本書の大部分が、一人の少女に対する3人の試験官による「4時間にわたる口頭試問」の様子によって占められています。ソクラテスやプラトン等、哲学者の名前が語られ、延々と続く「それ」の描写だけと言っても良い内容は、正直言ってちょっと辛いと感じます。
それでも、試問に合格しようと懸命な少女の様子に惹かれ、何かを期待して読み進めると・・・。
試験官の問いに対する少女の回答や詳細な説明から、「この世界」の歴史やその裏に隠された「真実」が次第に明らかになって行き・・・全てが終わった時、読者はこの「物語」そのものの「真実」を知って驚愕とする事になる!
と言う、かなり衝撃的な結末です!!
しかしこの結末は、旧約聖書の「創世記」からとった?原題「Genesis」や、哲学問答が繰り返される様な展開で「論理的」なお話を装っているストーリー全体を一刀両断にすると言う、あえて言えば、実に「野蛮」とも言える結末で、結局は、人類の哀れな末路を突きつけられる事になる、かなり辛い近未来小説ですね・・・。
SFと哲学が大好きな人には、文句なくお勧め!
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創世の島 単行本 – 2010/6/1
- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/6/1
- ISBN-104152091355
- ISBN-13978-4152091352
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/6/1)
- 発売日 : 2010/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 239ページ
- ISBN-10 : 4152091355
- ISBN-13 : 978-4152091352
- Amazon 売れ筋ランキング: - 970,409位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 242,491位文学・評論 (本)
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トップレビュー
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2020年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大人ですがわくわくしながら完読しました。中学生や高校生の時に出会いたかった本です。
AIの究極の未来像を見せてくれています。今世間で賑わってるAI云々について一歩引いた目で見られます。
中学生や高校生にお勧めの一冊です、ぜひ。
AIの究極の未来像を見せてくれています。今世間で賑わってるAI云々について一歩引いた目で見られます。
中学生や高校生にお勧めの一冊です、ぜひ。
2010年8月21日に日本でレビュー済み
SFが どうも苦手な人にもオススメです、哲学が好きな人にも
読み終わって、公園の滑り台を滑っていて、着地したつもりが、いつの間にか砂場にたっていた そんな気分にさせてくれる
作品だと思う
濃厚な物語が好きな人にはものたりない!?
読み終わって、公園の滑り台を滑っていて、着地したつもりが、いつの間にか砂場にたっていた そんな気分にさせてくれる
作品だと思う
濃厚な物語が好きな人にはものたりない!?
2020年2月10日に日本でレビュー済み
合う人は好きな小説になるかもしれませんが、私にはいまひとつでした。
理由のひとつは、作品の紹介にもある「アダム・フォードという兵士が、漂流者の少女を助けるまでは…。」というエピソードと、その後のメインの話が乖離しているように思えたことです。
またもうひとつの理由は、最後の一ひねりに対する説得力が欠ける様に思えたことです。
このため、起承転結の切り替えが唐突な印象を与えてしまい、物語の変化に唐突な印象を与えてしまっているようです。
正直なところ、私の読解力が不足していた可能性もかなりあります。短い作品ですので、迷ったら躊躇するより読んでしまったほうが早いかもしれません。
理由のひとつは、作品の紹介にもある「アダム・フォードという兵士が、漂流者の少女を助けるまでは…。」というエピソードと、その後のメインの話が乖離しているように思えたことです。
またもうひとつの理由は、最後の一ひねりに対する説得力が欠ける様に思えたことです。
このため、起承転結の切り替えが唐突な印象を与えてしまい、物語の変化に唐突な印象を与えてしまっているようです。
正直なところ、私の読解力が不足していた可能性もかなりあります。短い作品ですので、迷ったら躊躇するより読んでしまったほうが早いかもしれません。
2010年9月2日に日本でレビュー済み
『最後の数ページ、驚天動地の結末が全世界で話題を呼んだ衝撃作』…というのが キャッチコピーだが、何とも他愛ない仕掛けと結末。
高校生レベルには面白いのかもしれない。
プラトンだのアリストテレスだのと、古代ギリシャの哲学者の名前で彩られた一見高邁な試験官との質疑応答のやりとりがあるが、これはある種の知的なファストファッション。会話体が多いせいか、実はとても読みやすい。
ほどよい気分転換にはなった。
高校生レベルには面白いのかもしれない。
プラトンだのアリストテレスだのと、古代ギリシャの哲学者の名前で彩られた一見高邁な試験官との質疑応答のやりとりがあるが、これはある種の知的なファストファッション。会話体が多いせいか、実はとても読みやすい。
ほどよい気分転換にはなった。
2010年6月26日に日本でレビュー済み
小谷真理氏の帯のコメントにもあるように、衝撃的な結末。
21世紀末、ある島を残して人類が死滅したという終末世界で、アカデミーへの少女の入学試問という形式をとり、前編、少女と試験官との会話で成り立つ。
少女はアダムと言うその世界の歴史上の人物を取り上げ、そのアダムが引き起こした事件の歴史的インパクトを語る。その中で、アダムとAIとの会話が取り上げられ、人間と機械との差異など、よくある議論が繰り広げられる。
そう、ここまでは普通の小説。ところが、彼女、アナクシマンドロスに欠かされた衝撃的な真実とは...
とにかくすごい。ギリシア哲学やAIなんかの知識があればもっと楽しめたのだろうが、そういう知識がなくてもこの小説は、小説として楽しめる。
しかし、これがヤングアダルト小説として出版されるところもすごい。ニュージーランドの高校生ってレベル高いなぁ。
今年度、自分の中では翻訳SFのベスト5には入ると思う。
21世紀末、ある島を残して人類が死滅したという終末世界で、アカデミーへの少女の入学試問という形式をとり、前編、少女と試験官との会話で成り立つ。
少女はアダムと言うその世界の歴史上の人物を取り上げ、そのアダムが引き起こした事件の歴史的インパクトを語る。その中で、アダムとAIとの会話が取り上げられ、人間と機械との差異など、よくある議論が繰り広げられる。
そう、ここまでは普通の小説。ところが、彼女、アナクシマンドロスに欠かされた衝撃的な真実とは...
とにかくすごい。ギリシア哲学やAIなんかの知識があればもっと楽しめたのだろうが、そういう知識がなくてもこの小説は、小説として楽しめる。
しかし、これがヤングアダルト小説として出版されるところもすごい。ニュージーランドの高校生ってレベル高いなぁ。
今年度、自分の中では翻訳SFのベスト5には入ると思う。
2010年7月10日に日本でレビュー済み
淡々と続いていきながら、最後に猛烈な衝撃。
「そういうことだったのか!」と思って読み直すと、全部腑に落ちる。
最初SFだと意識していなかったのに、本当にSFだった、という感じ。
「そういうことだったのか!」と思って読み直すと、全部腑に落ちる。
最初SFだと意識していなかったのに、本当にSFだった、という感じ。