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哀れなるものたち (ハヤカワepi ブック・プラネット) 単行本(ソフトカバー) – 2008/1/26

4.3 5つ星のうち4.3 59個の評価

〈ハヤカワepiブック・プラネット〉ウィットブレッド賞、ガーディアン賞をダブル受賞した、スコットランドの奇才の代表作、待望の邦訳!

作家アラスター・グレイは、グロテスクな装飾の施された一冊の書を手に入れた。『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』と題されたその本は、19世紀後半のとある医師による自伝だった。それは、実に驚くべき物語を伝えていた。著者の親友である醜い天才医師が、身投げした美女の「肉体」を救うべく、現代の医学では及びもつかない神業的手術を成功させたというのだ。しかも、蘇生した美女は世界をめぐる冒険と大胆な性愛の遍歴を経て、著者の妻に収まったという。厖大な資料を検証した後、作家としての直感からグレイはこの書に記されたことすべてが真実であるとの確信に到る。そして自らが編者となってこの「傑作」を翻刻し、事の真相を世に問うことを決意するが……。虚か実か? ポストモダン的技法を駆使したゴシック奇譚。
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商品の説明

著者について

アラスター・グレイ

Alasdair Gray

1934年、グラスゴー生まれ。スコットランドを代表する小説家。画家、劇作家、脚本家としても活躍している。美術学校在学中に執筆をはじめ、三十年近い年月をかけて完成させた長大な処女長篇『ラナーク 四巻からなる伝記』(1981)がアントニイ・バージェス、ブライアン・オールディスらから絶賛され、一躍母国のみならず英文学における主要作家となった。リアリズム、ファンタジー、SFが交差するポストモダン的作風が特徴。自筆のイラストを装幀、挿絵に使用することで知られる。『ラナーク』の他に、短篇集『ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど』の邦訳がある。1992年発表の本書は長篇第六作にあたる。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2008/1/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/1/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 442ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4152088575
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152088574
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 59個の評価

著者について

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アラスタ−・グレイ
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2024年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者メアリーの両親の理想主義を巧みに反映している点に感動。マルサスまで出てきて思想史の蘊蓄も完璧。映画があまりにも良かったので、原作にも手を出して大成功でした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画は「笑っちゃうほど、えげつなく、頭が痛くなるほど、面白かった」のです。たまらず、翌日アマゾンにて原作の文庫版を所望。この、とんでもなく不思議で、巧妙に仕掛けられた物語は、映画を先に観て良かったと思う程込み入って、読み終わっても、又もとに位置に戻される様な、並外れた力量を感じました。2019年に亡くなられたアラスター・グレイ氏に哀悼の意を表します。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グレイが序文で自ら言ってるように面白い話が衒いなく語られればそれが何よりです。ただ商品の説明にある通りの内容(天才医師による創造物:クリーチャーはニンフォマニア?)と構成(グレイは序文と脚注を作成、きな臭い自家出版本とその作者の妻<クリーチャー?>の書簡をほぼ原文通りに編集)であれば策略と陥穽の臭いがプンプンします。でも読み終わった今その猜疑に満ちた読書態度は訳者も忠告されてるように誤っていると反省しています。

天才外科医は語ります。「(病理解剖重視の風潮は)多くの医者を、生命とは本質的に死んでいる何かにおける揺れや動きである、という思考に導くことになる。患者の身体を治療する彼らには、心つまり<命>に対する敬意など微塵もない」と。レンブラントの作品をいくら解体/分解して微細に観察したところで巨匠の技芸を学んだことにはならないということです。『哀れなるものたち』はグレイの技芸であり息づく生命/心の動きこそ主点なのです。虚実の些細にこだわる人は、偉大な名著『グレイの解剖学』からの挿絵で癒されて下さいということなのでしょうか。(その他にも図譜は豊富で楽しめますが、虚実にこだわらなければです。)グレイにとっては心のダイナミックな動きを通してひとつの社会の全体像を明らかにしていればそれは真実の書なのです。心の動きでは「慎重に隠された嫉妬」や「いくばくかの放縦な官能性の要素」などが描かれ「19世紀に蔓延したあらゆる病的なものの放つすえた臭い」や「ヴィクトリア朝趣味の強烈な臭み」「戦争の本質である自己卑下という流行病」を体感できるのです。ということでやはりグレイは「真実しか言わないし、書きもしない。嘘をつくとき以外は」という訳者のあとがきもまた真実であると確信しました。

そして奔放なヒロインが最後に求めるのは「暖かく揺らがないもの」ですと。泣くなりわめくなりしたい方にはお勧めです。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月10日に日本でレビュー済み
三人の語り手(アラスター・グレイ、マッキャンドルズ、ヴィクトリア)という重層構造、物語の語り手としてのアラスター・グレイは作者ではなく作者が作者自身であると読者に思わせたい飽くまで物語の中の人物であるということ、敢えての「ヴィクトリアによる序文」を文末に異動させたという設定、なにもかもが罠に満ちている叙述ミステリと言ってもいいでしょう。

読み進めていけば、「これは
バーナード・ショウのピグマリオン (映画マイフェアレディの原作ですがもっと苦い)や メアリー・シェリーのフランケンシュタイン を意識した物語だなあ」とか「Born Sexy Yesterday(「無垢な心を宿したセクシー美女」という、映画 フィフス・エレメント のリー・ルーや スプラッシュ のマディソンみたいな「おっさんの夢」的概念)のカリカチュアでもあるなあ」とか、「それが読み取れる自分って知的で開明的」とか思ったりして、悦に入ることもできるわけですが、結局そんな自分も最後に背負い投げをくらうことになります、ヴィクトリアに(というか真の作者に)。
そういう意味では、例えば「やっぱ差別はいかんよね」とか思いながら免許センターのナマケモノを笑っていたらラストで自らの無自覚の差別に気付かされて衝撃を受けた
ズートピア 」を思い出したり。

なお私の買った文庫版はちゃんと手書きのお手紙とか図版とか掲載されてますし、ベラ部分はフォントも変わってましたので版によるのかな?

そうそう、性を中心テーマのひとつに据えつつ無垢な女性が世界を知って、最後は世界を変える力を付けるお話という意味では
酒見賢一の後宮小説 との精神的姉妹とも言えそう。「哀れなるものたち」が1992年で「後宮小説」が1989年と、ほぼ同時代なのもたいへん興味深いです。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
話題の映画の原作ということで、非常に興味を持って手に取ったわけですが。話の展開がスローで、じっくり読み進められずに、飛ばし飛ばしになってしまった。また、美女を蘇生される医者の目的が、結局のところ自分にとって都合の良い美女を手に入れたいだけのように思われ。結局ただのエロオヤジではないか。メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」は良くできていたな、と思いました。美女が出てこなくても、こういう小説読みたいのよ。魂や情念が激突する、とでもいうか。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月12日に日本でレビュー済み
映画よりコクがあると感じる読者も少なくないように思います。なお、単行本は絶版ですが、文庫本も手書き文字やフォントの変化など、すべて単行本から移行されているようです。訳者の「あとがき」によれば、訳文も修正されているみたいですから、楽しむならむしろ文庫本の方がいいのかも。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、編者の序文でいかにしてこの本を作ったかの理由が簡潔にもっともらしく語られる(この辺はシャーロック・ホームズの贋作のようで面白い)。後ろの脚注も編者のものと説明される。
続いて、ある医師が若い頃体験したとされる奇怪な話が全体の3分の2を費やして詳述される(この辺はこの当時の伝奇小説を彷彿とさせる禍々しさで面白い)。
更に最後の3分の1で前の話に出てきた女性が先に書かれたことは全て嘘であると、暴露する(この辺はポー以降の合理的精神で書かれた感じで興味深い)。
しかし、最初の3分の2の話と後の3分の1の話が両方とも1人称で主観的に書かれていて、どちらが嘘でどちらが本当かは判然としない。これはどういうことか。
ここからは私の個人的解釈ですが、この当時の英国で自己中心的な考え、欺瞞、偽善、が蔓延りそれらが至って虚しい世界大戦に繋がっていったという編者を装う著者グレイの当時の英国への暗喩的批判ではないかと思いました。小説の構成を破壊するかの如き一番最後に出てくる34番目のやたらに長い脚注がその考えを補足してるようにも感じました(脚注が重要な意味を持つ所はナボコフの「青白い炎」の影響でしょうか)。
だから題名の「哀れなる者たち」とは戦争に突き進んだ当時の世界にたいする揶揄であり哀惜であるようにも思いました。
という解釈も哀れなる私の主観的なものなので100%信用しないでください。

夥しく挿入されるイラスト、凝った目次、写真等、版元や訳者の苦労が忍ばれます。最初は図書館から借りて済まそうかと思ってましたが、面白かったので買うことにします。2読3読できる面白さでこの内容でこの価格は安いと思いました。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年8月2日に日本でレビュー済み
わたしは真実しか言わないし、書きもしない、
嘘をつくとき以外は……。

クスクス。この作家、
完全に人を喰っている。

著者の親友である天才外科医は、
身投げした美女を、彼女が身ごもっていた子の脳を移植する手術で
蘇生させて調教し、理想の女性に改造することに成功したという。
美女の手記。無数のイラスト、学術データ、「証言」。巻末にも詳細な注釈。
著者だけじゃなく訳者までが一緒になって、信ぴょう性を盛り上げる。

大人の、手のこんだ遊びは楽しい。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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