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なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫 NF 313) 文庫 – 2006/8/1

4.2 5つ星のうち4.2 13個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2006/8/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/8/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 260ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150503133
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150503130
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 13個の評価

著者について

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スーザン・A.クランシー
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2006年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 著者は心理学者で、人は偽の記憶を作ってそれを真実だと信じることがあるか、という研究をしてきた。学生の頃はレイプを題材にし、批判をあびた。その後、レイプほど話を聞くのが辛くなく、真実ではないと確信できることを題材にしたいと考え、アブダクションを信じる人を研究対象にした。つまり、彼女は始めから宇宙人が人間を誘拐などしたことはないという前提で、「なぜ人はあり得そうにないことを信じるのか」という研究について主張を展開する。

 彼女によれば、アブダクションを信じているほとんどの人は、体にとても異常な面があったり、寝ている時に物凄い恐怖体験をしたり、(記憶のない空白の時間など)理解できないことがあり、相当な精神的負担を抱えているということが共通しているそうだ。彼らは「痛みや悩みの根源を理解したい」と願い、催眠術にたどり着き、催眠によって「失われた記憶」を思い出し、誘拐されたと信じている。

 しかし著者は、人間の記憶の脆さを指摘する。過去について細かに思い出そうとすると、人は記憶を「取り出す」のではなく、「再構築する」力しかないと主張している。だから想像したこともまるでそれが真実に思えてくるのだそうだ。催眠術を使わなくても、宇宙人映画を見たり、アブダクション体験記などを読むと、自分の経験した不可思議なことの原因は、「きっと誘拐されたに違いない。そしてその時の記憶を消されたに違いない」と思えてくるそうだ。

 こんな彼女の巧みな論調に、思わず納得させられてしまった。彼女は、アブダクションを信じることと、信仰を持つことに共通点があると言う。宇宙人も神も、目に見えない存在であり、私達よりも優れた力を持ち、私達を見てくれているという考えは、「人間の願いの表れであり、そう思うことでとても支えられている人々がいる」と論じている。

 とても面白い研究題材であり、分かりやすく書かれていたので星5つ。
47人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この書は、決してUFO研究書でも、矢追VS大槻の新機軸でもない。
人間の記憶に関する心理学的リサーチである。
日本で言うところの、金縛りや幽体離脱現象が、睡眠と覚醒の周期と睡眠麻痺機能とのズレによるものと述べている。基本的には、睡眠中に、空を飛んだり、人を殺傷したりする夢が、現実に起こさせないように、睡眠中は、脳から体の運動機能に対する指令を遮断する神経メカニズム(睡眠麻痺)が働いている。それが覚醒期間にずれ込んでしまうためだと説明する。
 また、過去の記憶というものが、系統立てて記憶の抽斗にしまわれているわけではなく、視聴覚触覚などから得られた情報の断片として抽斗にしまわれており、記憶を引き出す時には、物語構造の体をなしていないために、その時どきで過去の出来事の再構築を必要とする。記憶の不確かさは、記憶力のよい悪いに関係ない。そのため、TV、雑誌、他人の体験または催眠療法のセラピストの誘導などに、非常に影響されてしまうと述べる。
 面白いことに、UFOの形態の流行が、葉巻型から、円盤状に変わると、アブダクティの証言もそれにつれて変遷し、彼らが見たという宇宙人の目鼻の形も、TVや映画の番組に大きく左右されるというのも笑わせてくれる。
 ところで、臨床心理学そのものも、アブダクティの診断を、ヒステリー症だとか、統合失調症だとかの当時の流行り廃りで病名を援用しているところが、皮肉ではある。
 日本にアブダクティが少ないのは、心理学的逃げ場が少ないことや、不寛容な社会が原因ではないかと、読後の複雑な感想を抱いた。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年5月6日に日本でレビュー済み
 宇宙人に誘拐されたと訴えるアダプダティを大規模な調査によって調べあげた一冊。
 アメリカ人の40人に1人とさえ言われたアダプダティ。催眠による証言は事実かどうかなど一時は議論を呼んでいたが、筆者が調査することによって見えてきたアダプダティの姿は事実確認というものとはかけ離れたものだった。アダプダティ達が自分が宇宙人に誘拐されたと信じるのは、催眠でも物的証拠や傷跡でもなく、宇宙人に会ったというのが一番感情が動いた、そうだと思ったという主観的確信によるものだったのだ。この本のタイトルが「エイリアンによる誘拐はあったのか」ではなく「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか」となっているのはその為だ。
 アダプダティの大半が宇宙人による誘拐を人生で最悪のことであると同時に最高のことと捉えていることから、筆者は一つの結論に行き着く。

 この筆者の主張はアダプダティに関わらず一般の様々な臨床心理的な問題を考える上で非常に重要なものだと思う。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年10月31日に日本でレビュー済み
タイトルを「人」ではなく「アメリカ人」にした方がいい内容。

アメリカ文化の土壌であるセラピスト、性的虐待、催眠療法という手順から生まれているアブダクション記憶。

アメリカのTV番組で、エイリアンが多く登場する現状。

この社会現象と呼べる問題について、心理学から記憶のメカニズムについて論じながら語られる。

アブダクションが問題になる程、日本では社会現象までなってはいない。

読者としてはその文化の差異が、この本との距離を作るように思う。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年8月29日に日本でレビュー済み
のは日本語題に示されている通りで、だからそういう内容を期待するのは間違っている。あくまでも、心理学的立場から「なぜ人がそんなことを信じてしまうのか?」を追求した本なのだ。もちろん、現実に証明が困難であるため著者は「エイリアンによる誘拐は現実ではない」という立場を取るのだが、そもそもそんなことは本書のテーマではないのだ。

恐らくは睡眠麻痺という医学的な説明をつけられる現象による睡眠中の恐怖体験を、なぜ「エイリアンに誘拐され恐ろしい目に遭った」という非現実的なありえなさそうなシナリオに当てはめて理解しようとする人がこんなにもいるのか(自分がエイリアンに誘拐されたのではないかと信じている人がかなりの人数存在するという事実にまず驚くのだが、米だからなのだろうか?日本ではどうなのだろう?)という問いに対して、いかに簡単に記憶が操作されやすいかを説明し、なぜそれらの人々が数ある説明的シナリオの中から「エイリアンによる誘拐」という特別な物語を選んだのかを探るのが本書の目的である。

ただ、そんな思い込みを抱くに到った人々を無意味だとかバカげていると単純に決めつけるのは間違いであるとする、なかなかに温かい描き方の本なのだ(その辺が科学的暴露本との違いだろうか)。なぜなら、それらの体験に対してあまりに杓子定規な科学の側は彼らが納得できる物語を与えずにいたのだし、「エイリアンによる誘拐」体験という物語が含むのはマイナスの要素だけではないのである。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年10月3日に日本でレビュー済み
なぜ客観的な証拠もないのに、宇宙人にさらわれたことを信じる人がいるのか、興味を持っていたが、疑問に思っていた点が(すべてではないにしろ)すっきりと解明できた1冊。
様々な証拠や論を積み重ねた結果、本書がたどり着く1点は「信」という答え。つまり、人は「信じる」が故に、自分の理解を超えた(自分の知識では理解できない)現象を、無意識にでも「信じている」ものと結びつけ、何とか自分の精神を保とうとするという事実。
「信じている」からエイリアンに誘拐される(と思ってしまう)というのは、信じる者しか救わない宗教と似通った面があるのかも。というより、宗教が力を失ったからこそ、新しい宗教たるエイリアンに何かしらの救いを求めてしまうのか。
単なる興味本位以上に、いろいろなものを考えさせてくれる1冊だった。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スーザン・A・クランシーはハーバード大学の心理学者である。なぜ、人はエイリアンを信じるのか?ということを様々な実験を通して紹介している。彼女は、科学者でもあるのではないかと思わせるほど鋭い。もともとは、心的外傷体験についての記憶の研究をする為に、性的虐待を受けた人を中心に研究をしていた。ところが、その実験が批判を受けるようになり、アブダクティー(誘拐された人、詳しくは、誘拐されたと信じている人)を調べることになる。人がなぜ、いもしないエイリアンを信じるのか?そのことを、この本は紐解いており、最後の結論は「信じる人は、世界中の多くの人が宗教から得ているものと明らかだ。」となっている。エイリアンがなぜ神と同じなのか? この本を読めば分かります。心理学的にもとても面白い本になっています。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年3月22日に日本でレビュー済み
 なぜ、人はエイリアンに誘拐されたと思うのか?心理学や社会学的にこのテーマを解き明かす。訳は読みやすく、論旨は明瞭、結論もすっきりの一冊である。
 「トンデモ」「嘘」「わけがわからない」と切り捨てるのはたやすいが、本書はあくまで合理的、理性的にその謎に切り込む。ここに人間の心理の不思議な点を明らかにしようという科学的な態度が見て取れる。
 人間の心理や記憶というのも、意外とあてにならないというか、不思議ないたずらをしてくれるということが理解できる、知的興奮の一冊である。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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