お届け先を選択
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

オブ・ザ・ベースボール 単行本 – 2008/2/14

3.7 5つ星のうち3.7 42個の評価

空から人が降ってくる町、それをバットで打ち返すレスキュー隊。綱渡りのようなナンセンスを支える知性が輝く、文學界新人賞受賞作
続きを読む もっと少なく読む

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2008/2/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/2/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 153ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163267301
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163267302
  • カスタマーレビュー:
    3.7 5つ星のうち3.7 42個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
円城 塔
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう

カスタマーレビュー

星5つ中3.7つ
5つのうち3.7つ
42グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2017年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
円城塔さんの本を読むのは3冊目。
『Self-Reference ENGINE』を読んだ時は「でもね、わかんないけど面白い、それが小説だよね。」と書いた。
『バナナ剥きには最適の日々』を読んだ時は「おもしろいんだから、わかる/わからないなんて、どうでもいいんじゃない?」と書いた。
面白いと言いながら、わかることを放棄したような感想。

本書も頭を捻りながらも面白く読んだ。
難解だ、不条理だという評もあるようだが、これよりもっとわからない小説は他にあるし、
個人的には小説に条理を求めているわけではないし。ただ、頭を捻る分、運動不足の脳が疲れる。

「オブ・ザ・ベースボール」「つぎの著者につづく」の2編を収めた本。

「オブ・ザ・ベースボール」
人が落ちてくる町に野球チームのようなレスキューチームがあるという設定だが、
落下という現象と、そんなことあるの?という存在についての話と考えれば、
というか、読み手側が何らかの前提を置いて読めば、気軽に面白く読めるように思う。

「つぎの著者につづく」
文章の成立ということを考えると、文字や文字の連なりとか、書き手/読み手とか、
出版とか、読む機会や書棚とか、いろいろな事柄が思いつくが、
それらについてさまざまな文章・思考を引用してしつつ、
書くこととは、読むこととは、その間にある文章とは、などが綴られているように感じて、
意外と(?)楽しく読めた。

いずれも、とにかく書き続けるよという著者の意志のようなものが読後に漂って、
じゃあこっちも読み続けるよ、と思うのだった。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題「オブ・ザ・ベースボール」については
星新一の話を長くした感じだった
そのために星新一なら五頁ほどで終わる話を永遠と百頁近く読まされていうような気になって
後半はきつくなった

一方、もうひとつの話については
まあこちらもなんだかよくわからない話を
只々一方的に聞かされている感じだった
でも思いのほか苦痛には感じなかった
全部理解しているわけではないけど妙な中毒性を感じた
ある人にとっては癖になるかもしれない
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
  円城塔の純文学路線におけるデビュー作らしい。芥川賞受賞の「道化師の蝶」みたいな感じか。確かにハードSFを全面に出さず、「読み易い」。が、無論従来の「文学」に当てはまるような作品ではなく、説明を放棄した不条理文学と言えば一番近いだろうか。表題作は年に1度だけ人間が空から振って来る町で、その人物を助けるのを仕事としたレスキューチームがバットで打ち返してしまった話。しかも打った男と打たれた男は同一人物だと言う...何だか妙にペーソスの漂う話だった。そしてもう一作は、博覧強記な作者の読書歴をベースにした作品。
 読み易くはあるが、作者の作品は基本理解不能である。だが、読んでいて不思議なくらい心地良く、なぜか読後感も良い。まるで脳内麻薬のようなもので、癖になるので注意が必要。円城塔はそんな作家である。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
途中で落ちに気付いてしまったけど、
しっかり描写されてくれていたので助かった。
しかし面白い。
2008年5月25日に日本でレビュー済み
先ずはじめに言っておくと、星1つという評価は間違いである。
最低でも星4つ、おそらくは星5つが適当な評価であろう。

敢えて間違った星の与え方をしたのは、根本的な問題として、
この作品が何かの間違いだとしか思われないからだ。

まったく。何ゆえこの作品が一般文芸誌において新人賞を受賞し、
あまつさえ芥川賞の候補になってしまったのか。理解に苦しむ。
どこか早い段階でSFマガジン編集部へこっそり原稿を置き捨ててくるという、
ただそれだけのことが、どうして誰にもできなかったのであろうか。

「世界のなめ方において、群を抜いている」とは、
帯に引用されている、島田雅彦氏による選評の言葉である。
これほど的確な評価は先ずないだろう。
しかし、だからこそ、そういう作品が文学の主流において
一定程度の評価を受けるというのは、どう考えても間違いである。

(もっともこれは本作の評価としての場合であり、
 円城塔氏その人が世界をなめきった人間かというと、
 Boy’s Surface 所収の Your Heads Only を読むかぎり、
 実はかなり切実な問題意識を持っているんじゃないかとも思う。
 まあ、現代日本においてクイア・スタディーズが
 どれだけ切実な問題として取り上げられるかは、期待の程もないのだが)

文學界新人賞受賞作、あるいは芥川賞受賞作としてこの書を手に取る
大多数の人々にとっては、まあ、紛れもなく星1つの作品だろう。
かく言う自分も、常識的なねじを締めた状態では、同様の評価を下す。
ただ、頭のねじを緩めることに快感を覚えてしまうどうしようもない人々、
具体的には同著者の既刊を楽しんで読んだ方々については、
何の疑念も躊躇もなく「みんな大好きEJT!」としてオススメできる。
67人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年8月21日に日本でレビュー済み
円城塔氏の作品を読むのはこれが初めてだった。だから比較ができないのだが、それでも表題作「オブ・ザ・ベースボール」は氏の作品の中では恐らく読みやすい方なのではないかと想像する。

町に一年に一度くらいの割合で人が降ってくる。そのためにレスキューチームの9名が各自守備位置につくが、持っているのはグローブではなくバットである。決してベースボールチームではない。
何故人が降ってくるのか。何故バットなのか。数々の不条理を主人公が論理的に、或いは非論理的に淡々と語っていくのが面白い。
最後に何か大きなオチがあるようなタイプの話ではないので、そういうクライマックスを期待する方は読まない方がいいだろう。
恋愛とか家庭とか会社の人間関係とか、そういうじっとりとした粘着質なものに疲れたとき、こういうからっとした明るく狂っている小説に救われる。頭に浮かぶのは土煙の巻き上がる渇いた野球場だ。決してベースボールの話ではないのだけれど。

表題作の他にもう一作「つぎの著者につづく」が収録されている。
こちらは筆者の厖大な知識にただただ圧倒される。注釈が山のように付いている。ひたすら読みにくい。
ただ、全く知らない人間の文章と同じものを全く知らないまま書くことが可能なのだろうか、という問いかけの面白さがあって、話の筋としては好きだった。

とっつきやすい「オブ・ザ・ベースボール」と読みにくい「つぎの著者につづく」。
両方読んで円城塔ワールドの入り口にようやく立った感じだろうか。
今回は評価を星三つとしたが、気分は「つぎの作品につづく」。
自分が理解できる話であってくれよと願いつつ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題作と次の著者につづくのギャップが面白い。ファウルズの何もない感じが好き
2016年7月20日に日本でレビュー済み
とても軽快な語り口で語られていく落ちてくる人を打ち返そうとする不条理な物語。ほかの作品もそうかもしれませんが、円城さんは二重否定を頻繁に使ったり必ず理系のアイデアが詰めこまれていたりと語り方がとても独特でなかなか小気味よくて素晴らしいのですが、物語単体ではストーリーラインがあまりないという印象を受けます。好き嫌いがはっきりと出る方だと思います。