1977(昭和52)年に書かれた本なのだから、およそ半世紀、50年近く経った2013(令和5)年の今、読めば隔世の感を感じるのは当たり前だ。
何しろ、大谷翔平は勿論、イチローも松井も、いや、それ以外の多くの日本人メジャーリーガーはいなかったし、WBCなんて筆者は夢想すらしていなかったろう。
氏は最後に「まもなく真のワールド・シリーズが、真に実現することとなろう・・日の丸の旗が、もうひとつの重要な旗、すなわち野球のワールド・チャンピオンの旗の上にひるがえる日が来ることだろう。」
と結んでくれているが、それまでの文脈からすれば、これが本音とは受け取りにくい。最後に外交辞令のひとつを残してくれた、と受け取るほうが妥当だろう。
とは言え、日本の野球を見る筆者の目は決して意地悪いものではない。異なる文化に戸惑いを覚えながらも、何とか「日本」を理解しようとする姿勢は公平である。
そして、半世紀を経ても日本はやっぱり日本であることをやめていない。たしかに、投手の登板感覚、FA、王者巨人など、もうかつてとは全く違っている。それでも、日本人はどこまでいっても日本人で、アメリカ人(西洋人?)は日本人ではない。
アメリカでも成功したヒーローが周りに感謝の言葉を述べる事はもちろんあるけれど、それでも、「やったのは俺だ。一番偉いのは俺様」なのだ。そして、そのことに誰も違和感を覚えない。だって、その通りなのだから。
日本ではヒーローはまず何より周囲への感謝を口にする。成功は多くの人々の応援とバックアップのおかげなのだ。それを忘れたヒーローはバッシングにあうだろう。それは決してウソではないが、何より本人の努力はどこにいったのだろう。
ポッと出の新人が歴戦の強者の監督に『ヘイ!』などとタメ口を利くなんて、およそ日本では考えられない。
アメリカ人達は「長幼の序」という言葉を知らないのだろうか。
日本人は変わらない。
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菊とバット〔完全版〕 単行本 – 2005/1/1
ダブルポイント 詳細
プロ野球再編元年に格好の一冊。
野球を通じたユニークな日米比較文化論として知られ、来日する外国人選手のバイブルともいわれる名著に、イチローの大リーグ年間最多安打記録、プロ野球再編などに関する最新情報を盛り込んだ完全版。
往時とすっかりかわってしまったこともあれば、十年一日のごとく変わらないこともある。そこからは日米野球の根本的な違い、日本野球の本質や、問題点が浮かび上がってくる。
プロ野球再編元年ともいうべき今年、本書をひもといて野球界の過去と将来を考えてみてはいかが。
野球を通じたユニークな日米比較文化論として知られ、来日する外国人選手のバイブルともいわれる名著に、イチローの大リーグ年間最多安打記録、プロ野球再編などに関する最新情報を盛り込んだ完全版。
往時とすっかりかわってしまったこともあれば、十年一日のごとく変わらないこともある。そこからは日米野球の根本的な違い、日本野球の本質や、問題点が浮かび上がってくる。
プロ野球再編元年ともいうべき今年、本書をひもといて野球界の過去と将来を考えてみてはいかが。
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/1/1
- ISBN-104152086173
- ISBN-13978-4152086174
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/1/1)
- 発売日 : 2005/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 365ページ
- ISBN-10 : 4152086173
- ISBN-13 : 978-4152086174
- Amazon 売れ筋ランキング: - 360,343位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,053位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年5月17日に日本でレビュー済み
日本野球の裏側を克明に映しだした本。今回は完全版という事でロバートホワイティング氏の球界再編問題、イチローの262安打についての記述が20ページほど追加されています。私はこの本を読むまで日本とアメリカがワールドシリーズ?らしい事を過去にやっている事を初めて知りました。長嶋も王もまるで打てなかったというのもびっくり!昔の本という事もあって出てくる選手も馴染み薄い選手ばかりでしたが昔の名プレーヤー達の話は飽きる事なく一気に読めました。また野球だけではなく野球を通して日米の文化の違いを両立の立場で語ってくれます。野球好きなら絶対読んだ方がいいです。現代版、菊とバットをぜひ執筆してほしいと心から思います。
2012年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
30年近く前から読みたいと思いながら、なかなか入手が出来ませんでした。
今回読みましたが、やはり古典としても外国から見た日本がどのようなものか判りました。
今回読みましたが、やはり古典としても外国から見た日本がどのようなものか判りました。
2011年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ルース・ベネディクトの「菊と刀」ならず、「菊とバット」とは付けも付けたりと言う気がします(大袈裟な題名)。
ボブの事は、「東京アンダーグラウンド」を読んで人物を知りました。ガイジンとは言え、こんな事まで暴露して良
いんだろうかと人事ながら心配しました。本書もガイジンながらでの歯に衣を着せぬ語り口で、大いに納得する場面が
日本からかなりの期間異国に住んでておりましたので有りました。全体的には、相変わらずの偏狭なわが国民諸氏(な
にもプロ野球の世界だけではありません)に納得と落胆双方を覚えました。
世の中を知らないという面では、昨年来の「大相撲」と酷似しているのでは無いでしょうか。
野球好きも関心の無い人も一読すべき良書であると思います。
ボブの事は、「東京アンダーグラウンド」を読んで人物を知りました。ガイジンとは言え、こんな事まで暴露して良
いんだろうかと人事ながら心配しました。本書もガイジンながらでの歯に衣を着せぬ語り口で、大いに納得する場面が
日本からかなりの期間異国に住んでておりましたので有りました。全体的には、相変わらずの偏狭なわが国民諸氏(な
にもプロ野球の世界だけではありません)に納得と落胆双方を覚えました。
世の中を知らないという面では、昨年来の「大相撲」と酷似しているのでは無いでしょうか。
野球好きも関心の無い人も一読すべき良書であると思います。
2013年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この方は日本通ですね。
シリーズ化してほしいです。
しかし無理かな。
シリーズ化してほしいです。
しかし無理かな。
2004年6月21日に日本でレビュー済み
30年も前にロバート・ホワイティング氏が日本球界にむけて書いた名著である。
「菊とバット」というタイトルは、ヨーロッパ人からみた日本人の罪と罰のありかたを端的に表した「菊と刀」をもじったものである。
なにしろ昔に書かれた作品なので、時代錯誤な部分はあるが、当時現役だった選手の名が列挙されているので、当時の野球ファンにはたまらない一冊になるかもしれない。
また、著書からも分かるとおり当時から、日本球界はジャイアンツで廻っていたのだ。今でも、その体質が変わっていないということは、球界事態が30年間変わらなかった(変われなかった)ことを意味しているのは寂しい限り。
折りしも、球界再編を迎えるかもしれない今に、この著書を手にとって、日本野球とメジャーリーグの違い、あり方を再考すべきなのかもしれない。
「菊とバット」というタイトルは、ヨーロッパ人からみた日本人の罪と罰のありかたを端的に表した「菊と刀」をもじったものである。
なにしろ昔に書かれた作品なので、時代錯誤な部分はあるが、当時現役だった選手の名が列挙されているので、当時の野球ファンにはたまらない一冊になるかもしれない。
また、著書からも分かるとおり当時から、日本球界はジャイアンツで廻っていたのだ。今でも、その体質が変わっていないということは、球界事態が30年間変わらなかった(変われなかった)ことを意味しているのは寂しい限り。
折りしも、球界再編を迎えるかもしれない今に、この著書を手にとって、日本野球とメジャーリーグの違い、あり方を再考すべきなのかもしれない。
他の国からのトップレビュー
Pugwash
5つ星のうち4.0
For the Lunatic Fringe
2014年4月12日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Following baseball in the 1970"s, it was not uncommon to follow a veteran major leaguer and wonder where they went to. It became more common to see players on the downside of their career like Don Buford or Matty Alou disappear, only to learn that they were plying their trade for big dollars in Japan.
It was considered a distant minor league back then, where lucrative contracts and an opulent lifestyle awaited. For some, like George Altman, it became a rich experience. For others, like Joe Pepitone, not so much.
This book details the culture and the attitude of the fans and the management in Japan in the 1960's and 1970's. is it still relevant? Mostly probably not. A couple of generations have now passed through the Japanese leagues. Japanese players have come to America and have had stellar careers, most notably Ishiro Suzuki.
Also there have been a couple of interesting books by American's playing in Japan, such as Warren Cromartie.
But this was a groundbreaking book detailing the culture of this sport in Japan as well as the attitudes and behavior of an industry that was adopted from our country. The fans are more knowledgeable and analytical than ours, and the game has evolved beyond what is detailed in this book.
Probably not a recommended read for any but the most hardcore fans.
It was considered a distant minor league back then, where lucrative contracts and an opulent lifestyle awaited. For some, like George Altman, it became a rich experience. For others, like Joe Pepitone, not so much.
This book details the culture and the attitude of the fans and the management in Japan in the 1960's and 1970's. is it still relevant? Mostly probably not. A couple of generations have now passed through the Japanese leagues. Japanese players have come to America and have had stellar careers, most notably Ishiro Suzuki.
Also there have been a couple of interesting books by American's playing in Japan, such as Warren Cromartie.
But this was a groundbreaking book detailing the culture of this sport in Japan as well as the attitudes and behavior of an industry that was adopted from our country. The fans are more knowledgeable and analytical than ours, and the game has evolved beyond what is detailed in this book.
Probably not a recommended read for any but the most hardcore fans.
Brent
5つ星のうち5.0
Informative and fascinating
2015年4月24日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Like all of Robert Whiting's works, "The Chrysanthemum and the Bat" is highly readable. This book is ostensibly about baseball in Japan, but it's really more of a meditation on everyday Japanese life.
Craig W. Marks
5つ星のうち4.0
I read this author's 3 books on the subject and learned a great deal. Very informative
2018年5月16日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I was interested in Japanese baseball. I read this author's 3 books on the subject and learned a great deal. Very informative.