作品の後にスペシャル・エッセィ、あとがき、解説が添えられている。これらが面白い。私立探偵小説と本格探偵小説の相異や、本格ハードボイルドが日本に生まれないのはなぜかなど、どうでもいいことだが、読んでいて面白い。
しかし、そうした論争と本作品「魔」が面白いのかどうかということはまったく別のことである。読者としてのインタレストは要するに作品が面白ければいいのであって、作者が論客であるということとは無関係である。いつまで読んでも事件が起こらないというのでは、仕様がないし、起こった殺人事件もバックグラウンドの浅いチンケなものであれば、わたしは楽しいとは思わない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
魔―本格ミステリ・マスターズ (HONKAKU mystery masters) 単行本 – 2003/9/25
笠井 潔
(著)
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/9/25
- ISBN-104163217002
- ISBN-13978-4163217000
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
私立探偵・飛鳥井がサイコセラピスト・鷺沼晶子の依頼で、ストーカー、拒食症、家族破壊など日本の社会を揺るがす社会病理をヴィヴィッドに描く。笠井潔スペシャル・インタビューなども収録。『別冊文芸春秋』掲載を単行本化。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/9/25)
- 発売日 : 2003/9/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 312ページ
- ISBN-10 : 4163217002
- ISBN-13 : 978-4163217000
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,513,502位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 372,479位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2003年12月12日に日本でレビュー済み
本格ミステリ・マスターズと銘打たれた叢書の一編。作者は笠井潔。
笠井潔さんといえば『哲学者の密室』などに代表される思想的推理小説や
伝奇小説、本作に登場する私立探偵飛鳥井が活躍するハードボイルドなど
多方面で活躍する作家である。本作では私立探偵飛鳥井が、サイコセラピ
スト鷺沼の依頼で事件に関わっていく姿が描かれている。また、本格を
も自分のフィールドにしている著者らしく、ハードボイルドと謎解きが、
巧みに作品に織り込まれ、濃密な世界を作り出している。ハードボイルド
としては食い足りないと思う向きもあるかもしれないが、十分な水準に
達している佳作。巻末のエッセイも興味深い。
笠井潔さんといえば『哲学者の密室』などに代表される思想的推理小説や
伝奇小説、本作に登場する私立探偵飛鳥井が活躍するハードボイルドなど
多方面で活躍する作家である。本作では私立探偵飛鳥井が、サイコセラピ
スト鷺沼の依頼で事件に関わっていく姿が描かれている。また、本格を
も自分のフィールドにしている著者らしく、ハードボイルドと謎解きが、
巧みに作品に織り込まれ、濃密な世界を作り出している。ハードボイルド
としては食い足りないと思う向きもあるかもしれないが、十分な水準に
達している佳作。巻末のエッセイも興味深い。