ワクワクしながらページをめくり、人の優しさに涙し、読み終えた今
柔らかな光に包まれたような充実感にひたっています。
上司と不倫した末に捨てられた主人公は、自暴自棄で公園に佇んでいたら、突然ガーンと頭に衝撃を受け、気がついたら、なんと皆んながおかめ顔した平安時代にタイムトラベルしてしまいました。
(ここまではよくあるネタですが、ここからがタダモンじゃない)
どうやら肉体の主は小袖という女官で、仕えている方は紫式部の正体とされている香子様だったのです。
小袖の頭の中にいる主人公は高校の時に文芸部に所属していたので、源氏物語は訳本ですが一通り読んでいました。
香子様のアシスタントとしてネタ探しに奔走する小袖ちゃんは、噂を聞きつけるたびに「これは末摘花だわ、この話は葵ね」とピンときて、取材に行った話しを香子様にあげ、香子様はそれを元に物語を書いていきます。
小袖ちゃんが平安時代に来てビックリした日常のtriviaネタが満載で、それがまた興味をそそられます。
例えば身分の高い女性は滅多なことでは立ち上がらずに、膝をついたままズリズリ移動するのだそう。部屋の中をズリズリ女たちが行き交うのは、想像しただけで笑えます。
トイレ事情も笑いながら読んじゃいました(雅な平安時代小説には決して出てきません)
源氏物語にからめたミステリー的な要素もあり、それもこの作品に花を添えています。
香子さんが源氏物語を書こうと思い立った動機には、うるっと感動してしまいました。
あー、楽しかった❣️いい作品でした。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
小袖日記 単行本 – 2007/4/1
柴田 よしき
(著)
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/4/1
- ISBN-104163258906
- ISBN-13978-4163258904
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/4/1)
- 発売日 : 2007/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 271ページ
- ISBN-10 : 4163258906
- ISBN-13 : 978-4163258904
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,034,713位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 256,948位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1995年、『RIKO―女神の永遠―』で横溝正史賞を受賞。受賞作の主人公である村上緑子は、従来の女性刑事のイメージを一新したキャラクターとして人 気を獲得した。以後、村上緑子シリーズの他、京都を舞台に壮大なスケールで展開する伝奇小説「炎都」シリーズ、猫を主人公にした猫好き必読の本格推理小説 「猫探偵正太郎」シリーズなど、ジャンルを超えて、幅広く意欲作を発表し続けている(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 やってられない月曜日 (ISBN-13: 978-4101396262)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年4月27日に日本でレビュー済み
失恋した女性が平安時代にタイムトリップ。「源氏物語」を執筆する香子さまのために
モデルを探したり取材やインタビューをしたりする「小袖」という女房と入れ替わって
しまったらしく、そのお仕事も取りあえずやってみることに。これは夕顔の、
これは葵の上の、そしてこっちが末摘花のモデルね、と、わずかな古典の知識を
思い出しつつ取材をするうちに、末摘花は不細工、とか、六条御息所はシット深い、
とか、そういう情報はフィクションで、実際のモデルの女性たちはもっと生身の
女性として生きていたことを知り、自分の恋愛観についてもいろいろ考えることになる…
という、古き良き時代のコバルト文庫風の、古典をモチーフにしたSFエンタテイメント。
柴田さんらしく「末摘花は見たところ不細工じゃないのになぜ後世には凄くブスって
伝わっちゃったのか」とか「父の入道の言いなりで源氏の相手をした明石の君に
意志はなかったのか」とか、突っ込みどころ満載の源氏物語に対してユーモラスな
答を用意している。それぞれの女性の秘密の描写は、ミステリー作家としての柴田さんの
センスでなかなかどれも面白い。時間旅行もののお約束「主人公はもといた時代に
無事に戻れるのか?」「戻ったとして、トリップ前より幸せになったり成長してたり
するのか?」という点でも爽やかなエンディングになっていると思います。
モデルを探したり取材やインタビューをしたりする「小袖」という女房と入れ替わって
しまったらしく、そのお仕事も取りあえずやってみることに。これは夕顔の、
これは葵の上の、そしてこっちが末摘花のモデルね、と、わずかな古典の知識を
思い出しつつ取材をするうちに、末摘花は不細工、とか、六条御息所はシット深い、
とか、そういう情報はフィクションで、実際のモデルの女性たちはもっと生身の
女性として生きていたことを知り、自分の恋愛観についてもいろいろ考えることになる…
という、古き良き時代のコバルト文庫風の、古典をモチーフにしたSFエンタテイメント。
柴田さんらしく「末摘花は見たところ不細工じゃないのになぜ後世には凄くブスって
伝わっちゃったのか」とか「父の入道の言いなりで源氏の相手をした明石の君に
意志はなかったのか」とか、突っ込みどころ満載の源氏物語に対してユーモラスな
答を用意している。それぞれの女性の秘密の描写は、ミステリー作家としての柴田さんの
センスでなかなかどれも面白い。時間旅行もののお約束「主人公はもといた時代に
無事に戻れるのか?」「戻ったとして、トリップ前より幸せになったり成長してたり
するのか?」という点でも爽やかなエンディングになっていると思います。
2017年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
十二単を着た悪魔 と同じ、タイムスリップで平安時代に飛ばされた人の話。現代人のオーエルが、平安時代の下働きの女官になった。当時の生活のたいへんさも、書かれているのが興味深い。現代人にとって、どれだけ生活しづらいかが、おぼろげながら理解できる。甘いものも飲み物も我慢。コンビニがあったら・・・・。主人公 小袖と、女主人香子様が、さまざまな問題を解決してゆく。小袖の気持ちに寄り添い、応援したくなる。この調子で、40,50歳まで二人三脚で活躍して欲しかった。若紫の巻で、状況が一変。もう一人の現代からタイムスリップしてきた人との出会い。現代に戻ることに。
2021年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スラスラ読めて、そこそこ面白かったです。
でもミステリーにしてもSFにしで物足りないし、ちょっと残念な感じ。
平安時代のあれこれは勉強になりました。
でもミステリーにしてもSFにしで物足りないし、ちょっと残念な感じ。
平安時代のあれこれは勉強になりました。
2011年4月27日に日本でレビュー済み
非常に分類がしにくい作品である。
あえて分けるなら、「源氏物語を題材にした歴史ミステリー」だろう。
主人公は現代のOL(30歳・不倫してた彼にフラれたばかり)なのだが、
なんの因果か、平安時代(によく似た世界?)の「小袖」という女官と
中身が入れ違ってしまうところから物語は始まる。
この「小袖」、二人組の作家「紫式部」の片割れで、源氏物語を執筆中。
小袖になっちゃった主人公は、ゴシップ記者よろしく、源氏物語のネタ集めに奔走するはめになるのだ。
平安時代は現代だと「ありえねー!」ということがまかり通っていたわけだが、
この作品では、そこに現代的解釈を持ち込んで、謎を解き明かしていく。
かといって、源氏物語の世界観をぶち壊すような不快感は感じられないのだ。
それはきっと、平安時代の文化が正しく描かれていることで、SF特融の突拍子のなさを感じないからだろう。
連続した内容の短編集だが、とにかくテンポよく、気持ちよく、難しくない作品である。
源氏物語の内容を知っていた方が楽しめるので、ぜひ予習をしてから読んでいただきたい。
あえて分けるなら、「源氏物語を題材にした歴史ミステリー」だろう。
主人公は現代のOL(30歳・不倫してた彼にフラれたばかり)なのだが、
なんの因果か、平安時代(によく似た世界?)の「小袖」という女官と
中身が入れ違ってしまうところから物語は始まる。
この「小袖」、二人組の作家「紫式部」の片割れで、源氏物語を執筆中。
小袖になっちゃった主人公は、ゴシップ記者よろしく、源氏物語のネタ集めに奔走するはめになるのだ。
平安時代は現代だと「ありえねー!」ということがまかり通っていたわけだが、
この作品では、そこに現代的解釈を持ち込んで、謎を解き明かしていく。
かといって、源氏物語の世界観をぶち壊すような不快感は感じられないのだ。
それはきっと、平安時代の文化が正しく描かれていることで、SF特融の突拍子のなさを感じないからだろう。
連続した内容の短編集だが、とにかくテンポよく、気持ちよく、難しくない作品である。
源氏物語の内容を知っていた方が楽しめるので、ぜひ予習をしてから読んでいただきたい。
2007年8月1日に日本でレビュー済み
主人公が、平安時代にタイムスリップする所から物語ははじまる。雷に打たれて気が付くとそこは平安時代で周りは、
おかめ顔ばかり(^^;なんとタイムスリップした折りに当時の女性「小袖」と中味だけ入れ替わってしまったのだ!!
そして、その小袖とは源氏物語の執筆者である紫式部のもとで働いており。執筆のお手伝いとして物語の題材を集めて
いる今でいう記者の役目をしているのだ。。『源氏物語』の中で出て来る女性達のに関するお話が、なんとも良かった。
一人の男性を思う切ない気持ち…。そうかと思えば、力強いその生き方をする女性あり…。源氏物語の解釈を柴田さん
なりにアレンジしていてなかなか良かったです。当時も今も力強く生きる女性の姿そして生き生きとしたその姿勢は、
好感が持てます♪
ぜひ今度は、未来にタイムスリップした小袖自身の観点から作品を描いてもらいたいです♪
おかめ顔ばかり(^^;なんとタイムスリップした折りに当時の女性「小袖」と中味だけ入れ替わってしまったのだ!!
そして、その小袖とは源氏物語の執筆者である紫式部のもとで働いており。執筆のお手伝いとして物語の題材を集めて
いる今でいう記者の役目をしているのだ。。『源氏物語』の中で出て来る女性達のに関するお話が、なんとも良かった。
一人の男性を思う切ない気持ち…。そうかと思えば、力強いその生き方をする女性あり…。源氏物語の解釈を柴田さん
なりにアレンジしていてなかなか良かったです。当時も今も力強く生きる女性の姿そして生き生きとしたその姿勢は、
好感が持てます♪
ぜひ今度は、未来にタイムスリップした小袖自身の観点から作品を描いてもらいたいです♪
2010年8月2日に日本でレビュー済み
おそらく現代人のほとんどが密かに感じているであろう、「光源氏最低!」とか「犯罪だぞあれは」(そんなこと言うと白い目で見られると思うから誰も言わない)というのがぽんぽん出てきて心地よい。ふつうの生活感がにじみ出ているのもよい(町のにおいとか)。何よりも重苦しくなく、格調高くないのがよい。そこらへんの古典入門書よりよっぽど興味を持つ人が多いのでは。古典苦手!という人には特におすすめです。
2020年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一人称が「あたし」。「わたし」ではなく、「あたし」。この一人称が目障りで仕方なく、読むのが苦痛になり、20%程度で読むのを止めました。