いわゆる大きな意味での「嵐の山荘」状態の、ちょっと未来の日本の学園の中で繰り返される、生徒総代をねらう少年同士のバトルの物語。
と書くと「バトルロワイヤル」みたいだが、作者の手腕でそうはならない。校則破りにはいろいろな罰則があり、それが観覧車に長時間乗せられることだったり(考えると結構怖い)、ごみの山と化したディズニーランドでの貴重品探しだったり、引きつりながらも笑える。
落ちこぼれ組は、地下に無限に広がるアンダーグラウンドで、昔の(つまり現代のだな)サブカルチャーの片鱗を楽しんでいる。「ナタデココ」って何だ?とか、合言葉が「てくまくまやこん」だったりして、それが最後の「成仏」につながるあたりは見事である。ラストがお気に召さない向きもあるようだが、私はいいと思ったな。
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ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 単行本 – 2002/11/1
恩田 陸
(著)
- 本の長さ485ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2002/11/1
- ISBN-104152084375
- ISBN-13978-4152084378
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
日本人だけが地球に居残る近未来。エリートへの近道は「大東京学園」の卒業総代になること。苛酷な受験レースを潜り抜けたアキラとシゲルを待ち受けていたキャンパスとは…。絶望に満ちた学園からの、郷愁と哄笑の大脱走劇。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2002/11/1)
- 発売日 : 2002/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 485ページ
- ISBN-10 : 4152084375
- ISBN-13 : 978-4152084378
- Amazon 売れ筋ランキング: - 771,094位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 209,598位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。
1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『ネバーランド』『木曜組曲』『チョコレートコスモス』『きのうの世界』などがある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年12月18日に日本でレビュー済み
表紙と奥付から推測すると近未来SF小説かと思いがちだが、
(ハヤカワからの出版だし)
厳しい学園生活からの脱走小説、
いや、もっと大きな何かからの大脱走小説という感じでしょうか。
近未来とはいえ、日本、東京の変わり果てた姿と、
生きていくには指導する側のエリートになること。
少年たちは過酷な入学試験レースをくぐり抜け、
厳しい(とにかく厳しい)「大東京学園」に入学する。
しかし、ここにあるのは未来への絶望と
この中で紹介される東京の在りようは懐かしくも悲しい姿で登場する。
異世界の冒険小説として読むか、恩田陸の描く現代を皮肉った小説として読むか、
どちらにしても楽しめることには違いない。
この厚さもあっという間ですよ、きっと。
(ハヤカワからの出版だし)
厳しい学園生活からの脱走小説、
いや、もっと大きな何かからの大脱走小説という感じでしょうか。
近未来とはいえ、日本、東京の変わり果てた姿と、
生きていくには指導する側のエリートになること。
少年たちは過酷な入学試験レースをくぐり抜け、
厳しい(とにかく厳しい)「大東京学園」に入学する。
しかし、ここにあるのは未来への絶望と
この中で紹介される東京の在りようは懐かしくも悲しい姿で登場する。
異世界の冒険小説として読むか、恩田陸の描く現代を皮肉った小説として読むか、
どちらにしても楽しめることには違いない。
この厚さもあっという間ですよ、きっと。
2002年11月21日に日本でレビュー済み
今までの作風とは変えた雰囲気があり、好き嫌いが出そうな作品。個人的には、つまらないと感じた。一言で言えば、学園未来小説で、21世紀の閉塞感・虚無感が漂う管理社会から、苦難を乗り越えながらも20世紀の希望に満ち溢れた(ように見える)自由な世界へ脱出する、というストーリーだて。しかし、長々と書き過ぎていて飽きるし、恩田陸ワールドを読み終えた後にいつもなら感じる何とも言えない感覚は味わえなかった。読者のわがままなのだろうが、やや残念。
2011年2月12日に日本でレビュー済み
20世紀の最後(1999年3月〜2000年6月)にSFマガジンに連載されたSF長編作品。
恩田陸さんらしくないというか、恩田陸さんがこんな作品も書いていたんだというか、非常に異色の作品。
日本人だけが地球に居残り、産業廃棄物の除去に追われる近未来を舞台に、エリートを育成する「大東京学園」への入学試験を勝ち抜いたアキラとシゲルの闘いを描いている。
20世紀へのオマージュとして、アメリカ横断ウルトラクイズやDJの赤坂、ミッキーマウスなどが醜悪なほどデフォルメされて「汚れた地球」を彩っていく。
「バトル・ロワイヤル」みたいというレビュアーもいていますが、そこまでの醜悪さはなく、エンタテイメント色が残った作品と感じました。
恩田陸さんらしくないというか、恩田陸さんがこんな作品も書いていたんだというか、非常に異色の作品。
日本人だけが地球に居残り、産業廃棄物の除去に追われる近未来を舞台に、エリートを育成する「大東京学園」への入学試験を勝ち抜いたアキラとシゲルの闘いを描いている。
20世紀へのオマージュとして、アメリカ横断ウルトラクイズやDJの赤坂、ミッキーマウスなどが醜悪なほどデフォルメされて「汚れた地球」を彩っていく。
「バトル・ロワイヤル」みたいというレビュアーもいていますが、そこまでの醜悪さはなく、エンタテイメント色が残った作品と感じました。
2004年5月28日に日本でレビュー済み
めちゃくちゃ締め付けが厳しい未来の学園から、少年たちが命を賭けて
脱走を図る物語。20世紀のサブカルチャーが色々出てくるのが、なんか
とっても懐かしかった。作者と世代が一緒だから、シンパシーを
感じたんだろうな、きっと。
アキラとシゲルの友情も良かったなあ。
それと、大東京学園で行われる実力テストや競技のルールが
「うげっ!」てなくらい過激でイケてて、読んでてワクワクしました。
映画の題名をつけた章のタイトルも、一見ストーリーと無関係のように
見えるんだけど、どこかでリンクしているところがあるでしょうか。
話の展開とどこかでつながった映画のタイトルを持ってきてない? と、
そんな気がしました。
ありゃ。表紙の下のほうで、なんかごそごそやってますね。
帯を外したままにしといたら、まずいですね。
元々どおりにかけておきましょう(笑)
『ロミオとロミオは永遠に』――未来の東京を舞台にした大脱走の物語。
恩田さんの筆が走る、登場人物の少年たちも走る走る走る~。
面白かったなー。
脱走を図る物語。20世紀のサブカルチャーが色々出てくるのが、なんか
とっても懐かしかった。作者と世代が一緒だから、シンパシーを
感じたんだろうな、きっと。
アキラとシゲルの友情も良かったなあ。
それと、大東京学園で行われる実力テストや競技のルールが
「うげっ!」てなくらい過激でイケてて、読んでてワクワクしました。
映画の題名をつけた章のタイトルも、一見ストーリーと無関係のように
見えるんだけど、どこかでリンクしているところがあるでしょうか。
話の展開とどこかでつながった映画のタイトルを持ってきてない? と、
そんな気がしました。
ありゃ。表紙の下のほうで、なんかごそごそやってますね。
帯を外したままにしといたら、まずいですね。
元々どおりにかけておきましょう(笑)
『ロミオとロミオは永遠に』――未来の東京を舞台にした大脱走の物語。
恩田さんの筆が走る、登場人物の少年たちも走る走る走る~。
面白かったなー。
2006年7月8日に日本でレビュー済み
タイトルが秀逸。頼まれなくても勝手にワクワクしてしまいます。
地球に残されて廃棄物処理をしている日本という設定も泣ける。
ラストが破綻しているといわれがちな作者ですがこの作品は比較的大団円を迎えたのではないでしょうか。
未来があるって素晴らしい。
かつて未来とは不安はありつつも『希望に満ち溢れている』といわれていたはずです。
生まれたときから残務処理をさせられている子供たちにとっての未来は?あくまで一つの提示としてはこういうのもありではないでしょうか。
物語はアキラとシゲル、二人の男の子を中心として進んでいきます。難関をクリアして大東京学園に入学した彼らを待ち受けていた学園生活とは?総代の座は?そして彼らの未来とは?
昭和ってもはやファンタジーだと思っていたけれどSFにもなってたんです。
地球に残されて廃棄物処理をしている日本という設定も泣ける。
ラストが破綻しているといわれがちな作者ですがこの作品は比較的大団円を迎えたのではないでしょうか。
未来があるって素晴らしい。
かつて未来とは不安はありつつも『希望に満ち溢れている』といわれていたはずです。
生まれたときから残務処理をさせられている子供たちにとっての未来は?あくまで一つの提示としてはこういうのもありではないでしょうか。
物語はアキラとシゲル、二人の男の子を中心として進んでいきます。難関をクリアして大東京学園に入学した彼らを待ち受けていた学園生活とは?総代の座は?そして彼らの未来とは?
昭和ってもはやファンタジーだと思っていたけれどSFにもなってたんです。
2004年3月15日に日本でレビュー済み
恩田陸としては珍しく、テンションが高く、独特の薄暗い雰囲気も薄め。
おそらくバトルロワイヤルを意識して書いているのではないかと思う。狂った制度や国、教師などかなりの要素がバトロワ的である。
ただ、バトルロワイヤルと一線を画しているのは、バトロワのあのアホ臭い文体がないところ(笑)と、学園が謎を秘めているところだ。その謎
が絶妙なスパイスとなって、バトルロワイヤルのパクりと言わせないだけの作品に仕上げている。
恩田陸はこんなモノも書けるのだなと、彼女の計り知れない才能を思い知らされた。
おそらくバトルロワイヤルを意識して書いているのではないかと思う。狂った制度や国、教師などかなりの要素がバトロワ的である。
ただ、バトルロワイヤルと一線を画しているのは、バトロワのあのアホ臭い文体がないところ(笑)と、学園が謎を秘めているところだ。その謎
が絶妙なスパイスとなって、バトルロワイヤルのパクりと言わせないだけの作品に仕上げている。
恩田陸はこんなモノも書けるのだなと、彼女の計り知れない才能を思い知らされた。
2003年6月24日に日本でレビュー済み
なんとなく「バトルロワイヤル」を思い出させる、
恩田陸氏には珍しい、テンションの高い作品。
読むほどに、飢餓感のようなものが募るのは不思議。
SFには「世界を作り上げる能力」が必要不可欠だと思っていますが、
このルールと世界をつくっただけでも十分満足な気がします。
恩田陸氏には珍しい、テンションの高い作品。
読むほどに、飢餓感のようなものが募るのは不思議。
SFには「世界を作り上げる能力」が必要不可欠だと思っていますが、
このルールと世界をつくっただけでも十分満足な気がします。