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破局 (異色作家短篇集 10) 単行本 – 2006/5/1
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- 本の長さ268ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/5/1
- ISBN-104152087277
- ISBN-13978-4152087270
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2006/5/1)
- 発売日 : 2006/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 268ページ
- ISBN-10 : 4152087277
- ISBN-13 : 978-4152087270
- Amazon 売れ筋ランキング: - 765,817位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
繰り返される退屈な日常、人間関係から逃れて新境地に至ったは良いが、どうやらおかしな着想をしたために道を誤ってしまった男の顛末『アリバイ』。皆んなが・・に見えてしまう『青いレンズ』。旅先で、遭遇する美少年と不吉な男、、直感は果たして、、。少年に抱く期待と幻想、それは叶うか、、『美少年』。現人類・近代の世界を素晴らしい想像力で描いた『皇女』、人類とは斯くあるべきか、人類の行く末を考えさせられる風刺物語。革命がもたらしたもの、資本実業家、新聞の果たしてきた役割、そしてその性格とは如何なるものかを2人の男に投影しそれが見事に描かれている。「人類の保全には、無きにしかぬもの」とは、、皇女の運命は如何に、、。『荒れ野』、『あおがい』は、上記作品に比べ、あっさりとした内容となっている。『荒れ野』は、現代人と原始の頃の人間との対比だろうか?或いは、殺伐とした世の中、家族というものに対してのちょっとした空想的アンチテーゼだろうか?『あおがい』の英タイトルは、“The Limpet”。意味は、「しがみつく女」でもある。ラジオ、週刊誌などの恋愛悩み相談に寄せられるような類の話だろうか。話し手を一人称にすることで、このタイトルが当て擦りなトリックとなっていると言えようか。
2006年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1.アリバイ
2.青いレンズ
3.美少年
4.皇女
5.荒れ野
6.あおがい
以上の全6話が収録されています。
同シリーズの既出版本と比べると話数が少ないのですが、そんなことは全然気にならない程、1話1話読み応え充分でした。
ヨーロッパ特有の陰鬱な雰囲気、どこかに絶対いそうな人、誰しもが必ず持っているような欲望、屈折した感情、ありきたりに感じる題材も見事に調理しています。
女性らしさと女性が書いたとは思えない筆致が咬み合って、静かな中にもそこはかとない恐ろしさを醸し出しています。
2.青いレンズ
3.美少年
4.皇女
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6.あおがい
以上の全6話が収録されています。
同シリーズの既出版本と比べると話数が少ないのですが、そんなことは全然気にならない程、1話1話読み応え充分でした。
ヨーロッパ特有の陰鬱な雰囲気、どこかに絶対いそうな人、誰しもが必ず持っているような欲望、屈折した感情、ありきたりに感じる題材も見事に調理しています。
女性らしさと女性が書いたとは思えない筆致が咬み合って、静かな中にもそこはかとない恐ろしさを醸し出しています。
2018年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長編が面白くて短編集も買いました。長編とは違うかなりティストでびっくりです。
こんなふうに書き分けられる才能って。
短編集では「鳥」が秀逸だと思いました。
短編はアンハッピーな話が基本ですが、どんだけ人間を斜めから見てるんだ!と感心する
ような話ばかりです。
ゆえに、物の見方の深さに感動するところと、斜め過ぎて辟易とするところのバランスが
微妙で、読む人によってはげんなりとしてしまうかもしれません。
特にこの短編集はかなりエキセントリックかと思います。私にとっては面白かったし、
読んで後悔はなかったのですが、やはり他の作品と比べると評価は下のほうになるので
お値段も考えると星3つというところです。
こんなふうに書き分けられる才能って。
短編集では「鳥」が秀逸だと思いました。
短編はアンハッピーな話が基本ですが、どんだけ人間を斜めから見てるんだ!と感心する
ような話ばかりです。
ゆえに、物の見方の深さに感動するところと、斜め過ぎて辟易とするところのバランスが
微妙で、読む人によってはげんなりとしてしまうかもしれません。
特にこの短編集はかなりエキセントリックかと思います。私にとっては面白かったし、
読んで後悔はなかったのですが、やはり他の作品と比べると評価は下のほうになるので
お値段も考えると星3つというところです。
2009年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私はデュ・モーリアは、特に短編の方が好きかもしれません。
この作品を読んで、改めてそう思いました。
私は「アリバイ」・「皇女」・「荒れ野」・「あおがい」が
面白いと思いました。
アリバイは鬱屈した中年男性の心理にリアリティを感じ、
またいろんな解釈ができる作品のようにも思えます。
男の感じる絶望と恐怖も印象的でした。
「皇女」は、また何とも不思議な感覚を覚える作品でした。
「荒れ野」は、全体的に切なさ漂う作品と言った感じ。
この「破局」という本は、あと3作品未邦訳の作品が残っているようですが、
ぜひ翻訳して欲しい。
この作品を読んで、改めてそう思いました。
私は「アリバイ」・「皇女」・「荒れ野」・「あおがい」が
面白いと思いました。
アリバイは鬱屈した中年男性の心理にリアリティを感じ、
またいろんな解釈ができる作品のようにも思えます。
男の感じる絶望と恐怖も印象的でした。
「皇女」は、また何とも不思議な感覚を覚える作品でした。
「荒れ野」は、全体的に切なさ漂う作品と言った感じ。
この「破局」という本は、あと3作品未邦訳の作品が残っているようですが、
ぜひ翻訳して欲しい。
2009年4月26日に日本でレビュー済み
巻末の解説によると 40数年ぶりの再版とのこと。
にも拘らず全然旧さを感じさせない内容及び読みやすい訳文で あっという間に読了しました。 ハッピーエンドで終わる作品はひとつとしてありませんが読後感はなぜかすっきり。
ある小国家に発生した革命の顛末を描いた 「皇女」イタリアにヴァカンスに出掛けた
中年男性が陥る陥穽を描いた「美少年」が気に入りました。
海外文学 喰わず嫌いで 手に取ることのない方にも 断然お勧めできる短編集です。
にも拘らず全然旧さを感じさせない内容及び読みやすい訳文で あっという間に読了しました。 ハッピーエンドで終わる作品はひとつとしてありませんが読後感はなぜかすっきり。
ある小国家に発生した革命の顛末を描いた 「皇女」イタリアにヴァカンスに出掛けた
中年男性が陥る陥穽を描いた「美少年」が気に入りました。
海外文学 喰わず嫌いで 手に取ることのない方にも 断然お勧めできる短編集です。
2022年9月11日に日本でレビュー済み
異色作家短編集ダフネ・デュ・モリーア篇
収録された6篇全て、面白く読み応えがありましたが、サスペンスの中でもかなり薄味(といっても手抜きという訳ではないですが)で、作品によってはサスペンスというよりも私小説風な感じも受けました。
奇抜な設定の物も、日常生活に根差した物も、等しく案配されており、この作家の懐の広かった事が判る作品集になっていると思いました。
少し前に聞いた話しだと、某社で過去にこの人の作品集をだしていた物を復刊するという企画があったらしいですが、今の所実現していない様で残念です。いずれ再評価されて、殆ど全ての作品が日本語で読める様になる事を願っております。
読んで損のない作品集。機会があったら是非。
収録された6篇全て、面白く読み応えがありましたが、サスペンスの中でもかなり薄味(といっても手抜きという訳ではないですが)で、作品によってはサスペンスというよりも私小説風な感じも受けました。
奇抜な設定の物も、日常生活に根差した物も、等しく案配されており、この作家の懐の広かった事が判る作品集になっていると思いました。
少し前に聞いた話しだと、某社で過去にこの人の作品集をだしていた物を復刊するという企画があったらしいですが、今の所実現していない様で残念です。いずれ再評価されて、殆ど全ての作品が日本語で読める様になる事を願っております。
読んで損のない作品集。機会があったら是非。
2007年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
名作『レベッカ』『鳥』で知られるサスペンスの女王デュ・モーリア女史の秀作集。日本では待望久しく42年振りに復刊された本書は、時の狭間に埋もれた幻の書と言えます。内容的には、現代にあっても風化しない普遍性を持った人間ドラマが描かれており、因果応報・自業自得の結末ですが、無器用だけれど憎めない人々の姿が胸を打ちます。
『アリバイ』は、日々の生活に倦怠を覚えた男が、見知らぬ街角の下宿屋を訪れて、そこに暮らす孤独な境遇の女と赤ん坊を殺そうと思い立ちます。自分を画家と偽って次第に親密さを増して行きますが、ある日男が旅に出ると告げた時に不幸が始まります。旅立ちの朝、女に荷物を託された男が自宅へ帰る道で、警官が彼を追いかけ・・・・。本当は勇気も無いのに踏み込んだ気晴らしの果てに男を待ち受ける運命とは・・・・。
『青いレンズ』は、眼の手術を受けた女が病院で包帯を外して見ると、何と周囲の医者たちが皆動物の仮面をつけています。良く見れば、それは仮面では無く直接首につながっていて、訪れた恋人も動物に見えるに及んで彼女は恐怖に怯えます。病院から逃げようとした彼女は結局連れ戻されてしまい、翌朝新しいレンズをつけて目覚めるのですが・・・・。
他の四篇も、思いがけない運命に翻弄される社会や人間を、鋭く冷徹な視点で捉えた現代の寓話です。地味だけれど、ほろ苦く味わい深い大人の小説を読みたい方には、最適の一冊だと思います。
『アリバイ』は、日々の生活に倦怠を覚えた男が、見知らぬ街角の下宿屋を訪れて、そこに暮らす孤独な境遇の女と赤ん坊を殺そうと思い立ちます。自分を画家と偽って次第に親密さを増して行きますが、ある日男が旅に出ると告げた時に不幸が始まります。旅立ちの朝、女に荷物を託された男が自宅へ帰る道で、警官が彼を追いかけ・・・・。本当は勇気も無いのに踏み込んだ気晴らしの果てに男を待ち受ける運命とは・・・・。
『青いレンズ』は、眼の手術を受けた女が病院で包帯を外して見ると、何と周囲の医者たちが皆動物の仮面をつけています。良く見れば、それは仮面では無く直接首につながっていて、訪れた恋人も動物に見えるに及んで彼女は恐怖に怯えます。病院から逃げようとした彼女は結局連れ戻されてしまい、翌朝新しいレンズをつけて目覚めるのですが・・・・。
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