非常にクオリティの高いSF小説。同著者の短編集「象られた力」は内容自体はすばらしいものの、非常に凝った文体でやや読みにくさを感じたが、こちらはセリフも多く読みやすかった。仮想空間とAIを扱っていて、およそ20年前の発表当時、使い古されたテーマと批判があったとのことだが、全くそんな感じはしない。当時と比べAIやVRが非常に身近なものとなり、むしろ現実感が増したからかも。
寡作なためやや知名度が低いように思うが作品のクオリティは非常に高く、もっと評価されてしかるべき。残酷なシーンや性的な表現が多く万人にオススメとはいかないかもしれないが、内容はすばらしいので是非広く読まれてほしい。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
グラン・ヴァカンス (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション 廃園の天使 1) 単行本 – 2002/9/1
飛 浩隆
(著)
- 本の長さ309ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2002/9/1
- ISBN-10415208443X
- ISBN-13978-4152084439
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人間の訪問が途絶えてから千年、AIたちが同じ夏の一日を繰り返す仮想リゾート「夏の区界」に、崩壊のときが訪れる…。「廃園の天使」三部作開幕篇。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2002/9/1)
- 発売日 : 2002/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 309ページ
- ISBN-10 : 415208443X
- ISBN-13 : 978-4152084439
- Amazon 売れ筋ランキング: - 283,496位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 49,478位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Jシリーズで購入していたので電車で読むのは難しいので買い直し。
「数値海岸」VR内のAI人格が永遠の夏を繰り返している「夏の区界」ってループでなかったのか。
記憶ではループしていたのだけれども再読したら違うみたいだ。
VR世界のアンダーグラウンドに流れている作り込みが邪悪だな。
メンテナンスAIである蜘蛛だからこそできる区界の破壊なんだろうな。
蜘蛛の王が見た鯨が空を飛ぶほど大きな区界の崩壊の様子は「数値海岸」全体が破壊されつつあるのか、
別の区界から移動してきているので
「数値海岸」VR内のAI人格が永遠の夏を繰り返している「夏の区界」ってループでなかったのか。
記憶ではループしていたのだけれども再読したら違うみたいだ。
VR世界のアンダーグラウンドに流れている作り込みが邪悪だな。
メンテナンスAIである蜘蛛だからこそできる区界の破壊なんだろうな。
蜘蛛の王が見た鯨が空を飛ぶほど大きな区界の崩壊の様子は「数値海岸」全体が破壊されつつあるのか、
別の区界から移動してきているので
2020年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めてこの作者の作品を読みました。物語のテンポがとても心地よく、1つの映像作品を見ているように鮮やかでダイナミックな展開がスラスラと進み、あっという間に読んでしまいました。作風がとても自分に合っていると思い、その後同じ作者の本をいくつか読みましたが、その中で比較しても本作のエンタメとしての完成度はとても高いと思います。
2018年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
飛氏が、日本SF大賞2度目の受賞というニュースを知り、積ん読していた本書を手に取りました。
長編なので、SF大賞受賞作の『自生の夢』を読んで面白いと思ったら、手に取るとよいでしょう。
どのようなメカニズムが、人間の「意識」を生み出すのか?
異なるメカニズム、要言すれば異なる情報環境と感覚器を持つことで、生命体の持つ「意識」は人間のそれとどう異なるものとなるのか?
異生命、とりわけ人間によって創造された、人工生命は、人間の手を離れ、いかにして世界を再構築していくのか?
その生命体の視点から描写された時、人間の意識によって「言語化されなかったもの」の正体を暴くことはできるのか?
飛氏の著作は、いつも上記の問いに対する試案的な回答です。
正解にはたどり着かないが、きわめて多くの示唆を与えてくれるような。
長編なので、SF大賞受賞作の『自生の夢』を読んで面白いと思ったら、手に取るとよいでしょう。
どのようなメカニズムが、人間の「意識」を生み出すのか?
異なるメカニズム、要言すれば異なる情報環境と感覚器を持つことで、生命体の持つ「意識」は人間のそれとどう異なるものとなるのか?
異生命、とりわけ人間によって創造された、人工生命は、人間の手を離れ、いかにして世界を再構築していくのか?
その生命体の視点から描写された時、人間の意識によって「言語化されなかったもの」の正体を暴くことはできるのか?
飛氏の著作は、いつも上記の問いに対する試案的な回答です。
正解にはたどり着かないが、きわめて多くの示唆を与えてくれるような。
2017年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ページ数に比してちょっと内容が薄い感があります。
結構厚みがあるので期待して読み始めたんですが、読み終わる頃には
あれ?おもったより物語が進んでないな…という印象でした。
世界観の描写やガジェットの設定は幻想的で美しいですが
仮想世界の根底にある悪趣味なムードは好みが分かれると思います。
雰囲気を味わう小説なのかなと思いました。
結構厚みがあるので期待して読み始めたんですが、読み終わる頃には
あれ?おもったより物語が進んでないな…という印象でした。
世界観の描写やガジェットの設定は幻想的で美しいですが
仮想世界の根底にある悪趣味なムードは好みが分かれると思います。
雰囲気を味わう小説なのかなと思いました。
2018年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もちろん何の予備知識も無く物語へ没入できればそれに越したことは無い。
だが廃園はあまりに遠く、現実からかけ離れているので、なかなか想像力の翼が開かないという人もいるだろう。
私達は世知辛い世の中にいるのだし。
このままではヴァカンスを楽しむには心許ない。そんな自分を含むズボラな読者のため、この本には優れた手がかりが用意されている。
フリー編集者である仲俣氏の解説はとても簡潔で物語の輪郭をハッキリと浮かび上がらせてくれる。
投げ出す前に、解説から手を付けてみてはいかがだろうか。
だが廃園はあまりに遠く、現実からかけ離れているので、なかなか想像力の翼が開かないという人もいるだろう。
私達は世知辛い世の中にいるのだし。
このままではヴァカンスを楽しむには心許ない。そんな自分を含むズボラな読者のため、この本には優れた手がかりが用意されている。
フリー編集者である仲俣氏の解説はとても簡潔で物語の輪郭をハッキリと浮かび上がらせてくれる。
投げ出す前に、解説から手を付けてみてはいかがだろうか。
2018年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくもまあこうした内容を考えられるものだなあと感心させる作品。SFを読みなれた人向けですね。スケール感もあり、謎に満ちていて、おもしろいのですが、残酷で悪趣味なところもあり、そこが合うかどうかで評価がだいぶ変わりそうです。個人的にはそのへんがちょっと痛々しくてつらかった。おもしろかったから次のも読みたいですが、しばらくしてからでないと読めなそうな気分です。
2019年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品のおかげでSFを読むようになりました。文系SFといわれるものだと思いますので、科学が苦手な私も入りやすかった。永遠の夏が崩壊していく描写は美しく、容赦なくて残酷。これほど映像的な文章を、映像を意識することなく書いてしまうという作者。ラギッドガールもすごいので読むべきです。