劣悪な環境のライマ病院から脱出したビリーですが、次に移転した病院でも適切な治療が受けられず、ビリーの精神は安定を得ることができません。
そして、ビリーに様々な試練が待ち受けていたのですが、ビリーはそれらを克服し、最後には精神の安定を認められて社会に復帰します。
ビリーは自分が連続レイプ強盗犯であることを棚に上げて、外出の自由ばかりを要求し、ビリーを敵視する勢力と反発してきました。
その結果、ビリーはさらに苦しむことになってしまいました。
しかし、本書のエピローグでビリーは反省します。
「私が女性にしたことに対して罰を受ける必要があった」
「虐待された人間が虐待をすることに気がついた。私にレイプされた女性が子供を虐待をするかもしれない」
「私を虐待した養父も虐待を受けたから私を虐待したのかもしれない。養父を許さないと私も許されない」
ビリーは報復が報復を生むことに気がついたのです。
しかし、ビリーの言うような許し合う社会の実現は困難です。
そもそも人間はそういう風にできていないのですから。
そのことはビリーの多重人格自体が証明してしまっているのです。
虐待に耐えるために身につけた強力な力=多重人格がそれを証明してしまっているのです。
人間である以上、平和な世界は存在しないのかもしれません。
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ビリー・ミリガンと23の棺 下 (ダニエル・キイス文庫 7) 新書 – 1999/10/1
- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1999/10/1
- ISBN-104151101071
- ISBN-13978-4151101076
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1999/10/1)
- 発売日 : 1999/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 334ページ
- ISBN-10 : 4151101071
- ISBN-13 : 978-4151101076
- Amazon 売れ筋ランキング: - 281,653位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,471位英米文学研究
- - 22,344位新書
- - 54,321位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作『24人のビリー・ミリガン』ではビリーを病の患者、もしくは被害者として捉えて、彼の抱えた困難を描くことに傾倒していたように感じます。
一方本作は原題の『The Milligan Wars』からわかるように、政治家・メディア・大衆などからのバッシングや施設での介護人による虐待、アメリカの精神患者に対する制度といった外部との闘争と、病状そのものや義父による凄惨な虐待のトラウマなどの心の内部での闘争といった、彼を苦しめる闘争に主眼を置き、彼を闘争の参加者、「戦士」として描いています。
上巻は「地獄」と呼ばれる州立ライマ病院での生活をメインに描かれています。
下巻では特にアメリカの精神局の制度などに振り回されるビリーの戦いに主眼が置かれています。
最も印象に残ったのはエピローグです。トラウマの後遺症には回避という症状があります。(トラウマに関してはこちらの本が詳しいです『 トラウマ (岩波新書) 』)
これはトラウマの原因に関連するもの(ビリーに関して言えば義父や虐待の行われた納屋など)を避けるようになることです。
しかしエピローグでビリーは虐待の行われた現場へ堂々と赴き義父に対しての思いを吐露します。
私はこのエピローグを読んだときに、ビリーは肉体的にも精神的にも完全に自由になれたのだなと感動しました。
ビリーの解離性同一性障害は彼の幼児期の虐待によるものです。日本でも虐待のニュースはしばしば耳にします。
「もしも虐待者がこの本を読んでいたら?」と思わざるを得ません。
一人でも多くの方にビリーの戦いを見ていただけたらと思います。
最期に、ビリーのように重度の解離性同一性障害患者に関するノンフィクション小説として『 17人のわたし ある多重人格女性の記録 』もお勧めします。
こちらの本は担当の精神科医が書いた小説ですので、司法制度に関する問題や政治的な要素が全く介入してこない、「患者と医者」だけのシンプルな形式なのでお勧めです。
一方本作は原題の『The Milligan Wars』からわかるように、政治家・メディア・大衆などからのバッシングや施設での介護人による虐待、アメリカの精神患者に対する制度といった外部との闘争と、病状そのものや義父による凄惨な虐待のトラウマなどの心の内部での闘争といった、彼を苦しめる闘争に主眼を置き、彼を闘争の参加者、「戦士」として描いています。
上巻は「地獄」と呼ばれる州立ライマ病院での生活をメインに描かれています。
下巻では特にアメリカの精神局の制度などに振り回されるビリーの戦いに主眼が置かれています。
最も印象に残ったのはエピローグです。トラウマの後遺症には回避という症状があります。(トラウマに関してはこちらの本が詳しいです『 トラウマ (岩波新書) 』)
これはトラウマの原因に関連するもの(ビリーに関して言えば義父や虐待の行われた納屋など)を避けるようになることです。
しかしエピローグでビリーは虐待の行われた現場へ堂々と赴き義父に対しての思いを吐露します。
私はこのエピローグを読んだときに、ビリーは肉体的にも精神的にも完全に自由になれたのだなと感動しました。
ビリーの解離性同一性障害は彼の幼児期の虐待によるものです。日本でも虐待のニュースはしばしば耳にします。
「もしも虐待者がこの本を読んでいたら?」と思わざるを得ません。
一人でも多くの方にビリーの戦いを見ていただけたらと思います。
最期に、ビリーのように重度の解離性同一性障害患者に関するノンフィクション小説として『 17人のわたし ある多重人格女性の記録 』もお勧めします。
こちらの本は担当の精神科医が書いた小説ですので、司法制度に関する問題や政治的な要素が全く介入してこない、「患者と医者」だけのシンプルな形式なのでお勧めです。
2003年1月11日に日本でレビュー済み
この本を読むまで、多重人格の事なんて一切知らなかったし信じれもしなかった。そして多重人格者に対する偏見などを持っていたと思う。
しかしこの本を読んでから多重人格者に対する感じ方が変わった気がする。
ビリーの強く生きる姿はとても感動的なものだった。
この本を読んでとても良かったと思っている
しかしこの本を読んでから多重人格者に対する感じ方が変わった気がする。
ビリーの強く生きる姿はとても感動的なものだった。
この本を読んでとても良かったと思っている
2015年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(内容ネタバレありです)「24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録」上下巻のあとこちらを読みました。上巻はまだよかったですが、下巻は展開が辛くて堪えられず少しずつしか読み進むことができませんでした。こんな読み方になった本は初めてでした。本の中でも言っているけど、私も、統合された状態よりも個別の24人の人格がそれぞれにいたほうがすべてにおいてパワーはアップだと思います。もちろんそれだと現実には生きにくいわけなんだけども、だからこそ個別にパワーアップしたというか。通常の多重人格ではありえない(かどうかわかりませんが)個々の個性と能力の成長が著しかったと思います。共在意識がついてからは特に最強。特にレイゲンが好きだ。レイゲンとして参加した共産主義の会合の途中でアーサーに変わってしまい、周囲に鋭い視線を投げて「ナンセンス」とだけ残して去った場面、周りの「え」っていう反応が見えるようでおかしくて大好きです。とにかくビリーミリガンは最強のサバイバーだ。
2018年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どこまでが事実で創作なのか疑問に思う部分もありますが、最後に自分の罪を償うべきだったと語り、自分を虐待した養父を許す所が印象的です。
2005年1月28日に日本でレビュー済み
ビリーミリガンの本は怖い怖いと思いながらも、
読み始めると、スイスイ読んでしまいます。
「24人のビリーミリガン」を読んで、続きが気になったので
買ったのですが、1人で読んでいるのに
「えーっ!?」とか声が出てしまうほど、ショッキングな出来事が
書かれています。
えぐい表現など出てきますが、ビリーの賢さには驚きで
多重人格障害であっても、とても立派だし好感が持てます。
今さら読んでいるなんて・・・と自分でも思いますが
今私の中ではブームです!
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「24人のビリーミリガン」を読んで、続きが気になったので
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「えーっ!?」とか声が出てしまうほど、ショッキングな出来事が
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えぐい表現など出てきますが、ビリーの賢さには驚きで
多重人格障害であっても、とても立派だし好感が持てます。
今さら読んでいるなんて・・・と自分でも思いますが
今私の中ではブームです!
2005年5月19日に日本でレビュー済み
読む前にちょっと怖そうだなと思いながらも、
ページを一枚捲ったら、あっという間に読み終えていました。
24人もの人格が一人の人間の身体に眠っていて、
必要な時に必要な場所で人格が現われてるなんて、
普通では信じられませんが、たとえ多重人格障害であっても、
ビリーの頭の良さがうかがえ、強く逞しく生きていく様は、
とても魅力的でした。
ノンフィクション好きの私には方には読み応えがあって、
とても面白かったです。
ページを一枚捲ったら、あっという間に読み終えていました。
24人もの人格が一人の人間の身体に眠っていて、
必要な時に必要な場所で人格が現われてるなんて、
普通では信じられませんが、たとえ多重人格障害であっても、
ビリーの頭の良さがうかがえ、強く逞しく生きていく様は、
とても魅力的でした。
ノンフィクション好きの私には方には読み応えがあって、
とても面白かったです。
2013年3月10日に日本でレビュー済み
「意図的にすべてをやめるという選択をすることによって,彼らは自分たちの運命を支配することができるのだ」という理由で,ビリーは餓死することを選ぶ。食事を拒み,確実に死へと向かいつつあるビリーの様子を描いたパートは,恐ろしくもあるが,なぜか美しくもあり,とても印象的だった。