いわゆる似非科学の類について、かなり広い範囲で収集した上で、論理的にその問題点を指摘かつ冷たく笑い飛ばす、というもの。文庫で2分冊になっており、中身もぎっしり詰まっているかなりの大部である。
古今東西の似非科学はたいがい網羅されているといって良さそうだ。もちろん、日本独自な「血液型占い」などは出てこないが。
ハヤカワとしては2003年の刊行だが、もともと1952年の著作(米国)で、邦訳の最初は1989年に出ているらしい。原著が半世紀以上前にかかれたものなので、多少時代がかったところもみられる。なのだが、今時点でこの本を読むという観点では、ねらい目は最新の似非科学情報を得よう、ではないだろう。個人的な感想は、20世紀の後半いっぱいを使っておいて人類はこれほど進歩できないものなのか、というのを目の当たりにした気分である。
進化論や相対性理論を受け入れ(られ)ない人々の一派、きわめて怪しくてかえって危険な代替医療(ホメオパシーなど含む)、UFOの写真を信じたり、各種の予言予知超能力の与太話、、、。
社会学(つまり人間の研究)の分野で、歴史に学べ、という金言があると思うが、まさにこれはそれを地で行く感じだ。解説で山本弘氏も書いているが、まさに歴史を知ることが、人類がどうどうめぐりをせずに次に一歩進むための必須条件なのではなかろうか。歴史を知っているからといって次に進めるわけでもないが、知らなければおそらく必ず同じ罠に陥るのであろう。
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奇妙な論理 1 (ハヤカワ文庫 NF 272) 文庫 – 2003/1/1
だまされやすさの研究
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2003/1/1
- ISBN-104150502722
- ISBN-13978-4150502720
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2003/1/1)
- 発売日 : 2003/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 318ページ
- ISBN-10 : 4150502722
- ISBN-13 : 978-4150502720
- Amazon 売れ筋ランキング: - 319,383位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 252位ハヤカワ文庫 NF
- - 1,177位科学読み物 (本)
- - 14,050位評論・文学研究 (本)
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トップレビュー
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2012年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、笑い話にしかならないような奇妙な科学的論理(信仰の世界)を科学者の視点からユーモア溢れる文章で綴っている。しかし現実の社会の中に如何に多くの狂気が存在しているのか驚かされる一冊。
2019年11月19日に日本でレビュー済み
本書は1952年の科学的懐疑の古典だが、現代的な科学的懐疑主義が実験やデータを重視するのに対して、この書籍では人物像で疑似科学者の傾向を判断しようとしている部分などまったく参考にしてはいけない解説が含まれている。
医薬品を認可するための臨床試験に比較対照群を設けた試験(ランダム化比較試験)を行うようになったのは10年のちの1962年であり、それでもそうしたデータ、科学的根拠が軽視されたために、「根拠に基づく医療」(EBM)が根付きはじめたのは1990年代です。
現代的な科学的懐疑主義の書籍を知りたければ他の本をあたったほうがいいでしょう。アメリカ懐疑派協会の創設者マイケルシャーマーの『なぜ人はニセ科学を信じるのか』や、アメリカの化学の教授による『疑似科学はなぜ科学ではないのか』をおすすめします。こうした書籍では、実験によって得られたデータを、主張の裏付けにもってくるというごく当然なプロセスについてしっかり解説されています。
医薬品を認可するための臨床試験に比較対照群を設けた試験(ランダム化比較試験)を行うようになったのは10年のちの1962年であり、それでもそうしたデータ、科学的根拠が軽視されたために、「根拠に基づく医療」(EBM)が根付きはじめたのは1990年代です。
現代的な科学的懐疑主義の書籍を知りたければ他の本をあたったほうがいいでしょう。アメリカ懐疑派協会の創設者マイケルシャーマーの『なぜ人はニセ科学を信じるのか』や、アメリカの化学の教授による『疑似科学はなぜ科学ではないのか』をおすすめします。こうした書籍では、実験によって得られたデータを、主張の裏付けにもってくるというごく当然なプロセスについてしっかり解説されています。
2022年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
疑似科学側にあまりに厳しい言い方が多いが、そういった者の心理構造と情報源が詳しかった。
地球空洞説や天動説などの歴史を知ることができる。
地球空洞説や天動説などの歴史を知ることができる。
2010年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「どうして当時の人がこんな話を信じたのか」
「何故この話がエセ科学なのか」
それがほとんど解説されてない。
ただこういうことがありました。
科学的に考えてこれを提唱した人は本当に馬鹿ですね。今考えると。
といったことが延々と書いてあるだけ。
だから?それで?それは今の常識で考えたらの話でしょ?
という風にしか僕にはうつらなかった。
なぜこの本がこれほどまでに評価されているのかわからないのは
僕がこういった本に知識が足りなさすぎるのかもしれません。
ただ、僕が知りたい、もしくはこの本にはこういったことが
書いてあるだろうと思った
「どうして当時の人がこんな話を信じたのか」
それが解説されていないこの本は僕にとって
非常につまらない本だった。
「何故この話がエセ科学なのか」
それがほとんど解説されてない。
ただこういうことがありました。
科学的に考えてこれを提唱した人は本当に馬鹿ですね。今考えると。
といったことが延々と書いてあるだけ。
だから?それで?それは今の常識で考えたらの話でしょ?
という風にしか僕にはうつらなかった。
なぜこの本がこれほどまでに評価されているのかわからないのは
僕がこういった本に知識が足りなさすぎるのかもしれません。
ただ、僕が知りたい、もしくはこの本にはこういったことが
書いてあるだろうと思った
「どうして当時の人がこんな話を信じたのか」
それが解説されていないこの本は僕にとって
非常につまらない本だった。
2011年9月25日に日本でレビュー済み
変な理論にだまされている人がいかに多いか...これらは、昔話でなく、現代でも同じような事例は沢山ありますね。
2015年2月1日に日本でレビュー済み
私は教養文庫版で読んだのでハヤカワ版の詳細は知りません。翻訳は分かりやすかった記憶があります。科学を否定するオカルトの特徴は、検証不可能な説をふりかざすことです。そして科学の側もバカバカしい、として相手にしなさすぎです。科学が万能ではなく、実はまだ分からないことだらけであること、検証できるか否かが最重要であること、これを充分説明することが科学の責務です。オカルトは宗教とか興行価値とかで否定するのに勇気がいる場合がありますが、このような論考を日本でやる人が少なすぎですね。従って騙す側に有利になってしまう訳です。まあNATURE誌も時には騙されるわけですから、凡夫がいくら騙されても不思議ではありませんが…
2007年6月17日に日本でレビュー済み
Skeptic Society会長のシャーマーをして、「現代懐疑論の始まり」と評価させる科学的懐疑論の体系化をもたらした歴史的名著。
いまでは、執筆から60年が経った。もちろん話題そのものは古いが、こと疑似科学の研究としては色あせることのない超一級の名著であり古典である。「相対論は間違えている」の人々についての解説などは、全く以って現代も有効で、ガードナーの分析能力がいかに本質をついているか(あるいは疑似科学者連中に進歩がないのかもしれないが)を、強力に示している。
さらに特筆すべきはガードナーのユーモアセンス。
「55分もあれば十分だ」などは、歴史に残る名突っ込みといえよう。
本当に面白い。抱腹絶倒一回は三段論法千回に優るとはまさにこのことで、ドライな懐疑論の原型となっている。
いまでは、執筆から60年が経った。もちろん話題そのものは古いが、こと疑似科学の研究としては色あせることのない超一級の名著であり古典である。「相対論は間違えている」の人々についての解説などは、全く以って現代も有効で、ガードナーの分析能力がいかに本質をついているか(あるいは疑似科学者連中に進歩がないのかもしれないが)を、強力に示している。
さらに特筆すべきはガードナーのユーモアセンス。
「55分もあれば十分だ」などは、歴史に残る名突っ込みといえよう。
本当に面白い。抱腹絶倒一回は三段論法千回に優るとはまさにこのことで、ドライな懐疑論の原型となっている。