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だりや荘 単行本 – 2004/7/22
井上 荒野
(著)
愛のありようは、ひとの数だけ
亡くなった両親が残したペンション、だりや荘。繊細な姉と明るい妹、妹の夫が引き継いだが……愛のやさしさと残酷さを鮮やかに描く
亡くなった両親が残したペンション、だりや荘。繊細な姉と明るい妹、妹の夫が引き継いだが……愛のやさしさと残酷さを鮮やかに描く
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2004/7/22
- ISBN-104163231706
- ISBN-13978-4163231709
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
亡くなった両親が残したペンション、だりや荘。繊細な姉と明るい妹、妹の夫が引き継いだが…。愛のやさしさと残酷さを鮮かに描く長篇小説。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2004/7/22)
- 発売日 : 2004/7/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 228ページ
- ISBN-10 : 4163231706
- ISBN-13 : 978-4163231709
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,075,933位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 49,269位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。1989年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞し、デビュー。2004年『潤一』(新潮文庫)で第11回島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』(新潮社)で第139回直木賞を受賞。『あなたがうまれたひ』(福音館書店)など絵本の翻訳も手掛けている。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同じ人を好きになってしまった姉妹の心理描写が圧巻。妹と結婚した夫は姉とも関係を続けていく。それでも、妹は姉への愛情を捨てきれない。さらに、過酷な状況に追い込まれても妹は全部を受け止めてしまう。年を経た時にどんな心境に変化をもたらすのか、興味が尽きない。
2010年10月3日に日本でレビュー済み
読みながらまず感じたのは「う〜ん、迅人、嫌い」ということでした(笑)。
奥さんがいるのに、隣に住んでいるその姉とも関係している、
自分は2人共大事にして愛してると思っている、
そりゃちょっと無理、都合よすぎ、
いつか破綻するのが目に見えてるって思わないのだろうか、と。
男は絶対ばれてないと思い込んでいるのに、妻(妹)はもう気がついている、
姉も、抑えているけれど苦しさが噴き出しかけている、
けれど間にたった男だけが何も気がつかず、何も見ようとせず
この平穏な暮らしがずっと続くと信じている、
そりゃ甘いよ、と読みながらずっと思ってしまいました。
人生、必ずしも道徳的に正しいことだけして生きられるとは限らないので、
不倫が絶対悪だというつもりはないけれど、
この迅人という男性は悪意がない分、あまりにも無頓着で愚かです。
姉妹が対照的な性格というのも意味深かな、と。
というか、相手を意識して育ってきたから、対照的になったのか?
近すぎる血縁の愛憎というか、お互い大好きなのにどこかで競っている、
同じ男と関係したのも、嫉妬と、奪ってやりたいという気持ちもあったんじゃないかと感じました。
中心にいる迅人以外、登場人物がみんな屈折していて、
どの人もまっすぐに生きることができない、
けれど破綻の結末になってしまったのは、それは結局、自己責任なのでは?
なんだかそんな非難がましい目で見てしまいました。
作品としては?う〜ん、微妙です。
読ませる力はあるけど、読み終わってみたらあまり何も残らないかも・・・。
奥さんがいるのに、隣に住んでいるその姉とも関係している、
自分は2人共大事にして愛してると思っている、
そりゃちょっと無理、都合よすぎ、
いつか破綻するのが目に見えてるって思わないのだろうか、と。
男は絶対ばれてないと思い込んでいるのに、妻(妹)はもう気がついている、
姉も、抑えているけれど苦しさが噴き出しかけている、
けれど間にたった男だけが何も気がつかず、何も見ようとせず
この平穏な暮らしがずっと続くと信じている、
そりゃ甘いよ、と読みながらずっと思ってしまいました。
人生、必ずしも道徳的に正しいことだけして生きられるとは限らないので、
不倫が絶対悪だというつもりはないけれど、
この迅人という男性は悪意がない分、あまりにも無頓着で愚かです。
姉妹が対照的な性格というのも意味深かな、と。
というか、相手を意識して育ってきたから、対照的になったのか?
近すぎる血縁の愛憎というか、お互い大好きなのにどこかで競っている、
同じ男と関係したのも、嫉妬と、奪ってやりたいという気持ちもあったんじゃないかと感じました。
中心にいる迅人以外、登場人物がみんな屈折していて、
どの人もまっすぐに生きることができない、
けれど破綻の結末になってしまったのは、それは結局、自己責任なのでは?
なんだかそんな非難がましい目で見てしまいました。
作品としては?う〜ん、微妙です。
読ませる力はあるけど、読み終わってみたらあまり何も残らないかも・・・。
2012年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
だりや壮という信州の山の中のペンションが舞台である。両親が9年前に開いた
ペンションであるが、その両親は1年前に車の事故で亡くなり、椿という30歳
をすぎた姉と、杏という28歳の妹と、その夫で指圧師をしている迅人の3人が
ペンションを引き継ぐことになる。妹夫婦は東京での暮らしをやめて山奥の村に
移ってくる、姉が二人を迎えることから物語は始まる。姉は病弱で時々発作を起
して倒れる。妹はそんなかよわい姉に対し保護者のような気持ちを持っている。
しかし姉と夫の迅人と関係があると杏は感じているが決して口にだすことはない。
淡々とペンションの仕事をこなしてゆく。この小説は姉の嘘、夫の嘘、妹の嘘、
三つの嘘が重なりあうところに生まれる静かな緊張を描いている。本書は通常の
恋愛小説と違い椿の嘘も杏の嘘も相手を傷つけまいとする気遣いの嘘になってい
る。
ペンションであるが、その両親は1年前に車の事故で亡くなり、椿という30歳
をすぎた姉と、杏という28歳の妹と、その夫で指圧師をしている迅人の3人が
ペンションを引き継ぐことになる。妹夫婦は東京での暮らしをやめて山奥の村に
移ってくる、姉が二人を迎えることから物語は始まる。姉は病弱で時々発作を起
して倒れる。妹はそんなかよわい姉に対し保護者のような気持ちを持っている。
しかし姉と夫の迅人と関係があると杏は感じているが決して口にだすことはない。
淡々とペンションの仕事をこなしてゆく。この小説は姉の嘘、夫の嘘、妹の嘘、
三つの嘘が重なりあうところに生まれる静かな緊張を描いている。本書は通常の
恋愛小説と違い椿の嘘も杏の嘘も相手を傷つけまいとする気遣いの嘘になってい
る。
2008年1月23日に日本でレビュー済み
山奥でペンション・だりや荘を経営する、美貌の姉妹と妹の夫。
いびつではあるが、バランスのとれた正三角形だったはずなのに、それは少しずつ哀しくなってゆく・・・。
美人ではかなげで病弱な姉・椿。
元気で無邪気で愛らしい妹・杏。
そして、にこやかで精悍で男前な迅人。
少女漫画のように、できすぎた登場人物たちだが、みんな魅力的で、好感がもてる。
逆に、作りものすぎるような人々の物語だからこそ、現実感のあるようなないような、危うい、「舞台のような」世界を生みだし、より「愛」の存在を引き立てているのだと思う。世俗的な瑣末なことにとらわれない、「愛」だけで成り立っている世界。
迅人のキャラは、女心のツボをつく。
身勝手で残酷。なのにすごくすごく惹かれてやまない。こんな人が身近にいたら、むかつくバカ大嫌いと言いながら、はまってしまうに違いない。
「雄」の見本のような人だと思う。ハーレムの王のような。
背徳的で、しかも行き場を失うくらいに突出してしまった「愛」。人を幸福にし、満ち足りた気持ちにさせるはずであるものが、人を壊し、不幸にしてしまうこともある。それはとても不吉で、もどかしく、官能的で、心をひっかく。
山荘での、美貌の男女の恋愛物語という点では、小池真理子の何編かの作品を彷彿とさせる。
いびつではあるが、バランスのとれた正三角形だったはずなのに、それは少しずつ哀しくなってゆく・・・。
美人ではかなげで病弱な姉・椿。
元気で無邪気で愛らしい妹・杏。
そして、にこやかで精悍で男前な迅人。
少女漫画のように、できすぎた登場人物たちだが、みんな魅力的で、好感がもてる。
逆に、作りものすぎるような人々の物語だからこそ、現実感のあるようなないような、危うい、「舞台のような」世界を生みだし、より「愛」の存在を引き立てているのだと思う。世俗的な瑣末なことにとらわれない、「愛」だけで成り立っている世界。
迅人のキャラは、女心のツボをつく。
身勝手で残酷。なのにすごくすごく惹かれてやまない。こんな人が身近にいたら、むかつくバカ大嫌いと言いながら、はまってしまうに違いない。
「雄」の見本のような人だと思う。ハーレムの王のような。
背徳的で、しかも行き場を失うくらいに突出してしまった「愛」。人を幸福にし、満ち足りた気持ちにさせるはずであるものが、人を壊し、不幸にしてしまうこともある。それはとても不吉で、もどかしく、官能的で、心をひっかく。
山荘での、美貌の男女の恋愛物語という点では、小池真理子の何編かの作品を彷彿とさせる。
2011年5月28日に日本でレビュー済み
作者の著書はこれが初めて。
賞を獲った本だというのも、ここで初めて知った。
読みながら思ったのが、男ってバカだなということ。でも女も愚か。
人を好きになるって本当に人をダメにさせると、
共感はしなかったけれど、どこか羨ましく思いながら読んだ。
また、違う本も読んでみたい。
賞を獲った本だというのも、ここで初めて知った。
読みながら思ったのが、男ってバカだなということ。でも女も愚か。
人を好きになるって本当に人をダメにさせると、
共感はしなかったけれど、どこか羨ましく思いながら読んだ。
また、違う本も読んでみたい。
2007年8月18日に日本でレビュー済み
読み終えた後、でっかい重い塊が気持ちにつかえて、しばらくこの本のことばかりかんがえていました。
自分の中でどう整理をつけたらいいのかとても悩ましかったです。
みがってな迅人、その妻でいわゆる”陽”の杏、病気がちで”陰”な椿。美しい風景と移り変わる四季、
おいしそうな食事の中で物語が静かに進行していくのですが、
次第に明かされるこの3本の糸の微妙なバランスでのからまり。どんどんそのバランスがあやういものになっていく。
そこにさらにもう1本がからまり、そして崩れ始める。
3人の視点で順番にかたられていき、その微妙なずれも危うさを助長させる・・・。
本当に失いたくないものを2つ抱え続けるために、杏はこうするしかなったのだろう。
一度すすんだ方向は、けっして戻れない。杏は、今後もきっと割り切って生きて行くのであろう。
自分の中でどう整理をつけたらいいのかとても悩ましかったです。
みがってな迅人、その妻でいわゆる”陽”の杏、病気がちで”陰”な椿。美しい風景と移り変わる四季、
おいしそうな食事の中で物語が静かに進行していくのですが、
次第に明かされるこの3本の糸の微妙なバランスでのからまり。どんどんそのバランスがあやういものになっていく。
そこにさらにもう1本がからまり、そして崩れ始める。
3人の視点で順番にかたられていき、その微妙なずれも危うさを助長させる・・・。
本当に失いたくないものを2つ抱え続けるために、杏はこうするしかなったのだろう。
一度すすんだ方向は、けっして戻れない。杏は、今後もきっと割り切って生きて行くのであろう。
2008年8月28日に日本でレビュー済み
これから良い作品をどんどん書いていく予感を感じさせられました。ただ、本作については、巧みな筋立てであることは認めますが、登場人物同士を関係付けたりつなぎとめたりする接着剤のようなものにいつも性行為が用いられるので、読んでいていい加減ウンザリでした。そりゃそうかもしれませんが、すこし安易すぎませんか。それと、章段内の小段落の終わりの一行が必ず、謎かけや種明かしになっていて、もちろん読ませる工夫には違いありませんが、こう繰り返されると、飽き始められたお笑いコンビの決め台詞みたく、「なんだかなぁ」と辟易してしまいました。また、二人姉妹は姉がおっとりした物静かな美人で、妹は対照的な活発なタイプでないとダメなのでしょうか。これも、読者をバカにしているように読めば読めるような気がします。ただ、こうまで書いたあとで取ってつけたようですが、読ませるツボを心得た文章と物語を展開させていく力量には、確かな手ごたえを感じるので、これ以外の作品も読んでみる価値のある作家であるように思います。しかし、直木賞を取ったというだけで手に取った本書は、その表紙と題名からもっとほのぼのした物語かと思ってましたが、読み終わって改めて表紙の絵を眺めてみると、同じ絵が読む前とは違ってまるでそれが箱庭のように見えるのですから、やはり力のある人なのでしょう。
2008年8月19日に日本でレビュー済み
少女コミックの人物を髣髴させる美男美女。ペンションを舞台の恋愛劇。いつもなら数ページ読んで止めてしまうのだが、だんだん引き込まれていった。姉妹が同じ男を愛するというパターンは、小説でもコミックでもよく見かけるが、セックスで二人の心をつかんでいると思っている妹の夫が滑稽に見えてくる。
ここには生活感とか生活臭といったものはない。常に収支を計算しながら商売するといった常識も、脇に寄せられている。お客には不自由していなそうだ。作者はなにが書きたかったのだろうか?私には、姉妹の絆の強さ、お互いを思う気持ちを書きたかったのではないかと思う。
姉は自殺しようと考えて山中に向かう。妹をこれ以上傷つけたくはない、しかし、男なしには生きられないと考えているから。妹は姉の自殺未遂を知り、夫などいなかった日々に戻ればよいと考える。性にたいする男と女の受けとめ方の違いが、よく描かれている。
しかし、なにか物足りない。生活臭を出せていないことが、弱点になっているように思えるのだが。
ここには生活感とか生活臭といったものはない。常に収支を計算しながら商売するといった常識も、脇に寄せられている。お客には不自由していなそうだ。作者はなにが書きたかったのだろうか?私には、姉妹の絆の強さ、お互いを思う気持ちを書きたかったのではないかと思う。
姉は自殺しようと考えて山中に向かう。妹をこれ以上傷つけたくはない、しかし、男なしには生きられないと考えているから。妹は姉の自殺未遂を知り、夫などいなかった日々に戻ればよいと考える。性にたいする男と女の受けとめ方の違いが、よく描かれている。
しかし、なにか物足りない。生活臭を出せていないことが、弱点になっているように思えるのだが。