著者のキーナート氏は日本で本格的に学生時代にスポーツをやろうとすると現在
の教育システムでは勉強をしにくくなる(場合によってはしなくても良いとされ
る)事を問題視している。この本の中では海外の例としてスポーツ&学業の両面
で成功した人物を紹介している。
日本では全くそれに該当するアスリートがいないかという点において彼に反論す
ることは簡単だろうが、文章中の玉木正之氏との対談でも語られているように、
「体育会系」に所属してしまうと真剣に学業に取り組むチャンスが個人から奪わ
れてしまいかねない社会制度を変えてみる試みには価値があると思う。
こういった耳の痛い指摘には、是非、「何ができるか?」と言う前向きな視点で
日本人として耳を傾けたい。私も自分の子供がいちかばちかスポーツの世界に身
をとおじるべきか?学業を選択して無難な人生を送るべきか?の二者択一の選択
を少年期・青年期に強いることはしたくないと感じた。
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文武両道、日本になし: 世界の秀才アスリートと日本のど根性スポーツマン 単行本 – 2003/4/1
- 本の長さ164ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2003/4/1
- ISBN-104152084898
- ISBN-13978-4152084897
商品の説明
出版社からのコメント
スポーツが変われば、日本が変わる!
●海外には一流のスポーツ選手でありながら医者に転進したり、オリンピック・メダリストであり、ピアニストであるというような、学業、スポーツともに秀でた文武両道のスポーツ選手、いわゆる秀才アスリートが数多く存在します。一方、"文武両道"が古来からの伝統であるはずの日本では、該当する人物を探すのは至難の業です。なぜ日本の教育・スポーツ制度は文武両道の可能性を秘めた子供たちの能力を引き出すことができないのでしょうか? 在日30余年のジャーナリストが、世界の秀才アスリートの横顔を紹介しながら、日本のシステムの抱える問題点を鋭く指摘します。
●著者のマーティ・キーナート氏はこれまでに『スター選手はなぜ亡命するか』(KKベストセラーズ刊、1998年)でイチローら日本の有力野球選手が次々と海を渡り、プロ野球が空洞化することに警鐘を鳴らし、『松井がジャイアンツを去る日』(日本文化社刊、2001年)ではタイトルの通り、松井のメジャー入りを予見し、その慧眼ぶりを発揮しました。
本書『文武両道、日本になし』も、ゆとり教育や個性の尊重が叫ばれる昨今、非常にタイムリーなトピックであり、教育界、スポーツ界を超えて大きな話題となることでしょう。
●本書で取り上げる秀才アスリート
ゲイル・ホプキンズ(アメリカ)1975年の広島カープ優勝に貢献した野球選手→外科医
イアン・ウィリアムズ(オーストラリア)伝説の逆転トライで知られる神戸製鋼のラガーマン→弁護士
ヨハン・オラフ・コス(ノルウェー)リレハンメル冬季オリンピックのスピードスケート金メダリスト→人道活動家・医師
●海外には一流のスポーツ選手でありながら医者に転進したり、オリンピック・メダリストであり、ピアニストであるというような、学業、スポーツともに秀でた文武両道のスポーツ選手、いわゆる秀才アスリートが数多く存在します。一方、"文武両道"が古来からの伝統であるはずの日本では、該当する人物を探すのは至難の業です。なぜ日本の教育・スポーツ制度は文武両道の可能性を秘めた子供たちの能力を引き出すことができないのでしょうか? 在日30余年のジャーナリストが、世界の秀才アスリートの横顔を紹介しながら、日本のシステムの抱える問題点を鋭く指摘します。
●著者のマーティ・キーナート氏はこれまでに『スター選手はなぜ亡命するか』(KKベストセラーズ刊、1998年)でイチローら日本の有力野球選手が次々と海を渡り、プロ野球が空洞化することに警鐘を鳴らし、『松井がジャイアンツを去る日』(日本文化社刊、2001年)ではタイトルの通り、松井のメジャー入りを予見し、その慧眼ぶりを発揮しました。
本書『文武両道、日本になし』も、ゆとり教育や個性の尊重が叫ばれる昨今、非常にタイムリーなトピックであり、教育界、スポーツ界を超えて大きな話題となることでしょう。
●本書で取り上げる秀才アスリート
ゲイル・ホプキンズ(アメリカ)1975年の広島カープ優勝に貢献した野球選手→外科医
イアン・ウィリアムズ(オーストラリア)伝説の逆転トライで知られる神戸製鋼のラガーマン→弁護士
ヨハン・オラフ・コス(ノルウェー)リレハンメル冬季オリンピックのスピードスケート金メダリスト→人道活動家・医師
内容(「MARC」データベースより)
日本人の文武両道の可能性を摘み取ってしまうのは、日本というシステムそのものだ! 日本在住のスポーツ・ジャーナリストが、世界の秀才アスリートの横顔を紹介しながら、日本の教育・スポーツ制度の抱える問題点を指摘する。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2003/4/1)
- 発売日 : 2003/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 164ページ
- ISBN-10 : 4152084898
- ISBN-13 : 978-4152084897
- Amazon 売れ筋ランキング: - 708,679位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 27,926位スポーツ・アウトドア (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年3月17日に日本でレビュー済み
アメリカのスポーツ・ライターがスポーツの成功と博士号や医師、弁護士など勉強の分野とを両立したアスリートを紹介していく。
いわゆるスポーツ推薦ではなく、勉強とスポーツを両立して人生のキャリアを重ねていくアメリカのアスリート達。
巻末の対談で語られているとおり、スポーツ漬けを強制するような日本のスポーツ界ではこうはいかない。
多くのスポーツ関係者に読んでもらいたい一冊。
いわゆるスポーツ推薦ではなく、勉強とスポーツを両立して人生のキャリアを重ねていくアメリカのアスリート達。
巻末の対談で語られているとおり、スポーツ漬けを強制するような日本のスポーツ界ではこうはいかない。
多くのスポーツ関係者に読んでもらいたい一冊。
2003年5月24日に日本でレビュー済み
今やスポーツイベントは、文化を映し出す主要な表象装置である。アスリートの生き方もまた各国の文化や社会システムの特徴を明確に映し出す。本書は、世界各国で活躍する文武両道、すなわちスポーツで一流の実績を残しながら、学業やビジネスでもトップクラスの業績を残している選手たちを紹介しつつ、現代の日本ではなぜ文武両道が成り立たないのかを論じている。一種のスポーツ偉人伝を読むつもりで気楽に読みすすむうちに、日本の教育制度や社会風土が、人々の様々な可能性を奪い取っていることに気づいていく。
取り上げられている選手たちの才能には驚かされる。一種の英雄倫理を論じたもので、評者のような凡人には縁のない話だと、半ばしらけながらも、敗者復活の文化の醸成が課題となっている現在の日本社会において参考になる点が多い。また、元広島のホプキンズや元神戸製鋼のウィリアムズをはじめ、かつての有名選手たちのその後の生き方も興味深い。強調されているのは、強い意思と、様々な生き方を許容する柔軟な社会システムの構築である。スポーツ好きな社会人とスポーツの指導者たちに一読を薦めたい。訳文も優れているが、強い意志で日本語を学んだキーナート氏の優雅な日本文も読みたかった。
取り上げられている選手たちの才能には驚かされる。一種の英雄倫理を論じたもので、評者のような凡人には縁のない話だと、半ばしらけながらも、敗者復活の文化の醸成が課題となっている現在の日本社会において参考になる点が多い。また、元広島のホプキンズや元神戸製鋼のウィリアムズをはじめ、かつての有名選手たちのその後の生き方も興味深い。強調されているのは、強い意思と、様々な生き方を許容する柔軟な社会システムの構築である。スポーツ好きな社会人とスポーツの指導者たちに一読を薦めたい。訳文も優れているが、強い意志で日本語を学んだキーナート氏の優雅な日本文も読みたかった。
2003年6月25日に日本でレビュー済み
スポーツを通して日本社会の矛盾を鋭く指摘するマーティ・キーナート氏が、「文武両道」を手がかりとして、日本の教育制度の硬直さがいかなるものかを浮き彫りにする。
スポーツの世界でも学術の世界でも一流の結果を残す人物「秀才アスリート(Scholar Athlete)」が、欧米には広く存在する。しかし、日本人では残念ながらこの「秀才アスリート」は見つからない。それは、日本人が能力的に劣っているからではなく、学問かスポーツかを選択せざるをえない日本の二者択一的な制度がもたらす悲劇なのだ--氏はこの様に指摘する。
確かに、これは一理ある意見だ。しかし、大学で修士号を取得した人物や、外科医になれば本当に「文武両道」を実現したことになるのかは検討の余地がある。理想化された欧米の制度に日本の現状を対比させる手法は国内外の論者が一般に用いるもので、氏もその例に漏れない。それでは、単なる現実的な状況の紹介にとどまってしまう。日米の事情を良く知る氏なればこそ、「文武両道」を日本に実現する処方箋を示すことが期待されるのだが、そこまで至っていないのが残念だ。
スポーツの世界でも学術の世界でも一流の結果を残す人物「秀才アスリート(Scholar Athlete)」が、欧米には広く存在する。しかし、日本人では残念ながらこの「秀才アスリート」は見つからない。それは、日本人が能力的に劣っているからではなく、学問かスポーツかを選択せざるをえない日本の二者択一的な制度がもたらす悲劇なのだ--氏はこの様に指摘する。
確かに、これは一理ある意見だ。しかし、大学で修士号を取得した人物や、外科医になれば本当に「文武両道」を実現したことになるのかは検討の余地がある。理想化された欧米の制度に日本の現状を対比させる手法は国内外の論者が一般に用いるもので、氏もその例に漏れない。それでは、単なる現実的な状況の紹介にとどまってしまう。日米の事情を良く知る氏なればこそ、「文武両道」を日本に実現する処方箋を示すことが期待されるのだが、そこまで至っていないのが残念だ。