はい、先にレビューを書かれた方のご指摘はもっとも至極、なんですが、わたしはそれも含めて楽しんだので、あくまで個人的嗜好を反映して星五つです。
物語をたたみ始めてからの展開には、アニメや特撮のパロディも含めて、悪ふざけとしか思えないものがありますが、それもこの人たちらしいというかなんというか。
終盤とそれ以外には明らかにギャップがあり、それゆえ決して客観的にみて成功作とは言えないと思うんですが、この悪ノリすらも楽しめる人にとっては、前半の読み応えと合わせて、お気に入りの一冊になってくれると思います。
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郭公の盤 単行本(ソフトカバー) – 2010/11/9
ダブルポイント 詳細
東京スカイツリー崩壊!?
歴史の闇に隠されていた世界最古の遺物〈郭公の盤〉をめぐって不気味な欲望と忌まわしき陰謀が交錯する。
〈郭公の盤〉とは何なのか? それをめぐる知られざる争いとは? そしてなにゆえそれは闇に葬られてしまったのか?
牧野修と田中啓文、二人の鬼才が想像の限りつくした、奇想と怪異の現代伝奇ロマン!
歴史の闇に隠されていた世界最古の遺物〈郭公の盤〉をめぐって不気味な欲望と忌まわしき陰謀が交錯する。
〈郭公の盤〉とは何なのか? それをめぐる知られざる争いとは? そしてなにゆえそれは闇に葬られてしまったのか?
牧野修と田中啓文、二人の鬼才が想像の限りつくした、奇想と怪異の現代伝奇ロマン!
- 本の長さ381ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/11/9
- ISBN-104152091711
- ISBN-13978-4152091710
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商品の説明
著者について
牧野修MAKINO Osamu
1958年大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒。1979年に〈奇想天外新人賞〉を別名義で受賞。数年の沈黙ののち、1992年に〈ハィ! ノヴェル大賞〉を長篇『王の眠る丘』で受賞、同書にて“牧野修”としてデビュー。1996年、特異な言語感覚に満ちたドラッグ小説『MOUSE』で、高い評価を得る。1999年『スイート・リトル・ベイビー』で第6回日本ホラー大賞長編賞佳作を受賞。2002年『傀儡后』で第23回日本SF大賞を受賞。
田中啓文TANAKA Hirofumi
1962年大阪生まれ。神戸大学経済学部卒。1993年『凶の戦士』が第2回集英社ファンタジーロマン大賞に佳作入選して作家デビュー。ヤングアダルト作品を経て、SF、ミステリ、ホラーなどジャンルを超えて活躍。上方落語に造詣が深く、落語ミステリ『笑酔亭梅寿謎解噺』や、創作落語も手がけている。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で星雲賞短編部門を受賞。2009年「渋い夢」で第62回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
1958年大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒。1979年に〈奇想天外新人賞〉を別名義で受賞。数年の沈黙ののち、1992年に〈ハィ! ノヴェル大賞〉を長篇『王の眠る丘』で受賞、同書にて“牧野修”としてデビュー。1996年、特異な言語感覚に満ちたドラッグ小説『MOUSE』で、高い評価を得る。1999年『スイート・リトル・ベイビー』で第6回日本ホラー大賞長編賞佳作を受賞。2002年『傀儡后』で第23回日本SF大賞を受賞。
田中啓文TANAKA Hirofumi
1962年大阪生まれ。神戸大学経済学部卒。1993年『凶の戦士』が第2回集英社ファンタジーロマン大賞に佳作入選して作家デビュー。ヤングアダルト作品を経て、SF、ミステリ、ホラーなどジャンルを超えて活躍。上方落語に造詣が深く、落語ミステリ『笑酔亭梅寿謎解噺』や、創作落語も手がけている。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で星雲賞短編部門を受賞。2009年「渋い夢」で第62回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/11/9)
- 発売日 : 2010/11/9
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 381ページ
- ISBN-10 : 4152091711
- ISBN-13 : 978-4152091710
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,923,655位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 463,881位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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大阪府出身。
1992年『王の眠る丘』で作家デビュー。
1999年『スイート・リトル・ベイビー』で第6回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
2002年『傀儡后』で第23回日本SF大賞受賞。
2015年『月世界小説」』で36回日本SF大賞。
ホラー映画が大好物。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年11月23日に日本でレビュー済み
中盤までは、日本神話をモチーフとした伝奇的現象が日常を浸食するさまが巧みで、「傑作」かと思われたが・・・
表題の遺物の性質がほぼ明かされてからはストーリーのテンポが落ち、終盤には登場人物の一人が、伏線も全く(見事なまでに何一つ)なしに、唐突に華麗?な「転職」を遂げて登場するに至っては、ご都合主義も極まれり。
ネタバレは避けるが、「あの」職業にはそんなに簡単に採用されるのでしょうか? もう、それ以後は近年まれに見る「興醒め」のまま(どんな作品でも投げ出さない主義のため)読了。
何で関係者が誰も「いくらなんでもこれは・・・」と一言言わなかったのかが、この作品の最大のミステリ。
表題の遺物の性質がほぼ明かされてからはストーリーのテンポが落ち、終盤には登場人物の一人が、伏線も全く(見事なまでに何一つ)なしに、唐突に華麗?な「転職」を遂げて登場するに至っては、ご都合主義も極まれり。
ネタバレは避けるが、「あの」職業にはそんなに簡単に採用されるのでしょうか? もう、それ以後は近年まれに見る「興醒め」のまま(どんな作品でも投げ出さない主義のため)読了。
何で関係者が誰も「いくらなんでもこれは・・・」と一言言わなかったのかが、この作品の最大のミステリ。
2012年10月23日に日本でレビュー済み
大好きなお二人の合作ということで、ほかの知識は一切入れずに読み始めました。
きっとそれぞれのパート(というか担当の登場人物)がいて、それを合わせた形なんだろうなと思っていたのですが、読み進めるうちにどうも、
完全に交互に書いていらっしゃるなと……俄然興奮しました。
あとがきでわかりましたが、まさに「セッション」! ライブ感がすごい。
前の章に書かれたことを踏襲してストーリーが編み上げられていく感じがたまらないです。
オカネを出してこの本を買って読んでいるにすぎないのに、何か一緒に物語に加わっているような感じもしてきます。
たまに、片方がふざけた暴走をすると、もうお一人がそれにかぶせるようにギャグを入れてきて、
今までまじめな展開だったはずなのに一体どこへ行くんだろうとワクワク。
ラストシーンも楽しくて楽しくて、映像や音楽がアタマに浮かんでくるようでした。
それぞれの作者さんの持ち味が出た、ぐっちゃぐちゃで壮大なスペクタクル。
また、国立競技場のシーンなど……美貌の冷徹な、魔力を持ったカリスマだと思って読んでいた右翼の総長?が、
突如熱い涙を流して、人間的な温かみのある演説を!!
こんな二面性を持った魅力的な人物が出てくるなんてことは、一人で書いた小説では、なかなかないことなのではないでしょうか。
でも最後のほうは、もうどちらが書いてるのかわからなくなってしまったところもありました。そんなことはどうでも良くなったというか……。
ただただ楽しみました。
「かまいたちの夜2」ファンでもある私としては、この作品、ぜひぜひぜひ、サウンドノベル化していただけないものかと……。
あとがきで、長くなってしまったというようなことが書かれてありましたが、もっと読みたかったです。
こんな本を面白いと思ってしまったら、もう他の本は読めなくなるんじゃないかという怖さはありますが
(現にいまちょっと、そうなっています)。
……なんだか、めちゃくちゃな話のように書いてしまいましたが、決してそんなことはありません。
これだけの話がきちんと収束に繋がり、興奮して読めることが、本当にすごいと思います。
古事記が好きな人、幻想的な話が好みの人、音楽を文字で読んでみたい人におすすめします。
きっとそれぞれのパート(というか担当の登場人物)がいて、それを合わせた形なんだろうなと思っていたのですが、読み進めるうちにどうも、
完全に交互に書いていらっしゃるなと……俄然興奮しました。
あとがきでわかりましたが、まさに「セッション」! ライブ感がすごい。
前の章に書かれたことを踏襲してストーリーが編み上げられていく感じがたまらないです。
オカネを出してこの本を買って読んでいるにすぎないのに、何か一緒に物語に加わっているような感じもしてきます。
たまに、片方がふざけた暴走をすると、もうお一人がそれにかぶせるようにギャグを入れてきて、
今までまじめな展開だったはずなのに一体どこへ行くんだろうとワクワク。
ラストシーンも楽しくて楽しくて、映像や音楽がアタマに浮かんでくるようでした。
それぞれの作者さんの持ち味が出た、ぐっちゃぐちゃで壮大なスペクタクル。
また、国立競技場のシーンなど……美貌の冷徹な、魔力を持ったカリスマだと思って読んでいた右翼の総長?が、
突如熱い涙を流して、人間的な温かみのある演説を!!
こんな二面性を持った魅力的な人物が出てくるなんてことは、一人で書いた小説では、なかなかないことなのではないでしょうか。
でも最後のほうは、もうどちらが書いてるのかわからなくなってしまったところもありました。そんなことはどうでも良くなったというか……。
ただただ楽しみました。
「かまいたちの夜2」ファンでもある私としては、この作品、ぜひぜひぜひ、サウンドノベル化していただけないものかと……。
あとがきで、長くなってしまったというようなことが書かれてありましたが、もっと読みたかったです。
こんな本を面白いと思ってしまったら、もう他の本は読めなくなるんじゃないかという怖さはありますが
(現にいまちょっと、そうなっています)。
……なんだか、めちゃくちゃな話のように書いてしまいましたが、決してそんなことはありません。
これだけの話がきちんと収束に繋がり、興奮して読めることが、本当にすごいと思います。
古事記が好きな人、幻想的な話が好みの人、音楽を文字で読んでみたい人におすすめします。
2014年9月1日に日本でレビュー済み
合作ということなのだが、牧野さんのエンターティナーになりきれないあと一歩を田中さんが後押しして突き抜けてしまったような感じを受ける。
久々に楽しく読める物語だった。
今ではそう呼ぶかどうかはわからないけど、伝奇小説の雰囲気も漂い、冒険活劇的な部分もありと自分の好きな部分をくすぐられて、一日かけて読んでしまった。
盤は結局何者がもたらしたのか、とか、そんなことも気になったのだけど、何もかもを解決してもらいたい訳でもなく、ただ読後、楽しかったと思えたので、それですべて良しとしたい。
他の方のレビューでは、様々なパロディー部分を含んでいるそうだが、残念ながら自分は知識不足でそういう楽しみかたは出来なかった。
それでも、十分に魅せられました。
久々に楽しく読める物語だった。
今ではそう呼ぶかどうかはわからないけど、伝奇小説の雰囲気も漂い、冒険活劇的な部分もありと自分の好きな部分をくすぐられて、一日かけて読んでしまった。
盤は結局何者がもたらしたのか、とか、そんなことも気になったのだけど、何もかもを解決してもらいたい訳でもなく、ただ読後、楽しかったと思えたので、それですべて良しとしたい。
他の方のレビューでは、様々なパロディー部分を含んでいるそうだが、残念ながら自分は知識不足でそういう楽しみかたは出来なかった。
それでも、十分に魅せられました。
2010年12月1日に日本でレビュー済み
牧野修氏と田中啓文氏の合作による音を題材にした伝奇小説
音楽療法の一環として発足したバンドの幻のレコード
とある神社に伝わる秘儀の和歌
それらのおおもとになる郭公の盤
等、前半のアイディアは大変おもしろかった
話が進むにつれ、
日本神話、国家の存亡と話のスケールが大きくなっていきます
ラストは、無理やり纏めた感もありましたが、
久しぶりに壮大な伝奇小説を読めて楽しかったです
個人的な見解ですが、
フィクション作品は長ければ、長い程、
スケールが大きければ、大きい程
破綻の度合いが大きくなってもしょうがないと思っています
まして、合作ならなおさらだ
音楽療法の一環として発足したバンドの幻のレコード
とある神社に伝わる秘儀の和歌
それらのおおもとになる郭公の盤
等、前半のアイディアは大変おもしろかった
話が進むにつれ、
日本神話、国家の存亡と話のスケールが大きくなっていきます
ラストは、無理やり纏めた感もありましたが、
久しぶりに壮大な伝奇小説を読めて楽しかったです
個人的な見解ですが、
フィクション作品は長ければ、長い程、
スケールが大きければ、大きい程
破綻の度合いが大きくなってもしょうがないと思っています
まして、合作ならなおさらだ
2010年11月26日に日本でレビュー済み
前半2/3と残り1/3の落差を含めて楽しめるか、壁に投げつけたくなるか・で評価は真っ二つに分かれるだろう作品。
前半の国生み神話とアウトサイダー・ミュージックをモチーフとした新興宗教・「音楽探偵」・皇宮関連機関の三つ巴の絡み合いは、非常に読み応えがある。
残り1/3、<盤>の正体が明かされてからの文字通りの「乱戦」は、ここだけ別の物語として描かれれば、それはそれで楽しめると思う。
特に最後の「海からやって来るモノ」は、一大スペクタクルと言えなくもない。
ただし、前半とのギャップがあまりにありすぎるため、受け付けない人も多いかもしれない。
合作の顛末や連載・出版までの経緯が二人それぞれの「あとがき」に記されているが、これもどちらが正しいのか・どちらもフェイクなのかすらはっきりとしない。
「商業出版でこんなコトをやっていいのか」という声も出るかもしれないが、あえて商業出版でやった二人の作者(神)の悪フザケ、そしてそれにノッた出版社に拍手を。
・・・それこそ<奇書>として再販すらかからない可能性もある、気になる人はとりあえずは購入しておくことをお勧め。
また、両作者に北野勇作・田中哲弥両氏も参加して作成されたプロモーションビデオがYoutubeにupされている。「郭公の盤」で検索すると出てくるので、一度見て欲しい。異形の雰囲気が伝わってくる。
前半の国生み神話とアウトサイダー・ミュージックをモチーフとした新興宗教・「音楽探偵」・皇宮関連機関の三つ巴の絡み合いは、非常に読み応えがある。
残り1/3、<盤>の正体が明かされてからの文字通りの「乱戦」は、ここだけ別の物語として描かれれば、それはそれで楽しめると思う。
特に最後の「海からやって来るモノ」は、一大スペクタクルと言えなくもない。
ただし、前半とのギャップがあまりにありすぎるため、受け付けない人も多いかもしれない。
合作の顛末や連載・出版までの経緯が二人それぞれの「あとがき」に記されているが、これもどちらが正しいのか・どちらもフェイクなのかすらはっきりとしない。
「商業出版でこんなコトをやっていいのか」という声も出るかもしれないが、あえて商業出版でやった二人の作者(神)の悪フザケ、そしてそれにノッた出版社に拍手を。
・・・それこそ<奇書>として再販すらかからない可能性もある、気になる人はとりあえずは購入しておくことをお勧め。
また、両作者に北野勇作・田中哲弥両氏も参加して作成されたプロモーションビデオがYoutubeにupされている。「郭公の盤」で検索すると出てくるので、一度見て欲しい。異形の雰囲気が伝わってくる。
2010年12月16日に日本でレビュー済み
SFや伝奇小説は昔から好きだったので、よく読んでいたが、ホラー小説はあまり普段読んでなかった。この小説も、伝奇小説という帯の言葉につられて読んでみたんだけど、前半の展開は怖いったらありゃしない。
日本創世の神話から綿々と続く日本の歴史の闇に隠されていた郭公の盤。それを握った者は絶大なる権力を握るため、その郭公の盤のめぐっての攻防も繰り返される。そして、それが再び現代日本でも起き、世界の滅亡の危機を招く。という設定自体は伝奇小説としては普通かもしれないが、それと謎の音楽療法のバンドの幻のソノシートをめぐる音楽探偵?の捜索といったエピソードを絡めた前半部分はとても面白い。
その幻の音楽というのがとても怖い。その効果について書かれているところを読んでいるだけで、頭の中にその曲がずっとなっているような気がしてきて、自分も狂いだすのではないかというぐらいの怖さだった。
しかし、後半の結末の付け方はどうなんだろう?至極、あっさりという感じでせっかくの前半の怖さ、面白さが帳消しになってしまった。ちょっと残念。
作者たちによるPVもユーチューブやニコニコ動画にアップされているようだが、あまりの恐さにまだ見ることができない。
日本創世の神話から綿々と続く日本の歴史の闇に隠されていた郭公の盤。それを握った者は絶大なる権力を握るため、その郭公の盤のめぐっての攻防も繰り返される。そして、それが再び現代日本でも起き、世界の滅亡の危機を招く。という設定自体は伝奇小説としては普通かもしれないが、それと謎の音楽療法のバンドの幻のソノシートをめぐる音楽探偵?の捜索といったエピソードを絡めた前半部分はとても面白い。
その幻の音楽というのがとても怖い。その効果について書かれているところを読んでいるだけで、頭の中にその曲がずっとなっているような気がしてきて、自分も狂いだすのではないかというぐらいの怖さだった。
しかし、後半の結末の付け方はどうなんだろう?至極、あっさりという感じでせっかくの前半の怖さ、面白さが帳消しになってしまった。ちょっと残念。
作者たちによるPVもユーチューブやニコニコ動画にアップされているようだが、あまりの恐さにまだ見ることができない。