無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
黙の部屋 単行本 – 2005/4/1
- 本の長さ411ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104163239006
- ISBN-13978-4163239002
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 411ページ
- ISBN-10 : 4163239006
- ISBN-13 : 978-4163239002
- Amazon 売れ筋ランキング: - 256,464位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 73,880位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
埼玉県出身。早稲田大学文学部卒業後、JTBに入社、雑誌『旅』などの編集に携わる。
88年、『五つの棺』(のち『七つの棺』として文庫化/創元推理文庫)でデビュー。88年、『倒錯のロンド』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞候補、95年、『沈黙の教室』(ハヤカワ文庫)で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。主な作品に、『倒錯の死角』『倒錯の帰結』『異人たちの館』(講談社文庫)、『冤罪者』『失踪者』『天井男の奇想』(文春文庫)、『逃亡者』『追悼者』(文藝春秋)、『暗闇の教室』(ハヤカワ文庫)など。
謎の画家、石田黙の作品を収集。05年、石田黙作品集にして美術ミステリである『黙の部屋』(文藝春秋/現在文春文庫)を発表。
07年6月、石田黙のコレクション展(石田黙展)を文藝春秋画廊・地下室で開く。
11年5月、メメント・モリ(折原一骸骨絵コレクション展)を同画廊で開く。
18年10月、ヴァニラ画廊にて、メメント・モリ展&石田黙展を開く。
現在、日本推理作家協会会員。
著者ホームページ 「沈黙の部屋」http://orihara1.la.coocan.jp/
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
期待していた反転は起こらなかったものの、
誰が独白していたのか、本当の画家は誰なのか、
そもそも石田黙とは?
と、虚実が入り交じって楽しく読めた。
ネットオークションの下りも、経験があったせいでリアルにわかり、それも面白かった。
この人にたまにある、妙に粘着質な男女のからみシーンもなかったし。
いろいろな角度から楽しめた作品だった。
それぞれの心理や状態が交互に語られ、一気に世界に入り込めます。
ただ絵画の描写を読んだだけでははっきりと絵画の全貌が掴めて来ず、
ビジュアルを見なければイメージは容易ではありません。
もう少し黙の絵の描写を繊細に書いて欲しかったと思います。
中盤にさしかかるにつれ、裕子の性格の設定や会話に至るまで、
正体が明かされてから彼女の魅力が一気に半減しています。
芸術家である設定をもっと生かして欲しかった、あれではただ普通の女でしかなくなっています。
裕子に芸術家気質のような読み手を期待させるようなものを持たせることもなく、
中盤以降はただラストに向かって大きな展開もなく淡々と進んでしまいます。
物語の記憶はあまり残らなくとも、石田黙の絵は強烈な印象を与えてくれますが値段を考えると、
図書館で十分な読み物だと思います。
この書籍の試み自体は面白い。サスペンス、ミステリ作品として一方で実在の画家・石田黙の魅力を知ってもらおう、というもの。著者・折原一氏が、いかに石田黙の作品を評価しているかは良く伝わってくるし、また、その折原一氏のホームページに書かれている、折原氏自身の石田黙へ辿る道と本作の主人公・水島の行動にダブっている部分などが垣間見えたりした面白さもあった。
…ただ、では純粋にサスペンス作品、ミステリ作品として見たらどうだろうか? というとちょっと微妙。事実に基づく部分が多い、という制約も多いためだろうが、正直盛り上がりに欠け、トリックなどもあまり…という感じだ。
著者の熱意は伝わってくるが…。
冒頭からしばらくは、謎の画家や、平行して書かれている監禁された男など、この先がどうなるのかというわくわく感が存在していた。
それが中盤からは、だれてくる。
まず、登場人物に魅力が乏しい。謎の女の存在も、実像を結んだとたんさほどの魅力の持ち主とは到底思えない。
石田黙という謎の画家の作品も魅力のある無しが大きく分かれるところだろう。
江戸川乱歩の本の装丁であると言われたら納得する。
つまり、美術専門雑誌の編集長をはじめ、見る側のプロである人々を魅了するのかなあと思いながら読み続けた。
オークションの出品者や落札者など、見えない人間が登場してこれからこれらがどうなってゆくのかまでは面白い。
だが、とても残念なことに後半がそれを生かしきらない。
最期まで引っ張ってゆく原動力になる謎もトリックも、明かされる人間の実像も、おそろしくつまらない。
こうなると因縁や恩讐、芸術も人物もすべてが同じ色、同じ浅瀬のストーリーに見えてくる。
面白くなりそうだと思っていた前半までが、凡庸な結末でお茶を濁されてしまったようでならない。