この手の翻訳モノのご他聞に漏れず、カタカナばっかでやたらと読みにくいし、登場人物が多すぎるのも難点。
きっと原文で読める人たちには、もっとこの本の面白さが伝わっているんだろう。
12人もの探偵とそれぞれの助手、これだけで24人。
そして関係者10人余、関係あるかわからないエピソードにからむ人々…
はっきり言って、何度もページを戻して、確認しなくては先に進めないし、最後まで名前を覚えられない人物多数。
ま、覚えなくても大筋問題ないですが。
作者としては、助手と探偵の関係を扱いたかったらしいのですが、探偵12人は多すぎですね。
推理の驚きよりも、前半の章で語られる探偵談義が、いちばん有意義で面白かった。
探偵のひとり、日本人のサカワ(=佐川?)についての描写やエピソードも、外国人が描きがちな違和感がなく、うまく和風な理論を持ってくるのが気に入った。
その章だけのために、★3つ。
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世界名探偵倶楽部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 テ 12-1) 新書 – 2009/10/10
- 本の長さ397ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/10/10
- ISBN-104151784519
- ISBN-13978-4151784514
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/10/10)
- 発売日 : 2009/10/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 397ページ
- ISBN-10 : 4151784519
- ISBN-13 : 978-4151784514
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,097,166位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年12月10日に日本でレビュー済み
2007年第1回プラネタ‐カサメリカ賞受賞(ラテンアメリカの文学を世界に広める、という趣旨の下に創設された賞らしい)。
世界中の名探偵たちによる"十二人の名探偵" クラブのメンバーが万博直前のパリに集まり・・・という、ミステリが好きな人間にとっては、非常に魅力的な設定になっている。読み始める前に勝手に抱いていた予想では、ホームズやクイーンといった実在の?(架空の)名探偵が登場するのかと思っていたら、全然関係なかった。
また、作品自体もまずは主人公の探偵助手が師である探偵の下に弟子入りするというところからスタートする。まあ、当然といえば当然だが、この最初のアルゼンチンでの場面、それから、パリに到着してから事件が起こるまでの場面というのは、退屈というか、あまり楽しめない場面が結構な長さになっている。
また、探偵と助手という、「ホームズとワトソン」のペアができているが実際は助手はお喋りばかりで探偵助手らしい ことはしないし、かの名探偵たちも、役割としては、むしろワトソンの役が与えられているように見える。この辺りは著者一流の、のいわゆる「名探偵」という人種への皮肉というか、わざわざ舞台を19世紀末のパリ万博の直前を舞台にした理由にもなっているのだと思う。
そういう意味では、この作品は現代のミステリの水準からすると、必ずしも高くはないし、色々と違和感が感じられる部分も多いが、中盤以降の展開、あるいは最後パズルのピースが収まるべきところに収まる様は、なかなか面白いと思う。たまには、ドロドロした長編作品ばかりではなく、こういうちょっとレトロなものも良いかなと思う。
世界中の名探偵たちによる"十二人の名探偵" クラブのメンバーが万博直前のパリに集まり・・・という、ミステリが好きな人間にとっては、非常に魅力的な設定になっている。読み始める前に勝手に抱いていた予想では、ホームズやクイーンといった実在の?(架空の)名探偵が登場するのかと思っていたら、全然関係なかった。
また、作品自体もまずは主人公の探偵助手が師である探偵の下に弟子入りするというところからスタートする。まあ、当然といえば当然だが、この最初のアルゼンチンでの場面、それから、パリに到着してから事件が起こるまでの場面というのは、退屈というか、あまり楽しめない場面が結構な長さになっている。
また、探偵と助手という、「ホームズとワトソン」のペアができているが実際は助手はお喋りばかりで探偵助手らしい ことはしないし、かの名探偵たちも、役割としては、むしろワトソンの役が与えられているように見える。この辺りは著者一流の、のいわゆる「名探偵」という人種への皮肉というか、わざわざ舞台を19世紀末のパリ万博の直前を舞台にした理由にもなっているのだと思う。
そういう意味では、この作品は現代のミステリの水準からすると、必ずしも高くはないし、色々と違和感が感じられる部分も多いが、中盤以降の展開、あるいは最後パズルのピースが収まるべきところに収まる様は、なかなか面白いと思う。たまには、ドロドロした長編作品ばかりではなく、こういうちょっとレトロなものも良いかなと思う。
2009年10月18日に日本でレビュー済み
世界中から集まった名探偵たちが、殺人事件のなぞに挑むっ!
と聞けば、名探偵のパロディを期待する人もいるかもしれませんが、まったく違います。
また、万博前夜のパリを舞台にした歴史ミステリ、本格物を期待しても、少し違うかもしれません。
本作は名探偵という舞台装置に関する考察を背景にした、ある少年が名探偵となるまでのビルドゥングスロマンといえるでしょう。
物語はアルゼンチンを舞台にした連続殺人事件を追う第一部と、パリを舞台にした事件を扱うそれ以降の、2部構成になっていますが、全編を通じて背景に流れるのは、”名”探偵という装置が示す機能的限界に関する考察といえるでしょう。
この点は、主人公である語り手がパリへ赴く前振りのように見える第一部が、最後まで読み通した人が振り返れば、すでに名探偵という役割の限界を語っているからも明らかといえると思います。
と聞けば、名探偵のパロディを期待する人もいるかもしれませんが、まったく違います。
また、万博前夜のパリを舞台にした歴史ミステリ、本格物を期待しても、少し違うかもしれません。
本作は名探偵という舞台装置に関する考察を背景にした、ある少年が名探偵となるまでのビルドゥングスロマンといえるでしょう。
物語はアルゼンチンを舞台にした連続殺人事件を追う第一部と、パリを舞台にした事件を扱うそれ以降の、2部構成になっていますが、全編を通じて背景に流れるのは、”名”探偵という装置が示す機能的限界に関する考察といえるでしょう。
この点は、主人公である語り手がパリへ赴く前振りのように見える第一部が、最後まで読み通した人が振り返れば、すでに名探偵という役割の限界を語っているからも明らかといえると思います。