火星や冥王星の軌道上に住む、コンピュータを体内に内蔵した人類はAADDと呼ばれ、地球に住む人類と対立を深めて、一発触発の状態に。そんな中、AADDの衛星の制御コンピュータに異常が。同時に太陽系外から、なぞの物体が迫る。二重、三重の危機に立ち向かうAADDの人々、対照的な地球軍。圧倒的な軍事力を誇る地球軍にAADDは、どう対抗していくのか?制御コンピュータの異常は?そして、ファーストコンタクトは・・・。
技術技術した話も多いですが、説明が上手いためか、また、軽妙な会話も加わり、比較的読みやすい本でした。
技術面も、ハードウエア、ソフトウエアの両面で興味深かったです。暗号化方式、通信方式などディティールへのこだわりが、GOODです。技術だけでなく、AADDと地球の経済・社会、エネルギー事情なども、丁寧に描かれていています。
宇宙規模のスケールの大きな戦い、官僚的な地球軍 vs 個々が柔軟に結びついたAADDの人々の戦い、危機管理、危機に対応するプロジェクトマネジメント、驚くべきファーストコンタクト、人類と異星人は、コミュニケートできるのか・・・と、非常に内容が濃く、読みどころの多い本でした。
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ストリンガーの沈黙 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 単行本 – 2005/11/1
林 譲治
(著)
- 本の長さ346ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/11/1
- ISBN-104152086785
- ISBN-13978-4152086785
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 346ページ
- ISBN-10 : 4152086785
- ISBN-13 : 978-4152086785
- Amazon 売れ筋ランキング: - 390,593位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 105,217位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年11月25日に日本でレビュー済み
2016年12月12日に日本でレビュー済み
2100年代末、人類は太陽系周辺域まで開拓し、ブラックホールの周囲に巨大なエネルギー転送システム「人工降着円盤」を構築し、太陽系全域のエネルギーを賄うまでになった。しかし、宇宙へと進出し宇宙空間に適応した植民惑星の人類(AADD)と地球側との対立は臨界状態に達し、武力衝突まで秒読み段階になっていた。
折しもそのとき、人工降着円盤に原因不明の異常振動が頻発する。時を同じくして、未知の知性体ストリンガーの存在が確認され人類は彼らとの交信を模索する。
未知の知性体とは何か、彼らと意思の疎通はできるのか。そして、人類同士の相克はどうなるのか。謎の異常振動とストリンガーとは関係があるのか。
単純に言えば、宇宙人もののSFだが、思考の方式・方法等が全く異なる知性体同士がどのようにして意思疎通を図るのかについての記述は興味深く、つい引き込まれる。
所々に織り込まれたジョークがぎこちなく、なかなか笑えないのがご愛敬か。
折しもそのとき、人工降着円盤に原因不明の異常振動が頻発する。時を同じくして、未知の知性体ストリンガーの存在が確認され人類は彼らとの交信を模索する。
未知の知性体とは何か、彼らと意思の疎通はできるのか。そして、人類同士の相克はどうなるのか。謎の異常振動とストリンガーとは関係があるのか。
単純に言えば、宇宙人もののSFだが、思考の方式・方法等が全く異なる知性体同士がどのようにして意思疎通を図るのかについての記述は興味深く、つい引き込まれる。
所々に織り込まれたジョークがぎこちなく、なかなか笑えないのがご愛敬か。
2005年11月18日に日本でレビュー済み
ウロボロスの波動を読んで以来、
待ちつづけていたAADDシリーズ初の長編。
リアルな太陽系社会の描写と登場人物の描写がよい。
AADDと地球人の対立は小松左京の”さよならジュピター”を
思い出させます。
待ちつづけていたAADDシリーズ初の長編。
リアルな太陽系社会の描写と登場人物の描写がよい。
AADDと地球人の対立は小松左京の”さよならジュピター”を
思い出させます。
2005年11月24日に日本でレビュー済み
連作集「ウロボロスの波動」の続編。収録されている同名の短編と「エインガナの声」と「キャリバンの翼」は最低限必読である。太陽衝突軌道にあった小型ブラックホールを天王星周回軌道に変更し、人工降着円盤AADから取り出したエネルギーを太陽系内に伝送するシステムが稼動している世界。
謎に満ちた矮小銀河エインガナから人工的な重力波信号が発見され、多数の恒星間無人探査機が送り出されるが、待ちきれなくなった天才少女アグリは、試作機段階の恒星間有人宇宙船をハイジャックし、単身で太陽系を旅立ってしまう。それから4年半後が本編である。
重力波信号の発見に引き続いて、コズミックストリングを利用して光速に近い速度で太陽系に接近する何モノか(「ストリンガー」と呼ばれる)が発見される。なぜか予定軌道から著しく逸脱した無人探査機が遭遇した時の観測データによって、知性体の宇宙船であることが確実となる。ストリンガーとのコンタクトに主導権を握ろうとしつつ、エネルギー源をAADに依存せざるを得ない地球側は、ついに武力制圧に動き始める。
それを迎え撃つAAD側は、武力上は劣勢なうえに、システムを崩壊させかねない原因不明の異常振動に見舞われ・・・という胸躍る設定に、物語は急展開に急展開。アグリの師匠で40代になったアグネスが大活躍するわ、前編の共通テーマである「謎の信号」と「理解困難な知的存在」について、本編でさらに驚くような展開が仕込まれているわ、地球国連軍の艦隊との宇宙戦がこれまた凄いわ。まいりました!
謎に満ちた矮小銀河エインガナから人工的な重力波信号が発見され、多数の恒星間無人探査機が送り出されるが、待ちきれなくなった天才少女アグリは、試作機段階の恒星間有人宇宙船をハイジャックし、単身で太陽系を旅立ってしまう。それから4年半後が本編である。
重力波信号の発見に引き続いて、コズミックストリングを利用して光速に近い速度で太陽系に接近する何モノか(「ストリンガー」と呼ばれる)が発見される。なぜか予定軌道から著しく逸脱した無人探査機が遭遇した時の観測データによって、知性体の宇宙船であることが確実となる。ストリンガーとのコンタクトに主導権を握ろうとしつつ、エネルギー源をAADに依存せざるを得ない地球側は、ついに武力制圧に動き始める。
それを迎え撃つAAD側は、武力上は劣勢なうえに、システムを崩壊させかねない原因不明の異常振動に見舞われ・・・という胸躍る設定に、物語は急展開に急展開。アグリの師匠で40代になったアグネスが大活躍するわ、前編の共通テーマである「謎の信号」と「理解困難な知的存在」について、本編でさらに驚くような展開が仕込まれているわ、地球国連軍の艦隊との宇宙戦がこれまた凄いわ。まいりました!
2006年2月11日に日本でレビュー済み
ファーストコンタクトや宇宙空間での艦隊戦など、エピソードがてんこ盛りの内容です。
複数のプロットが同時並行していくといっても、それほど複雑ではないので読みやすいといえるでしょう。ただいくつか天文学や物理学の専門よりの言葉が説明も無く出てきますので、気になる人もいるかもしれません。
この作者のうまいと思うのは省略の仕方で、余計な描写をごちゃごちゃとしません。例えばコンピュータウイルスが原因かもしれないという仮説は記述しても、そのウイルスを見つける過程はばっさりと省略します。謎を巡る推論が主で、その他の部分はいらないと割り切っている姿は、最近闇雲に長い小説が多いなかで潔く、高評価できます。
ただ問題は、登場人物がパターン化して個性に乏しいことと、AADD側の社会の描き方が気味が悪いほどユートピア化されていること。このため読んでいる間、面白いと思う一方、居心地の悪さが付きまといました。
複数のプロットが同時並行していくといっても、それほど複雑ではないので読みやすいといえるでしょう。ただいくつか天文学や物理学の専門よりの言葉が説明も無く出てきますので、気になる人もいるかもしれません。
この作者のうまいと思うのは省略の仕方で、余計な描写をごちゃごちゃとしません。例えばコンピュータウイルスが原因かもしれないという仮説は記述しても、そのウイルスを見つける過程はばっさりと省略します。謎を巡る推論が主で、その他の部分はいらないと割り切っている姿は、最近闇雲に長い小説が多いなかで潔く、高評価できます。
ただ問題は、登場人物がパターン化して個性に乏しいことと、AADD側の社会の描き方が気味が悪いほどユートピア化されていること。このため読んでいる間、面白いと思う一方、居心地の悪さが付きまといました。