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天使 単行本 – 2002/11/1

4.2 5つ星のうち4.2 47個の評価

商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

第一次大戦前夜、天賦の「感覚」を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する顧問官に拾われ、その配下となる。混迷の欧州で繰り広げられる、選ばれし者たちの闘いの結果は!? 堕天使たちのサイキック・ウォーズ。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2002/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2002/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 274ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163214100
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163214108
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 47個の評価

著者について

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佐藤 亜紀
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2009年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第一次世界大戦期のヨーロッパで「感覚」を持つ青年ジェルジュの戦いを描いた小説。
ひどく難解でした。ジェルジュの持つ超能力を「感覚」として理解するのが大変。しかも作者の性質で、時代背景を一切説明しないので世界史の知識が必須。佐藤亜紀の小説を読んでいると高校で世界史をとっておくべきだったと後悔する。第一次世界大戦前後の世界史を読む前に勉強しておくといいかもしれない。
難しい背景を理解しきれなくともこの小説は面白い。主人公のジェルジュが才能を開花させていく過程は読んでいて面白いし、ジェルジュを育てる顧問官のかっこよさも読んでいて楽しい。佐藤亜紀作品は美男美女ぞろいなので豪華な小説を読んでいる気分になる。顧問官に命令されそれに従うジェルジュの構図はすごくつぼにはまるので呼んでいて本当に楽しいのだ。
ジェルジュが行うのは諜報活動なのでスパイ小説さながらのスリルも味わうことができる。感覚を使ってピンチを切り抜けるジェルジュは本当にかっこいい。感覚を持つ敵と対峙したときの描写は非常に難解だが、雰囲気だけでも楽しめないことは無い。ちゃんと理解できて読むことができるのなら、最高に面白いところだと思う。
読むのが大変な小説ですが、読んだあとの達成感ときたらない。再読を重ねてちゃんと理解したい小説でした。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月30日に日本でレビュー済み
佐藤亜紀の小説をよんでしまったら自ら小説など書こうと志すことは
ためらってしまうだろう。
畸形的な想像力という面だけみれば、大江やその他もろもろ個性的な
作家はいるかもしれない。
しかし、文字をおうというただそれだけの快楽に忠実になれ、かつ、
エンターテイメントの極限へ導いてくれるこんな妙ちきりんな作家はまれだ。
「バルタザールの遍歴」でもそうだったが、ライトノベルばりの超能
力てんこもりの意匠も描写の多重性や纏いつくような感覚描写をなすための
方便かと思えるほどだ。
村上某も井坂某も彼女の作品の前では、色褪せてしか見えず、どうでも
いい作家にしか思えなくなってしまう。
今時の存命作家の小説の中で、暇つぶし以外の理由で読む価値がもし
あるとするなら、山尾悠子と佐藤亜紀のもの位だろう。
芥川賞はさておき、直木賞も本屋大賞もこのライトノベルがすごい!も
いったい何をみているのだろうか。類稀なる作家、感嘆。☆×10個。

不遜な言い方をすれば、この作品がメジャーにならないような日本の
小説界など、紙ゴミを消費する読書とともに消滅してしまってもなんら
惜しくないと思う。ホイホイと映像やほかのメディアに変換可能な物語
などに存在価値なんかもうほとんどないのだから。
参考資料としてでもなく、貴重な時間を割いて小説として文字を追う行為
にまだ何かの価値があるとすれば、この作品を読むようなところにしかな
いだろう。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月21日に日本でレビュー済み
佐藤亜紀は、真に貴族的な作家だ。
知識や理解の追いつかない読者などは、平然と置き去りにして走り去っていく。
しかし、かと言って高踏的な訳ではなく、通俗的なまでに(おそらく計算づくで)
読者の心を掴んで離さない(ところもある)。

スタイリッシュで躍動的かつ退廃的な登場人物に、スリリングな戦闘シーン。
細心の注意をもって短く刈り込まれた描写が生み出すリアリティと臨場感は、
異常なストーリーを違和感なく読者に受け容れさせる。

また、この小説の主眼たる超能力者の感覚に対する独自の表現は、説明が省略されすぎていて、
すぐには理解できない、けれど分かりたくなる、努力して少し分かる気になると、それが快感に転ずる。

でも、やはりちょっと待って欲しい。
高級レストランから出てきて、皆が皆、口々に美味しいと言い立てても、その味が
本当に分かっている人は、実は少ない。多くの人は、その格式に目眩まされて、
分かりませんとは恥ずかしくて言えないだけなのだ(かくいう私も...)。

ここで簡単なテストをしよう。
貴方は、「躱す」を辞書なしで読めますか。「頽れる」は読めなくても仕方がない。
また、「サラエボ事件」と聞いて、何のことか説明できますか。
もし、このテストに合格できないのであれば、悪いことは言わない。
貴方には、「天使」は早すぎる。

佐藤亜紀初めての人には、「バルタザールの遍歴」と「1809」を薦めたい。
「天使」は、その後でも遅くはないだろう。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
傑作。
文芸でも、かっこいい超能力/諜報モノはかけるんだ、という最高の証明。
作者は喜ばんだろうけど、推理作家協会賞とか星雲賞とかSFプロパも
賞をあげなきゃだめだよ。
超能力者同士の戦いの描写は、読んでいて頭が捻れそうになるし、
キャラも魅力的で、これなら大友や萩尾のコミックにも拮抗できる。
もちろん佐藤亜紀作品ですから、小中学生にもわかります。という
親切なエンタメ作ではないので、下記(ご亭主の解説)が参考になるでしょう。
[...]
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年3月13日に日本でレビュー済み
今まで小説を読んできて面白い小説はたくさんありましたが、
ずっと心に残るもの、となるとそんなに多くはありません。

この作品はずっと心に残ると思います。

確かに難しいです。
第一次大戦前後のヨーロッパ史の知識は必要だし
登場人物の立場や人間関係の説明は殆ど無し。

しかし、それでも読まずにはいられない魅力が溢れています。
とにかく個性的な登場人物達。
そして美しい「感覚」の描写。能力者同士の戦い。主人公の力。
説明が無いのは、それだけ緻密に物語が創られているから出来る事だと思います。

あと、今まで超能力というのは「五感+α」だと思ってましたが、
生まれながらにそんな能力を持っていればその能力の方がメインになるのは当然だな
と感じさせられました。

最高の超能力もの。映画化されたらいいなと思うけど、無理でしょうね。
『雲雀』と2つで1つなのでこちらも必読。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月29日に日本でレビュー済み
なんて緊張を強いられる小説だろう。

正直なところ、読むのはとてつもなく疲れる。脳の運動神経をフル稼働させることを要求されているようだった。

ジェルジュ・エスケルスは「一世代に精々一人か二人だ」という程、天賦に恵まれた“感覚”と呼ばれる能力を持っている。果たして“感覚”とは何か。それを超能力のように明らかに表現することは佐藤亜紀にとって屈辱でしかないだろう。佐藤亜紀は“感覚”をリズミカルな文体で感覚的に、艶かしい筆致で表現する。読者は努力さえ怠らなければ、ジェルジュや他の人物の“感覚”を共有することができる。感情の飛躍や揺れを小説という形式で、これ程までに映像的・音楽的に現すことに成功した作品があっただろうか。

三島由紀夫は「私には音楽が色に見える」という風な言葉を遺した。

「天使」では、紙というややもすれば乏しいメディアの上に印刷された黒い文字の羅列が最上の音楽や映画になるのだ。愉しみに溢れている。

しかし、気軽に天使を友人・知人に勧められるだろうか。結論否だ。「よくわからなかったから途中で読むのを止めた」と云われたらどれ程悲しいか。

だが、この作品をみんなに教えたい、“感覚”について皆と語り合いたい。けど、否定されたくない。私の独りよがりな我儘とはいえ、なんとも悲しいジレンマを私に感じさせる佐藤亜紀はとても罪深い小説家だ。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年6月29日に日本でレビュー済み
端正で熱のない文体は、最初に読むのをためらってしまうくらい。

「え?俺読んでもいいの?」と実際に思った。

けれど、この突き放されてる感覚は、物語を読み進めてく内に大きな錯覚であったと気付く。

一つ一つは目を留めて見るほどのものではないんだけれど、

それを丁寧につなぎ合わせていったら、いつの間にか凄く綺麗なオブジェが出来上がってた。

そんな感じがした。

僕は頭も悪く、趣味もヲタク丸出しな文学とは程遠い所にいるダメ人間ですが、

そんな自分でも最後まで読むことが出来ました。

分からない単語や読めない漢字、第1次世界大戦時の欧州の様子など、気になったところは調べてでも読みました。(プロイセンなどという国は聞いたことがなかった

物語が硬派なファンタジーであること、何より著者から語られる登場人物達の描写が

とてもとても美しかったことが、最後まで読ませる力を与えてくれたのだと思います。

とてもよい作品だと思います。大好きな小説です。
35人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年5月29日に日本でレビュー済み
佐藤亜紀の小説を読むのは初めてだ。難解という評を読んで、ある程度は覚悟していたが、非常に面白かった。
何と言っても、「感覚」の描写は素晴らしい。他人の頭の中を読み取り、支配し、殺しさえできる、この常人にはない能力を「見る」「触る」「突く」「撫でる」等、アクションを意味する動詞を駆使して表現する。SFは随分読み散らしてきたが、超能力に関してこんなに独創的で見事な表現を読んだのは初めてだ。
感傷のない、ドライな文体は、初めとっつきにくく感じられたが、慣れればすらすらと流れるように読める。伏線は縦横に張り巡らされ、キャラクターは魅力的だ。面白い。
ただ、これだけ面白い小説なのに、一方で物語がよくわからないのだ。世界史の授業を受けてから何年もたっている。正直言って、この時代の、この地域についてはほとんど何も知らない。ジェルジュがウイーンからベオグラードへ向かった、と言われても頭に浮かぶイメージは何もない。ベオグラードがどこにあるのか知らないからだ。「汽車でどこかへ行ったんだな」でしかない。それがわかる人向けにしか書いてないと言われればそれまでだが。
隣の部屋から聞こえてくるテレビの、音声だけ聞いてるような感じだった。面白い話なのはわかるが、映像がないのでちゃんと理解はできない、といったような・・。
この忙しい時代、読書を中断して背景知識を検索する読者が何人いるだろう。
せめて、第一次大戦当時の、この地域の地図が一枚ついていれば、と思った。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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