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〔少女庭国〕 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 単行本 – 2014/3/7

4.2 5つ星のうち4.2 202個の評価

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購入オプションとあわせ買い

卒業式に向かっていたはずの中3少女たち。目覚めると奇妙な貼り紙が。「ドアの開けられた部屋の数をn、死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ」――乙女たちの超脱出ストーリー。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2014/3/7)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/3/7
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 215ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4152094451
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152094452
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 202個の評価

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矢部 嵩
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2019年7月7日に日本でレビュー済み
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タイトルからして少女の庭の国、予備知識なしで読み始めは微笑みすら浮かびますが途中で笑顔は消え、更に半ば過ぎに気づく物語の「始まり」が果たして如何様か(小難しい漢字表現を使いたくなります)。「面白さ」と一絡げに括れない興味深い視点と発展侵食のエネルギーは中学卒業式当日の女子生徒というネタかと思われた設定も、翻って15歳の少女だからこそではと妙な説得力を持ち得ており端的に言えばやっぱり面白いの一言に尽きてしまうのでした。

以下ネタバレしないように気をつけます。
未来と過去を部屋壁の方向で考える舞台で羊歯子(しだこと読みます)の過去が奇跡であるとは思えず、彼女を含むその他誰か一人が特別でもなく全て等しく「途中」かと思えば直接的な希望や部分的カタルシスは一切がぼんやりとした天井と床の薄明かりに紛れてしまう。そして勿論「終了」もなく永遠を何かに准えることもできないまま読者は閉塞感と距離と時間の長さに圧倒されるのです。が、最後に少しだけ、普通の名前に安らぎを感じさせて(でも未だ絶望してないという意味でしか希望は与えられず)一気読みの時間は終わります。
わかりやすいカラクリの解明をお求めの場合相当覚悟して考察しないと難しい。不条理に流される条理を現実的とも受け取れるくらい興味を持たれるのでしたら読んで損なし。ていうか、面白かった。
リッツ、一箱一人で食べました。少し後ろめたい。そんな感じです。
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月11日に日本でレビュー済み
タイトルには「少女」とあり帯には「衝撃の百合SF建国史」。そして美少女の並ぶ表紙。しかし、そこからなにかを期待して読むのはまったくお勧めできない。

この本はいわば単なる思考実験の類。単なると言っても本書の価値や面白さを貶めるつもりではなく、ある程度はお勧めしたいと思うのだけれど、著者によるメッセージ性やサービス的展開という付加価値があるかというと、ほぼない、と言えるのではないか。そのような意味で「単なる思考実験」と表現したい。この実験における徹底した対称性・公平性、そしてそれが積み重ねられていくさまには、前向きな性質がなにがしか感じられ、人間って尊いなという気にもさせられなくもない。

 「ただじぶんだけ喜ぶものを生んでは死滅するだけで世の中がよくなるなんてこんな愉快は他にはないよ」

というが、この地獄が人間世界と相似ならば、この真実も人間世界に成り立つと言えよう。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年9月5日に日本でレビュー済み
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普通に生きていたらおそらく手に取らないであろう表紙とタイトルでしたが、人からすすめられ読みました
非常に示唆的な世界観で、読み終わって暫くしても思い出すことが多いです
良い本というのはそういうものですね
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いいタイトルだなと思った。庭は、誰かが鑑賞するために整備するもので、栄枯盛衰があり、弱肉強食があり、見ていて飽きないなあと。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年4月27日に日本でレビュー済み
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デスゲームのような展開は序章に過ぎず、食料のない世界で食人文化が花開いてしまうエグいストーリーでした。
悪趣味が本の形をしているような作品ですが結構楽しかったです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年12月11日に日本でレビュー済み
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Kindleでハヤカワまつりやってるときにジャケで購入しました。
巷では「リアリティがない」「設定集みたいじゃね?」「描写が適当」「意味不」「説明下手じゃないあなた」と酷評されまくってるけども、間違ってるのはたぶん「BOOK」データベースの内容。

物語というか作品の構造としてはたしかに閉空間でのバトルロワイヤルもので、彼女たちの運命は如何に、みたいな感じで、閉じられた空間である種の文明が生まれたりといった緻密でSF的な要素もまじおもしろいけども、実際にはもっとメタ的な作品として読めないかな、と思います。その意味でKindleで読むほうが体感的に合ってるかも。
似たような作品は数多あるかもしれませんが、私はこういった作品は余り読んだことがなかったのでおもしろかったです。
ついでにいうと酷評されがちな文章はたぶんかなり上手い部類です。冒頭4行目くらいの最初の登場人物と花の取扱いで「あ」と思いました。
他にも硬質な感じから落とす感じとかも絶妙です。重たくならずに一気に読めます。
私は読めない熟語が多くて辞書っ引きだったので、それもKindleで助かりました。
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全体像の紹介はほかのレビュアーがされてるので、ネタバレしつつも個人的な読み方を紹介します。
これらを踏まえ、バトルロワイヤルものがとくに好きではないひとにこそ読んでみてほしいなと思います。

以下ネタバレあり

まず、当作品の環境にあっては、当該閉空間の条件下にランダムにアイテムやポイントをステータスに振り分けた、一定の箍が外れた若しくはあんま外れてない女子中学生を生成させるプログラムを組み、ひたすら試行していると考えられる。女子中学生にリアリティが無いのは、女子中学生が一定のアルゴリズムの元に生成され続ける虚構である所以であり、そういうプログラムを組んでいるのにバトルロワイヤル的な行為に手を染めにくい設定にしたら全然話が進行しなくて阿漕に過ぎる。(おもしろくない)
そういった環境であるため、余りの内容に途中でギブする読者が頻出する様相を示すが、その不快感を超えて先に読み進む中で当該読者が人生を変え得る教訓なり思想なりを獲得し得るかと問えばさにあらず、寧ろさしたる不快感をも覚えず読み進めんとする読者は、恐らくは補遺導入中期には既に作品の構造に気付いており、「すぐ終わるものもあれば話が膨らむ場合もある。」と、放出されるドーパミンに浸り続けることを優先する。
その意味でこの庭を生成し続けているのは読み進める読者自身であり、まじだるいからと本を閉じるのは一層良心的で、確率的に生成される膨らんだ話を求めて女子中学生が殺し合いを続けるのを厭わない読者にとって、当事者であることの意味は全き物として存在しない。(リアリティを追求した具体的描写は不要)
後にそれを自覚し、浅薄な罪悪感に沈みもするが、何が解決するでもなく、所詮一定条件の元に生成され続ける虚構の女子中学生の殺し合いに過ぎず、「自分の目盛が大雑把なんだと」私「は思い、荒い琴線には何も引っかからなかった」ことに、また不快感を覚えることとなった。
総じて設定として、物語というよりは装置であると想定でき、所謂ゲームブックのような読者参加型のものではなく、読書を通じて膨らむ話を生成する、読者生成型のメタ的装置としての捉え方が可能ではないかと考えられた。
32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年4月4日に日本でレビュー済み
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ハヤカワのSF百合小説特集で見つけたタイトル。紹介文がなんか愉快そうだったので購入。ところが、紹介の通り、確かに女子中学生が際限なく増えていきますが、それがドタバタなパニックには展開しません。百合っぽいシーンなんてのは、ほんのたまに一瞬かもしだされるだけ。淡々とした語り口で残酷な歴史が紡がれていく奇怪なファンタジーです。複雑にエピソードが関連しているので、作品構成の仕掛けを楽しめる人にはたまらなく面白いでしょう。単純に百合を期待すると外します。ラストはそれなりに百合っぽくなってますが。個人的にはけっこう楽しく読了しました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
矢部嵩様は頭おかしいホラーの人という認識でしたが、角川ホラーじゃない&かわいい表紙という点から一般向けライトも書いてたんですねと思って手を伸ばしたら凄まじく頭おかしかったので安心しました。
私はあまりSF読まないので参考にならないかもしれませんが、ものすごく独特に感じてわくわく読めました。
こんな極限空間をよく描けますね。
とにかくJC同士のドログチャが強烈でした。
文章が淡々としていて、一人一人に深く寄り添わない書き方が大変功をなしております。
極限空間で庭国形成はしっくりこなかったのですがSF的に読んだら面白いのでしょうか?
DCの頃に図書室で読んだ火の鳥未来編を思い出した。
とにかく凄まじかったです。
そして本当に面白かったです。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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