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それまでの明日 単行本 – 2018/3/1
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渡辺探偵事務所の沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてくれという。沢崎が調べると女将は去年亡くなっていた。顔立ちの似た妹が跡を継いでいるというが、調査の対象は女将なのか、それとも妹か? しかし当の依頼人が忽然と姿を消し、沢崎はいつしか金融絡みの事件の渦中に。切れのいい文章と機知にとんだ会話。時代がどれだけ変わろうと、この男だけは変わらない。14年もの歳月をかけて遂に完成した、チャンドラーの『ロング・グッドバイ』に比肩する畢生の大作。
- 本の長さ409ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/3/1
- 寸法14 x 3 x 19.5 cm
- ISBN-104152097485
- ISBN-13978-4152097484
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
震災後の探偵小説
毎月のように新刊を出す作家がいる一方で、数年に1作という寡作作家もいる。原尞の場合は、デビューから30年の間に長編4作、短編集1冊、エッセイ集2冊。5作目の長編が『それまでの明日』だ。前作『愚か者死すべし』から14年ぶりとなる。ネット書店のコメント欄は、新作発売を言祝(ことほ)ぐファンでいっぱいだ。
今回も主人公はこれまでのすべての作品と同じく、探偵の沢崎。沢崎は金融会社の支店長から、料亭の女将の身辺調査を依頼される。融資案件についての調査だが、派閥抗争にからむので会社には極秘で、と支店長は告げる。
沢崎が調べると、女将はすでに死んでいた。ところが経過を報告しようにも、支店長と連絡がつかない。勤務先の金融会社を訪ねると、強盗事件が発生し、沢崎は巻き込まれてしまう。その後も支店長の行方は依然として不明……。
文体は原が心酔するというレイモンド・チャンドラーのよう。模倣ではなくオマージュというべきか。そういえば村上春樹がチャンドラーの長編7作すべてを新訳している。原の作品と読み比べるのもおもしろい。
探偵小説は失ったものを見つけ出そうとする物語である。この作品は、依頼された調査の結果はすぐわかるが(女将の死)、依頼人が姿を消すことで、何を見つけ出すべきかがわからなくなる。まるで現代人そのもの。
小説の最後で東日本大震災が起きる。つまり小説の舞台は2010年11月から2011年3月。原の前作が発表されてから14年の間に、わたしたちは何を失い、何を見つけたのだろう。本作もまた、震災後文学である。
評者:永江朗
(週刊朝日 掲載)著者について
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2018/3/1)
- 発売日 : 2018/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 409ページ
- ISBN-10 : 4152097485
- ISBN-13 : 978-4152097484
- 寸法 : 14 x 3 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 167,207位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 999位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
である原尞にとっても些か長すぎる「長き眠り」であったかも知れない。寡作ゆえに、彼の作品の主人公
である探偵の沢崎の再登場を待ちに待った多くのファンもいることであろう。今回の作品では、沢崎は
金融会社の新宿支店長からその会社が融資を検討している赤坂の料亭の調査を依頼されるところから
物語が始まる。そして、何とも締まりのない強盗事件に巻き込まれたり、それに絡んだ暴力団抗争が起きたり
するが、この物語の大きなテーマは父と子の愛憎であると言ってもいいかもしれない。原の作品に共通する
やや複雑な筋書きと謎解きはあるが、彼がずっと登場させたいと考えていたと言う副主人公も出てくる。
沢崎自身の年齢設定は、本来の時の流れとは関係なく50歳ほどに設定されているが、全体的に過去の作品
に比して、いわゆるハードボイルド感が減じているように思うのは気のせいか。あるいは、設定とは関係なく
沢崎が老けたのか。テーマが父と子の葛藤や愛憎(と私が勝手に言っているだけだが)の為か、やや
盛り上げりに欠けた作品になっているような気がしてならない。
前作までは沢崎も元気がありましたが、本作は少し年を取りすぎたようです。
50歳くらいの設定ですが、もう少し上のような気がしました。原尞さんもすでに70歳を過ぎているので、仕方ないのでしょうが。
アクションシーンや女性との色恋要素は皆無で、警察の錦織や、ヤクザの橋爪も同様に年をとった印象でした。
さらには、沢崎の息子のような年の青年とタッグを組むシーンや、ヤクザが親の介護を理由に足を洗うシーンなど、およそハードボイルドとは無縁の要素が増えました。
そしてラストは、会話が延々と続く種明かしでした。
やはり、年には勝てないということのようです。
これまで沢崎シリーズをすべて読んできた読者としては読まないわけにはいかない。
14年も待たされたわけだし。
ストーリーは、まあいつもながら少し無理はある。
が、彼のハードボイルドはストーリーそのものよりも、匂いとか雰囲気とか、そういった要素の方が強い魅力を放っている。
その点は、レイモン・チャンドラーも同様であると思っているのだが、本作でも変わらぬ世界を味わうことができた。
元ジャズピアニストだったという著者は、直木賞受賞後に田舎の佐賀県に戻り、前の作品で得た原稿料が無くなるまで次の作品を書かないという生活を続けていると、前作が書かれたころ、つまり14年以上前に読んだ記憶がある。
どうでもいいことだが、前の作品の印税だけで14年もの暮らしが凌げたとはとても思えないのだが、ピアノでも弾いて暮らしていたのだろうかw
連作との事で次作も近い将来読めるのを
楽しみにしています
前回のレビューで、文字が小さいと書きましたが、
いざ読み始めると、ワクワクして、毎晩、数ページずつ読み進めています。
自分で映像化しながら読むのが楽しいです。
テレビドラマ化を『wowow』でお願いしたいです。
「ミステリマガジン」3月号の特集でその待望の新作が3月に刊行される事を知り、まるで部屋の大掃除で古い書棚を整理していたら本と本の間に挟みながらいつしかその存在を忘れていた封筒に入ったへそくりを十数年ぶりに見つけたような(って、まるで、ハードボイルドらしくないが~笑)、そんな驚きと喜びを覚えながら静かに発売日を待っていた。
で、実際に読み始めると、「ミステリマガジン」にも掲載されていた第1章からぐんぐん引き込まれた。
ハードボイルドならではの自嘲的思索的な考察に極めてシニカルなでも洒落っ気のある会話の妙、そして洞察力あるディテール描写に文学性薫る硬質感。1章の最後の2行で見事に読者の心を鷲掴みしノワールな世界に誘う巧さ。
本来ならオモシロ本って一気読みしてしまうものなのだが、今回は逸る気持ちを落ち着かせ、時間を掛けてじっくり読んだ。
我らが沢崎の帰還に14年間の渇きを癒そうと思いつつも、果たして次はいつ逢う事が出来るのかとの想いが去来し、一気に読み切る事に躊躇したからだ。
結果として、それは本書の読み方としては良かったと思える。醸成された原寮ワールドにどっぷりと浸る事が出来たから。
錦織や橋爪らとのへらず口なやり取りも相変わらず魅せる、読ませる。
でも、正直、ミステリやサスペンスとしての劇的な展開を期待した方には物足らない部分もあるかも知れない。
確かに、死体や銀行強盗、危ないスジモノたちは登場するものの、それらは飽くまで探偵の仕事の中で不可欠な味付け程度の役割しか与えられていない。
その代り、強く意識させるのは、沢崎と彼を取り巻く人物たちの人間ドラマ。原寮の言葉を借りるなら、沢崎の探偵人生の中に踏み込んできている人間たちとのドラマである。
「ミステリマガジン」誌上で原寮は語っている。
“ハードボイルドに専念して良いものを書きたい、人間同士のぶつかり合いや良い台詞を書きたい。その思いを胸に意識して取り組んでいたら14年の年月が過ぎてしまった”と。
思えば、これまでも、原寮は作品の中で人間と人間、社会と人間の関わり合いを描いてきた。今回は親と子である。
終盤、なんかロバート・B・パーカーの「初秋」みたいだなと感じながらも、新たな沢崎ワールドの誕生を好意的に受け止めたい。
そして、現代を描く作家として避けては通れない未曾有のあの大惨事。
今作は東日本大震災を挟んでそれが起こるまでの物語であり、次作は震災後の物語になると言う。
正しくそれが起こる瞬間で物語が結ばれたあと、次なる沢崎の帰還はいつになるのか分からないが、その時が来るまで静かに待ちたい。