マキャモンの「少年時代」を彷彿とさせる小説だが、そこまではいかないかな・・という感じを受ける。
「性」について何も知らなかった少年が、わずかの期間に、「近親相姦」や「娼婦」を理解できるのだろうか、少年の家で働く2人男女の黒人が、あの時代にあれだけの影響を少年に与えられるものだろうか、そしてまた、殺人犯人とその動機の不自然さ、あいまいさなど、納得できない部分が残る。
雰囲気はよく分かるのだが、結局何があったのかその部分が弱いように思う。
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ダークライン (ハヤカワ・ノヴェルズ) 単行本 – 2003/3/1
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- 本の長さ293ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2003/3/1
- ISBN-104152084804
- ISBN-13978-4152084804
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
テキサスの田舎町に引っ越してきた「私」は、森で焼け落ちた屋敷の跡を発見。同じ夜、少女が首無し死体で発見された。人生で最高に輝いていた夏休みと、それを彩ったおぞましくも懐かしい事件。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2003/3/1)
- 発売日 : 2003/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 293ページ
- ISBN-10 : 4152084804
- ISBN-13 : 978-4152084804
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,238,333位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中3.5つ
5つのうち3.5つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年9月8日に日本でレビュー済み
ジョー・R・ランズデールの、エドガー賞受賞作『ボトムズ』と相似形の関係にある作品。
’03年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第20位にランクインしている。
50代後半の‘私’が、1958年の夏に体験した冒険譚を回想する物語である。
当時の‘私’は13才の少年で、テキサス東部の小さな町でドライヴ・イン・シアターを経営する家族や愛犬とともに、楽しく平穏な日々を送っていた。
そんな夏休みのある日、裏庭に埋められていた古い手紙と日記を発見する。そこには、10数年前に起きた、火災とふたりの少女が不審死を遂げた事件の謎を解く鍵が隠されていた。きわめて素直な子供らしい好奇心から‘私’は、16才の姉や、シアターの74才の黒人映写技師らとともに、両親には内緒で事件について調べはじめる。
真相究明の過程を軸に、姉から教えてもらう性についての知識、友人との夜の冒険・恐怖体験、意外に聡明だった老映写技師の言動、料理の腕が抜群の黒人メイドとの心の交流など、いつも愛犬をしたがえて行動したこのひと夏のエピソードの数々は、相当無垢だった‘私’にとって、大人への“濃い”体験となるのである。
本書はラストに至っても、ミステリーとして明確な真相は明らかにされていない。
むしろランズデールの意図は『ボトムズ』以上に文学的要素の強い、「少年小説」を描くことだったのかもしれない。
’03年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第20位にランクインしている。
50代後半の‘私’が、1958年の夏に体験した冒険譚を回想する物語である。
当時の‘私’は13才の少年で、テキサス東部の小さな町でドライヴ・イン・シアターを経営する家族や愛犬とともに、楽しく平穏な日々を送っていた。
そんな夏休みのある日、裏庭に埋められていた古い手紙と日記を発見する。そこには、10数年前に起きた、火災とふたりの少女が不審死を遂げた事件の謎を解く鍵が隠されていた。きわめて素直な子供らしい好奇心から‘私’は、16才の姉や、シアターの74才の黒人映写技師らとともに、両親には内緒で事件について調べはじめる。
真相究明の過程を軸に、姉から教えてもらう性についての知識、友人との夜の冒険・恐怖体験、意外に聡明だった老映写技師の言動、料理の腕が抜群の黒人メイドとの心の交流など、いつも愛犬をしたがえて行動したこのひと夏のエピソードの数々は、相当無垢だった‘私’にとって、大人への“濃い”体験となるのである。
本書はラストに至っても、ミステリーとして明確な真相は明らかにされていない。
むしろランズデールの意図は『ボトムズ』以上に文学的要素の強い、「少年小説」を描くことだったのかもしれない。
2003年4月4日に日本でレビュー済み
ランズデールの傑作『ボトムズ』の路線上に位置する少年小説である。過去を回想する形をとり、少年期の瑞々しい感受性で見た世の中のあり方を、土着的な神秘性とほろ苦いノスタルジーをまぶして描き出した、アメリカ大衆文学の王道である。
真っ先に思い浮かぶのはスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』だが、本作では、一夏の冒険のパートナーは、同じ年頃の少年ではなく、思春期真っ只中の姉や、ずいぶん年の離れた映写技士、そしていつも主人公の傍らにいる忠実な犬ナブである。
共に暮らす父母や黒人家政婦も重要な脇役だが、家族ドラマというよりも、主人公の少年の成長物語としての要素が強い。彼は、この夏の間に、これまでの人生のすべてを合わせたよりも多くの経験をするわけだが、安易に悲劇を煽り立てることなく、第三者的な視線で叙情豊かに描き出しているところがよい。
我を忘れて遊びまわる少年の幸福感と、やがて知ることになる世の中の残酷さ、混沌とした社会のありようというものが浮かび上がってきて、時を忘れて没頭した。至福の読書体験を与えてくれる秀作である。
ただ、大河的なスケール感や人種問題、家族関係の深い掘り下げは『ボトムズ』に軍配が上がる。本書は等身大の少年の冒険譚を慈しむ、こじんまりとした親しみやすさが魅力だろう。
真っ先に思い浮かぶのはスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』だが、本作では、一夏の冒険のパートナーは、同じ年頃の少年ではなく、思春期真っ只中の姉や、ずいぶん年の離れた映写技士、そしていつも主人公の傍らにいる忠実な犬ナブである。
共に暮らす父母や黒人家政婦も重要な脇役だが、家族ドラマというよりも、主人公の少年の成長物語としての要素が強い。彼は、この夏の間に、これまでの人生のすべてを合わせたよりも多くの経験をするわけだが、安易に悲劇を煽り立てることなく、第三者的な視線で叙情豊かに描き出しているところがよい。
我を忘れて遊びまわる少年の幸福感と、やがて知ることになる世の中の残酷さ、混沌とした社会のありようというものが浮かび上がってきて、時を忘れて没頭した。至福の読書体験を与えてくれる秀作である。
ただ、大河的なスケール感や人種問題、家族関係の深い掘り下げは『ボトムズ』に軍配が上がる。本書は等身大の少年の冒険譚を慈しむ、こじんまりとした親しみやすさが魅力だろう。