●サイエンスライターである筆者(サイモン・イングス)が、「眼」に関する資料を調査する過程で出くわした「そうだったのか」(P38)という驚きを一冊にまとめたのが本書である。著者自身が驚いたというだけあって、どのトピックスも面白い。
●「眼」に関わるあらゆることが書かれているが、中心となっているのはヒトの視覚に関する発見の歴史である。ケプラー、マッハ、マクスウェルなど、視覚生理学とは関係なさそうな科学者たちが、実は重要な発見に深く関わっていたことを知って、私も驚かされた。
●取り扱われるテーマは広範囲に及ぶので、この分野に多少詳しい読者であっても、「すべて知っている事ばかりだった」と落胆することはまずないだろう。逆に、錐体、強膜、中心窩といった眼に関する用語が頻出するので、視覚の生理学にある程度なじみがないと通読はきついかもしれない。
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見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか 単行本 – 2009/1/23
** 世界は眼を通じて、その姿を現わす。 **
** 科学と歴史で語る、眼とその進化の物語 **
光を効率よくとらえようとしてさまざまな生き物が眼を発達させ、見るという能力を獲得した。これまで見つかった最大の眼は、巨大なダイオウイカのもので、目玉の直径が40センチあったという。イカの眼とヒトの眼はまったく異なる進化をたどってきたものだが、それでも両者はじつによく似た構造をしているのだ。
では、わたしたちはどうやってものを見ているのだろう。多くの哲学者や科学者がその謎に取り組んできた。プラトンは、眼がある種の光線を放射するおかげでものが見えるのだと唱えた。19世紀、死者の網膜には像が残ると言われ、殺人事件の捜査で眼球の写真が撮られた。色覚障害のあった科学者ドルトンは、自分の眼球の色が異なるのだと考え、死後に自分の眼を解剖させている。
眼には想像以上の物語がある。眼の進化と意識、色覚や錯覚に隠された秘密、視覚の未来まで、眼と「見ること」のすべてを探る。
** 科学と歴史で語る、眼とその進化の物語 **
光を効率よくとらえようとしてさまざまな生き物が眼を発達させ、見るという能力を獲得した。これまで見つかった最大の眼は、巨大なダイオウイカのもので、目玉の直径が40センチあったという。イカの眼とヒトの眼はまったく異なる進化をたどってきたものだが、それでも両者はじつによく似た構造をしているのだ。
では、わたしたちはどうやってものを見ているのだろう。多くの哲学者や科学者がその謎に取り組んできた。プラトンは、眼がある種の光線を放射するおかげでものが見えるのだと唱えた。19世紀、死者の網膜には像が残ると言われ、殺人事件の捜査で眼球の写真が撮られた。色覚障害のあった科学者ドルトンは、自分の眼球の色が異なるのだと考え、死後に自分の眼を解剖させている。
眼には想像以上の物語がある。眼の進化と意識、色覚や錯覚に隠された秘密、視覚の未来まで、眼と「見ること」のすべてを探る。
- 本の長さ450ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/1/23
- ISBN-104152089997
- ISBN-13978-4152089991
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商品の説明
著者について
ロンドン在住のサイエンスライター、小説家。ときには自然写真家にもなる。《ニュー・サイエンティスト》、《ワイアード》、《デイズド&コンフューズド》といったさまざまな雑誌や、ラジオ放送などに記事を提供している。本書『見る』は、本文中にも何度か登場する娘の誕生と、インドの小チベットと称されるラダック、アラビア半島のルブアルハリ砂漠、ノルウェイ北極圏などへの探検旅行のあいまに書かれたものである。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/1/23)
- 発売日 : 2009/1/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 450ページ
- ISBN-10 : 4152089997
- ISBN-13 : 978-4152089991
- Amazon 売れ筋ランキング: - 636,492位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,430位科学読み物 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
色覚について調べていて、この本がオススメに出てきたので、買ってみました。
結論→買わなくても良かったかな?と思いました。
内容は雑学多めなので、娯楽と教養を兼ねて知りたい方には丁度良いかもしれません。
逆に、医学的な視点から、視覚について知りたいという方には無駄が多過ぎる内容だと思います。
文章も増長すぎますし、所々に挟まれるギリシャの詩や文学の引用は、お遊びとしか思えません。非常に蛇足、悪い意味で装飾的な要素に思えました。(娯楽本としては良いのですが…)
研究結果などを調べようと思っている人には読むだけ無駄な時間になると思います。。
結論→買わなくても良かったかな?と思いました。
内容は雑学多めなので、娯楽と教養を兼ねて知りたい方には丁度良いかもしれません。
逆に、医学的な視点から、視覚について知りたいという方には無駄が多過ぎる内容だと思います。
文章も増長すぎますし、所々に挟まれるギリシャの詩や文学の引用は、お遊びとしか思えません。非常に蛇足、悪い意味で装飾的な要素に思えました。(娯楽本としては良いのですが…)
研究結果などを調べようと思っている人には読むだけ無駄な時間になると思います。。
2013年1月10日に日本でレビュー済み
人間の眼とは、底が見えないほどに謎めいていて、そしてこれほどまでにも効率的なのか。
私は光学、視覚情報の研究をしていたことがありますが、ここまで多くの分野を跨いで記述された本は読んだことがなかった。専門用語が多いので読みにくい点に目をつぶれば、多くの人に勧めたいです。
進化、化学、光学、色彩、心理学、人類学を専攻されている方は必見です。
著者の言葉を引用します。
「これは私自身が資料を漁って眼について調べ、学んだ――驚きと混乱と、そうだったのかというひらめきの――旅を表している。(中略)この歴史と科学と逸話の混合物がただの寄せ集め以上のものになるなら、大変嬉しい。これは教科書でもなければ、ふつうの意味の歴史でもない。私は読者に研究テーマとして、そして好奇心の対象としての視覚がどのようなものであるのか垣間見ていただきたいと考えた。この謎にぶつかり、つまづき、考えてきた芸術家や科学者、商人、聖職者、冒険家、好事家たちの声を聞かせたいと思った。」
私は光学、視覚情報の研究をしていたことがありますが、ここまで多くの分野を跨いで記述された本は読んだことがなかった。専門用語が多いので読みにくい点に目をつぶれば、多くの人に勧めたいです。
進化、化学、光学、色彩、心理学、人類学を専攻されている方は必見です。
著者の言葉を引用します。
「これは私自身が資料を漁って眼について調べ、学んだ――驚きと混乱と、そうだったのかというひらめきの――旅を表している。(中略)この歴史と科学と逸話の混合物がただの寄せ集め以上のものになるなら、大変嬉しい。これは教科書でもなければ、ふつうの意味の歴史でもない。私は読者に研究テーマとして、そして好奇心の対象としての視覚がどのようなものであるのか垣間見ていただきたいと考えた。この謎にぶつかり、つまづき、考えてきた芸術家や科学者、商人、聖職者、冒険家、好事家たちの声を聞かせたいと思った。」
2009年6月30日に日本でレビュー済み
訳者があまり科学のことを理解していないのか訳がよくなかった.
例えば
「シャコの中には,なんと16種類もの狭帯域色彩感知装置を備えた種類があるのだ.」
のように読んでいて不自然な訳が散見された.
例えば
「シャコの中には,なんと16種類もの狭帯域色彩感知装置を備えた種類があるのだ.」
のように読んでいて不自然な訳が散見された.