今まで何故彼の作品を読まなかったのか!!!!
読書が趣味といいながら彼の作品を未読だった自分を恥じます。
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ブラッド・メリディアン 単行本 – 2009/12/18
コーマック・マッカーシー
(著),
黒原敏行
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
ノーベル文学賞最有力候補の代表作が待望の邦訳。
少年は、十四歳で家出し、物乞いや盗みで生計を立て各地を放浪していた。時はアメリカ開拓時代。あらゆる人種と言語が入り乱れ、荒野は暴力と野蛮と堕落に支配されていた。行くあてのない旅の末、少年は、以前より見知っていた「判事」と呼ばれる二メートル超の巨漢の誘いで、グラントン大尉率いるインディアン討伐隊に加わった。哲学、科学、外国語に精通する一方で、何の躊躇もなく罪なき人々を殺していくこの奇怪な判事との再会により、少年の運命は残酷の極みに呑み込まれるのだった――。
《ニューヨーク・タイムズ》紙上で、著名作家の投票によるベスト・アメリカン・ノヴェルズ(2006-1981)に選出。少年と不法戦士たちの旅路を冷徹な筆致で綴る、巨匠の代表作。
少年は、十四歳で家出し、物乞いや盗みで生計を立て各地を放浪していた。時はアメリカ開拓時代。あらゆる人種と言語が入り乱れ、荒野は暴力と野蛮と堕落に支配されていた。行くあてのない旅の末、少年は、以前より見知っていた「判事」と呼ばれる二メートル超の巨漢の誘いで、グラントン大尉率いるインディアン討伐隊に加わった。哲学、科学、外国語に精通する一方で、何の躊躇もなく罪なき人々を殺していくこの奇怪な判事との再会により、少年の運命は残酷の極みに呑み込まれるのだった――。
《ニューヨーク・タイムズ》紙上で、著名作家の投票によるベスト・アメリカン・ノヴェルズ(2006-1981)に選出。少年と不法戦士たちの旅路を冷徹な筆致で綴る、巨匠の代表作。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/12/18
- 寸法14 x 3.2 x 19.5 cm
- ISBN-104152090936
- ISBN-13978-4152090935
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商品の説明
著者について
1933年、ロードアイランド生まれ。トマス・ピンチョン、ドン・デリーロ、フィリップ・ロスと並び称される現代アメリカ文学の巨匠。
大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ着々と評価を高め、〈国境三部作〉の第一作となる第六長篇『すべての美しい馬』(1992)(ハヤカワepi文庫)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞。第九長篇『血と暴力の国』(2005)は、2007年度アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画《ノーカントリー》の原作となった。その後、2006年発表の『ザ・ロード』(早川書房刊)は、200万部超のベストセラーを記録し、ピュリッツァー賞を受賞。著者の名声を不動のものとした。
1985年発表の本書は、2006年に《ニューヨーク・タイムズ》紙上で著名作家他の投票による過去四半世紀のベスト・アメリカン・ノベヴェルズの一冊に、《タイムズ》誌による1923-2006年ベスト英語小説100の一冊にもそれぞれ選出された名実ともに著者の代表作である。
大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ着々と評価を高め、〈国境三部作〉の第一作となる第六長篇『すべての美しい馬』(1992)(ハヤカワepi文庫)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞。第九長篇『血と暴力の国』(2005)は、2007年度アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画《ノーカントリー》の原作となった。その後、2006年発表の『ザ・ロード』(早川書房刊)は、200万部超のベストセラーを記録し、ピュリッツァー賞を受賞。著者の名声を不動のものとした。
1985年発表の本書は、2006年に《ニューヨーク・タイムズ》紙上で著名作家他の投票による過去四半世紀のベスト・アメリカン・ノベヴェルズの一冊に、《タイムズ》誌による1923-2006年ベスト英語小説100の一冊にもそれぞれ選出された名実ともに著者の代表作である。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/12/18)
- 発売日 : 2009/12/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 432ページ
- ISBN-10 : 4152090936
- ISBN-13 : 978-4152090935
- 寸法 : 14 x 3.2 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 515,326位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 135,670位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年9月17日に日本でレビュー済み
しんどいなぁと思いながら読み進めていった.
暴力シーンの描写は具体的で,善悪の感情は込められていない.
詰め込まれた文章の中に,
19世紀半ばのアメリカ西部の気温や湿度,
いろいろな国の言葉,骨を砕く音,
ほこりっぽい空気の臭い,肉の腐る臭いが充満している.
「人間はなんのために生まれてくるのか」という哲学など
気にもしない虐殺に次ぐ虐殺
殺される者がかわいそうだとか,
名もなき少年の運命はどうなるのかなどの
通俗的な読み方を否定する虐殺また虐殺
片手間に読めるライトノベルの対極にあり
極端な状況下における人間を描き切った
マッカーシーの筆力を楽しむための小説だと思う.
暴力シーンの描写は具体的で,善悪の感情は込められていない.
詰め込まれた文章の中に,
19世紀半ばのアメリカ西部の気温や湿度,
いろいろな国の言葉,骨を砕く音,
ほこりっぽい空気の臭い,肉の腐る臭いが充満している.
「人間はなんのために生まれてくるのか」という哲学など
気にもしない虐殺に次ぐ虐殺
殺される者がかわいそうだとか,
名もなき少年の運命はどうなるのかなどの
通俗的な読み方を否定する虐殺また虐殺
片手間に読めるライトノベルの対極にあり
極端な状況下における人間を描き切った
マッカーシーの筆力を楽しむための小説だと思う.
2018年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読了までに時間がかかった。
難解というのでもないけれど、読点のない修飾と比喩を散りばめた長い一文が一字たりとも読み飛ばすなよと言っているようで。カッコのない会話がひと言たりとも聞き逃すなよと言っているようで。
ガルシア=マルケスの『族長の秋』を思い出したりもしたが、豊饒や豊潤といった感じは全くといってなく、砂と埃と照りと渇きがあるばかり。
登場人物の直接的心理描写もなく、暴力描写も言われているほど多くなく、砂漠での移動がほとんどを占めている。
アメリカとは何か、が書かれているのかな、とふと思う。
先住民を駆逐する、頭の皮1枚いくらという契約で。野牛を狩り尽くす、ただ皮を得るためだけに。
他所からやってきて自分たちが一番とばかりに。
この国を成立させた暴力性を感情移入せずに書こうとすると、こんな小説になるのだろう。
疲れたけど、面白かったよ。
難解というのでもないけれど、読点のない修飾と比喩を散りばめた長い一文が一字たりとも読み飛ばすなよと言っているようで。カッコのない会話がひと言たりとも聞き逃すなよと言っているようで。
ガルシア=マルケスの『族長の秋』を思い出したりもしたが、豊饒や豊潤といった感じは全くといってなく、砂と埃と照りと渇きがあるばかり。
登場人物の直接的心理描写もなく、暴力描写も言われているほど多くなく、砂漠での移動がほとんどを占めている。
アメリカとは何か、が書かれているのかな、とふと思う。
先住民を駆逐する、頭の皮1枚いくらという契約で。野牛を狩り尽くす、ただ皮を得るためだけに。
他所からやってきて自分たちが一番とばかりに。
この国を成立させた暴力性を感情移入せずに書こうとすると、こんな小説になるのだろう。
疲れたけど、面白かったよ。
2018年2月16日に日本でレビュー済み
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”人間の霊はその達成の頂点で燃え尽きる。人間の頂点(メリディアン)は同時に読みでもあるのだ”
作中の世界を構成する三大元素は「荒野」「暴力」「死体」。戦争状態を人間の本性に基づいた心理として受け入れ、文明化された平和とは縁遠い狂気で厳かな世界を描ききってあります。神に見放されたことが、かえって重々しい神々しさを放ちます。
文体は超長ったらしく、いかにも万人向けではありません。簡単にページをめくらせないストッピングパワーがぷんぷんして読み進めるうちに体力を消耗しているような気がします。娯楽では無い、なにか文体と取っ組み合いしながら読み進めていたような読後感を感じました。
作中の世界を構成する三大元素は「荒野」「暴力」「死体」。戦争状態を人間の本性に基づいた心理として受け入れ、文明化された平和とは縁遠い狂気で厳かな世界を描ききってあります。神に見放されたことが、かえって重々しい神々しさを放ちます。
文体は超長ったらしく、いかにも万人向けではありません。簡単にページをめくらせないストッピングパワーがぷんぷんして読み進めるうちに体力を消耗しているような気がします。娯楽では無い、なにか文体と取っ組み合いしながら読み進めていたような読後感を感じました。
2018年1月12日に日本でレビュー済み
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オールタイムベスト級。 会話文に引用符が使用されず、読点がほとんどない独特の切れ目ない文章によって、人間の会話や行動が詩的な情景描写と溶け合い等質化するかのような効果がもたらされている。これに情念の徹底的な排除が加わり、物語上の全ての残虐行為すらも世界の大いなる営みの下で相対化されるような一種超越的な視線が感じられた。行間から血と泥の匂いが漂ってきそうな生々しい殺戮に塗れた物語でありながらも神々しさすら兼ね備えている作品。圧倒されるしかない、あまりにも大きな何か、という意味で真に「崇高」な作品だと思った。
訳者もあとがきで述べているようにところどころで『白鯨』を想起させられた。モービーディックが擬人化されたかのような強烈な存在感を放つ判事はもちろん、思い出したように前景に現れる(が物語の最初と最後以外には存在感を発揮しない)主人公も。判事の元ネタが『闇の奥』のクルツだということで、『地獄の黙示録』のマーロン・ブランドを思い浮かべながら読んだ。決して読みやすい小説ではないが、これほどの作品にはそうそうお目にかかれないと思う。
訳者もあとがきで述べているようにところどころで『白鯨』を想起させられた。モービーディックが擬人化されたかのような強烈な存在感を放つ判事はもちろん、思い出したように前景に現れる(が物語の最初と最後以外には存在感を発揮しない)主人公も。判事の元ネタが『闇の奥』のクルツだということで、『地獄の黙示録』のマーロン・ブランドを思い浮かべながら読んだ。決して読みやすい小説ではないが、これほどの作品にはそうそうお目にかかれないと思う。
2010年5月18日に日本でレビュー済み
物語は19世紀半ばのアメリカ西部。1人の少年がインディアンの討伐隊に加わることで過酷な運命に巻き込まれていきます。
血と暴力、人間の暗部を描き出す残虐性が詩的なまでに美しい風景描写と共に描かれています。
決して読みやすい物語ではないですが、ストーリーの苛烈さに惹かれて一気に読んでしまいました。
日本では「血と暴力の国」「ザ・ロード」の後に翻訳されていますが、本国での刊行は1985年ということで、〈国境三部作〉よりも前の作品となります。
そういう視点で見ると、この作品は作者のその後の作品の要素を垣間見ることができます。
〈国境三部作〉で描かれる少年の(暴力や血を流しながらの)成長や馬とのモチーフ、「血と暴力の国」での乾いた砂漠の風景や銃の乾いた暴力性、
「ザ・ロード」の蛮族の残虐さや火のイメージ。全ての作品に通ずる悪の存在と人間の運命。
刊行順が逆だったら作者の集大成とでも言いたくなる内容です。
見方を変えると現代を描いた「血と暴力の国」を境に、近未来の「ザ・ロード」を過去へ反転させた世界とも思えます。
最後にこの作品の鍵となるホールデン判事の存在感はやはり圧倒的です。世界の悪や不条理を体現させる存在として主人公の運命を左右します。
(読んでいない人のために書けませんが)ラストシーンは本当に鳥肌ものです。
作者はこの作品の前にも何冊かの作品を刊行しています。
作者の起源を知る上でも、日本での翻訳が待たれます。
血と暴力、人間の暗部を描き出す残虐性が詩的なまでに美しい風景描写と共に描かれています。
決して読みやすい物語ではないですが、ストーリーの苛烈さに惹かれて一気に読んでしまいました。
日本では「血と暴力の国」「ザ・ロード」の後に翻訳されていますが、本国での刊行は1985年ということで、〈国境三部作〉よりも前の作品となります。
そういう視点で見ると、この作品は作者のその後の作品の要素を垣間見ることができます。
〈国境三部作〉で描かれる少年の(暴力や血を流しながらの)成長や馬とのモチーフ、「血と暴力の国」での乾いた砂漠の風景や銃の乾いた暴力性、
「ザ・ロード」の蛮族の残虐さや火のイメージ。全ての作品に通ずる悪の存在と人間の運命。
刊行順が逆だったら作者の集大成とでも言いたくなる内容です。
見方を変えると現代を描いた「血と暴力の国」を境に、近未来の「ザ・ロード」を過去へ反転させた世界とも思えます。
最後にこの作品の鍵となるホールデン判事の存在感はやはり圧倒的です。世界の悪や不条理を体現させる存在として主人公の運命を左右します。
(読んでいない人のために書けませんが)ラストシーンは本当に鳥肌ものです。
作者はこの作品の前にも何冊かの作品を刊行しています。
作者の起源を知る上でも、日本での翻訳が待たれます。
2015年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
19世紀のアメリカである少年が家出をしインディアン討伐隊に参加するが・・・というお話。
ここで描かれるアメリカの原風景は著者の創造力もありますが、実質的には実際にあったということで、そのグロテスクさに驚かされます。討伐したネイティヴやメキシコ人の頭皮を剥いだり耳を切り落として飾りにしたりと暴虐の限りを尽くすアメリカ人にかつての姿には慄然たるものを感じさせます。
この小説で描かれている米墨戦争は実際にあったそうですが、日本の学校ではあまり習わない戦争なので、一種の戦争小説としても読めると思いますが、本書を読むと何時の時代でも戦争は専制と隷従圧迫と偏狭を生むあってはならないことだということが伝わってきます。
何でも解説を読むとこの著者の書く西部劇は修正主義西部劇と呼ばれるということで、確かにハリウッド等では映画にしないタイプの残虐な西部劇になっており、欧米の鬼畜系のホラー作家が本書を聖書の様に拝読しているという事実も頷ける作品に思えました。
このマッカーシーという作家は何冊か読んでおりますが、読んだ中では本書が一番読み応えのある作品に思えました。最近作の方の翻訳が多い様ですが、是非初期の作品の翻訳も望みたいです。会話を地の分の様に描く手法はエルモア・レナードなんかにも影響を与えている様にも思えます。
孤高の作家の傑作。是非ご一読を。
ここで描かれるアメリカの原風景は著者の創造力もありますが、実質的には実際にあったということで、そのグロテスクさに驚かされます。討伐したネイティヴやメキシコ人の頭皮を剥いだり耳を切り落として飾りにしたりと暴虐の限りを尽くすアメリカ人にかつての姿には慄然たるものを感じさせます。
この小説で描かれている米墨戦争は実際にあったそうですが、日本の学校ではあまり習わない戦争なので、一種の戦争小説としても読めると思いますが、本書を読むと何時の時代でも戦争は専制と隷従圧迫と偏狭を生むあってはならないことだということが伝わってきます。
何でも解説を読むとこの著者の書く西部劇は修正主義西部劇と呼ばれるということで、確かにハリウッド等では映画にしないタイプの残虐な西部劇になっており、欧米の鬼畜系のホラー作家が本書を聖書の様に拝読しているという事実も頷ける作品に思えました。
このマッカーシーという作家は何冊か読んでおりますが、読んだ中では本書が一番読み応えのある作品に思えました。最近作の方の翻訳が多い様ですが、是非初期の作品の翻訳も望みたいです。会話を地の分の様に描く手法はエルモア・レナードなんかにも影響を与えている様にも思えます。
孤高の作家の傑作。是非ご一読を。
2012年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
そういう言葉が飛び交う世界をそのまま描いた作品。小説と言うには余りにも異質だろう。
マッカーシー作品の特徴として、句点が極端に少なく、鉤括弧がない。そのため、
かなり読みづらいが、本作はそのマッカーシー作品の中でも特に読みづらい。それは会話文
が少なく、文章のテンポより世界の描写に重きを置いているからだろう。さらに、起承転結
といった物語の起伏を楽しむ、という読み方を完全に否定しているため、読んでいて
段々しんどくなってくるのも事実。
だが、その描写には凄まじいものがある。とにかく、『区別』しない(でも差別的表現はある)。
先に述べたように、鉤括弧を使わず、地の文と会話を一緒くたにする。
心理描写を徹底的に排除し三人称視点で描写することで、人間と世界の垣根を取り除く。
普通、小説には誰か視点人物を据えるものだが、それはこの小説には出てこない。一応『少年』
という名無しの主人公はいるものの、ほとんど一般の匿名端役と同じ役割でしかない。ただただ
ぶっ殺す
というセリフと血飛沫が飛び交う不毛の大地を延々とさまよう名もなき犠牲者であり加害者の一人にすぎない。
混乱と秩序。悲惨と美しさ。差別と平等。道徳と破戒。神と悪魔。
世界の姿を、そのまま描写して読者の前に投げ出す。
日本の文学では味わえない圧倒的なスケールと力を、この小説は持っている。
マッカーシー作品の特徴として、句点が極端に少なく、鉤括弧がない。そのため、
かなり読みづらいが、本作はそのマッカーシー作品の中でも特に読みづらい。それは会話文
が少なく、文章のテンポより世界の描写に重きを置いているからだろう。さらに、起承転結
といった物語の起伏を楽しむ、という読み方を完全に否定しているため、読んでいて
段々しんどくなってくるのも事実。
だが、その描写には凄まじいものがある。とにかく、『区別』しない(でも差別的表現はある)。
先に述べたように、鉤括弧を使わず、地の文と会話を一緒くたにする。
心理描写を徹底的に排除し三人称視点で描写することで、人間と世界の垣根を取り除く。
普通、小説には誰か視点人物を据えるものだが、それはこの小説には出てこない。一応『少年』
という名無しの主人公はいるものの、ほとんど一般の匿名端役と同じ役割でしかない。ただただ
ぶっ殺す
というセリフと血飛沫が飛び交う不毛の大地を延々とさまよう名もなき犠牲者であり加害者の一人にすぎない。
混乱と秩序。悲惨と美しさ。差別と平等。道徳と破戒。神と悪魔。
世界の姿を、そのまま描写して読者の前に投げ出す。
日本の文学では味わえない圧倒的なスケールと力を、この小説は持っている。