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なぜ女は昇進を拒むのか――進化心理学が解く性差のパラドクス 単行本 – 2009/6/25
性差別がなくなりさえすれば、職場には女性が続々と進出し、男性と肩をならべて出世競争に邁進するはずだ。なぜなら男女は本質的に同一の存在であり、求めるものも同じなのだから――60年代フェミニズムが高らかに主張したこの考えは、いまや常識となった感がある。だが現実には、今日なお多くの職場で格差は大きいままだ。仕事にさく時間や地位が男性の標準に近づくほど、女性の満足度が低くなるという調査結果は経済学の世界では有名だし、昇進をもちかけられた女性の4割近くが辞退しているというデータさえある。
他方、子ども時代に自閉症やADHD、読み書き障害をかかえて苦労するのは、圧倒的に男が多い。男は学校中退率も高く、成績でも概して女に後れをとっている。しかし社会に出ると事情は逆転し、成人してから天才的偉業をなしたり、企業などで重要なポジションを占めたりするのは、多くが男だ。
男と女は、やはり本質的に「違う」のではないか? 統計的にもあきらかな生物学的違いを無視して、杓子定規に「平等」を求めることは、本当にわれわれを生きやすくするのだろうか?
気鋭の女性心理学者が、最新の脳・ホルモン研究などの科学的知見に基づき、多くの「逸脱」した男女のインタビューを紹介しながら、性差をめぐるタブーに切り込む。欧米を騒然とさせた話題の書。
他方、子ども時代に自閉症やADHD、読み書き障害をかかえて苦労するのは、圧倒的に男が多い。男は学校中退率も高く、成績でも概して女に後れをとっている。しかし社会に出ると事情は逆転し、成人してから天才的偉業をなしたり、企業などで重要なポジションを占めたりするのは、多くが男だ。
男と女は、やはり本質的に「違う」のではないか? 統計的にもあきらかな生物学的違いを無視して、杓子定規に「平等」を求めることは、本当にわれわれを生きやすくするのだろうか?
気鋭の女性心理学者が、最新の脳・ホルモン研究などの科学的知見に基づき、多くの「逸脱」した男女のインタビューを紹介しながら、性差をめぐるタブーに切り込む。欧米を騒然とさせた話題の書。
- 本の長さ459ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/6/25
- ISBN-104152090464
- ISBN-13978-4152090461
商品の説明
レビュー
性差など存在しないと執拗に強弁するのではなく、職場に男女格差がある原因を理解することが、男と女の双方にとってよりよい道を拓く――そう主張するピンカーはまったく正しい。 --《エコノミスト》誌
幅広い視点から性差の本質に迫るピンカーの議論は、きわめて読みごたえがあり、積年の論争に新たな一石を投じている。 --サイモン・バロン=コーエン博士 (『共感する女脳、システム化する男脳』著者)
幅広い視点から性差の本質に迫るピンカーの議論は、きわめて読みごたえがあり、積年の論争に新たな一石を投じている。 --サイモン・バロン=コーエン博士 (『共感する女脳、システム化する男脳』著者)
著者について
臨床心理士として25年にわたる実績をもつ発達心理学者。《グローブアンドメール》紙で職場の人間関係や倫理についてのコラムを担当するかたわら、カナダ・マギル大学教育カウンセリング心理学部で教鞭もとる。Canadian Medical Associationや, The Periodical Writing Association of Canadaなどから数々の賞を受賞するなど、ジャーナリストとしても評価が高い。『言語を生みだす本能』などで著名な認知心理学者スティーブン・ピンカーの実妹でもある。初の著作となる本書は16カ国で出版され、ベストセラーとなっている。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/6/25)
- 発売日 : 2009/6/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 459ページ
- ISBN-10 : 4152090464
- ISBN-13 : 978-4152090461
- Amazon 売れ筋ランキング: - 482,802位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 61,058位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フェミニズムの行き詰まりと乗り越えるべき壁を、豊富な聞き取り調査と脳科学的知見から論じた科学的ノンフィクション。著者が論じる男女の対称性は以下のようなものだ。「学校で落ちこぼれるのは男児の方が多く、学業成績は概して女性の方が高いが、リスクのあるビジネスや創造性で成功するのは男性の方が多い。」「女性は人の表情を読み取るのに長け、共感能力やコミュニケーション能力が求められる仕事を望むことが多いが、男性はこの傾向が弱く、人への関心が薄い高機能自閉症の出現率は女性の10倍である。」「男性は一般的に機械や数学に興味を持ち、孤独な肉体労働や長時間労働に耐えられるが、そうした女性は少ない。」「男性は女性よりも競争で勝つことを好み、女性は競争で勝ってもそれを運のせいと思いたがる。」
これらの違いは子作りと子育てに関するオスとメスの戦略の違いが進化的に固定されてきたからとされており、現代社会ではこの違いが収得格差にもつながっている。もちろんその格差は女性の社会進出が阻まれてきたからという歴史的側面もあるが、フェミニズム運動によってその障壁を取り払ってみると、男性と同じようにがむしゃらに働くよりも、家庭のために自ら出世街道を降りる女性が続出しているらしい。統計をとると、専業主婦を望む家庭型が20%、キャリアを優先する仕事型が20%、そして育児とキャリアの両立を図れる働き方を望む適応型が60%を占めるという。実際には男性にも比率こそ異なれ、同じようなグラデーションが存在することだろう。
そうなると性差の次に問題の核心として取り上げなければならないのは、高収入と社会的称賛を得るためには生活を犠牲にして働き詰めないといけない経済社会や組織文化のあり方ということになるのではないか。女だから自由な生き方が出来ないという段階は過ぎつつある。働きたい人は男女関係なく思う存分働ける社会でなければならないが、一方で女も男も誰しもが極限まで能力の酷使を強いられるという別の窮屈な状況にあるのが現代だ。男と女は違う。そして女も男も一様ではない。成功や幸福の定義だってそうだ。経済学や経営学の視点も盛り込みながらそこまで踏み込んだ議論が活発になることを望みたい。
これらの違いは子作りと子育てに関するオスとメスの戦略の違いが進化的に固定されてきたからとされており、現代社会ではこの違いが収得格差にもつながっている。もちろんその格差は女性の社会進出が阻まれてきたからという歴史的側面もあるが、フェミニズム運動によってその障壁を取り払ってみると、男性と同じようにがむしゃらに働くよりも、家庭のために自ら出世街道を降りる女性が続出しているらしい。統計をとると、専業主婦を望む家庭型が20%、キャリアを優先する仕事型が20%、そして育児とキャリアの両立を図れる働き方を望む適応型が60%を占めるという。実際には男性にも比率こそ異なれ、同じようなグラデーションが存在することだろう。
そうなると性差の次に問題の核心として取り上げなければならないのは、高収入と社会的称賛を得るためには生活を犠牲にして働き詰めないといけない経済社会や組織文化のあり方ということになるのではないか。女だから自由な生き方が出来ないという段階は過ぎつつある。働きたい人は男女関係なく思う存分働ける社会でなければならないが、一方で女も男も誰しもが極限まで能力の酷使を強いられるという別の窮屈な状況にあるのが現代だ。男と女は違う。そして女も男も一様ではない。成功や幸福の定義だってそうだ。経済学や経営学の視点も盛り込みながらそこまで踏み込んだ議論が活発になることを望みたい。
2021年2月15日に日本でレビュー済み
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サブタイトルに”進化心理学が解く”とあるが、進化論要素はほぼないです。
著者は女性の臨床心理士であり、生物系ではありません。
しかも、随所に女尊男卑が散見されます。
議論もあっちに行ったりこっちに行ったり...
男性の方が女性よりも上にも下にも分散が広いという事実から、男性の下の方だけに焦点を当てて、「なぜ男は劣っているのか」という話の進め方をしています。
フェミニストにはウケるでしょうね。
著者は女性の臨床心理士であり、生物系ではありません。
しかも、随所に女尊男卑が散見されます。
議論もあっちに行ったりこっちに行ったり...
男性の方が女性よりも上にも下にも分散が広いという事実から、男性の下の方だけに焦点を当てて、「なぜ男は劣っているのか」という話の進め方をしています。
フェミニストにはウケるでしょうね。
2015年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白かった!!
本書は、根本的に男女は異なるが、ビジネスの現場では、男性特有の
競争原理やリスク志向の基準を女性に当てはめていると主張。
その結果、人との繋がりや共感性に価値を見出す女性が、昇進を拒んだり、
収入が低くてもより生きがいを感じる職業を選択するという結果が生ている
としている。
生物学的な男女の性差、ホルモンの影響や心理学の観点からの男女の違い
から「女性が昇進を拒む」要因を説明している。
私の周囲にも、優秀な女性が、昇進を遠慮する例が存在している。この問題
に対処する上で、注意すべき新たな視点を与えてくれた一冊。
本書は、根本的に男女は異なるが、ビジネスの現場では、男性特有の
競争原理やリスク志向の基準を女性に当てはめていると主張。
その結果、人との繋がりや共感性に価値を見出す女性が、昇進を拒んだり、
収入が低くてもより生きがいを感じる職業を選択するという結果が生ている
としている。
生物学的な男女の性差、ホルモンの影響や心理学の観点からの男女の違い
から「女性が昇進を拒む」要因を説明している。
私の周囲にも、優秀な女性が、昇進を遠慮する例が存在している。この問題
に対処する上で、注意すべき新たな視点を与えてくれた一冊。
2011年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「フェミニズム」というのはそもそも、“男性”を基本として考えることを出発点にしていることに、
どれだけの人が気付いているのだろう。
女性の権利を主張しながらも、その権利というのが、
女性は男性と同じもの(社会的地位・金銭的報酬)を求めるはずだ、というバニラ・ジェンダー仮説からきていることに。
私は、この本を読んでやっとわかった。
なぜ自分が「フェミニズム」や「ジェンダー」という言葉がきらいだったのか。
今までなぜ苦手なのかわからなかった。議論内容ではなく、議論の発生そのものに違和感を持っていた。
でも、勉強は苦手だったし口下手だったから、説明できたことがなかった。
なんで、男性と比べられるのか?私は私なのに。
男性の標準から外れることは、まるで女性(=私)にとって後退を意味するかのように思われたりする。
でも、私は好きなようにやっているだけなのに。何かを諦めているわけでも、遠慮しているわけでもない。
男と女は、育つ環境だけではなく、生まれる前から脳機能がすでに違う。
同じ土俵にたたせて比べること自体がナンセンスなのだ。
男と女はどちらも、もう一方の性の改良型でも欠陥品でもない。
長年の不快感?違和感?のような気持ち悪さが、解消された感じです。
専門書は難しくてあまり普段読もうと思わないのに、タイトルに魅かれて買ってしまったけど、大満足です。
どれだけの人が気付いているのだろう。
女性の権利を主張しながらも、その権利というのが、
女性は男性と同じもの(社会的地位・金銭的報酬)を求めるはずだ、というバニラ・ジェンダー仮説からきていることに。
私は、この本を読んでやっとわかった。
なぜ自分が「フェミニズム」や「ジェンダー」という言葉がきらいだったのか。
今までなぜ苦手なのかわからなかった。議論内容ではなく、議論の発生そのものに違和感を持っていた。
でも、勉強は苦手だったし口下手だったから、説明できたことがなかった。
なんで、男性と比べられるのか?私は私なのに。
男性の標準から外れることは、まるで女性(=私)にとって後退を意味するかのように思われたりする。
でも、私は好きなようにやっているだけなのに。何かを諦めているわけでも、遠慮しているわけでもない。
男と女は、育つ環境だけではなく、生まれる前から脳機能がすでに違う。
同じ土俵にたたせて比べること自体がナンセンスなのだ。
男と女はどちらも、もう一方の性の改良型でも欠陥品でもない。
長年の不快感?違和感?のような気持ち悪さが、解消された感じです。
専門書は難しくてあまり普段読もうと思わないのに、タイトルに魅かれて買ってしまったけど、大満足です。
2009年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
男女の性差を積極的に主張。
20世紀後半からの、男女は生物学的に同一でありその差は文化的に作られたものである、という主張に真っ向から反対している。
女性が昇進を拒んだり、第一線で働くような職場にいないのは、職場の性差別などが理由ではなく、ただ本人が望んでいないケースが多い。
多くの女性は、家庭を犠牲にして一日16時間仕事をするよりも、大幅な収入の減額を許容してでも、子供といることを選択している。
昨今の男女平等は、女性が男性と同じ仕事環境を望むということを前提に進められており、女性の考えを無視している。男性のように猛烈に働くことは希望しない女性が多い。
職業を選ぶ際に関しても女性は他者とのコミュニケーションを必要とする職業を好む傾向にあることがさまざまな実験により証明されている。理工系のキャリアに女性が少ないのも、ただ単に彼女らがそれらの職を楽しいと思わないからである。これらの性向を無視して理工系の職種に女性を迎え入れようとしても決して成功するはずがない。
また女性のリスクの取り方と自信についても本書では取り上げられている。一般的に女性は男性に比べてリスクを取らない傾向があり、そのためリスクを積極的にとる男性に比べて成功に結び付かないことがあるとのことだ。そして一般的に女性の方が自分の能力に自信が持てないらしい。また男性は成功の原因を自信の努力・才能等による内的要因に求めるのに対して、女性は環境・運などの外部的な要因に求めるそうだ。
真に男女平等の社会を実現するためには、男性の価値観を女性に押し付けるのではなくこれらの性差を考慮した上で女性の価値観を尊重する必要があると筆者は主張している。
20世紀後半からの、男女は生物学的に同一でありその差は文化的に作られたものである、という主張に真っ向から反対している。
女性が昇進を拒んだり、第一線で働くような職場にいないのは、職場の性差別などが理由ではなく、ただ本人が望んでいないケースが多い。
多くの女性は、家庭を犠牲にして一日16時間仕事をするよりも、大幅な収入の減額を許容してでも、子供といることを選択している。
昨今の男女平等は、女性が男性と同じ仕事環境を望むということを前提に進められており、女性の考えを無視している。男性のように猛烈に働くことは希望しない女性が多い。
職業を選ぶ際に関しても女性は他者とのコミュニケーションを必要とする職業を好む傾向にあることがさまざまな実験により証明されている。理工系のキャリアに女性が少ないのも、ただ単に彼女らがそれらの職を楽しいと思わないからである。これらの性向を無視して理工系の職種に女性を迎え入れようとしても決して成功するはずがない。
また女性のリスクの取り方と自信についても本書では取り上げられている。一般的に女性は男性に比べてリスクを取らない傾向があり、そのためリスクを積極的にとる男性に比べて成功に結び付かないことがあるとのことだ。そして一般的に女性の方が自分の能力に自信が持てないらしい。また男性は成功の原因を自信の努力・才能等による内的要因に求めるのに対して、女性は環境・運などの外部的な要因に求めるそうだ。
真に男女平等の社会を実現するためには、男性の価値観を女性に押し付けるのではなくこれらの性差を考慮した上で女性の価値観を尊重する必要があると筆者は主張している。
2009年8月8日に日本でレビュー済み
男の人と同じ職位で働いていて、男社会と呼ばれる職場でも、世間で言われているほど女性差別を感じたわけでもない。むしろチャンスを与えてくれるのも男性だったわけだから、フェミニズムという考えにそんなに同調するわけでもない。けれどどうも、自分が男性と同じ仕事を、同じだけこなすことに特に喜びを感られない。人への責任は大切だと思っている。けれど、「仕事」に重い責任をもち続けなければならないことがしっくりこない。
そう思う自分が巷で言われているような甘えている女性の「スイーツ」なのか、単に責任から逃げたいだけではないのか、この思いを持ったままこのままずっと仕事をし続けていかなければならないのか、そう感じて自分を責める女性は結構いるのではないでしょうか。そしてそう感じている人はこの感覚を「感覚」として世間に語ることの危険さを良く知っているだけに口をつぐんでいるのではないでしょうか。
本屋で「女性のための〜」「できる女性は〜」などという広告を見ると、まだそんなこと言ってるのかとちょっとうんざりしてしまうような。
この本では生物としての女性の考えや特性についてが書かれており、成功とされた自分の職務に疑問を持ち、悩み、役職を降りた女性たちの話が述べられ、そして著者は発達心理学者として接してきた、圧倒的に男性に多いという適応障害者(彼らはなかなか周囲に理解されないが、その個性でもって大きな成功を手にする者もおり、しかしそれには周囲の理解が必要だった)への理解についてもかなりの頁を割いています。つまるところとは適応ということに目を向けない限り、差別というものはなくならないのだと理論的に説明しています。
そう思う自分が巷で言われているような甘えている女性の「スイーツ」なのか、単に責任から逃げたいだけではないのか、この思いを持ったままこのままずっと仕事をし続けていかなければならないのか、そう感じて自分を責める女性は結構いるのではないでしょうか。そしてそう感じている人はこの感覚を「感覚」として世間に語ることの危険さを良く知っているだけに口をつぐんでいるのではないでしょうか。
本屋で「女性のための〜」「できる女性は〜」などという広告を見ると、まだそんなこと言ってるのかとちょっとうんざりしてしまうような。
この本では生物としての女性の考えや特性についてが書かれており、成功とされた自分の職務に疑問を持ち、悩み、役職を降りた女性たちの話が述べられ、そして著者は発達心理学者として接してきた、圧倒的に男性に多いという適応障害者(彼らはなかなか周囲に理解されないが、その個性でもって大きな成功を手にする者もおり、しかしそれには周囲の理解が必要だった)への理解についてもかなりの頁を割いています。つまるところとは適応ということに目を向けない限り、差別というものはなくならないのだと理論的に説明しています。
2016年1月6日に日本でレビュー済み
本書では随所で統計も紹介してますが、図表は無しで実質エピソード主体です(ただし原注は巻末に詳述してある)。
従って、エピソードだけで納得するのはどうかなと思っています。
感想としては掲題の通りです。
余り聞いたこと無いなと思ったのは女性の理系進学率を上げるための各種の施策ですね。
日本じゃ(却って女性のやる気を削ぐと酷評された)東工大でのナンパ指南講座であるとか、ばら撒き広報誌程度でしょう。
P381でも軽く触れてるように、工学部卒業者の2割・3割を女性にした社会がぶつかってる問題なのであって、
相も変わらず数%~1割前後の線をキープしたままの日本には尚早な悩みだということです。
畠山勝太氏がウェブ上で示していますが、日本の女性高等教育は他の先進国より相対的に遅れたままです。
1970年時点と2000年を比較すると男女格差は大幅に改善してはいます。しかしその30年の間に他国は更に改善が進みました。
2000年からの15年間はもっと差が開き、右派の嫌っている中共やら見下してきたASEANの一部諸国に抜かれました。
先進国でもトップクラスの格差社会になりつつある日本を前提にするには読み方に注意も必要です。
高収入職を捨てて低収入の職に変わった事例などを肯定的に描いている部分がそうです。
事例が少し古いですが、その高収入の職は育児休暇を年単位で設けていたのでしょうか。
教師や保母などが低収入事例として挙がっているようですが、それらは(日本の場合は)不当に低収入なのでは、といった視点です。
改善が進まない理由は結局今まで言われている通り、ロールモデルが量産出来ないとか、古くは家制度から最近は萌えビジネスまで
種々のジェンダー的要素が社会に埋められ過ぎてて動機付けに失敗しているとかでしょう。身近にも幾らでも思いつきますねぇ。
また、本書を率直に読み込み過ぎると「やっぱり女は工学を知る気が無かったんや!」「何一つ与える必要は無かったんや!」と即断する輩が沢山出てきそうです。
本書とは逆に、工学的な文物へ興味を示し成功した女性技術者の例も身近に複数知っているので、「人を集団で見れば分散を取る」としか言い様無いです。
面白いのは、特殊な能力に秀でた男性の場合、アファーマティブアクションの阻害を受けることも無く、普通に成功を掴んでいることです。
余りに失敗談が少ないので、後半著者から訪ねているのですが、成功者は過去のこととして受け入れているようですね。
ある意味、この人達は男女平等社会に適応性があるように思います。著者はP394で女子のアファーマティブアクションに使った資金の
一部を一部男子の読み書き、対人対策に使ってはどうかと提言していますが、アメリカの場合は犯罪率の高さが背景にあるようです。
これは私も実感として分かりますね。
従って、エピソードだけで納得するのはどうかなと思っています。
感想としては掲題の通りです。
余り聞いたこと無いなと思ったのは女性の理系進学率を上げるための各種の施策ですね。
日本じゃ(却って女性のやる気を削ぐと酷評された)東工大でのナンパ指南講座であるとか、ばら撒き広報誌程度でしょう。
P381でも軽く触れてるように、工学部卒業者の2割・3割を女性にした社会がぶつかってる問題なのであって、
相も変わらず数%~1割前後の線をキープしたままの日本には尚早な悩みだということです。
畠山勝太氏がウェブ上で示していますが、日本の女性高等教育は他の先進国より相対的に遅れたままです。
1970年時点と2000年を比較すると男女格差は大幅に改善してはいます。しかしその30年の間に他国は更に改善が進みました。
2000年からの15年間はもっと差が開き、右派の嫌っている中共やら見下してきたASEANの一部諸国に抜かれました。
先進国でもトップクラスの格差社会になりつつある日本を前提にするには読み方に注意も必要です。
高収入職を捨てて低収入の職に変わった事例などを肯定的に描いている部分がそうです。
事例が少し古いですが、その高収入の職は育児休暇を年単位で設けていたのでしょうか。
教師や保母などが低収入事例として挙がっているようですが、それらは(日本の場合は)不当に低収入なのでは、といった視点です。
改善が進まない理由は結局今まで言われている通り、ロールモデルが量産出来ないとか、古くは家制度から最近は萌えビジネスまで
種々のジェンダー的要素が社会に埋められ過ぎてて動機付けに失敗しているとかでしょう。身近にも幾らでも思いつきますねぇ。
また、本書を率直に読み込み過ぎると「やっぱり女は工学を知る気が無かったんや!」「何一つ与える必要は無かったんや!」と即断する輩が沢山出てきそうです。
本書とは逆に、工学的な文物へ興味を示し成功した女性技術者の例も身近に複数知っているので、「人を集団で見れば分散を取る」としか言い様無いです。
面白いのは、特殊な能力に秀でた男性の場合、アファーマティブアクションの阻害を受けることも無く、普通に成功を掴んでいることです。
余りに失敗談が少ないので、後半著者から訪ねているのですが、成功者は過去のこととして受け入れているようですね。
ある意味、この人達は男女平等社会に適応性があるように思います。著者はP394で女子のアファーマティブアクションに使った資金の
一部を一部男子の読み書き、対人対策に使ってはどうかと提言していますが、アメリカの場合は犯罪率の高さが背景にあるようです。
これは私も実感として分かりますね。