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邪悪の家(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 6) 文庫 – 2011/1/7
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- 本の長さ361ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/1/7
- 寸法10.8 x 1.4 x 15.8 cm
- ISBN-104151310061
- ISBN-13978-4151310065
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/1/7)
- 発売日 : 2011/1/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 361ページ
- ISBN-10 : 4151310061
- ISBN-13 : 978-4151310065
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 15.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,639位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
![アガサ・クリスティー](https://m.media-amazon.com/images/S/amzn-author-media-prod/bhq0jn659fgkk7bc3cae4tlkmd._SY600_.jpg)
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
クリスティの作品はいくつも読んでいますが、これが一番騙された感が強いかも。
そりゃポアロも苦戦するわな。
この作品では、何度も出し抜かれて苦戦するポアロの珍しい姿が拝めます。
私はポアロの自信満々なところが面白くて好きなのですが、一方で少々憎たらしくも感じていたので、悪趣味ですが今回はなんかスッキリしました(笑)
ポアロにもこんな人間くさいところがあったとは。
肝心の内容ですが、ストーリーはもちろん、訳も良いのかサクサク読めます。
登場人物もキャラ立ちしていて覚えやすいです。
残念なところを挙げるとすれば、タイトルくらいでしょうか。
「邪悪の家」というタイトルの割に、あまり邪悪さは感じられなかったので。
私はポアロ物はまだ全部読んだわけではありませんが、騙された衝撃の大きさから、ポアロ物の中で5本の指に入るくらい楽しめました。
ただ、私はミステリーで犯人を当てたことはあまりありません。
よく犯人を当てられるような方は、私のようには騙されない可能性があることを留意した方が良いかと思います。
自信をもっておすすめします。
文中に『アクロイド殺し』時に側にいなかったことを残念がる一文がある他、『青列車の秘密』以降であることも明記されている。
それに関して興味深いのは、本作は『青列車の秘密』から著者の再婚を挿んで、四年後に上梓された作品ながら、青列車で起きた事件は「今年の冬」(P.9)で今は8月だと書かれていること。
『青列車の秘密』が出版されたのは1928年3月で、そちらにヘイスティングスは登場しておらず、それは流れ的に自然なのだが【注1】、その年の9月に雑誌掲載された短篇「二重の罪」には、なぜか彼が登場していて謎だった。おまえは南米に移住した割に、英国に一時帰国し過ぎじゃないかとw
もちろん「二重の罪」はポワロとヘイスティングスが同居していた時代の回想だとすれば問題はないのだが、本青にて青列車事件の年の8月前後に、ヘイスティングスが英国に一時帰国していたことが確実になったので、この事件の後、コーンウォールの休暇が中途半端に終わって過労気味のポワロをあらためてバス旅行に誘ったとすれば、すんなり納得できるw
これはたまたまか、著者なり編集者なりの配慮か……。
アーサー・C=ドイルと違って、基本的に著者は事件の発生時期を明記しないのが常だが、本作で「チョコレートの箱」の事件が1893年の出来事だとわざわざ書かれていた。元の作品には書かれていなかったのに。この時期はポワロの活躍年表を整理しようとしていたのかもw
作品自体は、ポワロの謎解きの説明が始まると事件の様相がガラリと変わるのがとても見事なのだが、そこに至るまでは結構退屈である。『アクロイド殺人事件』の感想に、(ヘイスティングスの語りじゃないから)中盤はややつまらないといったようなことを書いたが、となれば、彼の語りでポワロとの掛け合いもある本書ではそこは面白くなってる筈なのだが、意外にそうでもなかったw
厳密に言えば、ユーモラスな二人のやりとりはプラスに作用するとして、ヘイスティングスのいつものアホアホ光線のマイナスでチャラといったところかww
このあたりは、読者が彼の反応を「役どころに乗っ取った演技」として好意的に処理できるかどうかで評価が変わるところだろう。
退屈とは言っても、すらすら読めるのはもちろんである。むしろ比較的にオーソドックスな射殺事件一本だというのに、あーだこーだと考えさせるテクニックはさすがである。
例えば、――これは著者の本を何冊か読んでる人ならうなずけると思うが――ヘイスティングスが「そう、彼が関わっているとは思えないんだ」(P.63)と熱を込めて言えば、ああ彼はなにがしか関わってるのねと勘ぐるし、登場人物のひとりが体が不自由で家にこもりがちと言えば、ああいつもの欺瞞ねと思うわけであるw
そしてそれらの疑念はある程度の意味で間違っていないのだが、中心の事件との関係が深いとは限らない。犯人の作為によって事件となる中心のストーリーと、それとは直接には絡んでいないような他者による作為のストーリーが幾つか、それらが重なり合って読者には全体像が見えにくくなるわけである。
実際本作の中心となる欺瞞についても、わたしは可能性の一つとしては挙げていたのだが、到底有機的にうまく説明づけられるわけもなく、ポワロの解説でパタパタパタと収まるところに収まっていく際に、爽快感を十分に味わった。
ここでふと気がついたのだが、いくつかのストーリーが賑やかに同時発生するという点は、『チムニーズ館の秘密』と近い。著者の“探偵小説”には、本格推理小説とロマン味に振ったスパイ小説があって、随分ジャンル的には異なる。本作は全然スパイでも活劇でも賑やかでもないが、作劇的には共通のものを感じておもしろかった。
というわけで、十分満足して読了したのではあるが、★4でも★3.5ですらなく、★3評価にしてしまったのは、冒頭に一点腑に落ちないことがあったからだ。
本作のヒロイン、ニックとはじめて出会ったシーンで、「突然ポアロは立ち上がり、~階段を下りていった」あと、「足元を見ていなかったらしく、木の根につまずいて倒れて」(P.16)しまい、すぐそこに歩いていたニックに起き上がるのを手助けしてもらい、彼女と近づきになった。
なにやらニックと近づくことにポワロの作為を感じないか?
そして三人で座っているところを銃で撃たれたらしく、彼女の帽子に穴が開く。それまでヘイスティングスがそそのかしても、引退を続けると宣言していたポワロは、ここから自ら積極的に介入していくのである。
帽子の形状や被り方がよくわからないので、つばを撃ち抜かれることはあるのだろうが、銃弾がそれでエネルギーを失って、足元に落ちるというのは奇妙ではないのかな。つばの強度があって、婦人用の火薬量の少ない22口径とかならあり得るのだろうか。たしかモーゼルだったが。
そして、もしポワロたちがそこにおらず、ニックが射殺されていたら、後で銃を握らされて、自殺として処理されただろうとかなんとか……。
口内とかこめかみとか、自殺として不自然じゃない場所に命中していないとならないことをさて置いたとしても、消炎反応の問題は?
上にも書いたように、読みながらいくつもの疑念疑惑が浮かんできて、それがどのように絵に収まるのかを期待しながら読むわけだが、疑惑の取っ掛かりになったのは、これら冒頭のシーケンスのポワロの行動と態度にあったw
で、それらが説明されることはない。えーっ……。
【注1】『青列車の秘密』の元になった作品1923年の「プリマス行き急行列車」には、ヘイスティングスは登場していた。
しまいました。よく推理小説を読んでおられるかたならおそらく
私と同じことになると思います。
勿論、ミスリードさせる為に色々な容疑者がでてくるので
退屈と言うことはありません。
ただ推理に迷走しているポアロが哀れでした。
あの難解なアクロイド殺人事件を簡単に解いた人と同じ人物とは
とても思えません。作者の悪意を感じますね。
この作品のメイントリックは、クリスティはミス・マープル物でも使って居ます。
タイトルですが、この作品は新潮文庫では「エンド・ハウス殺人事件」創元推理文庫では「エンドハウスの怪事件」で出版されて居ます。
原題を見れば「Peril at End House」なので直訳すれば「エンドハウスで危険に晒されて」とでもなる処でしょうか。
作中で登場人物が「この家(エンドハウス)は不吉な家よ」(新潮文庫版)と言って居る処を、このハヤカワ版では「この家は邪悪の家よ」と訳され、これがタイトルとなって居ます。この辺りも翻訳家のセンスの違いでしょうか。
他の訳者のだと教師と生徒って感じの会話になってるけど。
妙なことだがこれがいちばん新鮮だった。
問題はどっちがしゃべっているか分からなくなってくること(ポアロがフランス語混じりなので判別つくが)
物語の展開やトリックについては語るのはやめます。展開も面白くて、古典的だが意外なトリックだから