楽しみにしていたイアン・マクドナルドの久々の邦訳刊行は、近未来のインドを舞台にしたわかりやすい世界観の短編集です。
輪廻の発想が根付き長い歴史を持つインドという国の政体が変化し小国に分裂したらどうなるのか?その粗野でしかも洗練されているという文化と、サイバーと神話が渾然と解け合うような一般認識がまず魅力的です。
その中で生きているのは子供から徐々に大人になってゆく少年や少女が中心。若い世代ならではの感性や夢がみずみずしく描かれていて、普通に青春小説として楽しめるような作品ばかりです。
逆に、「火星夜想曲」あたりの印象からイアン・マクドナルドの魅力だと思っていた、明るさの仮面の下の痛ましさ、凄絶な感情の動きが静かな世界の中で様式化されたような特徴は鳴りを潜めてしまったように思います。
一般的にはその分ずっと取っ付きやすくなっているはずなので、過去この作家に興味を覚えなかった方でも手に取る価値はあるでしょう。個人的にはあの痺れるような痛ましさを様式化した世界がなつかしく、面白かったけれど残念な作品でした。
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サイバラバ-ド・デイズ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5003) 新書 – 2012/4/15
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- 本の長さ462ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2012/4/15
- 寸法10.8 x 2.2 x 18.5 cm
- ISBN-104153350036
- ISBN-13978-4153350038
新品まとめ買い 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/4/15)
- 発売日 : 2012/4/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 462ページ
- ISBN-10 : 4153350036
- ISBN-13 : 978-4153350038
- 寸法 : 10.8 x 2.2 x 18.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 932,610位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Kindleにて購入しましたが、正直、データだけでこの値段は高い。
それほどの内容じゃありません。
「黎明の王 白昼の女王」で見せた独自のイメージの表出もなく
SFでなければ描けない世界があるわけじゃない。
すでに誰かがやりつくした手あかのついた手法で、インドという珍しい素材を加工しただけ。
つまらないと言うほどヒドイ内容ではないですし、誰が読んでも精神的なダメージを受けることはないでしょう。
ラノベかマンガのつもりで気楽に楽しめる内容です。
気楽でないのはお値段ですね。
文庫になるまで待った方が良かったと後悔してます。
それほどの内容じゃありません。
「黎明の王 白昼の女王」で見せた独自のイメージの表出もなく
SFでなければ描けない世界があるわけじゃない。
すでに誰かがやりつくした手あかのついた手法で、インドという珍しい素材を加工しただけ。
つまらないと言うほどヒドイ内容ではないですし、誰が読んでも精神的なダメージを受けることはないでしょう。
ラノベかマンガのつもりで気楽に楽しめる内容です。
気楽でないのはお値段ですね。
文庫になるまで待った方が良かったと後悔してます。
2012年4月29日に日本でレビュー済み
早川書房の新・銀背、新☆ハヤカワ・SF・シリーズの第3回配本。イアン・マクドナルドは初めて読んだけど、このシリーズ、本当にレベルが高い。7編の中編が集められているが、どれも21世紀半ばのインドが舞台。
しかもそのインドが8つの国に分裂していて、AIのテクノロジーや遺伝子工学が発展している状況。エスニックな世界の文化や宗教色を色濃く残しながら、最新のテクノロジーを発展させたインド社会のありうべき未来を示している。
収録されているのは、
・サンジーヴとロボット博士
・カイル、川へ行く
・暗殺者
・花嫁募集中
・小さき女神
・ジンの花嫁
・ヴィシュヌと猫のサーカス
の7編。どれも面白かったが、名門一家同士の抗争を描く「暗殺者」や、2007年度のヒューゴー賞受賞作、「ジンの花嫁」が、特に良かった。
特に「ジンの花嫁」は、人間のダンサーとAIの外交官との恋愛をドラマティックに描いた傑作だと思う。これだけでなく、収録作品全部に言えることだが、そういったSF的ガジェットに彩られてはいるが、作品の魅力はそれだけではなく、ドラマティックなストーリー展開にもある。面白かった。
しかもそのインドが8つの国に分裂していて、AIのテクノロジーや遺伝子工学が発展している状況。エスニックな世界の文化や宗教色を色濃く残しながら、最新のテクノロジーを発展させたインド社会のありうべき未来を示している。
収録されているのは、
・サンジーヴとロボット博士
・カイル、川へ行く
・暗殺者
・花嫁募集中
・小さき女神
・ジンの花嫁
・ヴィシュヌと猫のサーカス
の7編。どれも面白かったが、名門一家同士の抗争を描く「暗殺者」や、2007年度のヒューゴー賞受賞作、「ジンの花嫁」が、特に良かった。
特に「ジンの花嫁」は、人間のダンサーとAIの外交官との恋愛をドラマティックに描いた傑作だと思う。これだけでなく、収録作品全部に言えることだが、そういったSF的ガジェットに彩られてはいるが、作品の魅力はそれだけではなく、ドラマティックなストーリー展開にもある。面白かった。
2013年3月2日に日本でレビュー済み
未来のインド、ネパールが舞台。様々なカースト、境遇の子どもを主人公として、全部で7話の物語で構成されている。インドは分裂状態にあり、お互いに水資源などをめぐり戦争している。どの物語も、同じ世界設定で、つながっている。
人と見分けがつかないほど高度化された人工知能AI、遺伝子レベルで改造を施され寿命が2倍に延びた新人類ブラーミン、性別を超えた改造を施されたヌート。
どの話も良かったが、オススメは次の物語だった。
『暗殺者』は、一族を暗殺者に殺された女の子が、復讐を誓う。
『小さき女神』は、女神に選ばれ(残酷だから?)た少女が、成長とともに資格を失い、犯罪に巻き込まれて・・。
『ジンの花嫁』ダンサーの少女とAI外交官との恋愛。
多神教の国であるだけに、押井守『攻殻機動隊』における(八百万の神=インドの神様ジン)を想像してしまった。
人と見分けがつかないほど高度化された人工知能AI、遺伝子レベルで改造を施され寿命が2倍に延びた新人類ブラーミン、性別を超えた改造を施されたヌート。
どの話も良かったが、オススメは次の物語だった。
『暗殺者』は、一族を暗殺者に殺された女の子が、復讐を誓う。
『小さき女神』は、女神に選ばれ(残酷だから?)た少女が、成長とともに資格を失い、犯罪に巻き込まれて・・。
『ジンの花嫁』ダンサーの少女とAI外交官との恋愛。
多神教の国であるだけに、押井守『攻殻機動隊』における(八百万の神=インドの神様ジン)を想像してしまった。
2012年5月29日に日本でレビュー済み
近未来のインドを舞台にした短編集。
国際社会で巨大な経済力を有しながら貧困層がいまだ存在し、IT関連でも優れた企業が存在する反面、いまだ前近代的な習俗のままの人々も暮らしているインドであるからこそ成立する作品群。
この短編集に見られる数々の設定を生かした長編もあるとの事で、そちらも訳出される事を希望する。
国際社会で巨大な経済力を有しながら貧困層がいまだ存在し、IT関連でも優れた企業が存在する反面、いまだ前近代的な習俗のままの人々も暮らしているインドであるからこそ成立する作品群。
この短編集に見られる数々の設定を生かした長編もあるとの事で、そちらも訳出される事を希望する。