SF小説としても秀作だが、社会派推理小説、歴史小説としても良く書けていて、これだけの小説は見たことがない。読後の印象では「蒼穹の昴」と少し似ているが、繊細な心理描写や圧倒的な情報量ではこの本にはかなわない。
カンボジアで起きた悲劇を舞台に、そこで生きる人々の生きざまを通じて、現代社会の矛盾や人間の心理を分かり易く書き上げている。(迷信やおとぎ話的な部分は、未開の村社会の本質のような気がした)
特に上巻から下巻への移行部分では、こんな展開があるのかと思わず引きずり込まれてしまった。
近未来の脳科学とゲームの世界を融合させた記述は中々に説得力がある。(ご本人の専門分野か?)
そして、「人生はゲーム」と現代の「ITゲーム社会」を見事にリンクさせたセンスには脱帽だし、すごい作家が出てきたものだと嬉しくなった。
今後、ご本人はこれ以上に楽しみながら小説が書けるか判らないと言っているが、読者としては次作以降も期待したい。
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ゲームの王国 上 単行本 – 2017/8/24
小川 哲
(著)
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空恐ろしいほどの傑作。
SFにしておくのがもったいない。
そう思った小説は本書が初めてだ。――大森望(書評家)
小川哲という才能を、
信頼して良かった。
“伊藤計劃以後"という時代は
本作の刊行によって幕を閉じる。――塩澤快浩(SFマガジン編集長)
ハヤカワSFコンテスト受賞後第一作
テロル、虐殺、不条理を主題とした規格外のSF巨篇
サロト・サル――後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺――百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……あたかもゲームのように。
カバーデザイン:有馬トモユキ
写真:Roger-Viollet/アフロ
SFにしておくのがもったいない。
そう思った小説は本書が初めてだ。――大森望(書評家)
小川哲という才能を、
信頼して良かった。
“伊藤計劃以後"という時代は
本作の刊行によって幕を閉じる。――塩澤快浩(SFマガジン編集長)
ハヤカワSFコンテスト受賞後第一作
テロル、虐殺、不条理を主題とした規格外のSF巨篇
サロト・サル――後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺――百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……あたかもゲームのように。
カバーデザイン:有馬トモユキ
写真:Roger-Viollet/アフロ
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2017/8/24
- 寸法13.8 x 2.4 x 19.5 cm
- ISBN-104152096799
- ISBN-13978-4152096791
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対象商品: ゲームの王国 上
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ユートロニカのこちら側 | ゲームの王国 上 | ゲームの王国 下 | 嘘と正典 | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.0
153
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5つ星のうち4.4
317
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5つ星のうち4.3
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5つ星のうち4.3
269
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価格 | ¥924¥924 | ¥924¥924 | ¥924¥924 | ¥924¥924 |
内容紹介 | 第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉受賞作 SF新世代の俊英が描くユートピアの極北 個人情報を提供する見返りとして、生活全般を保証する実験都市アガスティア・リゾート。理想的な環境で生きる人々が向き合うのは、進化と未来を啓示する“永遠の静寂”だった。 | 第38回日本SF大賞&第31回山周賞W受賞作、待望の文庫化! 百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……まるで「ゲーム」のように。規格外のSF巨篇! | 第38回日本SF大賞&第31回山周賞W受賞作、待望の文庫化! 百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……まるで「ゲーム」のように。規格外のSF巨篇! | SFと文学の最前線!第162回直木賞候補作 稀代のマジシャンが本物の時間旅行に挑む「魔術師」、名馬スペシャルウィークを仰ぐ傑作青春小説「ひとすじの光」など全6篇収録 |
商品の説明
著者について
小川哲(おがわ・さとし) 1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍中。2015年に第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を『ユートロニカのこちら側』で受賞し、デビューを果たす。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2017/8/24)
- 発売日 : 2017/8/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 448ページ
- ISBN-10 : 4152096799
- ISBN-13 : 978-4152096791
- 寸法 : 13.8 x 2.4 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 221,862位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,181位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。『ゲームの王国』(2017年)が第三八回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。『嘘と正典』(2019年)で第162回直木三十五賞候補となる。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カンボジアの土着の呪術と農民の村、都市の革命運動の各々の下、二人の主人公・ムイタックとソリヤの成長と邂逅が興味深く語られる。クメールルージュの革命による恐怖の暮らしと虐殺の悪夢がリアルに描かれた後、崩壊後の新たな民主主義の元で政治家として頂点を目指すソリヤと脳波の研究から脳波を用いたゲームの開発に取り組むムイタックの再びの邂逅が語られる。
革命政権下でムイタックの村での虐殺を指揮せざるをえなかったソリヤの責任の問題と、ムイタックの脳波を通じて潜在意識を探り操るゲームの話が、後半(下巻)でどう関係し、どう決着するのかが焦点だと思った。ま、それを煽るような小説の展開なのだが。民主主義下でも、大義のためには陰謀や無垢の民の命の犠牲はやむを得ないとする、手前勝手なルールでゲームを行うソリヤを、如何に裁き、悔い改めさせるのか。ポルポトに通じるソリヤの「政治主義」の暴走をきちんと裁かないと、本小説の意味がないし、カンボジア人に失礼な気がした。しかし、本作では、この点で、ムイタックも著者も成功しておらず、最後はあいまいな決着で、ちょっと失望した。ゲームの対決で「さらに好きになって」どうするよ。大事な問題が放置されたままだ。それはないものねだりなのか?ま、期待は失望の母なのだが。
革命政権下でムイタックの村での虐殺を指揮せざるをえなかったソリヤの責任の問題と、ムイタックの脳波を通じて潜在意識を探り操るゲームの話が、後半(下巻)でどう関係し、どう決着するのかが焦点だと思った。ま、それを煽るような小説の展開なのだが。民主主義下でも、大義のためには陰謀や無垢の民の命の犠牲はやむを得ないとする、手前勝手なルールでゲームを行うソリヤを、如何に裁き、悔い改めさせるのか。ポルポトに通じるソリヤの「政治主義」の暴走をきちんと裁かないと、本小説の意味がないし、カンボジア人に失礼な気がした。しかし、本作では、この点で、ムイタックも著者も成功しておらず、最後はあいまいな決着で、ちょっと失望した。ゲームの対決で「さらに好きになって」どうするよ。大事な問題が放置されたままだ。それはないものねだりなのか?ま、期待は失望の母なのだが。
2022年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
拷問の描写がキツかったが、いずれも手短に終わってくれて良かった。
2023年11月26日に日本でレビュー済み
叔父さんが「結婚した」と言ったのは共産主義となのもあるかもだけど、ノイちゃんと結婚したんでいいんですよね?
甥の賢さを使ってお嫁さん探しもしてたんですよね?
甥の賢さを使ってお嫁さん探しもしてたんですよね?
2021年10月8日に日本でレビュー済み
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とっても面白かったです。
あの頃のカンボジアのことが少しわかったような気がします。
あの頃のカンボジアのことが少しわかったような気がします。
2021年3月19日に日本でレビュー済み
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偶然にも巡り会った天才少年・少女。ゲームという決められたルールの中で、いかにして勝つかを模索す
る。一方クメール・ルージュはルールの外からルールを破壊する「革命」に命をかける。ルールの内と外と
という両極端の対比を大きな柱とし、混沌としたカンボジアの情勢やファンタジー色の濃い超能力児の挿話
を織り交ぜている。
大量虐殺を伴うクーデターや革命を「ゲーム」というブラック・ジョークとも言うべき視点でとらえ、
ゲームの王国の不条理な世界を描き切っている。その技巧は広大な熱帯雨林のごとく繁茂で、かつ鮮やかで
さえある。
る。一方クメール・ルージュはルールの外からルールを破壊する「革命」に命をかける。ルールの内と外と
という両極端の対比を大きな柱とし、混沌としたカンボジアの情勢やファンタジー色の濃い超能力児の挿話
を織り交ぜている。
大量虐殺を伴うクーデターや革命を「ゲーム」というブラック・ジョークとも言うべき視点でとらえ、
ゲームの王国の不条理な世界を描き切っている。その技巧は広大な熱帯雨林のごとく繁茂で、かつ鮮やかで
さえある。
2020年10月9日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入させていただきました。
上下巻合わせてのレビューです。それぞれの粗筋は本書カバーの説明が簡にして要を得ているので引用します。
「サロト・サルーー後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子、ソリヤ。貧村ロベーブレンソンに生まれた、天賦の「識」を持つ神童のムイタック。運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで邂逅した。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺ーー百万人以上の生命を奪い去ったあらゆる不条理の物語は、少女と少年を見つめながら粛々と進行する……まるで、ゲームのように」(本書上巻カバーより)
「「君を殺す」ーー復讐の誓いと決別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする<ゲームの王国>を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックが、ゲームの終わりに手にしたものとは……(後略)」(本書下巻カバーより)
本書のタイトルは『ゲームの王国』です。
上巻はクメール・ルージュによる国家の制度設計の失敗=「失敗したゲームの王国」を描いています。
下巻は主人公=ムイタックとヒロイン=ソリヤがクメール・ルージュの失敗を踏まえた上で、正当なルールで治められた国家=「ゲームの王国」の設計に挑む話を描いていると思われます。
ぼくはよく"if we hold on together"(=もし私たちが手を取り合えたなら)と考えるのですが、なかなかそうはいかないのが人生で、結局のところ"we're all alone”(=私たちはみな、ひとりぼっち)ではあるまいか、というのがいまの時点での暫定的結論です。
とても考えさせられる良質なエンターテイメント作品です(その意味で、笠井潔さんの作品に通じるものを感じました)。
思想性がありつつ一気読みも出来る懐の深さ(ハヤカワ文庫は硬派なSFをたくさん出しているので躊躇される方がいらっしゃるかもしれませんが、ガチガチのSFではなくとてもリーダブルです)。
オススメです。
上下巻合わせてのレビューです。それぞれの粗筋は本書カバーの説明が簡にして要を得ているので引用します。
「サロト・サルーー後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子、ソリヤ。貧村ロベーブレンソンに生まれた、天賦の「識」を持つ神童のムイタック。運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで邂逅した。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺ーー百万人以上の生命を奪い去ったあらゆる不条理の物語は、少女と少年を見つめながら粛々と進行する……まるで、ゲームのように」(本書上巻カバーより)
「「君を殺す」ーー復讐の誓いと決別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする<ゲームの王国>を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックが、ゲームの終わりに手にしたものとは……(後略)」(本書下巻カバーより)
本書のタイトルは『ゲームの王国』です。
上巻はクメール・ルージュによる国家の制度設計の失敗=「失敗したゲームの王国」を描いています。
下巻は主人公=ムイタックとヒロイン=ソリヤがクメール・ルージュの失敗を踏まえた上で、正当なルールで治められた国家=「ゲームの王国」の設計に挑む話を描いていると思われます。
ぼくはよく"if we hold on together"(=もし私たちが手を取り合えたなら)と考えるのですが、なかなかそうはいかないのが人生で、結局のところ"we're all alone”(=私たちはみな、ひとりぼっち)ではあるまいか、というのがいまの時点での暫定的結論です。
とても考えさせられる良質なエンターテイメント作品です(その意味で、笠井潔さんの作品に通じるものを感じました)。
思想性がありつつ一気読みも出来る懐の深さ(ハヤカワ文庫は硬派なSFをたくさん出しているので躊躇される方がいらっしゃるかもしれませんが、ガチガチのSFではなくとてもリーダブルです)。
オススメです。