女性の警察官、検察官、弁護士、検屍官、精神科医などが主人公となって活躍する作品は数々あるが、本書では新たに遺伝子学者がヒロインとして登場する。
メインのストーリーは、ヒロインのアレックスが、不本意ながらも連続殺人事件の捜査班に加えられ、専門のDNA鑑定を武器に犯人を突き止めてゆくというものだが、ワシントン政界の政治家たちの利害のやりとりがあったり、別の殺人事件が起こったり、お約束のロマンスがあったりと、サイドストーリーもなかなかにぎやかである。
次第に犯罪捜査にのめりこんでゆくアレックスだったが、ラストで意外な結末と彼女自身も襲われるという危機が待っていた。
ローリー・アンドリューズは、フィクションとしてのミステリーは本書がデビュー作だそうだが、法医学と遺伝子学の専門家として国際的に知られているだけあって、その経歴を生かした知識が作品にいかんなく描きだされていて、アレックスの捜査活動を含めて作品のリアリティーを高めている。
また、アレックスの活躍の場が米軍の病理研究所(AFIP)というのも目新しいし、そこが犯罪捜査を行うのもユニークである。
本書は、緻密でスリリングな遺伝子科学捜査とロマンチック・サスペンスが融合したエンターテインメントである。
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遺伝子捜査官アレックス/殺意の連鎖 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ア 14-1) 文庫 – 2008/5/23
ローリー・アンドリューズ
(著),
大野尚江
(翻訳)
【逃れられない証拠――それは、DNA!】軍が運営する病理学研究所AFIPに勤務する遺伝子学者アレックス・ブレーク。スペイン風邪ウィルスのゲノム解析という自分の研究に専念していた彼女は、新所長の就任で、予想外の任務に就く。海軍基地の周辺で次々に女性が襲われる連続殺人事件の遺伝子捜査に駆りだされたのだ。反発しながらも、徐々に捜査へのめりこむアレックスだが……専門知識を武器に、体当たりの捜査に、そして危険な恋にも挑む、新ヒロイン登場 疾風のロマンティック・サスペンス
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/5/23
- ISBN-104151777016
- ISBN-13978-4151777011
商品の説明
著者について
法医学と遺伝子学の専門家であり、国際的にその名声は知られている。アメリカ政府によるヒトゲノム計画では、連邦諮問委員会で法的、倫理的、社会的影響の審議責任者をつとめた。シカゴ・ケント大学終身教授。1999年の『ヒト・クローン無法地帯 生殖医療がビジネスになった日』をはじめとするノンフィクションの著作もあるが、フィクションでは本書がデビュー作となる。シカゴ在住。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/5/23)
- 発売日 : 2008/5/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 456ページ
- ISBN-10 : 4151777016
- ISBN-13 : 978-4151777011
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,455,218位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年6月7日に日本でレビュー済み
2008年8月19日に日本でレビュー済み
連続殺人犯を追うだけでなく、もうひとつの、一見関連のなさそうな殺人事件が発生する。
主人公は、逮捕権のある人物ではなく、学者。
ちょっとでしゃばって、犯人を追い詰めるのかな?と思ったけれど、そうでもない。
最初は、事件に首を突っ込むのを嫌がった。
スペイン風邪について調べるのだが、その技術に対する能力が認められて、
殺人事件解明の為に借り出される。
途中で捜査をはずされたり、暴漢(?)に襲われたり…
でも、出しゃばりで捜査をしているわけでないので、違和感がない。
小難しい用語がたくさん出てくるわけでなく、極めて読みやすい。
単なる「誰のDNAか?」という分析だけでなく、「誰の、いつのDNAか?」というのにひらめいたところが面白いと感じた。
軍がからむと、どうしても地位(大将とか少佐とか)がよく分からなくなるので、ちょっとそれが…慣れるべきなんでしょうが…
続編が楽しみです。
主人公は、逮捕権のある人物ではなく、学者。
ちょっとでしゃばって、犯人を追い詰めるのかな?と思ったけれど、そうでもない。
最初は、事件に首を突っ込むのを嫌がった。
スペイン風邪について調べるのだが、その技術に対する能力が認められて、
殺人事件解明の為に借り出される。
途中で捜査をはずされたり、暴漢(?)に襲われたり…
でも、出しゃばりで捜査をしているわけでないので、違和感がない。
小難しい用語がたくさん出てくるわけでなく、極めて読みやすい。
単なる「誰のDNAか?」という分析だけでなく、「誰の、いつのDNAか?」というのにひらめいたところが面白いと感じた。
軍がからむと、どうしても地位(大将とか少佐とか)がよく分からなくなるので、ちょっとそれが…慣れるべきなんでしょうが…
続編が楽しみです。
2008年5月27日に日本でレビュー済み
ロマンス系のミステリ作品であり、ミステリ的にはシリアルキラーもの。
遺伝子分析の実際が描かれていて興味深かった。
さらに興味深いのは、主人公が属するのが軍の研究機関だということ。
実在する捜査機関だが、アメリカって国にはいったいいくつの警察があるのか?
首都ワシントンを舞台にした政治的な駆け引きも描かれていて面白い。
シリーズ第一作なので、続編にも期待したい。
遺伝子分析の実際が描かれていて興味深かった。
さらに興味深いのは、主人公が属するのが軍の研究機関だということ。
実在する捜査機関だが、アメリカって国にはいったいいくつの警察があるのか?
首都ワシントンを舞台にした政治的な駆け引きも描かれていて面白い。
シリーズ第一作なので、続編にも期待したい。