現代社会の複雑性を上手にかっこよく書いた小説です。
大きな皮肉とその結末に後から後からいろいろな思いが込み上げてくる感じ。
様々な人種か抱える問題と世界のあり様を思わず考えてしまいます。
やっぱりギブスン小説は何だか予言的だと改めて実感しました。
面白かったです。
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スプーク・カントリー (海外SFノヴェルズ) 単行本 – 2008/12/18
1990年代にカルト的な人気をはくしたロック・バンド〈カーヒュー〉のヴォーカルだったホリス・ヘンリーは、バンドの解散後、フリーのジャーナリストになっていた。そんなホリスに、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが創刊する新雑誌〈ノード〉に取材記事を書いてほしいという依頼がきた。それは、仮想現実用の特殊バイザーをつけると、現実の光景に重ねあわせるように別の光景が見られる一種の臨場感アートの取材だった。〈ヴァイパー・ルーム〉の前に倒れているリバー・フェニックス、ヘルムート・ニュートンに捧げるヴァーチャル・モニュメント……。このアートの制作に協力している天才ハッカー、ボビー・チョンボーに紹介されたときから、ホリスは謎の事件へと引きこまれていく。
ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめにおちいる。
薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。
取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム――三人それぞれが未知なる力にみちびかれ、その果てに見たものとは?
ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめにおちいる。
薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。
取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム――三人それぞれが未知なる力にみちびかれ、その果てに見たものとは?
- 本の長さ342ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/12/18
- ISBN-104152089881
- ISBN-13978-4152089885
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商品の説明
著者について
1948年、サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。19歳のときに徴兵を拒否してカナダへ移住。ブリティッシュ・コロンビア大学で英語学を専攻した。大学在学中から小説を書きはじめ、1977年にデビュー、1984年に発表した長篇第一作『ニューロマンサー』は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、フィリップ・K・ディック記念賞などを受賞、サイバーパンクSFの代表的作家となる。つづく第二作『カウント・ゼロ』(1986)、第三作『モナリザ・オーヴァドライヴ』(1988)で、電脳空間三部作を完結させる。また、サイバーパンクのもうひとりの立役者ブルース・スターリングとの共作『ディファレンス・エンジン』(1990)を発表、同書はスチームパンクの代表的作品と評された(以上、早川書房刊)。
さらには、橋上空間三部作と呼ばれる『ヴァーチャル・ライト』(1993)、『あいどる』(1996)、『フューチャーマチック』(1999)を発表し、現代社会を描く新たなギブスン作品として好評をはくした。
2003年、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが経営するブルー・アント社に頼まれて仕事をするケイス・ポラードを描いた『パターン・レコグニション』を発表、さらに進化をとげたギブスンの作品として話題を呼んだ。
そして、4年ぶりの新作として発表した『スプーク・カントリー』は、9.11以後の現代社会を描いた刺激的な小説として高い評価を得ている。
さらには、橋上空間三部作と呼ばれる『ヴァーチャル・ライト』(1993)、『あいどる』(1996)、『フューチャーマチック』(1999)を発表し、現代社会を描く新たなギブスン作品として好評をはくした。
2003年、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが経営するブルー・アント社に頼まれて仕事をするケイス・ポラードを描いた『パターン・レコグニション』を発表、さらに進化をとげたギブスンの作品として話題を呼んだ。
そして、4年ぶりの新作として発表した『スプーク・カントリー』は、9.11以後の現代社会を描いた刺激的な小説として高い評価を得ている。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/12/18)
- 発売日 : 2008/12/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 342ページ
- ISBN-10 : 4152089881
- ISBN-13 : 978-4152089885
- Amazon 売れ筋ランキング: - 954,957位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,897位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月6日に日本でレビュー済み
結局はマネーロンダリングの話でしかない。それを、3人の主人公で交互に語らせるから複雑に見えてしまうという。さらにこの作品が明確に示してしまったのは、ギブスンは実はあまり変わっていないのだけれど、時代は追いついてしあっているということ。iPodといったアイテムが、現在という中にはまっているし、逆に言えば、ギブスンが普通に書いてかつてはSFだったものが、今では現代小説にしかならない、という。だめじゃん、それじゃ。
2009年7月27日に日本でレビュー済み
SFと言っていいのか微妙なところだけど、ウィリアム・ギブスンの最新作の翻訳は、小説としても、かなり面白い。
英語版を読んだ時もそうだったんだけど、後半は一気に読ませる。
ストーリーとしては、3つの視点が交互に変わり、最後に一つにまとまるという形で進んでいくが、何かサスペンス映画を見てるような展開だ。
『ニューロマンサー』のように決して未来を描いているのではないが、ギブスンの時代を見る目、社会批判の意識は変わっていない。というか、むしろ、前作『パターン・リコグニション』から先鋭化しているように思う。
9・11以降のアメリカ作家(ギブスンはカナダに住んでいるとのことだが)ならではということか。
それは、
「あなたがたはテロリストを恐れるあまり、アメリカをいまのような大国にした構造を破壊するつもりですか?」
という登場人物の言葉にも現れている。
次作が楽しみだが、遅筆なだけにまた何年か待たされるのだろうな。そのとき、世界はどのように変わっていて、ギブスンはどのように描くのだろう。
英語版を読んだ時もそうだったんだけど、後半は一気に読ませる。
ストーリーとしては、3つの視点が交互に変わり、最後に一つにまとまるという形で進んでいくが、何かサスペンス映画を見てるような展開だ。
『ニューロマンサー』のように決して未来を描いているのではないが、ギブスンの時代を見る目、社会批判の意識は変わっていない。というか、むしろ、前作『パターン・リコグニション』から先鋭化しているように思う。
9・11以降のアメリカ作家(ギブスンはカナダに住んでいるとのことだが)ならではということか。
それは、
「あなたがたはテロリストを恐れるあまり、アメリカをいまのような大国にした構造を破壊するつもりですか?」
という登場人物の言葉にも現れている。
次作が楽しみだが、遅筆なだけにまた何年か待たされるのだろうな。そのとき、世界はどのように変わっていて、ギブスンはどのように描くのだろう。