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いつまでも美しく: インド・ムンバイの スラムに生きる人びと 単行本 – 2014/1/24
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購入オプションとあわせ買い
ピュリッツァー賞受賞ジャーナリストが描くインド最大の都市の真実。全米図書賞に輝いた傑作ノンフィクション。
アマルティア・セン氏(インド出身のノーベル経済学賞受賞者)感嘆!
「母国の発展から取り残されたインド都市部の人びとの暮らしぶり、悲しみと喜びを美しい描写でつづっている。素晴らしい本だ」
大野更紗氏(作家。『困ってるひと』)絶賛!
「自らを表現する言葉をもたぬ人に言葉をもたらした、ナラティヴ・ノンフィクションがひらく新境地」
インド最大の都市ムンバイの国際空港にほど近いスラム、アンナワディ。急速な経済発展を遂げる大都会の片隅で、3000人がひしめき合って暮らしている。
イスラム教徒のフセイン家は、長男のアブドゥルがゴミの売買で家計を支え、生活も少しずつ上向きはじめている。アンナワディで最も成功しているワギカー家では、野心家の母親アシャが権力者とのつながりを利用してのし上がろうとする一方、このスラムで女子として初めて大学に進んだ長女マンジュは、母の生き方に反発をおぼえる。路上で暮らす少年カルーは盗んだゴミを売って生計を立て、ガッツと明るい性格で仲間うちでは一目置かれていた。そんなある日、ひとつの事件をきっかけにフセイン家の運命は大きく変わり、アシャやカルーたちもまたアンナワディをめぐる情勢の変化に巻き込まれていく――。
インド人を夫にもつアメリカ人ジャーナリストが、3年余にわたる密着取材をもとに、21世紀の大都市における貧困と格差、そのただ中で懸命に生きる人びとの姿を描く。全米ベストセラーとなり、数多くの文学賞に輝いた真実の物語。
○本書が受賞したおもな賞
全米図書賞、PEN/ジョン・ケネス・ガルブレイス賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞、アメリカ芸術・文学アカデミー賞(文学部門)、ニューヨーク公共図書館ヘレン・バーンスタイン賞ほか。
○最終候補に選ばれた賞
ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞、サミュエル・ジョンソン賞ほか。
○多くのメディアでベスト・ブックに選出
「2012年の10冊」:ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、USAトゥデイ、ニューズデイなど。
「2012年の年間ベスト・ブック」:ウォール・ストリート・ジャーナル、フィナンシャル・タイムズ、ニューズウィーク、エコノミスト、フォーリン・ポリシー、パブリッシャーズ・ウィークリーなど。
「AMAZON.COMの月間ベスト・ブック」(2012年2月)
アマルティア・セン氏(インド出身のノーベル経済学賞受賞者)感嘆!
「母国の発展から取り残されたインド都市部の人びとの暮らしぶり、悲しみと喜びを美しい描写でつづっている。素晴らしい本だ」
大野更紗氏(作家。『困ってるひと』)絶賛!
「自らを表現する言葉をもたぬ人に言葉をもたらした、ナラティヴ・ノンフィクションがひらく新境地」
インド最大の都市ムンバイの国際空港にほど近いスラム、アンナワディ。急速な経済発展を遂げる大都会の片隅で、3000人がひしめき合って暮らしている。
イスラム教徒のフセイン家は、長男のアブドゥルがゴミの売買で家計を支え、生活も少しずつ上向きはじめている。アンナワディで最も成功しているワギカー家では、野心家の母親アシャが権力者とのつながりを利用してのし上がろうとする一方、このスラムで女子として初めて大学に進んだ長女マンジュは、母の生き方に反発をおぼえる。路上で暮らす少年カルーは盗んだゴミを売って生計を立て、ガッツと明るい性格で仲間うちでは一目置かれていた。そんなある日、ひとつの事件をきっかけにフセイン家の運命は大きく変わり、アシャやカルーたちもまたアンナワディをめぐる情勢の変化に巻き込まれていく――。
インド人を夫にもつアメリカ人ジャーナリストが、3年余にわたる密着取材をもとに、21世紀の大都市における貧困と格差、そのただ中で懸命に生きる人びとの姿を描く。全米ベストセラーとなり、数多くの文学賞に輝いた真実の物語。
○本書が受賞したおもな賞
全米図書賞、PEN/ジョン・ケネス・ガルブレイス賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞、アメリカ芸術・文学アカデミー賞(文学部門)、ニューヨーク公共図書館ヘレン・バーンスタイン賞ほか。
○最終候補に選ばれた賞
ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞、サミュエル・ジョンソン賞ほか。
○多くのメディアでベスト・ブックに選出
「2012年の10冊」:ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、USAトゥデイ、ニューズデイなど。
「2012年の年間ベスト・ブック」:ウォール・ストリート・ジャーナル、フィナンシャル・タイムズ、ニューズウィーク、エコノミスト、フォーリン・ポリシー、パブリッシャーズ・ウィークリーなど。
「AMAZON.COMの月間ベスト・ブック」(2012年2月)
- 本の長さ358ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2014/1/24
- ISBN-104152094303
- ISBN-13978-4152094308
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商品の説明
著者について
アメリカのジャーナリスト。ニューヨーカー誌のスタッフ・ライター。もとワシントン・ポスト紙の記者兼編集者。グループ・ホームにおける知的障害者への虐待報道でピュリッツァー賞を受賞。ほかにマッカーサー基金による「ジーニアス・グラント」、全米雑誌賞などを受賞している。アメリカとインドを行き来する。夫はインド人。2012年に刊行された初の著書である本書は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リストに長くとどまり、その年の全米図書賞をはじめ多くの文学賞を受賞、米英の主要メディアでも年間ベスト・ブックに選ばれるなど高く評価された。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2014/1/24)
- 発売日 : 2014/1/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 358ページ
- ISBN-10 : 4152094303
- ISBN-13 : 978-4152094308
- Amazon 売れ筋ランキング: - 693,558位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 110,420位ノンフィクション (本)
- - 186,745位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月11日に日本でレビュー済み
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thank you for sending me. i really like it.
2014年3月9日に日本でレビュー済み
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ドキュメンタリーの場合、「取材者」と「被取材者」との距離感がひじょうに難しく、異様なまでの同情や感情移入、逆に批判や嫌悪などが常に交錯し、読者も戸惑ってしまうものだが、本作は完全に「私」を見せずに最後まで登場人物の三人称で、あたかも小説のようにグイグイ引き込んでくれる。
マサラムービの都・ムンバイ(ボンベイ)のスラムで繰り広げられ活劇は、司法・行政・教育・警察でさえわずかなはした金で簡単に買える世界であり、這い上がるためには周りの人々が募らせる不満をねたみを上手に利用しながら、常に寝首をかかれないように気を配り、小銭をまき続けなければならない。
さらにインド独特の事情として、多様な民族、宗教、言語、カーストなどが問題をさらに複雑にしてしまう。「寛容の国」ではあってもあまりの理不尽が次々と襲ってきて、映画のようにスーパースターがきっちり解決してくれない現実と向き合う庶民の姿には心を打たれる。
「お涙ちょうだい」や「勧善懲悪」の単純なテーマでなくある意味、淡々と現状をとてもわかりやすく描く好著。
マサラムービの都・ムンバイ(ボンベイ)のスラムで繰り広げられ活劇は、司法・行政・教育・警察でさえわずかなはした金で簡単に買える世界であり、這い上がるためには周りの人々が募らせる不満をねたみを上手に利用しながら、常に寝首をかかれないように気を配り、小銭をまき続けなければならない。
さらにインド独特の事情として、多様な民族、宗教、言語、カーストなどが問題をさらに複雑にしてしまう。「寛容の国」ではあってもあまりの理不尽が次々と襲ってきて、映画のようにスーパースターがきっちり解決してくれない現実と向き合う庶民の姿には心を打たれる。
「お涙ちょうだい」や「勧善懲悪」の単純なテーマでなくある意味、淡々と現状をとてもわかりやすく描く好著。
2016年6月26日に日本でレビュー済み
2008年頃のムンバイのスラムが舞台です。喰いものにされる住人達だけでなく彼らを搾取する警察、病院、ボランティア、地方議員もインド社会全体で見れば取るに足らない身分の弱者です。多くの登場人物が自ら命を絶ちます。どうやったら人間の尊厳を損なわず様々な境遇の人々が共存していけるのかを考えると、あまりにも難しい問題だと感じました。
2014年8月10日に日本でレビュー済み
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シビアなまでにリアルに描かれたノンフィクション。
ムンバイのスラムに生きる人々を活写している。
予定調和ではない厳しい現実に心が痛むがラストは希望の光も見える。
ムンバイのスラムに生きる人々を活写している。
予定調和ではない厳しい現実に心が痛むがラストは希望の光も見える。
2014年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良かったです。
アマゾンさんで購入できると楽で良いですね。
アマゾンさんで購入できると楽で良いですね。
2016年5月7日に日本でレビュー済み
ムンバイのスラムを舞台としたノンフィクション。
貧困だけではなく、
政治行政腐敗、社会の混乱、自殺、などなどの現実問題が描かれています。
対策は、分かりません…しかし、まずは、認識することが、有益であることを…祈ります…
貧困だけではなく、
政治行政腐敗、社会の混乱、自殺、などなどの現実問題が描かれています。
対策は、分かりません…しかし、まずは、認識することが、有益であることを…祈ります…
2020年5月6日に日本でレビュー済み
キャサリン・ブーは、元ワシントン・ポスト紙記者、ニューヨーカー誌記者で、ピュリッツァー賞受賞歴もあるジャーナリスト。
本書は、2012年に出版され、同年の全米図書賞(ノンフィクション部門)をはじめ多くの文学賞を受賞したほか、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、エコノミスト誌など、米英の有力紙誌の年間ベスト・ブックに選ばれるなど高く評価された。日本語訳は、2014年出版。
本書は、インド最大の都市ムンバイの国際空港に隣接する「アンナワディ」という3,000人が暮らすスラムを舞台に、長男の青年アブドゥルがゴミの買い取り、仕分けで11人の家族を養うムスリムのフセイン家と、野心家の母親アシャがアンナワディの権力者となり、中流階級にのし上がろうと画策する、ヒンドゥー教徒のワギカー家の二つの家族を中心に、急激な発展と貧困が隣り合い、せめぎ合う、ある意味「世界の縮図」とも言える街の人びとの日常を、そこに生きる人びとの目線で描いたノンフィクションである。
著者は従来、米国内の貧困問題に取り組んでいたが、インド人の夫と出会い、インドを訪れたときに目にした、急速に豊かさを増す一方で、世界の貧困層の1/3、飢餓状態にある人びとの1/4を抱える、この国の問題を取り上げた本がないことに気付き、3年に亘りアンナワディで密着取材を行い、本書を書き上げたという。
著者はあとがきで、「三年間、私たちは一緒に疑問と格闘した。ネズミの走り回る、ゴミの積まれたアンナワディの小屋に通い、きらびやかな深夜の空港へ盗みに入る少年たちと行動をともにする日々が、はたして不平等なグローバル社会で機会を追い求めて模索するとは何かを理解することにつながるのだろうか。たぶん、そうなのだ。私たちはそう結論を出した。」、「アンナワディの話が広大で多様性に富むインド全体を代表しているとは言えないし、21世紀の世界における貧困と機会の問題を端的に表しているとも言えない。どのコミュニティも一つひとつ事情は異なり、そのすべてに意味がある。それでも、アンナワディの現状は、私がこれまで見てきた他の貧困地域で目にしたことと共通しているという印象を強く受けた。」と語っている。
私はもともと、今日の世界の多くの問題の根底にあるのは「不平等/格差」であると考えており、本書を手に取った理由も、著者の問題意識と同様であったし、本書はそれをある程度明らかにしてくれた。
ただ、本書を読み終えて、それ以上に心に残ったのは、アブドゥルが友人のスニールに、「誰かを見たり、誰かの話を聞いたりしてて、この人にも人生があるんだよなって考えたことはないかい?・・・たとえばさっき首をつろうとした女の人とか、たぶんその前にその人を殴ったりした旦那とか。どんな人生なんだろうって思うんだ・・・そんなことを考えると息が詰まる気持ちになる。でもそれも人生なんだ。犬みたいな生活をしてる人だって、人生を生きているんだよ」と語り掛け、「自分にも人生がある、とスニールは思う。ひどい人生なのは間違いない。カルーの人生みたいにあんなふうに終わりを迎え、やがて忘れられるのかもしれない。スラムの外の人々にはどうでもいいことなのだから。それでも、駐車場の屋上で身を乗り出しながら、もっと身を乗り出したらどうなるだろうと考えたとき、ちっぽけな人生でもやはり自分にとっては大事な人生なのだと、スニールは思ったのだった。」と描いている場面だった。
どのような境遇の中であろうと、そこで生きる一人の人生は掛け替えのないその人の人生である。それは、インドのスラムで生きる人の人生も、米国大統領の人生も、究極的には等しいものなのだ。それが「不平等/格差」の存在を肯定する理由にはならないことは言を俟たないが、私は本書から、忘れかけていた大切なメッセージを得たような気がする。
(2020年5月了)
本書は、2012年に出版され、同年の全米図書賞(ノンフィクション部門)をはじめ多くの文学賞を受賞したほか、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、エコノミスト誌など、米英の有力紙誌の年間ベスト・ブックに選ばれるなど高く評価された。日本語訳は、2014年出版。
本書は、インド最大の都市ムンバイの国際空港に隣接する「アンナワディ」という3,000人が暮らすスラムを舞台に、長男の青年アブドゥルがゴミの買い取り、仕分けで11人の家族を養うムスリムのフセイン家と、野心家の母親アシャがアンナワディの権力者となり、中流階級にのし上がろうと画策する、ヒンドゥー教徒のワギカー家の二つの家族を中心に、急激な発展と貧困が隣り合い、せめぎ合う、ある意味「世界の縮図」とも言える街の人びとの日常を、そこに生きる人びとの目線で描いたノンフィクションである。
著者は従来、米国内の貧困問題に取り組んでいたが、インド人の夫と出会い、インドを訪れたときに目にした、急速に豊かさを増す一方で、世界の貧困層の1/3、飢餓状態にある人びとの1/4を抱える、この国の問題を取り上げた本がないことに気付き、3年に亘りアンナワディで密着取材を行い、本書を書き上げたという。
著者はあとがきで、「三年間、私たちは一緒に疑問と格闘した。ネズミの走り回る、ゴミの積まれたアンナワディの小屋に通い、きらびやかな深夜の空港へ盗みに入る少年たちと行動をともにする日々が、はたして不平等なグローバル社会で機会を追い求めて模索するとは何かを理解することにつながるのだろうか。たぶん、そうなのだ。私たちはそう結論を出した。」、「アンナワディの話が広大で多様性に富むインド全体を代表しているとは言えないし、21世紀の世界における貧困と機会の問題を端的に表しているとも言えない。どのコミュニティも一つひとつ事情は異なり、そのすべてに意味がある。それでも、アンナワディの現状は、私がこれまで見てきた他の貧困地域で目にしたことと共通しているという印象を強く受けた。」と語っている。
私はもともと、今日の世界の多くの問題の根底にあるのは「不平等/格差」であると考えており、本書を手に取った理由も、著者の問題意識と同様であったし、本書はそれをある程度明らかにしてくれた。
ただ、本書を読み終えて、それ以上に心に残ったのは、アブドゥルが友人のスニールに、「誰かを見たり、誰かの話を聞いたりしてて、この人にも人生があるんだよなって考えたことはないかい?・・・たとえばさっき首をつろうとした女の人とか、たぶんその前にその人を殴ったりした旦那とか。どんな人生なんだろうって思うんだ・・・そんなことを考えると息が詰まる気持ちになる。でもそれも人生なんだ。犬みたいな生活をしてる人だって、人生を生きているんだよ」と語り掛け、「自分にも人生がある、とスニールは思う。ひどい人生なのは間違いない。カルーの人生みたいにあんなふうに終わりを迎え、やがて忘れられるのかもしれない。スラムの外の人々にはどうでもいいことなのだから。それでも、駐車場の屋上で身を乗り出しながら、もっと身を乗り出したらどうなるだろうと考えたとき、ちっぽけな人生でもやはり自分にとっては大事な人生なのだと、スニールは思ったのだった。」と描いている場面だった。
どのような境遇の中であろうと、そこで生きる一人の人生は掛け替えのないその人の人生である。それは、インドのスラムで生きる人の人生も、米国大統領の人生も、究極的には等しいものなのだ。それが「不平等/格差」の存在を肯定する理由にはならないことは言を俟たないが、私は本書から、忘れかけていた大切なメッセージを得たような気がする。
(2020年5月了)
2014年3月30日に日本でレビュー済み
「訳者あとがき」で、本書のように「取材する著者」の姿を消す書き方を「イマージョン・ジャーナリズム」としているが、私自身はカポーティのノンフィクション・ノベル『冷血』を思い出した。
それと偶然だが、本書と同時にアルンダティ・ロイの『 民主主義のあとに生き残るものは 』を読んでいると、そのなかの「資本主義―ある幽霊の話」でムケシュ・アンバニが登場する(本書では274ページに登場する)。どちらも、アンバニがけた外れの金持ちで、住居として建設中の高層ビルの話である。
一方で、ムンバイのスラム・アンナワディで生きる人々の生活は極めて厳しい。もちろん、人々は努力を重ね、たくましく生き抜いているが、宗教的対立(ヒンドゥーとイスラム)、司法や警察の腐敗など、いくつもの壁が、彼らを貧困から抜け出すことを困難にしている。
本書の中心人物であるアブドゥルにしても、マンジュにしても、日々努力を重ねるものの、なかなか希望が見いだせない。それでも様々に降りかかる災難に立ち向かい、どうにか突破口を切り開こうと努力している。
日本で通常得られるインドに関する情報といえば、「神秘の国」だとか「IT産業をインド人が支えている」といったものが多く、「世界の貧困層の三分の一、飢餓状態にある人々の四分の一」といったような厳しい情報に接する機会は極端に少ない。だからこそ、その現実をそのまま再現している本書のような作品に大きな意味があるのだろう。
それと偶然だが、本書と同時にアルンダティ・ロイの『 民主主義のあとに生き残るものは 』を読んでいると、そのなかの「資本主義―ある幽霊の話」でムケシュ・アンバニが登場する(本書では274ページに登場する)。どちらも、アンバニがけた外れの金持ちで、住居として建設中の高層ビルの話である。
一方で、ムンバイのスラム・アンナワディで生きる人々の生活は極めて厳しい。もちろん、人々は努力を重ね、たくましく生き抜いているが、宗教的対立(ヒンドゥーとイスラム)、司法や警察の腐敗など、いくつもの壁が、彼らを貧困から抜け出すことを困難にしている。
本書の中心人物であるアブドゥルにしても、マンジュにしても、日々努力を重ねるものの、なかなか希望が見いだせない。それでも様々に降りかかる災難に立ち向かい、どうにか突破口を切り開こうと努力している。
日本で通常得られるインドに関する情報といえば、「神秘の国」だとか「IT産業をインド人が支えている」といったものが多く、「世界の貧困層の三分の一、飢餓状態にある人々の四分の一」といったような厳しい情報に接する機会は極端に少ない。だからこそ、その現実をそのまま再現している本書のような作品に大きな意味があるのだろう。