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ロンメル将軍 (ハヤカワ文庫 NF 30) ペーパーバック – 1978/7/1

4.7 5つ星のうち4.7 9個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (1978/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1978/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 311ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150500304
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150500306
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 9個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
9グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は
デズモンド・ヤング(1892-1966)
(Desmond Young)による
『ロンメル将軍』
(早川書房 1978)です。
訳者は清水政ニ(1905-1988)です。
邦訳は最初1969年
月刊ペン社から発行され
その後、同じ訳者によって
改訳された本書が
早川書房から出版されました。

底本は
Desmond Young
"Rommel : The Desert Fox"
(1950)です。

ヤングは英国籍で
第一次世界大戦では欧州で戦い
大戦後は南アフリカとインドで
新聞編集に携わりました。
第二次世界大戦では
50歳でインド軍に志願し
第10インド旅団の旅団長
(階級はBrigadier 准将)として
トブルク近郊のガザラで
DAK(ドイツアフリカ軍団)の捕虜となり
ロンメルと会っています。
戦後
ロンメルの遺族に会って取材し
本書を上梓しました。

翌年、本書は映画化されました。
"The Desert Fox : The Story of Rommel"
(1951年 米国映画)
監督:ヘンリー・ハサウェイ(1898-1985)
主演:ジェームズ・メイソン(1909-1984)
邦題:砂漠の鬼将軍
です。著者デズモンド・ヤングは
映画の中でヤング准将として
自分自身を演じているそうです。

本書の序文は英国陸軍元帥の
サー・クロード・オーキンレック(1884-1981)
(Sir Claude Auchinleck)
が書いています。オーキンレック元帥は
対戦中の1941-1942年
北アフリカでロンメルと対峙しました。
本書によると
当時、大将だったオーキンレックは
英国陸軍の中東軍総司令官として
「いたずらにドイツ軍のロンメルをおそれるな」
という主旨の命令を出しました。
その中で「われらが戦友ロンメル」と
呼んだとされています。

さらに戦争中、英国首相だった
サー・ウインストン・チャーチル
(1874-1965)は
議会で演説しロンメルのことを
"extraordinary bold and clever opponent"
(非常に大胆で賢い敵)
"great field commander"
(偉大な戦場指揮官)
と呼びました。このように
大戦中から英国には
ロンメルを評価する土壌がありました。

歴史の専門家ではない私などは
「鬼畜米英」
「出てこい、ミニッツ、マッカーサー」
など
根拠のない楽観論というより
知性に欠けるレベルでの
敵の過小評価や
粗暴な激情の露出などよりは
「敵もあっぱれ」
と正確に評価する方が
勝利に近づくような気がします。
根拠なく敵をおとしめることは
「ぜいたくは敵だ」
「撃ちてし止まむ」
とすぐに我が身に回帰してくることは
歴史を見れば明らかです。

本書は
戦後に出版されたロンメルの伝記のうち
最初のものであり
かつ一般の人口に膾炙したものです。
上述のように映画化までされました。

結果として
本書が
ロンメルを
"good German"
"our friend Rommel"
と表現したため
いわゆる「ロンメル神話」
(the Rommel myth)
あるいは「ロンメル・レジェンド」
(the Rommel legend)
をつくりあげるのに貢献した
とする批判もあります。

英語圏・ドイツ語圏の歴史家たちは
ロンメルの真の像を明らかにするべく
研究が続いています。特に
①1944年7月20日の
ヒトラー暗殺計画に対して
どの程度までコミットしていたのか?
②そもそも
ナチズム(National Socialism)との
関係はどうだったのか?
‥などの点が焦点です。
結論はいまだに
「どちらとも言えない」
のようです。

ロンメルは
祖父も父も数学教師で
貴族ではなく中産知的階級出身です。
職業軍人であり
戦争に関する本以外の本は読まず
ナチズムも含めて思想に興味は
ありませんでした。
戦場では自分にも厳しかったが
部下の将兵にも厳しく
猛将という表現があてはまります。
ドイツ陸軍史上最年少の
50歳で元帥に昇進しますが
それはヒトラー体制のもとで
初めて可能でありました。
それはヒトラーにこびへつらったからではなく
能力を評価されたからです。
特に断固たる決断力でしょう。
ロンメルは
ヒトラーユーゲント指導者
フォン・シーラッハ(1907-1974)と
国家元帥でナチナンバー2の
ヘルマン・ゲーリング(1893-1946)を
嫌っていた
というより敵とみなしていました。
法制上ヒトラーは軍の最高司令官でしたが
ロンメルはすぐれた職業軍人として
ヒトラーの戦争指導・戦術を
批判していたようです。
さすがに公言はしていませんが。
暗殺する必要がある
とまで考えていたかどうかは
まだどちらとも不明です。

最後に
村上春樹氏(1949-)には
『ロンメル将軍と食堂車』
という短いエッセイがあり
「昔なにかの本を読んでいて、
ロンメル将軍が食堂車で
ビーフ・カツレツを食べるシーンに
ぶつかったことがる。」
と書いています。
何の本だったかは明記されていません。
安西水丸(1942-2014)による
イラストがついています。
詳細は
村上春樹/安西水丸
『村上朝日堂』(新潮文庫 1987)
(pp.117-119)
をお読みいただければ幸いです。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
博士の参照文献を読んでみたが、かなり難解だ。まず外人の名前や地名がおぼえられない。
ドイツ軍の組織体系がわからない。今更ながらに博士の読書量、知識の多さに感服します。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年3月5日に日本でレビュー済み
著者ヤング氏はロンメル軍団の捕虜となったこと、それがきっかけとなってこの伝記を作成したとのことです。これがそのまま映画「砂漠の狐」になってます。

ロンメルの人と家族にスポットをあてている部分も多い作品で、彼の息子が装備の良い親衛隊を希望したとき、国防軍への入隊を勧めたといいます。その後彼の息子がどのように行動したかまで記載されています。

過酷な砂漠の戦場で彼がいかに人道的に戦い、文字通り英雄として、敵味方なく慕われた由縁が書かれています。

ロンメルとはどんな人物だったのか、どのように戦ったのか、彼の幕僚、ヒトラーとの関係、などなどに興味のある方には必読の書です。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロンメル将軍は、個別の戦略論者からは、否定的な目を向けられているそうである。

しかし、個別の戦術論としては、敵将を唸らせる戦いを実行、指揮した名称郡であった。ドイツを護るため、国防軍がヒトラーの軍門に下るのを甘受し、職業軍人としての潔癖さを貫いたヒトであったようである。

しかし、一番悲しかったのは、「裁判か服毒自殺か」の選択を迫られ、家族の行く末までを考え、夫人の悲願を拒否して、死んだことである。
この、一人の男の判断は、結果的に家族を護り、息子を政治家へと向かわせた。

同姓として、彼の「最終判断」は共感できるのであるが、みなさんはいかがであろうか?
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
敵から砂漠の狐と言われ恐れられ、チャーチルにも敵ながらアッパレと言わせた砂漠の狐ロンメル将軍!
常に最前線で指揮をとる彼の姿は兵達を安心させ、士気を向上させた。
イギリス軍を崩壊寸前まで追い詰め、ヒトラー暗殺計画にまで加わったロンメル将軍とは如何なる人物だったのか?
本書はそのロンメル将軍の一部を見る事ができる貴重な一冊であろう。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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