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アッチェレランド (海外SFノヴェルズ) 単行本 – 2009/2/25

4.7 5つ星のうち4.7 6個の評価

〈ギブスンの鮮烈×クラークの思弁〉英国SF新世代の旗手が描出する、〈特異点〉を越えた人類の姿!
時は、21世紀の初頭。マンフレッド・マックスは、行く先々で見知らぬ誰かにオリジナルなアイデアを無償で提供し、富を授けていく恵与経済(アガルミクス)の実践者。彼のヘッドアップ・ディスプレイの片隅では、複数の接続チャネルが常時、情報洪水を投げかけている。ある日、マンフレッドは立ち寄ったアムステルダムで、予期せぬ接触を受けた。元KGBのAIが亡命の支援を要請しているが、どうやらその正体は学名パヌリルス・インテルルプトゥス――ロブスターのアップロードらしい。人類圏が〈特異点(シンギュラリティ)〉を迎える前に隔絶された避難所へと泳ぎ去りたいというのだが……。この突飛な申し出に、マンフレッドの拡張大脳皮質(メタコルテックス)が導き出した答えは……。〈特異点(シンギュラリティ)〉を迎えた有り得べき21世紀を舞台に、人類の加速していく進化を、マックス家三代にわたる一大年代記として描いた新世代のサイバーパンク。2006年度ローカス賞SF長篇部門受賞作。
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商品の説明

著者について

チャールズ・ストロス Charles Stross

1964年、イギリスのウェスト・ヨークシャー州リーズに生まれる。ロンドン大学で薬学を、ブラッドフォード大学でコンピュータ・サイエンスを学んだ。卒業後は薬剤師、オープンソース・プログラマー、テクニカル・ライター、フリーのジャーナリストとして働く。1987年、〈インターゾーン〉誌に“The Boys”を発表してデビュー。2003年、『シンギュラリティ・スカイ』(ハヤカワ文庫SF)で長篇デビューを果たした。2005年、中篇集『残虐行為記録保管所』(早川書房・海外SFノヴェルズ)所収の「コンクリート・ジャングル」でヒューゴー賞ノヴェラ部門を受賞。本書『アッチェレランド』(2005)は、2001年から2004年にかけて、〈アシモフ〉誌に発表された作品を加筆した連作長篇で、2006年のローカス賞SF長篇部門を受賞した、現時点でのストロスの代表作である。精力的に作品を発表しつづけるストロスは、英国SF新世代の旗手と呼ぶべき存在である。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2009/2/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/2/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 520ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4152090030
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152090034
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 6個の評価

著者について

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ストロス・チャールズ
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カスタマーレビュー

星5つ中4.7つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2013年8月15日に日本でレビュー済み
■《シンギュラリティ》を迎える世界
21世紀初頭から24世紀にかけて、テクノロジーにより変容してゆく人類と、【特異点】=シンギュラリティが導いた驚異的な未来世界を描き出したチャールズ・ストロスのサイバー・パンク・宇宙SF。「アッチェレランド」とは音楽用語で"だんだん早く"という意味であり、加速度的に変容してゆく人類の進化の様子を言い表している。物語は3章に分かれ、第1章の主人公・マンフレッド・マックスから3世代を経た彼の子孫を通じて物語は語られてゆく。物語は次のような構成になっている。

◆第1部:離昇点(スロウ・テイクオフ)
天才的な知性を持った主人公マンフレッド・マックスは、自らの豊富なアイディアを無償提供し、新たなる経済形態・エコノミクス2.0を興そうと奔走していた。しかしプライベートでは押しかけ女房との離婚訴訟でてんやわんや。そんなある日彼は3光年先から送られてくる知性体らしきものからの電波の存在に気付く。
◆第2部:変曲点(ポイント・オブ・インフレクション)
木星コロニーを統治するマックスの娘・アンバーは外宇宙から届いた電波を頼りに、アップロード精神となって地球から3光年先に浮かぶ褐色矮星ヒュンダイ+4904/-56への探索の旅に出る。そこでアンバー一行を待っていたものはある構造物と異星の超AIだった。そして地球ではネットワークにアップロード化されたポスト・ヒューマンによる《特異点》を迎えつつあった。
◆第3部:特異点(シンギュラリティ)
土星コロニーに住むアンバーの息子・サーハンは再受肉体として現れた祖父マンフレッドと母アンバーに手を焼いていた。折りしも人類は内惑星を解体し太陽を雲の層のように覆う《特異点》後のポスト・ヒューマンによって駆逐されつつあった。人類は太陽系を捨てて外宇宙に移住するべきなのか。

■サイバー・ギークの為のSF
第1部、主人公マンフレッドが装着する眼鏡型のヘッドアップ・ディスプレイが常時ネットワークにアクセスし、大量の情報を高速で検索しながら、あたかも主人公の拡張された外部記憶・思考装置として機能する描写が実にサイバーパンクしていて楽しい。考えてみれば常にネットに接続しながら生活しているというのはネットオタクには日常的な光景で、それが面倒な操作無しに常に知覚できるというのは夢のような世界であるかもしれない。第1部はそんな高度に洗練されたネットワーク・テクノロジーの未来を描いているのと同時に、コンピュータ・ギーク、ネットオタク垂涎の"夢のオモチャ"をもっともらしく描いているところが可笑しかったりする。それはヘッドアップ・ディスプレイを盗まれた主人公が痴呆状態に陥ってしまう、なんてエピソードの皮肉さからもうかがえる。ネットオタクの末席に割り込ませてもらっているオレとしても、この"夢のオモチャ"のキラキラ輝く魅力と、「お前らってほんとネットが好きだよな!(俺もだけど)」という作者の皮肉がくすぐったくてしょうがなかった。この第1部だけなら「アッチェレランド」は近年における最高傑作SF作品として諸手を挙げてお薦めするだろうことは間違いない。

しかしこの物語は未来テクノロジーを謳歌する様のみを描いたものではない。マンフレッドの押しかけ女房、なにしろこいつがクセモノで、彼女の登場で物語はいきなり下品で下世話なドタバタへと乱調してゆくのだ。このハズシ方がまさにイギリス作家チャールズ・ストロスの面目躍如といったところで、泥沼の離婚劇と親権を巡る骨肉の争い、さらにはいけすかない親への子供らの苛立ちは、サイバーパンクな近未来世界を犬も食わない生臭いものに変えてしまい、それはなんと人類がデータベース化されひとつのデータとして生きる物語終章までずっと繰り返されるのだ!人類の未来だの宇宙の超知性だの気宇壮大なテーマを描いているようにみえて、その中身は数世紀に渡る夫婦喧嘩と親子喧嘩だったというこの馬鹿馬鹿しさ!実は作者チャールズ・ストロスはこれがやりたかったためにこの難解で凝りまくったお話を書いたのだとしか思えない。

■宇宙を覆う巨大ネットワーク
第2部以降、主人公達が宇宙に飛び出してからは若干物語はトーンダウンする。宇宙空間と宇宙で生活する人類の描き方によると思うんだが、従来的な宇宙SFと比べてもどこか見劣りするのだ。これは作者の描写力の足りなさというよりも、全ての世界は情報と演算が横溢するものとして捉えたこの物語世界では、なーんにもない宇宙空間は単に退屈なものでしかなく、じゃあ何やってるかというと宇宙コロニーやスペースシップの中に篭って大量の情報と戯れまくっているのだ。即ち、宇宙というものの茫漠さや距離感が描かれていない、というか、興味が無いから描いていないのである。なんだか外惑星軌道の世界を描いていても人間同士の距離感は窮屈だし、超高密度集積回路の中にぎゅうぎゅうに多数の人格データを詰め込んで数光年先の宇宙へと飛び出したはいいが、やってることはバーチャル・リアリティ空間でああでもないこうでもないと言っているだけだし、全く宇宙に行ったって殻に篭ってデータとネットワークの話しか出来ない困ったオタク振りなのである。

そういった意味で、"データ化された人類の裔"を描いたものとしてはイーガンの「ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)」あたりを超えるものは無いのだけれども、量子論的世界観から導き出された空想で生み出されるイーガンSFとは別の、チャールズ・ストロスがかつて学んだコンピュータ・サイエンス的な見地から、"情報化された宇宙""ネットワーク化された宇宙"を描き出しているところがこの物語のポイントとなるだろう。即ち、インターネットの誕生がこの地球上の距離を限りなく狭くしたように、ネットワークで結ばれたストロス的な宇宙空間はバッファが存在する限りどこまでも狭く、そのバッファの存在を演算素(コンピュートロニウム)という架空の物質で宇宙を覆うことにより可能にしたのがこの物語世界なのだ。だからこそこの「アッチェレランド」の世界はどことなく窮屈で、逆に存在する空間を(そして自己という存在を)どこまでも情報とその処理で埋め尽くしたいという欲望に満ち満ちている。言うなれば宇宙空間の中でムーアの法則を究極まで推し進めた物語、それがコンピュータとインターネット世代の為のSF、「アッチェレランド」なのだと思う。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年2月1日に日本でレビュー済み
 シンギュラリティ前後の世界を舞台にした非常に評価の高いSFということで、読んでみました。専門用語など訳者は、非常に苦労されたのだろうと勝手に想像するものでした。
最近のシンギュラリティ関係の本を読みあさっていたので、内容は、特に驚くようなものではなかった、むしろ、「そうなるだろうな」と思ったものでした。
 しかし、そうなると、その近未来社会における生きていくための人間の哲学といったものが、どのようなものになるのか、といったところは、この作品では「なるほど」感があるものは、書かれておらず(書かれていても強調されていなかったから認識できなかったのかも知れないですが)、その意味では、勝手に期待していた私にはもの足らないところもありました。
 ネタバレになるので、具体的には言えませんが、物語の終了となる起承転結の「結」が、そんな矮小なテーマにしてしまっていいのだろうか、と後味が悪かったところもあります。
 それから、哲学的なテーマですが、私は、アップロードは無理だと思っている立場ですが、例えそれを認めたとしても、例えば、「自分がこの瞬間消えて、自分の電脳コピーが続きの人生を生きたとき、自分は生きながらえたと言えるのか?」とか、「10歳の時にアップロードされてた個人の人格は、18歳になったら、肉体が無いにもかかわらず、異性に魅力を感じるようになるのかどうか、つまり自己は脳だけでなく、肉体を含めて自己なのではないか?」とか、そんなことを近未来の人はどう考えるのか、どう整理するのか、そういうことをSF小説ならしっかりと触れられているかなと思ったのですが、この作品の登場人物は、皆さん、自信満々の人ばかりなのか、ある意味おめでたい人ばかりというのか、あまり考えていないようでした。
 シンギュラリティが本当に近くなってきた昨今、(2017年の年始は、世界の囲碁トップ・プロに人工知能が60連勝というニュースで囲碁界が騒然となりました。)人工知能を前にして、人類は、真剣に人間のスタンスや自分自身の人生、アイデンティティについて、考えなければならならなくなる問題をつきつけられる場面が出てくるでしょう。そういうリアルな今となっては、この作品は、考え方の方向や問題提起のリアルさからいうと、ちょっと古いかな、世界の人々は新しいSF作品を待たなければならないかなと思うところがあります。
 もちろん、作品の価値は、別の意味で高いのであって、私が勝手に期待した答えが見いだせなかったというだけの話であり、多くの方に読んでいただきたい作品です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年8月11日に日本でレビュー済み
原書では読んだんだけど、かなり難しくて、翻訳されるのを待っていた。しかし、やはり、日本語で読んでも難しかった。
ストロスは、最近のSF作家の中ではお気に入りの作家の一人。『シンギュラリティ・スカイ』を始めとした翻訳された作品はどれも読んでいるけど、この『アッチェレランド』は評判もよく、ローカス賞受賞ということもあり、読むのを楽しみにしていた。
主人公のマンフレッドは、未来のハッカー。というか、20世紀のハッカーの正当な後継者って感じ。オープンソースムーブメントの行き着く先はこんなんだろうなぁって思わせる。
話は、彼から始まり、彼の子孫たちの年代記の体裁をとっている。その間、どんどん、コンピュータの計算能力が高まり、シンギュラリティを迎える。そのとき、人類はどうなるのか?

詳しく書きたいけど、ネタバレになっちゃうので書かないけど、想像力に飛んで入るが、ありうべき近未来として非常に説得力がある内容。サイバーパンク以後、ポスト・サイバーパンクの最重要な作品の一つだと思う。
内容は難しいけど、丁寧な訳者の補遺と小飼弾氏の解説をあわせて読むと多少は理解できたような気がする。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年10月7日に日本でレビュー済み
主人公のマンフレッド・マックスとその妻と子供と孫が活躍するサイバーパンク。意味が分からないと思うが、サイバーパンクらしく、造語や人格のバックアップやリストアで、子供が親の年齢を越えたり、子供が親のデータから作成されたり、読んでいて頭の中が混乱してくる。でも、サイバーパンクの代表作品である「ニューロマンサー」よりは読みやすい。ただし、本作品は長い。単行本で小さな文字が二段組でぎっしりとつまっている。読むのに時間がかかるだろうが、読む価値はある本である。とはいえ、コンピュータに詳しい人であればまだいいが、そうでない人は読むのに苦労する可能性が高いと思う。そこは頑張ってくださいとしか言いようがない。

さて、本作品は技術的特異点(シンギュラリティ)を迎える物語である。現実世界でも人工知能(AI)の発達により、いつシンギュラリティがくるのか議論されている。この作品を読むと、現代では異常な世界のように思われるが、そんなに怖い世界が訪れるわけではなさそうだと感じた。まあ、自然知能が考えることなので、きちんとした根拠もなく、適当に感じているだけだが。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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