巨乳というタイトルに顔を赤らめて手に取るのをひるんではいけない。
もしくは、ひゃっほー、巨乳好き〜Hカップ見たい〜と期待しすぎてもいけない。
この本の正しい読み方は、内心のにまにまをぐっと抑えて、たかがおっぱい、
されどおっぱいの自然体(矛盾したいい方)を貫くことである。
前半は「巨乳(著者はHカップ)の悩み(ブラジャーが見つからない。肩が凝る。
街を歩けば男がはーはーいいながらついてくる)」とか、
「なぜヒトの女にだけ乳房があるのか?」という進化論も含めた科学的諸説や、
豊胸手術による世界最大のおっぱいとギネスに認定されたマキシ・マウンズのこととか、
おっぱい専門雑誌の編集長のインタビューなど、おっぱいをめぐるさまざまな現象の
リポートである。
この部分の雑学もふくめた知識や情報提供部分も十分におもしろいが、
私にとっての圧巻は、後半部分の「おっぱいの暗部」のリポートだった。
著者は豊胸手術の現場に立ち会い、手術を望む女性と、手術する男性医師との認識の
ギャップをあきらかにする。
また減胸手術をした女性に会って、手術痕を見てそのリスクの高さにがくぜんとする。
あやしげな豊胸器具を開発した、優秀な医師にインタビューし、実際にその器具を
ペチャパイの友人に試させて実験結果をリポートする。
そういうていねいな体当たりのインタビューやリポートのなかから浮かびあがって
くるのは、むずかしくいえば「人間の身体改造への欲望のこっけいさ」である。
「自分がなりたい身体になる」ために努力することは、現代人の「義務」のように
いわれている。ジムに通い、高額なサプリメントを飲み、ときには手術までして、
もっと美しく、もっと健康になることは、いまやジョーシキ。
そこで著者は「女装趣味の男性が豊胸手術をすることの是非」を突き付けて
「自分のなりたい身体になる」ことの意味を問う。2人の女装した男性へのインタ
ビューを、へーほーと驚きながら、笑いながら読んだあとで、なんだか哀しくむな
しくなってくるのはなぜなんだろう?
たしかに身体をつくり変えることは、どんどん可能になってきている。
なかでもおっぱいは大きくも小さくもできるし、しやすい部分だ。
でも、身体を変えたら、本当に自分に自信がもてて、異性にもモテて、幸せになれる
のだろうか? 乳房への欲望から見えてくるものは、現代人の身体意識。
たかがおっぱいだけれど、やっぱりされどおっぱいなのだ。
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巨乳はうらやましいか?―Hカップ記者が見た現代おっぱい事情 単行本 – 2007/10/17
スーザン・セリグソン
(著),
実川 元子
(翻訳)
究極のおっぱい文化論!
規格外の巨大な乳房に生まれついた著者スーザンは、巨乳に対する羨望と嘲笑を浴びて生きるうちに、大いなる疑問をもつに至った。はたして巨乳は女の武器なのか、それとも弱点なのか? 大きすぎるおっぱいの女性たちは、自分の胸にどんな感情を抱いているのか?
そこで、現代社会におけるおっぱいの価値観と理想のバストを調査するため、スーザンは体当たり取材を敢行したのだ。近所のご婦人方からブラジャー販売員、デカパイ雑誌の編集長、美乳整形医、爆乳ストリッパー、乳房俗語研究者まで、バスト業界最前線に生きる人々が語る究極のおっぱいとは?
『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『アトランティック・マンスリー』などの一流誌で筆を振るう著者が、これまでにない規模と勢いでおっぱいにまつわるすべてを語りつくす。
規格外の巨大な乳房に生まれついた著者スーザンは、巨乳に対する羨望と嘲笑を浴びて生きるうちに、大いなる疑問をもつに至った。はたして巨乳は女の武器なのか、それとも弱点なのか? 大きすぎるおっぱいの女性たちは、自分の胸にどんな感情を抱いているのか?
そこで、現代社会におけるおっぱいの価値観と理想のバストを調査するため、スーザンは体当たり取材を敢行したのだ。近所のご婦人方からブラジャー販売員、デカパイ雑誌の編集長、美乳整形医、爆乳ストリッパー、乳房俗語研究者まで、バスト業界最前線に生きる人々が語る究極のおっぱいとは?
『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『アトランティック・マンスリー』などの一流誌で筆を振るう著者が、これまでにない規模と勢いでおっぱいにまつわるすべてを語りつくす。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2007/10/17
- ISBN-104152088664
- ISBN-13978-4152088666
商品の説明
著者について
スーザン・セリグソン Susan Seligson
ニューヨーク郊外に生まれる。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『アトランティック・マンスリー』、『サロン・ドットコム』などに寄稿するジャーナリスト。著書に『パンをめぐる旅』がある。また、漫画家である夫、ハウィー・シュナイダーとともに4冊の児童書を執筆している。現在はマサチューセッツ州トルーロ在住。
ニューヨーク郊外に生まれる。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『アトランティック・マンスリー』、『サロン・ドットコム』などに寄稿するジャーナリスト。著書に『パンをめぐる旅』がある。また、漫画家である夫、ハウィー・シュナイダーとともに4冊の児童書を執筆している。現在はマサチューセッツ州トルーロ在住。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2007/10/17)
- 発売日 : 2007/10/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 304ページ
- ISBN-10 : 4152088664
- ISBN-13 : 978-4152088666
- Amazon 売れ筋ランキング: - 980,862位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2007年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者自身が巨乳の持ち主ということで、表紙、裏表紙、本のページに著者の写真がないので確認できないが、色々なテーマで、これでもかこれでもかと、畳み掛けてくる。いかにも世の男たちは、オッパイにしか興味がないような書きっぷり。
ちょっと待ってほしい。絶対に巨乳よりもPUSSYの方がいかしている。
絵画の背景ばかり説明して、中心に描かれている美しい花々を無視している。
それから、最初から最後まで文字の羅列で、写真・絵・図などが一点もないのも不親切^_^
ちょっと待ってほしい。絶対に巨乳よりもPUSSYの方がいかしている。
絵画の背景ばかり説明して、中心に描かれている美しい花々を無視している。
それから、最初から最後まで文字の羅列で、写真・絵・図などが一点もないのも不親切^_^
2012年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作中でこんな文章があります。
著者が「今おっぱいについての本を書いている」と話すと、男性は決まって質問する。
「ところで、その本に写真は載るのかい?」
もちろんこの本には写真は一枚も載っておらず、著者はこれを男性に対する皮肉として書いているのですが・・・
実際には写真どころか、図版・表・グラフなど一切がありません。つまり論理的・統計的資料は無いです。
えんえんと文字が続きます。
すでに他の方がレビューで書いているように、内容はいたってまじめです。
著者は自分の経験を語り、次に様々な人に会って話を聞き、出会った人達の言葉を記します。
しかし、それらの言葉は、私が読んだ限りでは感情的な物ばかりでした。
理論的な発言は「米国の海岸で女性がトップレスになる権利を求める活動に関わる弁護士」の物くらいでしょうか。
乳房という性の象徴が絡むだけに、インタビューしても感情的な言葉が出て来るのは仕方ないのかもしれません。
しかし著者は医療関係者(豊胸手術や減胸手術をする医師、受けた患者など)、性同一障害の方々などにも、インタビューや調査をしています。
写真を載せる必要はないでしょうが、そういった面でのなんらかの統計的資料をグラフや表という形で載せようとは思わなかったのでしょうか。(豊胸手術や減胸手術を受けた人の数とか、満足度とか、トラブル件数とか。性的マイノリティーの人々の何%がこういう事に困っているとか。)
つくづくその点だけが残念です。
原著はこちら「 Stacked: A 32DDD Report from the Front 」
著者が「今おっぱいについての本を書いている」と話すと、男性は決まって質問する。
「ところで、その本に写真は載るのかい?」
もちろんこの本には写真は一枚も載っておらず、著者はこれを男性に対する皮肉として書いているのですが・・・
実際には写真どころか、図版・表・グラフなど一切がありません。つまり論理的・統計的資料は無いです。
えんえんと文字が続きます。
すでに他の方がレビューで書いているように、内容はいたってまじめです。
著者は自分の経験を語り、次に様々な人に会って話を聞き、出会った人達の言葉を記します。
しかし、それらの言葉は、私が読んだ限りでは感情的な物ばかりでした。
理論的な発言は「米国の海岸で女性がトップレスになる権利を求める活動に関わる弁護士」の物くらいでしょうか。
乳房という性の象徴が絡むだけに、インタビューしても感情的な言葉が出て来るのは仕方ないのかもしれません。
しかし著者は医療関係者(豊胸手術や減胸手術をする医師、受けた患者など)、性同一障害の方々などにも、インタビューや調査をしています。
写真を載せる必要はないでしょうが、そういった面でのなんらかの統計的資料をグラフや表という形で載せようとは思わなかったのでしょうか。(豊胸手術や減胸手術を受けた人の数とか、満足度とか、トラブル件数とか。性的マイノリティーの人々の何%がこういう事に困っているとか。)
つくづくその点だけが残念です。
原著はこちら「 Stacked: A 32DDD Report from the Front 」
2007年11月12日に日本でレビュー済み
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タイトルと表紙の写真が過激ですが中味はちゃんとした取材研究成果の報告です。Amazonで買ったからカバーがなかったので、ラップでくるみました。電車じゃ読めないから。カバーをかけても毎ページにクスクス笑いのネタがあるので、やはり電車じゃ読めない。
爆笑問題の太田氏が以前、アイドルの女の子たちが何とかカップと言って自慢げに売り物にしているから、男たちも負けずに何とかトロフィーという測量単位を採用して公表して自慢しようと言ったら周り中がドン引きしてましたが、この本を読むと納得できます。
さすがはプロのジャーナリストの著作なので、仮説を設定して検証のために研究機関の調査資料や直撃インタビューを活用して説得力のある考察を進めています。
アメリカの下着メーカーがまるで天然巨乳に見えるブラを開発したけどブレークしなかった。一方豊胸手術は日帰り手術やギフト券での販売まで始まるほど普及している。旦那が満足しているのに、旦那以外には見せる機会はないのに、それでも奥さんがローンで手術するのは何故か?ありとあらゆる分野からの考察は知的探究心も刺激してくれます。
米国での終着点の現状から、日本の芸能界やマスコミの未来は情けないものになるだろうという展望が垣間見えます。文中で「アメリカ人の男性が巨乳に飽きてしまった後でも日本人のおっぱい好きはなくならないだろう。」なんて書かれちゃいました!ちなみに研究本なので、写真もイラストも一切ないです。
翻訳が急いでやったのか慣用句の和訳がおかしいところが目立ちます。
爆笑問題の太田氏が以前、アイドルの女の子たちが何とかカップと言って自慢げに売り物にしているから、男たちも負けずに何とかトロフィーという測量単位を採用して公表して自慢しようと言ったら周り中がドン引きしてましたが、この本を読むと納得できます。
さすがはプロのジャーナリストの著作なので、仮説を設定して検証のために研究機関の調査資料や直撃インタビューを活用して説得力のある考察を進めています。
アメリカの下着メーカーがまるで天然巨乳に見えるブラを開発したけどブレークしなかった。一方豊胸手術は日帰り手術やギフト券での販売まで始まるほど普及している。旦那が満足しているのに、旦那以外には見せる機会はないのに、それでも奥さんがローンで手術するのは何故か?ありとあらゆる分野からの考察は知的探究心も刺激してくれます。
米国での終着点の現状から、日本の芸能界やマスコミの未来は情けないものになるだろうという展望が垣間見えます。文中で「アメリカ人の男性が巨乳に飽きてしまった後でも日本人のおっぱい好きはなくならないだろう。」なんて書かれちゃいました!ちなみに研究本なので、写真もイラストも一切ないです。
翻訳が急いでやったのか慣用句の和訳がおかしいところが目立ちます。
2008年3月5日に日本でレビュー済み
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副題が示すとおり、自身Hカップという巨乳のライターが、乳房に関心を持つ多くの女性、男性たちの話を聞きながら、乳房とは何なのかを探究していくノンフィクション。
取材相手は、女友達から始まり、生物学者、ブラ売り場の店員、おっぱい雑誌の編集長、巨乳モデル、豊胸手術の体験者、減胸手術(胸を小さくする手術)の体験者、豊胸グッズの製作者、公共の場で胸をさらす自由の獲得を目指す女性運動家、女装趣味の男性まで幅広い。
残念ながら(笑)本書には写真はいっさいないが、知的でユーモアに富み、人間味に溢れる文章は、最後まで飽きさせなかった。僕としてはもう少しアカデミックな方向での探究を期待していたのではあるが、これはこれで、乳房というものに改めて暖かい目を向けさせる良書だと思う。
取材相手は、女友達から始まり、生物学者、ブラ売り場の店員、おっぱい雑誌の編集長、巨乳モデル、豊胸手術の体験者、減胸手術(胸を小さくする手術)の体験者、豊胸グッズの製作者、公共の場で胸をさらす自由の獲得を目指す女性運動家、女装趣味の男性まで幅広い。
残念ながら(笑)本書には写真はいっさいないが、知的でユーモアに富み、人間味に溢れる文章は、最後まで飽きさせなかった。僕としてはもう少しアカデミックな方向での探究を期待していたのではあるが、これはこれで、乳房というものに改めて暖かい目を向けさせる良書だと思う。
2008年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
男女共に願うー「巨乳はいい(なりたい)」と。でもそれが果たしてそんなにいいものか?という疑問も抱いたHカップな筆者が自身の体験から巨乳を熱望する現代社会までをレポート。
筆者が言う「隣の芝生は青い」、まさにそうだと思った。巨乳は巨乳なりに問題があり傷跡残る減胸手術を願い、貧乳な人は完璧な女性になりたいとリスクの事をあまり考えず豊胸を願う。読み終わって今ある胸(私は女性です)でいい、と考えさせられます。本格的な教授のお話、日本の「巨乳熱」のこともちょっと書いてあり、それがまたあたっているのでまんざらただ面白がって書かれた本ではないです。
ただちょっと筆者の「私はHカップ」という繰り返し誇示的な文章が読んでいくうちに鬱陶しくなってきますが。それは私のヒガミでしょうか?
筆者が言う「隣の芝生は青い」、まさにそうだと思った。巨乳は巨乳なりに問題があり傷跡残る減胸手術を願い、貧乳な人は完璧な女性になりたいとリスクの事をあまり考えず豊胸を願う。読み終わって今ある胸(私は女性です)でいい、と考えさせられます。本格的な教授のお話、日本の「巨乳熱」のこともちょっと書いてあり、それがまたあたっているのでまんざらただ面白がって書かれた本ではないです。
ただちょっと筆者の「私はHカップ」という繰り返し誇示的な文章が読んでいくうちに鬱陶しくなってきますが。それは私のヒガミでしょうか?
2016年8月13日に日本でレビュー済み
図書館で除籍処分となった本書をゲットし、読んでみた。
Hカップを持つという著者が様々な人にインタビューして巨乳について考察する内容なんだけど、304ページというボリュームなので読んでいくうちに飽きてきたのというが正直なところだった。
プロローグとエピローグを読むだけで十分な気が・・・。
プロローグにある「今回の取材で私が話をした男性たちは、ほとんど催眠術にかけられたみたいに乳房への妄想で頭がいっぱいだった」というくだり。男性だったらそりゃそうですよ!
・・・でも、こういう男と女は互いの気持ちがわからないということこそが、ミステリアスな魅力を生み出して人生を面白くしているだろうね。
Hカップを持つという著者が様々な人にインタビューして巨乳について考察する内容なんだけど、304ページというボリュームなので読んでいくうちに飽きてきたのというが正直なところだった。
プロローグとエピローグを読むだけで十分な気が・・・。
プロローグにある「今回の取材で私が話をした男性たちは、ほとんど催眠術にかけられたみたいに乳房への妄想で頭がいっぱいだった」というくだり。男性だったらそりゃそうですよ!
・・・でも、こういう男と女は互いの気持ちがわからないということこそが、ミステリアスな魅力を生み出して人生を面白くしているだろうね。