2009年に発売された「バギー・イン・ザ・ドールハウス」と不思議なほと似てる作品(パクリという意味ではありません)
仮死状態の少女→少女の夢が浸出するファンタジーホラー→SF路線という流れもソックリなので、この作品が好きな方はそちらも読まれてはいかがでしょうか?
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バレエ・メカニック (想像力の文学) 単行本 – 2009/9/1
津原 泰水
(著)
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/9/1
- ISBN-104152090677
- ISBN-13978-4152090676
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/9/1)
- 発売日 : 2009/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 248ページ
- ISBN-10 : 4152090677
- ISBN-13 : 978-4152090676
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,128,043位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 278,182位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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津原泰水(津原やすみ)
TSUHARA Yasumi
■1964年、広島市生まれ。広島県立広島観音高等学校、青山学院大学国際政治経済学部卒。
■1989年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。
■1997年より現名義にて幅広いジャンルを網羅する執筆活動をおこなう。
■2006年発表の自伝的青春小説『ブラバン』がベストセラーとなる。
■2012年、短篇集『11』が第2回Twitter文学賞国内部門1位となる。
■2014年、短篇「五色の舟」がS-Fマガジン “オールタイム・ベストSF” 国内短編部門1位に選出される。同年、マンガ化されていた同作(漫画:近藤ようこ)が第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年12月14日に日本でレビュー済み
昏睡状態の少女の夢想が東京をのみ込んでいくというSF作品。
三章からなり、画家である女子の父親、主治医、父親のスケッチモデルと主人公を変え、時を隔て物語が紡ぎ出される。それぞれ章のテイストが異なるのが特徴。
一章は、少女の夢が東京に現出し、人々を恐慌(〈理沙パニック〉!)に陥らせる。少女が自身の失われた大脳の代わりに都市を使って夢みる、という発想が面白い。
二章は、恐慌から三年後、死した少女の声が聞こえた人々を訪ねる主治医の物語。一章の文章のややこしさはなりを潜める。幻想から現実へと転調した感がある。
終章は二章からさらに40年。近未来なムードたっぷりで、懐かしのサイバーパンクの趣となる。分かり難さも含めて...。
死生観などと難しく考える必要はないのかも。
三章からなり、画家である女子の父親、主治医、父親のスケッチモデルと主人公を変え、時を隔て物語が紡ぎ出される。それぞれ章のテイストが異なるのが特徴。
一章は、少女の夢が東京に現出し、人々を恐慌(〈理沙パニック〉!)に陥らせる。少女が自身の失われた大脳の代わりに都市を使って夢みる、という発想が面白い。
二章は、恐慌から三年後、死した少女の声が聞こえた人々を訪ねる主治医の物語。一章の文章のややこしさはなりを潜める。幻想から現実へと転調した感がある。
終章は二章からさらに40年。近未来なムードたっぷりで、懐かしのサイバーパンクの趣となる。分かり難さも含めて...。
死生観などと難しく考える必要はないのかも。
2017年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭からの数頁を今でもそらんじられるくらいに好き。幻想文学からハードSFへの滑らかな展開やセンチメンタルな物語も至極だが、要所を掻い摘んでみると散文としてのポテンシャルも高い。そんな奇跡みたいな一冊。
2019年12月23日に日本でレビュー済み
“君”と“わたし”が誰なのか気を付けながら読まないと迷子になる。さらに、登場人物が今いる場所がリアルなのかどうかもよく分からないままストーリーが進行するので、迷子確率はそもそも高い。著者の空想が空想世界を創造した物語の中で、読者はその空想世界を漂うような感覚に陥る。著書の手のひらの上で弄ばれている感があるが、それがむしろ気持ち良い。
2012年3月6日に日本でレビュー済み
『11』を読んだときも文章にほとほと感心しました。
これはまたすごくきれいな文章の作品ですね。
サイバーパンクというジャンルやシュールリアリズムというのが
正確には分かりませんので申し訳ないですが、とにかく幻想的な
雰囲気が充ち満ちていて、あるときはエロティックだし、
あるときはハードボイルドだし、全体にSFだし。
それをこれでもかって言うくらい正統的な日本語で(漢字と
ひらがなのバランスの美的配分も大好きです)綴られると
なんだかワケがわからない、とか言いつつも、あっというまに
エンディングまでいきました。
第一部の人称が「君」つまり読んでる人?というのもこのあたりの
引き込み力を生じさせる要因なんですかね。読み始めは、おいおい
と思いましたが、言われているうちにすっかり物語の中に
入ってました(笑)
第二部の彼女も続けて読んでいれば何となく分かるのですが、
それをまた第三部で人称を含めてひっくり返していくといのは
すごい構想力だし、また文章表現の限界に挑むといったら
大げさだけど、実験小説にとどまらない魅力を持っています。
これはまたすごくきれいな文章の作品ですね。
サイバーパンクというジャンルやシュールリアリズムというのが
正確には分かりませんので申し訳ないですが、とにかく幻想的な
雰囲気が充ち満ちていて、あるときはエロティックだし、
あるときはハードボイルドだし、全体にSFだし。
それをこれでもかって言うくらい正統的な日本語で(漢字と
ひらがなのバランスの美的配分も大好きです)綴られると
なんだかワケがわからない、とか言いつつも、あっというまに
エンディングまでいきました。
第一部の人称が「君」つまり読んでる人?というのもこのあたりの
引き込み力を生じさせる要因なんですかね。読み始めは、おいおい
と思いましたが、言われているうちにすっかり物語の中に
入ってました(笑)
第二部の彼女も続けて読んでいれば何となく分かるのですが、
それをまた第三部で人称を含めてひっくり返していくといのは
すごい構想力だし、また文章表現の限界に挑むといったら
大げさだけど、実験小説にとどまらない魅力を持っています。
2012年8月13日に日本でレビュー済み
早川書房から出ている「想像力の文学」という叢書の1冊。だいぶ前に購入してはいたんだけど、積読状態でようやく読むことができたが、なぜ今まで、この本を読まなかったのか、ちょっと後悔している。
津原泰水については、河出書房新社から出ている大森望編のSFアンソロジー、『NOVA』に収録されていた「五色の舟」が最初に読んだ作品。いわゆるFreaksを描いた作品だったが、まさに想像力をかきたてる作品で、かなり衝撃を受けた作品だった。その後、この作家については、いずれちゃんと読んでみようと思って、購入はしていたんだけど、ようやく読むことができたが、想像以上にスゴい作家だった。
舞台したては、SF小説なんだけども、それ以上に、彼の文体が酔わせる。ストーリーを楽しむと言うよりも、彼の書く文章、それ自体が、非常にマジカルでファンタジックで、日本にこんな作家がいたんだと感心した。まさに「想像力の文学」叢書に相応しい作品だった。
津原泰水については、河出書房新社から出ている大森望編のSFアンソロジー、『NOVA』に収録されていた「五色の舟」が最初に読んだ作品。いわゆるFreaksを描いた作品だったが、まさに想像力をかきたてる作品で、かなり衝撃を受けた作品だった。その後、この作家については、いずれちゃんと読んでみようと思って、購入はしていたんだけど、ようやく読むことができたが、想像以上にスゴい作家だった。
舞台したては、SF小説なんだけども、それ以上に、彼の文体が酔わせる。ストーリーを楽しむと言うよりも、彼の書く文章、それ自体が、非常にマジカルでファンタジックで、日本にこんな作家がいたんだと感心した。まさに「想像力の文学」叢書に相応しい作品だった。
2012年3月7日に日本でレビュー済み
幻想的な世界を醸し出す言葉の連なりがとても美しい小説。
でも、このような小説は読み手を選ぶのだろうと思わされる。
それに慣れていないと物語の世界に没入するのが難しい。
1章を読み終わるまではそんな風に思っていたが、章の終わりで突然、語り手の状況が理解出来て泣かされて以降、言葉に酔わされて見えなかった世界が急に目の前に開けてくる。
そして3章にいたるまでに別世界へ運ばれるような物語の展開に不思議な気持ちが沸き起こる。
決して自分の好きな王道ではないかもしれない。
しかし予測できない展開に最後は感動させられた。
各章最後の1頁で物語の世界が果てしなく開けていって、このような物語も良いなと感じさせられました。
でも、このような小説は読み手を選ぶのだろうと思わされる。
それに慣れていないと物語の世界に没入するのが難しい。
1章を読み終わるまではそんな風に思っていたが、章の終わりで突然、語り手の状況が理解出来て泣かされて以降、言葉に酔わされて見えなかった世界が急に目の前に開けてくる。
そして3章にいたるまでに別世界へ運ばれるような物語の展開に不思議な気持ちが沸き起こる。
決して自分の好きな王道ではないかもしれない。
しかし予測できない展開に最後は感動させられた。
各章最後の1頁で物語の世界が果てしなく開けていって、このような物語も良いなと感じさせられました。
2009年10月25日に日本でレビュー済み
「理沙パニック」という物理現象が東京を覆う。これが第1章だ。現代造形作家木根原が中心人物だが、それを「君」という二人称で描くものだから読み始めは混乱しっぱなしである。前衛ショートフィルムやアニメ、童話などのイメージが物理現象となって混沌の世界を描く。もう一人の重要人物は、言うまでもなく理沙。意識のないまま機械につながれ何年も延命し続けている。ストーリーの整理や解説はするまい。ただ、最後にきちんと整合性はとれる。「シナの5人兄弟」の5番目の弟の特技は、いつまでも息をしないでいられること。
第2章は、龍神医師が中心人物。ここでまた意地悪な書き方をされるので、何度も1章へ戻って読み返した。えっ「彼女」っていうのは龍神?おわっ姉っていたっけ?だがこれも最後に向かって収斂していく。
第3章の中心人物はトキオ。このころはもう慣れっこになったが、またまた何度も1章や2章を読み返す羽目になった。
だが、美しい情念のきらめきを、サイバーパンクSFの形の中で描き出している。傑作だ。
第2章は、龍神医師が中心人物。ここでまた意地悪な書き方をされるので、何度も1章へ戻って読み返した。えっ「彼女」っていうのは龍神?おわっ姉っていたっけ?だがこれも最後に向かって収斂していく。
第3章の中心人物はトキオ。このころはもう慣れっこになったが、またまた何度も1章や2章を読み返す羽目になった。
だが、美しい情念のきらめきを、サイバーパンクSFの形の中で描き出している。傑作だ。