「ヘルハウス」をはじめとする数々の名作を送り出した名人、リチャード・マシスンのホラー、ということで、期待値は高かったのですが・・・。
夫の浮気がきっかけで、ぎくしゃくした夫婦関係を修復すべく、ハネムーンで訪れた地を再訪したデヴィッドとエレン。しかし、宿泊した別荘には秘密があり、夫婦には思ってもいなかった危機が迫る!デヴィッドを誘惑する絶世の美女マリアンヌの正体とは?
というホラーです。
なにせ、タイトルが「地縛霊」となっているので、読者は最初からこの別荘に何か悪さをする霊がいることがわかっているわけで、ただ登場しただけでも驚かないところ、この霊の現れ方そしてふるまいはなんとも???
ということで、単なるホラーとしては、個人的には合格点は出せません。なんだか、デヴィッドは、このままエロチックな霊にとらわれていても、かまわないんじゃないかあ?とこちらも思ってしまうほど、恐ろしくないんですね。
原作は、1982年にプレイボーイプレスが出版したらしい。そのときは、あまりにずたずたに編集されたので、マシスンの名前ではなく、別名義を使ったようです。プレイボーイプレスと聞いて、いかにも、と納得のゴーストストーリーというところでしょうか?
字がとても大きくて読みやすかったので、感謝の2つ★。
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アースバウンド ―地縛霊― (ハヤカワ文庫 NV マ 6-7) 文庫 – 2010/11/25
リチャード・マシスン
(著),
尾之上浩司
(翻訳)
夫の不倫で険悪になった夫婦関係を修復しようと、かつてハネムーンで訪れたローガンビーチに別荘を借りたクーパー夫妻。だが妻のエレンはその家にただならぬものを感じる。いっぽう夫のデイヴィッドは、エレンの外出中に突然訪ねて来た若い美女マリアンナと知り合いになった。あからさまに誘惑するマリアンナに魅かれるデイヴィッド。だが近くに住む老婦人の話がすべてを一変させた……巨匠が描く、本格ゴースト・ホラー
- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/11/25
- ISBN-104150412294
- ISBN-13978-4150412296
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商品の説明
出版社からのコメント
『アイ・アム・レジェンド』『運命のボタン』のリチャード・マシスンのホラー長篇です。もともとは1982年にプレイボーイ・ブックスのために書き下ろされた作品でしたが、編集方針と合わず、マシスンには無断で大幅に改稿され、そのためローガン・スワンソン名義で刊行されたといういわくつきの作品。その後1989年にイギリスで、オリジナルの形に戻してマシスン名義で刊行され、1994年にはアメリカでも再刊されました。日本では、もちろん初紹介です。
著者について
1926年ニュージャージー州生まれ。第二次世界大戦には少年兵として従軍。1950年にホラー短篇「男と女から生まれたもの」で作家デビュー。1953年には長篇デビューをはたした。三度にわたって映画化された『アイ・アム・レジェンド』(1954年)をはじめ、『地獄の家』(1971年)、『ある日どこかで』(1975年)など、SF、ミステリ、ホラー等幅広いジャンルで数多くの傑作を発表。短篇の名手でもあり、『13のショック』『激突!』『運命のボタン』といった短篇集も人気が高い。また脚本家としても知られ、「ミステリーゾーン」など人気TV番組や劇場映画でも活躍した。息子のクリスチャンも作家として成功し、親子の合作作品もある。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/11/25)
- 発売日 : 2010/11/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 347ページ
- ISBN-10 : 4150412294
- ISBN-13 : 978-4150412296
- Amazon 売れ筋ランキング: - 700,296位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月29日に日本でレビュー済み
『運命のボタン』で、どんな作品でも書けることを日本でもあらためて印象づけたマシスンだが、今回訳されたのはSF要素のないゴースト・ストーリー。
表紙などから『地獄の家』のような印象を受けるものの、『地獄の家』のようなタイプの読んでいて怖い幽霊屋敷ものではない。
むしろ、心理ホラーで、もし自分がこの状況に置かれたら怖いと思うタイプのホラー作品。
奥さんとのぎくしゃくした関係を修復するために訪れた屋敷で起こる恐怖を描いた話である。
恐怖をもたらすものは、見かけこそあくまで普通の人である。人であることで、さらに恐怖が増す。
ジャンルはどちらかといえばエロティック・ホラー。
しかしそのエロさぐあいがマシスンらしくもあり、文章のマシスンらしさも相俟って、マシスン・ファンはちょっとうれしくなってしまう。翻訳されたマシスン作品の中でいちばんマシスンらしい作品かもしれない。
2010年は日本におけるマシスン大復活の年だった。尾之上浩司・伊藤典夫編訳『運命のボタン』が刊行された翌月に、キング&ヒル、ランズデールといった巨匠によるマシスンのトリビュート・アンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』が刊行された。そして今度は『アースバウンド―地縛霊ー』である。
まだ扶桑社からは短篇集と『縮みゆく人間』の新訳が刊行予定、そして早川書房からはマシスンの最新長篇が訳出予定らしく、まだまだ刊行の勢いは衰えないようだ。
映画化予定も二作あり、このまま過去作の訳出が続けばいいものだ。
個人的にはサスペンス長篇『夜の訪問者』(早川書房)と『愛人関係』(平安書店)、そして映画化もされたミステリーテイストのゴースト・ストーリー『渦巻く谺』(早川書房)、本格幽霊屋敷の傑作『地獄の家』、ラヴ・ストーリー『奇蹟の輝き』(東京創元社)など、どんどん復刊してほしいものだが。ホラー寄りの作品を集めた『激突!』(早川書房)、ユーモラスな作品も数篇含まれている短篇集『モンスター誕生』(朝日ソノラマ文庫)も復刊されればなあ、まあ、さすがにそこまでは無理かもしれないが……。
表紙などから『地獄の家』のような印象を受けるものの、『地獄の家』のようなタイプの読んでいて怖い幽霊屋敷ものではない。
むしろ、心理ホラーで、もし自分がこの状況に置かれたら怖いと思うタイプのホラー作品。
奥さんとのぎくしゃくした関係を修復するために訪れた屋敷で起こる恐怖を描いた話である。
恐怖をもたらすものは、見かけこそあくまで普通の人である。人であることで、さらに恐怖が増す。
ジャンルはどちらかといえばエロティック・ホラー。
しかしそのエロさぐあいがマシスンらしくもあり、文章のマシスンらしさも相俟って、マシスン・ファンはちょっとうれしくなってしまう。翻訳されたマシスン作品の中でいちばんマシスンらしい作品かもしれない。
2010年は日本におけるマシスン大復活の年だった。尾之上浩司・伊藤典夫編訳『運命のボタン』が刊行された翌月に、キング&ヒル、ランズデールといった巨匠によるマシスンのトリビュート・アンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』が刊行された。そして今度は『アースバウンド―地縛霊ー』である。
まだ扶桑社からは短篇集と『縮みゆく人間』の新訳が刊行予定、そして早川書房からはマシスンの最新長篇が訳出予定らしく、まだまだ刊行の勢いは衰えないようだ。
映画化予定も二作あり、このまま過去作の訳出が続けばいいものだ。
個人的にはサスペンス長篇『夜の訪問者』(早川書房)と『愛人関係』(平安書店)、そして映画化もされたミステリーテイストのゴースト・ストーリー『渦巻く谺』(早川書房)、本格幽霊屋敷の傑作『地獄の家』、ラヴ・ストーリー『奇蹟の輝き』(東京創元社)など、どんどん復刊してほしいものだが。ホラー寄りの作品を集めた『激突!』(早川書房)、ユーモラスな作品も数篇含まれている短篇集『モンスター誕生』(朝日ソノラマ文庫)も復刊されればなあ、まあ、さすがにそこまでは無理かもしれないが……。