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天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 単行本 – 2008/3/1
小林 泰三
(著)
- 本の長さ345ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/3/1
- ISBN-104152089067
- ISBN-13978-4152089069
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/3/1)
- 発売日 : 2008/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 345ページ
- ISBN-10 : 4152089067
- ISBN-13 : 978-4152089069
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,286,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 322,995位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和37年 京都にて誕生。
平成7年 「玩具修理者」にて第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞
平成10年 「海を見る人」にて第10回 S-F マガジン読者賞国内部門受賞
平成14年 「玩具修理者」映画化 (製作総指揮: 奥山和由、監督: はくぶん、主演: 田中麗奈)
平成18年 日本 SF 新人賞最終選考委員(~平成20年)
平成24年 『天獄と地国』にて第43回星雲賞日本長編部門受賞
平成26年 『アリス殺し』にて2014年啓文堂書店文芸書大賞受賞
平成29年 『ウルトラマンF』にて第48回星雲賞日本長編部門受賞
現在に至る。
社団法人 日本推理作家協会会員
宇宙作家クラブ会員
好きな言葉: 一石二鳥、棚から牡丹餅
嫌いな言葉: 努力、やる気
ホームページ: 小林泰三の不確定領域
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kbys_ysm/
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「天体の回転について」「灰色の車輪」「あの日」「性交体験者」「銀の舟」「三〇〇万」「盗まれた昨日」「時空争奪」の8編を収録しバラエティに富んだ内容になっています。多くのエピソードが設定の説明ばかりで難解だった「
海を見る人
」より読み易くなっています。「天体の回転について」はカバーガールの萌えキャラの女の子(リーナ)と軌道エレベータで月を目指します。「灰色の車輪」はロボット3原則をテーマにロボットを虐める内容です。「あの日」は先生に作文の添削を受ける話で若干くどいです。「性交体験者」はサイバー婦警のエロティック猟奇殺人ものです。「銀の舟」は短めでファーストコンタクトを描いています。「三〇〇万」はおそらく「
300<スリー ハンドレッド> (字幕版)
」にインスパイアされて書かれたもので宇宙の侵略王を描いており、本人は大真面目なのにバカすぎて笑ってしまいます。凄く面白いのにここで終わりかよ!!という感じで残念です。「盗まれた昨日」は「
忌憶 (角川ホラー文庫)
」収録の「キ(土偏に危)憶」、「
記憶破断者 (幻冬舎単行本)
」と同じテーマ(前向性健忘症)を扱った全く違う話で、2作とも大好きなのでかなり楽しかったです。「時空争奪」は日常が侵食されていきますが、かなり魚臭いです。角川ホラー文庫の作品群で小林さんのファンになり、ハヤカワの小林作品は難しくて苦手な部分もありますがそれでも何とか4冊読みましたが本作はとても良かったです。カバーイラストも本作の顔である女の子、リーナを上手く描いていると思うのでとても良いと思います。小林さんご自身による解説も読み易く、「背景を気にせず自由に想像の翼を広げて欲しい」「私のホラー小説が好きな方は私のSF小説も楽しめるはず」と書かれています。
2013年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イマイチこの手の分野に出遅れ感のある早川にしては思い切った選択。表紙絵師はSFマガジンの表紙を飾ったこともある初音ミクの絵師KEI。
本自体は単行本の方持ってましたけどこの絵のおかげで文庫版まで買わざるを得なくなりました。昨今のライトノベルって奴は、表紙絵が魅力的な割にイマイチ中身が追いついてない印象ですが、この作者に関しては安心して買えます。大丈夫、小林泰三の本だよ!
この小林泰三という作家を知らないのなら、これよりはむしろ「玩具修理者」から入るのがいいと思います。角川ホラー文庫ですが内容はそこまでホラーでも無く、スラスラ読める、最後でちょっとどんでん返しという点がとても魅力です。
この手の表紙は兎角、老害SFファン(今時の若者がこの程度の絵で拒否反応を示すとは思えない)からは全力で否定され、ラノベオタからはいつも読んでるものとコードが違うことから面白くないと認定されてしまい誰も得しないように思われがちですが、自分のようにラノベ風の表紙でまともな日本語の小説が読みたい人間もいますので、早川には引き続きこの系統のものを続けて欲しいですね。
本自体は単行本の方持ってましたけどこの絵のおかげで文庫版まで買わざるを得なくなりました。昨今のライトノベルって奴は、表紙絵が魅力的な割にイマイチ中身が追いついてない印象ですが、この作者に関しては安心して買えます。大丈夫、小林泰三の本だよ!
この小林泰三という作家を知らないのなら、これよりはむしろ「玩具修理者」から入るのがいいと思います。角川ホラー文庫ですが内容はそこまでホラーでも無く、スラスラ読める、最後でちょっとどんでん返しという点がとても魅力です。
この手の表紙は兎角、老害SFファン(今時の若者がこの程度の絵で拒否反応を示すとは思えない)からは全力で否定され、ラノベオタからはいつも読んでるものとコードが違うことから面白くないと認定されてしまい誰も得しないように思われがちですが、自分のようにラノベ風の表紙でまともな日本語の小説が読みたい人間もいますので、早川には引き続きこの系統のものを続けて欲しいですね。
2011年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グロテスクホラーを得意とする著者のSF短編集。表紙はライトノベル風だが挿絵はないので、気になる人はカバーを外せば問題なく読める。
全体的に理論は素晴らしいものがあるのだが、起承転結があやふやだったり。人物造形が固まっていなかったり、結末が唐突だったり予想しやすいかで、物語としては残念なところも多い。
8編の短編が収められているが、どうも前半の物はつまらなく、後半の物は面白く思える。最初の数編を読んで嫌になってきても、後半から読んでみるのを薦める。
以下、各編のネタバレを抑えた感想。
『天体の回転について』
本書で唯一萌え要素のようなものがあるが、刺身のツマ程度なので気にする必要はない。
作中で展開される科学理論はわかりやすく興味深いが、物語性やキャラクターは極めて薄い。
『灰色の車輪』
本書収録作の中で一番駄目。正しい理論が物語を引き立てず、展開は陳腐の一言。
ロボット三原則を引用しているのに、内容は旧時代のフランケンシュタイン的ロボット物へ逆戻りしてる。アシモフに対する侮辱に思える。
『あの日』
SFコメディとして秀逸。展開と結末は唐突だが気にならないレベル。
これを読まなかったら危うく本書を投げ捨ててるところだった。
『性交体験者』
ありがちなグロテスクSF。すぐにオチが読める。
『銀の舟』
ここからがらりと変わって良作ぞろいになる。
ファーストコンタクト物として見事な出来。展開にうならされる。
『三〇〇万』
これもファーストコンタクト物。異星人とのギャップが巧みに描かれている。
某作品のパロディとしてニヤリとさせてくれるのも上手い。
『盗まれた昨日』
同一性をテーマにした作品。科学が物語をしっかり支えており、着目点がいい。
『時空争奪』
「川は河口から始まる」という一般常識と違った知識が、大きなスケールの物語に発展する展開が素晴らしい。
パロディとしても楽しめる。本書で一番のお勧め。
全体的に理論は素晴らしいものがあるのだが、起承転結があやふやだったり。人物造形が固まっていなかったり、結末が唐突だったり予想しやすいかで、物語としては残念なところも多い。
8編の短編が収められているが、どうも前半の物はつまらなく、後半の物は面白く思える。最初の数編を読んで嫌になってきても、後半から読んでみるのを薦める。
以下、各編のネタバレを抑えた感想。
『天体の回転について』
本書で唯一萌え要素のようなものがあるが、刺身のツマ程度なので気にする必要はない。
作中で展開される科学理論はわかりやすく興味深いが、物語性やキャラクターは極めて薄い。
『灰色の車輪』
本書収録作の中で一番駄目。正しい理論が物語を引き立てず、展開は陳腐の一言。
ロボット三原則を引用しているのに、内容は旧時代のフランケンシュタイン的ロボット物へ逆戻りしてる。アシモフに対する侮辱に思える。
『あの日』
SFコメディとして秀逸。展開と結末は唐突だが気にならないレベル。
これを読まなかったら危うく本書を投げ捨ててるところだった。
『性交体験者』
ありがちなグロテスクSF。すぐにオチが読める。
『銀の舟』
ここからがらりと変わって良作ぞろいになる。
ファーストコンタクト物として見事な出来。展開にうならされる。
『三〇〇万』
これもファーストコンタクト物。異星人とのギャップが巧みに描かれている。
某作品のパロディとしてニヤリとさせてくれるのも上手い。
『盗まれた昨日』
同一性をテーマにした作品。科学が物語をしっかり支えており、着目点がいい。
『時空争奪』
「川は河口から始まる」という一般常識と違った知識が、大きなスケールの物語に発展する展開が素晴らしい。
パロディとしても楽しめる。本書で一番のお勧め。
2010年2月4日に日本でレビュー済み
「天体の回転について」
軌道エレベーターでの「旅」を萌え要素を絡めながらビジュアル的に描いた作品。
「灰色の車輪」
ロボット工学三原則がいかに現実的・合理的でないか。ロボット工学技術と軍事技術は密接な関係だ。
そもそも、ロボットとマシーンの区別とは?自立性の有無?
マッドサイエンティストを集め、閉じ込めた小惑星という設定は面白い。
「あの日」
矛盾が無いというかワキが甘くないフィクションを書くのは難しいという言い訳めいたことをそれとなく書いているのが、おかしかった。
「性交体験者」
ある種の虫のような生態をもつヒューマノイドを描いた作品。
「銀の船」
実は逆転していたというのはパターンだが、見せ方が上手い。
「300万」
多くの恒星系を支配している王が少数の側近のみを引き連れ全裸で地球に攻めてくる話。
彼には深い哲学がある。
読後にドラゴンボールが読みたくなった。
「盗まれた昨日」
イーガンが同じ設定の話を書いたら、アイデンティティーのゆらぎみたいな方向に話が展開するんだろう。
しかし小林氏は・・・
「時空争奪」
タイムパラドックスとクトゥルー神話を絡めた話。
軌道エレベーターでの「旅」を萌え要素を絡めながらビジュアル的に描いた作品。
「灰色の車輪」
ロボット工学三原則がいかに現実的・合理的でないか。ロボット工学技術と軍事技術は密接な関係だ。
そもそも、ロボットとマシーンの区別とは?自立性の有無?
マッドサイエンティストを集め、閉じ込めた小惑星という設定は面白い。
「あの日」
矛盾が無いというかワキが甘くないフィクションを書くのは難しいという言い訳めいたことをそれとなく書いているのが、おかしかった。
「性交体験者」
ある種の虫のような生態をもつヒューマノイドを描いた作品。
「銀の船」
実は逆転していたというのはパターンだが、見せ方が上手い。
「300万」
多くの恒星系を支配している王が少数の側近のみを引き連れ全裸で地球に攻めてくる話。
彼には深い哲学がある。
読後にドラゴンボールが読みたくなった。
「盗まれた昨日」
イーガンが同じ設定の話を書いたら、アイデンティティーのゆらぎみたいな方向に話が展開するんだろう。
しかし小林氏は・・・
「時空争奪」
タイムパラドックスとクトゥルー神話を絡めた話。
2011年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短篇集。表題作の「天体の回転について」が良い。コリオリの力の解説など、頭の中で錆びついて眠っていた力学計算の中枢が、解きほぐされるようにマッサージされて、脳がまた動くようになったと感じます。萌え要素も快適。著者最新作長編の「天獄と地国」にも、萌え要素はあるので、先に本書を読んでいたほうが、脳が馴染みやすいでしょう。このような素晴らしいSF小説に導いてくれた、KEIの表紙に感謝。
2008年3月29日に日本でレビュー済み
ハードSFの文法に、センスオブワンダーがてんこもりで、これこそSFだ!という、読んでて驚きと歓びで本を持つ手が震えるほどですよ。
小林泰三は、読んでいて気づく瞬間が楽しいので内容については触れません。
読んで、気づいて、楽しんでください。
小林泰三は、読んでいて気づく瞬間が楽しいので内容については触れません。
読んで、気づいて、楽しんでください。
2023年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
SFラノベが読みたく、「SF短篇集」と書かれていたので買ってみましたが、リョナのような描写の多い作品のようです。こういう作品は苦手なので最初の2篇ほどしか読んでいませんが、SFというよりホラー作品です。
そもそもこの著者はホラー作品を多く出している人だそうで、それを知らずにSF作品として買うと期待外れだと思います。商品紹介にホラー作品を示唆するような表記もないので、注意喚起も兼ねて星ひとつ。
個人的な意見としては、試し読みで読める範囲にはホラー描写のないSF比率の高い短編を配置し、残りで生きた人間を食うような描写をするこの作品は、ホラー作品が好きではない人(SFを読みたい人)に無理やりホラー作品を売りつけているようで嫌いです。
そもそもこの著者はホラー作品を多く出している人だそうで、それを知らずにSF作品として買うと期待外れだと思います。商品紹介にホラー作品を示唆するような表記もないので、注意喚起も兼ねて星ひとつ。
個人的な意見としては、試し読みで読める範囲にはホラー描写のないSF比率の高い短編を配置し、残りで生きた人間を食うような描写をするこの作品は、ホラー作品が好きではない人(SFを読みたい人)に無理やりホラー作品を売りつけているようで嫌いです。