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狂犬は眠らない (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 14-1) 文庫 – 2007/12/14

3.6 5つ星のうち3.6 3個の評価

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購入オプションとあわせ買い

スパイとして働きすぎて頭のいかれた五人組。秘密病院に収容された元CIAメンバーの、ラッセル(音楽をいつも口ずさまずにはいられない)、ゼイン(暑いところにいると発狂する)、ヘイリー(悲観的な思いに常にとらわれている)、エリック(命令形の言葉をきくと必ずそれに従ってしまう)、ヴィク(前触れもなくフリーズしてしまう)らは、病院で起きた医師殺人事件の容疑をかけられてしまう。真犯人を見つけるべく病院を大脱走した彼らの運命は?
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2007/12/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/12/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 661ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4151774513
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4151774515
  • カスタマーレビュー:
    3.6 5つ星のうち3.6 3個の評価

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ジェイムズ・グレイディ
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上位レビュー、対象国: 日本

2013年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
メインをはるのは、ベトナム戦争から9・11後の対テロ戦争までアメリカがこれまで関与してきた様々な戦いでスパイとして活躍し、ある意味その能力と理想の高さによって破綻した5人。

情報漏洩を防ぐためのスパイ専用精神病院特別フロアでグループセラピーを受ける日々だが、彼らの仕業に見せかけて主治医が殺されたところから物語は始まる。
精神的には大いに問題を抱えていてもかつて凄腕のスパイとしてならした技能と経験を武器に、スパイらしい方法で移動手段を確保しニューヨークそしてワシントンへと旅をしながら真相に迫っていく。

まず5人のキャラクターの完成度が素晴らしい。
劇中披露されるそれぞれが精神的におかしくなってしまった原因となるエピソードが人物造形に説得力を持たせ、
治療のためではなく生き延びるためにそれと向き合うことがストーリーをより面白いものにしている。

スパイの高い観察力を表現しようとしてか、主人公の武道家スパイが詩人志望であったためか、
精神安定剤その他で薬漬けのティーンエイジャーや孤独な老人、アメリカ的大量消費など現代アメリカへの社会風刺も一人称の文体で生き生きと描かれており読みやすい。

今後自分の語学力が遙かに向上し原書を自由に読みこなせるようになったとしてもこの人の翻訳したもので読みたい、と思える翻訳家のひとり三川基好氏の遺作となってしまった一冊。
読み終えてしまうのが惜しいと思えたのは久しぶりでした。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年11月11日に日本でレビュー済み
さっぱりわけがわからねえズラ。これがまた分厚いねん。ほんま時間無駄にしたわ。あほくさ。
2008年3月27日に日本でレビュー済み
これは痛快な冒険活劇だなあ。

主要登場人物の5人は、頭がおかしくなって秘密の精神病院に監禁されている元スパイ。彼らが精神分析医の殺害の罪をなすりつけられそうになって、真犯人を探すべく脱走する。この5人のキャラクターが、際立っていてすごくいい(詳細はネタバレになるので書けない)。

しかも狂犬5人組はとりあえず病院から逃亡するのだけれど、クスリが切れると壊れて身動きがとれなくなるので、タイムリミットは約1週間しかないのだ。いつ完全におかしくなっちゃうかわからない、という不安は、以前仕事で自律神経失調症になりかけた(っていうか発症してたかも)僕にも、よくわかる。あれ、けっこうキツイのよね。その1万倍くらい辛いわけでしょう、きっと。その5人がお互いをカバーしあい、盗難車を乗り継ぎながら探索を続けていく様子は、ロードノベルとしてもAクラス。それぞれ病んじゃってるから、なんだかとても相手に優しいんだよね。

ラストのほうは少し駆け足気味だけど、そんなことどうでもいいくらい、中盤までの展開が素晴らしい。ついつい「がんばれ!」って応援している自分に気づく。なんだか『特攻野郎Aチーム』を思い出しましたよ。

今年はこの作品を読めただけで、もう満足です。
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