1.長い思考操作の台詞でも論理の運びに無駄がない。
2.登場人物の多さにもかかわらず、登場タイミングと説明の良さで誰が誰だかわからなくならない。
3.伏線ではなくても各人物の性格を表す言動によってドラマに奥深さが感じられる。
4.論理は細かいが、男女の機微等人間の心の動きの描写はくどくなく読者の想像に任せる。
5.上記によって映画を観ているかのような読書感。
6.犯罪を論理で暴くことに主眼があるが、全ての人間が持つ善と悪の感情を否定しない。
「ギリシャ棺の秘密」は上記に加え、失敗から学び取る若きエラリィと好敵手との闘いと、
お洒落なラストシーンが好きだ。
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ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30) 文庫 – 1979/12/1
- 本の長さ502ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1979/12/1
- ISBN-10415070130X
- ISBN-13978-4150701307
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1979/12/1)
- 発売日 : 1979/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 502ページ
- ISBN-10 : 415070130X
- ISBN-13 : 978-4150701307
- Amazon 売れ筋ランキング: - 729,543位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トリックの奇抜さ、自然なストーリー展開、意外な犯人。しかし、実際の場合どうかなと思う点が一つ、そんなに簡単に死体を運べるか?
2021年12月3日に日本でレビュー済み
私は子供のころからの推理小説ファンで、今でもおりにつけて読む。
アンチの立場からの言い分ではないが、これまでたぶん千の単位でいろいろな作品を読んできた結果として言うと、いわゆる「つっこみどころ」のない本格推理小説は1冊もない。あるというのなら、未読のものであるのは間違いないので是非とも教えてほしいと思う。
違いは、無理があるその「程度」の違いに過ぎないと思う。で、クイーンのこの作品は、その設定にかなりの無理がある方に属するだろう。
あやしいフシがあるということで棺桶を掘り出してみると、なんと思いもしなかったもの、もう一つの死体が発見されるという話。
あっとびっくりするのは確かだが、実践するのは殆ど無理であろう。骨の数が合わない、なんてのはあり得るかもしれないが、成人の男一人がプラスされているなんて、とうてい考えられない設定である。
だいいち、実行の現場を発見される可能性を勘案すると、そんなリスクを犯す必然性はゼロ。他にもいくらでもやりようがあったことを否めない。
なんのために密室にするのか分からない密室殺人というのが、けっこうあったけど、それと同じだ。
要するに、奇抜な話を楽しむ点に主眼を置かなければ、とても読めたものじゃないわけで、まあ、それでもなんとかそれなりには読めたのがこの小説であったのでした。
アンチの立場からの言い分ではないが、これまでたぶん千の単位でいろいろな作品を読んできた結果として言うと、いわゆる「つっこみどころ」のない本格推理小説は1冊もない。あるというのなら、未読のものであるのは間違いないので是非とも教えてほしいと思う。
違いは、無理があるその「程度」の違いに過ぎないと思う。で、クイーンのこの作品は、その設定にかなりの無理がある方に属するだろう。
あやしいフシがあるということで棺桶を掘り出してみると、なんと思いもしなかったもの、もう一つの死体が発見されるという話。
あっとびっくりするのは確かだが、実践するのは殆ど無理であろう。骨の数が合わない、なんてのはあり得るかもしれないが、成人の男一人がプラスされているなんて、とうてい考えられない設定である。
だいいち、実行の現場を発見される可能性を勘案すると、そんなリスクを犯す必然性はゼロ。他にもいくらでもやりようがあったことを否めない。
なんのために密室にするのか分からない密室殺人というのが、けっこうあったけど、それと同じだ。
要するに、奇抜な話を楽しむ点に主眼を置かなければ、とても読めたものじゃないわけで、まあ、それでもなんとかそれなりには読めたのがこの小説であったのでした。
2009年6月20日に日本でレビュー済み
本書は前作「オランダ靴の秘密」と次作「エジプト十字架の秘密」とともに、国名シリーズベスト3と名高い作品。
前作「オランダ靴」では完璧な論理を見せたエラリイだが、本書ではすぐにその推理を覆す事実が発覚し、若さゆえの未熟さを何度も露呈している。つまり本書はバークリーの「毒入りチョコレート事件」の流れを汲むいわゆるアンチ・ミステリーなのだが、このアンチ・ミステリーというやつ、推理の論拠の解釈によって解決が変わってくるというシロモノで、推理小説の知的パズル要素を否定されているみたいで好きになれない。いったい何でロジックの鬼であるはずの作者がこのような作品を書いたのかと思う。
もしもこれが、例えば個々の推理の前に「これまでにエラリイに与えられたデータは、等しく読者にも提供されている。したがって、これらのデータをもとに行われる推理はエラリーと読者諸賢では同一のものであるはずである」と、「読者への挑戦状」を差し挟んでいれば、本書のパズル小説としての評価はまた違ったものになったかも知れないが。
個々の推理に関しても「オランダ靴」で見せた完璧な論理ほどのものではなく、穴やこじつけというかそれはムリだろうという点もいくつか見られ、国名シリーズ最高傑作と評される理由がわからない。それに、とにかく冗長で読むのがしんどい。何度挫折しかけたことだろう。
私なら国名シリーズベスト3には本書の替わりに「フランス白粉の秘密」か、推理作品としてはイマイチだがストーリーの面白い「シャム双生児の秘密」の方を推す。
前作「オランダ靴」では完璧な論理を見せたエラリイだが、本書ではすぐにその推理を覆す事実が発覚し、若さゆえの未熟さを何度も露呈している。つまり本書はバークリーの「毒入りチョコレート事件」の流れを汲むいわゆるアンチ・ミステリーなのだが、このアンチ・ミステリーというやつ、推理の論拠の解釈によって解決が変わってくるというシロモノで、推理小説の知的パズル要素を否定されているみたいで好きになれない。いったい何でロジックの鬼であるはずの作者がこのような作品を書いたのかと思う。
もしもこれが、例えば個々の推理の前に「これまでにエラリイに与えられたデータは、等しく読者にも提供されている。したがって、これらのデータをもとに行われる推理はエラリーと読者諸賢では同一のものであるはずである」と、「読者への挑戦状」を差し挟んでいれば、本書のパズル小説としての評価はまた違ったものになったかも知れないが。
個々の推理に関しても「オランダ靴」で見せた完璧な論理ほどのものではなく、穴やこじつけというかそれはムリだろうという点もいくつか見られ、国名シリーズ最高傑作と評される理由がわからない。それに、とにかく冗長で読むのがしんどい。何度挫折しかけたことだろう。
私なら国名シリーズベスト3には本書の替わりに「フランス白粉の秘密」か、推理作品としてはイマイチだがストーリーの面白い「シャム双生児の秘密」の方を推す。
2005年9月10日に日本でレビュー済み
クィーンの推理が二転三転するため読者もそれに惑わされがちだが、それはまんまと作者の術中に嵌っている。よ~く考えれば犯人は一人しかいない事はクィーンの他の作品より推理しやすかった。長いのを厭わなければ「読者への挑戦」に勝ちやすいと思われてクィーン入門にはうってつけの作品かも。
2003年8月27日に日本でレビュー済み
大学を出たばかりの功名心に燃えたエラリィ君の初大事件。大探偵の座を獲得する前の「青い」彼が悪戦苦闘します。
盲目の老富豪が死んだ。その死に不審は無いものの遺言書が消えてしまう。「遺言書は棺の中」と推理したエラリィの勧めで棺を開けるとそこには見知らぬ男の他殺体が・・・。果たして遺言書はどこに?
盲目の老富豪が死んだ。その死に不審は無いものの遺言書が消えてしまう。「遺言書は棺の中」と推理したエラリィの勧めで棺を開けるとそこには見知らぬ男の他殺体が・・・。果たして遺言書はどこに?