
そういう設定であれば、普通は主人公のキャラクターというのは人間として多少ずれてしまったり、独善的なところが出てきがちな筈だが、オッドに関してはそういうところが全くない。彼はどんな時でも自分にできる限り誠実であろうとするばかりである。
そんなトーマスが流れ流れてたどり着いたアメリカ西海岸の町で巻き込まれる事件を描いたのが、この「オッド・トーマスの予知夢」なのであるが、この作品中でオッドは当然のように不可思議な事件に巻き込まれる。
しかも事件に巻き込まれる中で、オッドは、自分よりもより強い何かの使命を持たされているらしい女性と巡り会う。何かを確信的に知っており、彼女を助けるためには自分の命さえ捧げるべきだとオッドが確信してしまうような、マリアンナという女性に彼は
出会う。
物語は、彼女とオッドが桟橋で初めての話をしているときに、三人の悪党が現れるところから始まる。彼女に危害を加えそうな三人、あわてて彼女を逃がしながら彼らに向かい合うオッド。暴力の気配におびえながら彼らと対峙するオッドの肩に伸びる彼らの手。彼らの手がオッドの肩をつかんだその瞬間、彼らの脳裏には、鮮明な黙示録的な光景が浮かぶ。巨大な爆発と稲妻、大量の人々の死。その中に浮かぶマリアンナ。悪党もオッドも、その光景に驚くが、素早く男達はオッドを捕まえようと動き出す。命からがらその場を逃げ延びるもののオッドには何がどうなっているのかわからない。
彼としても、ビジョンを見ることはもちろん、ビジョンを誰かと共有するという経験は初めてだった。
その後、実は彼ら悪党ならびに警察署長たちまでもがとあるテロ組織とつながりがあるグループであったことがわかり、トッドは彼らから逃げ回る。相手は確実にオッドを殺そうと町中をうろついている。オッドは土地勘もなく、たちこめる靄の中、ひたすら逃げ回る。その途中で再びマリアンナと再会し、そこでもまた奇跡的な出来事をいくつか体験した彼は、しかるべき物事をなすために、と彼らとたった一人で戦うことを決意する。。。。
冒頭につながる問題がこのあとの流れなのであるが、今回の事件にはオッドすら駒の一つとして扱っているような、或いはより高位の何かが確実に介入しているかのような描写がなされており、どこかキリスト教世界的なモチーフがひんぴんと登場する。表面上は、そのままハリウッドあたりで映画化してもおかしくないようなアクションにつぐアクションと大スペクタクルが展開される。しかし、それと同時進行で今までと違う、何かの介入とより上位の上書きされた背景世界がこの作品を覆っている。このあたりが今までのオッド・トーマスシリーズと大きく異なっていて、読み手によっては、どうにも納得できないと感じる部分もあるかと思う。
客観敵に見ても、そういう意見を補強する二つの大きな違和感がこの作品にはある。
一つには、オッドが平然というわけでないが(もちろんやむにやまれぬ状況下と言えなくもないが)、それでも人を何人も殺してしまうという点。二つには、それらの宗教的モチーフについての物語世界内での真相や糸口あるいは解決が全くなされないままに作品が終わってしまうという点。この二点は正直、客観敵にみると作品としてはマイナス評価になると言わざるを得ない。
冒頭の主張に戻るが、オッド・トーマスシリーズというのは、青春小説であり、主人公のビルディング小説という部分が非常に色濃い小説であるということと、この二つはかなり矛盾を生じる。後者の方については、続編が出て解決がなされた場合は、作品の広がりという風に解釈できるかも知れないが、前者については首をかしげる。
ただ、そうでありつつも、この作品は先ほど少し書いたように映画化してもいいくらいの不思議な魅力とアクションの連続で娯楽性が高いというのも事実で、そのあたりが逆にもやもやしてしまうところである。これで作品的に面白くなかったならば(第三作のオッド・トーマスの救済は若干落ちた感じがした)、ダメだしが出来るが作品全体としては面白く仕上がっているところで余計に評価が定まりがたく、それだけに新刊が出ない状態になっているというのがもどかしいし、座りが悪い。
できれば、どういう形であれ続編が出ることを望みたい。
そのことも踏まえて、このオッド・トーマスシリーズについて一から説明してみたい。
まず、この物語のジャンルは、ホラーとミステリのテイストが強いが、実は青春小説である。作品を知っている方の中には、「ん?」 と疑問に思うかも知れないが、これは青春小説である。主人公は、心に恋人の面影を常に持ちつつ、それでいて人生の難問に(時としてそれは超自然領域の存在や幽霊の登場によってしばしば非日常の問題に巻き込まれるが)出来る限り誠実に応えていこう、成長していこうとする。その姿を「僕」という一人称で語る小説であり、これはいわゆる青春小説の枠をしっかりと守った小説であると言える。
主人公は、幽霊を見ることが出来る、そしてしばしば悪霊を見ることもある、そして幽霊から自分たちの無念を晴らすように無言で依頼される。この作品世界では幽霊は口をきけない、もしくは聞いているとしてもオッドにはそれは音声として聞き取れない。しかし、彼らは時に自らの死を訴え、彼の周囲に出現する。中には恨みをもっているわけではないが、成仏することかなわず、彼のまわりに居続ける幽霊も出てくる。例えば、今作に登場したフランク・シナトラや、前作まで登場していたエルビス・プレスリーなどがそれである。彼らのような存在が出てくるが為に、オッドの生活はどうしても制限されるし、第一巻で起こったとある事件の為にオッドは故郷をさえ捨てることになる。
しかし、彼はそれらに怒りをぶつけるわけでもなく、そういう能力をもってしまったのは何かしらの使命のようなものがあるから仕方がないのだろう、と誠意をもってそれらに対処していく。ときには命の危機にさらされたり、周囲の人を助けるためにその危機に向かっていかなければならないときにも、多少の愚痴はこぼすもののまっすぐに向かっていく。淡々と、ある意味、修行僧のような態度にすら見えるくらいに真面目にそれらに向かい合っていく。
そういう設定であれば、普通は主人公のキャラクターというのは人間として多少ずれてしまったり、独善的なところが出てきがちな筈だが、オッドに関してはそういうところが全くない。彼はどんな時でも自分にできる限り誠実であろうとするばかりである。
そんなトーマスが流れ流れてたどり着いたアメリカ西海岸の町で巻き込まれる事件を描いたのが、この「オッド・トーマスの予知夢」なのであるが、この作品中でオッドは当然のように不可思議な事件に巻き込まれる。
しかも事件に巻き込まれる中で、オッドは、自分よりもより強い何かの使命を持たされているらしい女性と巡り会う。何かを確信的に知っており、彼女を助けるためには自分の命さえ捧げるべきだとオッドが確信してしまうような、マリアンナという女性に彼は
出会う。
物語は、彼女とオッドが桟橋で初めての話をしているときに、三人の悪党が現れるところから始まる。彼女に危害を加えそうな三人、あわてて彼女を逃がしながら彼らに向かい合うオッド。暴力の気配におびえながら彼らと対峙するオッドの肩に伸びる彼らの手。彼らの手がオッドの肩をつかんだその瞬間、彼らの脳裏には、鮮明な黙示録的な光景が浮かぶ。巨大な爆発と稲妻、大量の人々の死。その中に浮かぶマリアンナ。悪党もオッドも、その光景に驚くが、素早く男達はオッドを捕まえようと動き出す。命からがらその場を逃げ延びるもののオッドには何がどうなっているのかわからない。
彼としても、ビジョンを見ることはもちろん、ビジョンを誰かと共有するという経験は初めてだった。
その後、実は彼ら悪党ならびに警察署長たちまでもがとあるテロ組織とつながりがあるグループであったことがわかり、トッドは彼らから逃げ回る。相手は確実にオッドを殺そうと町中をうろついている。オッドは土地勘もなく、たちこめる靄の中、ひたすら逃げ回る。その途中で再びマリアンナと再会し、そこでもまた奇跡的な出来事をいくつか体験した彼は、しかるべき物事をなすために、と彼らとたった一人で戦うことを決意する。。。。
冒頭につながる問題がこのあとの流れなのであるが、今回の事件にはオッドすら駒の一つとして扱っているような、或いはより高位の何かが確実に介入しているかのような描写がなされており、どこかキリスト教世界的なモチーフがひんぴんと登場する。表面上は、そのままハリウッドあたりで映画化してもおかしくないようなアクションにつぐアクションと大スペクタクルが展開される。しかし、それと同時進行で今までと違う、何かの介入とより上位の上書きされた背景世界がこの作品を覆っている。このあたりが今までのオッド・トーマスシリーズと大きく異なっていて、読み手によっては、どうにも納得できないと感じる部分もあるかと思う。
客観敵に見ても、そういう意見を補強する二つの大きな違和感がこの作品にはある。
一つには、オッドが平然というわけでないが(もちろんやむにやまれぬ状況下と言えなくもないが)、それでも人を何人も殺してしまうという点。二つには、それらの宗教的モチーフについての物語世界内での真相や糸口あるいは解決が全くなされないままに作品が終わってしまうという点。この二点は正直、客観敵にみると作品としてはマイナス評価になると言わざるを得ない。
冒頭の主張に戻るが、オッド・トーマスシリーズというのは、青春小説であり、主人公のビルディング小説という部分が非常に色濃い小説であるということと、この二つはかなり矛盾を生じる。後者の方については、続編が出て解決がなされた場合は、作品の広がりという風に解釈できるかも知れないが、前者については首をかしげる。
ただ、そうでありつつも、この作品は先ほど少し書いたように映画化してもいいくらいの不思議な魅力とアクションの連続で娯楽性が高いというのも事実で、そのあたりが逆にもやもやしてしまうところである。これで作品的に面白くなかったならば(第三作のオッド・トーマスの救済は若干落ちた感じがした)、ダメだしが出来るが作品全体としては面白く仕上がっているところで余計に評価が定まりがたく、それだけに新刊が出ない状態になっているというのがもどかしいし、座りが悪い。
できれば、どういう形であれ続編が出ることを望みたい。
2009年11月14日に日本でレビュー済み
前作で負った傷は癒える事無く、心の一部が麻痺しているかのごとき淡々たる語り口で物語は綴られる。 誘拐された親友を救うべく追跡を開始するオッド。暗澹たる天候は彼の今後の人生を暗示している様にも感じられる。 今作もまた前作に劣らぬショッキングな出来事がラスト近くに用意されている。 「死者が見える」特別な才能を持つ、何処までも普通な青年オッド。普通で好青年である事の方が彼の特別で素晴らしい才能だと感じた。
2010年10月21日に日本でレビュー済み
『オッド・トーマスの霊感』の半年後の物語。
前回の事件を経験したことによる憂いと悲しみの調べがベースにありますが、十分おもしろいし、救いがある。
オッド自身の内部対話がきめ細かく描かれ、それは彼の癒しというか、次なる出発につながっているのですね。
事件に無理やり巻き込まれてしまうなか、犯人の異様さと、リトル・オジーやプレスリー、オッド自身のナイーブな優しさが対比をなしています。
そしてオッドの成長を予感させるラスト。
なかなかにお気に入りのシリーズです。
前回の事件を経験したことによる憂いと悲しみの調べがベースにありますが、十分おもしろいし、救いがある。
オッド自身の内部対話がきめ細かく描かれ、それは彼の癒しというか、次なる出発につながっているのですね。
事件に無理やり巻き込まれてしまうなか、犯人の異様さと、リトル・オジーやプレスリー、オッド自身のナイーブな優しさが対比をなしています。
そしてオッドの成長を予感させるラスト。
なかなかにお気に入りのシリーズです。
2011年1月31日に日本でレビュー済み
この本を第4巻とするシリーズは,クーンツの同種の単発ものに近い第一巻を読んだ時点で予感はあったのだが(第一巻自体はクリーンヒットと言ってもいいだろう),どうやら晩節を汚すこととなったようである。クーンツと言えば,三振かホームランという印象が強くて,新作が出る度に当たり外れのどっちになるか,かつては興味津々だったが,この「予知夢」で三振王は決定である。プロットの雑さと数多く挿入される穢土米国作家に特有の,擬似ユーモア風会話に辟易している間に読み終わってしまった。シリーズの解説をしているSF作家も,賃仕事に見合った解説は書いているが,相当無理している。因みにこのSF作家は2011年6月に僻地で行われる某学会で講演をするらしいが,講演料のせいか学会参加費がやけに高いのは何とかしてほしいものだ。クーンツはもう読むに値しない作家であることを確認しただけでも価値があるのかも。